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冬の本 単行本 – 2012/12/12
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冬に読んだ本や、冬になったら思い出す本。
冬に出会った本や、まるで冬のような本。
作家や音楽家や愛書家。本を愛する84人が、約千字で「冬」と「1冊の本」についてのエッセイを書き下ろしました。
装丁は和田誠さん。
冬と本の魅力がつまった、プレゼントに最適の1冊です。
今年から冬は読書。84とおりの冬の読書。
冬に出会った本や、まるで冬のような本。
作家や音楽家や愛書家。本を愛する84人が、約千字で「冬」と「1冊の本」についてのエッセイを書き下ろしました。
装丁は和田誠さん。
冬と本の魅力がつまった、プレゼントに最適の1冊です。
今年から冬は読書。84とおりの冬の読書。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社夏葉社
- 発売日2012/12/12
- ISBN-104904816072
- ISBN-13978-4904816073
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ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
冬に読んだ本。冬になると思い出す本。まるで冬のような本。「冬」と「1冊の本」をめぐる、新しいエッセイ集。
著者について
青山南、秋葉直哉、淺野卓夫、天野祐吉、安西水丸、いがらしみきお、池内紀、池内了、石川美南、井嶋ナギ、伊藤比呂美、伊藤礼、井上理津子、岩瀬成子、上原隆、宇田智子、内堀弘、大竹昭子、大竹聡、大谷能生、岡尾美代子、岡崎武志、荻原魚雷、角田光代、片岡義男、木内昇、北澤夏音、北沢街子、北村薫、北村知之、久住昌之、小林エリカ、越川道夫、小西康陽、近藤雄生、佐伯一麦、柴田元幸、杉江由次、杉田比呂美、鈴木慶一、鈴木卓爾、鈴木理策、曽我部恵一、高橋靖子、高山なおみ、田口史人、竹熊健太郎、武田花、田尻久子、田中美穂、丹治史彦、友部正人、直枝政広、長崎訓子、名久井直子、能町みね子、橋口幸子、蜂飼耳、服部文祥、浜田真理子、早川義夫、平田俊子、平松洋子、文月悠光、穂村弘、堀込高樹、堀部篤史、ホンマタカシ、前野健太、万城目学、又吉直樹、松浦寿輝、町田康、南博、森山裕之、安田謙一、柳下美恵、山崎ナオコーラ、山下賢二、山田太一、山本善行、吉澤美香、吉田篤弘、吉本由美。
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登録情報
- 出版社 : 夏葉社 (2012/12/12)
- 発売日 : 2012/12/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4904816072
- ISBN-13 : 978-4904816073
- Amazon 売れ筋ランキング: - 95,764位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 178位読書法
- - 1,568位近現代日本のエッセー・随筆
- - 4,477位評論・文学ガイド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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「冬」と「本」というキーワードに関するエピソードを紹介しながら、約1000字で書かれたエッセイ集でした。
本の体裁で言えば、ちょうど見開き2ページで1つのタイトルが完結するわけですから、読みやすさは格別です。文字数も1000字程度ですので、当方のレビューの勉強にもなりましたし、冬の寒さを実感しながら手に取ったわけですから、それぞれの状況も皮膚感覚で共感しながら読了しました。
はじめにで書かれていますが「冬が物語の舞台になった本。まるで冬のような本。冬になると思い出す本。いくつものあざやかな冬のかたちが、毎日届けられるぜいたくな時間を楽しみました。」とある通りです。装幀は和田誠さんが担当され、本書のテーマや温かみを具体的なイメージとして描いていました。
幅広いジャンルの書き手が集まっていますし、巧みな文章の流れは鮮やかなものでした。配列も執筆者の五十音順という並びで、潔さを感じさせるものでした。
難を言えば、優れた執筆者群を擁しながらも、1000字で読み手を納得させるエッセイの構築の難しさを感じ取りました。著名な小説家、エッセイストをもってしても結構難題だったのではないでしょうか。
気に入ったエッセイに触れることにします。
上原隆「本を閉じると」のラスト2行の鮮やかな転換はお見事でした。どのカップルにもある日常の一こまでしょう。オチが決まれば文は締まります。
岡崎武志「冬の夜のカルテット」での哲学の道、疏水べりのレストラン、弦楽四重奏と筆者の若き日の寒さを耐える日との鮮やかな対比もまた印象に残るものでした。
小西康陽「指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは。」の前半の箇所から、上手く後半につなげ、ラストの2行で鮮やかな収束を見るといった構成はエッセイのお手本のような文章でした。
佐伯一麦「手あぶりしながら・・・」で引用されている柴田翔「ロクタル管の話」で遠い過去の記憶が蘇ってきました。筆者と同じ思いを抱きながら読んだことを。
杉江由次「誕生」も心温まる文でした。人生のある日をここまで見事に紡ぎだせる文章の能力に憧れを感じさせるエッセイでした。
「みじめで情けない」太宰治の「人間失格」に「身に覚えがあるからだろうか」と問いかける早川義夫「冬の本」のエッセイからは彼の音楽と通ずるものを感じました。
又吉直樹「なにもない冬」にも感心しました。読書家だけあって読ませる展開ですし、内容でした。
大好きな北村薫の「舞踏会の手帖」、同じく好きな万城目学「どんぐり」なども所収してあり、小さな本なのに中身が充実しており、本が好きな方にはお勧めできると思いました。
この夏葉社を一人で経営し、運営されている島田潤一郎さんの奮闘努力ぶりを想像しますと、逆によくこれだけの執筆陣を集められたということに驚嘆しています。
なお、ご参考までに84人の執筆者名を列記します。人名ですが、一部当用漢字で表記させて頂いた方もあります。間違いがないように見直しはしたつもりですが。
青山南、秋葉直哉、浅野卓夫、天野祐吉、安西水丸、いがらしみきお、池内紀、池内了、石川美南、井嶋ナギ、伊藤比呂美、伊藤礼、井上理津子、岩瀬成子、上原隆、宇田智子、内堀弘、大竹昭子、大竹聡、大谷能生、岡尾美代子、岡崎武志、荻原魚雷、角田光代、片岡義男、木内昇、北沢夏音、北沢街子、北村薫、北村知之、久住昌之、越川道夫、小西康陽、小林エリカ、近藤雄生、佐伯一麦、柴田元幸、杉江由次、杉田比呂美、鈴木慶一、鈴木卓爾、鈴木理策、曽我部恵一、高橋靖子、高山なおみ、田口史人、竹熊健太郎、武田花、田尻久子、田中美穂、丹治史彦、友部正人、直枝政広、長崎訓子、名久井直子、能町みね子、橋口幸子、蜂飼耳、服部文祥、浜田真理子、早川義夫、平田俊子、平松洋子、文月悠光、穂村弘、堀込高樹、堀部篤史、ホンマタカシ、前野健太、万城目学、又吉直樹、町田康、松浦寿輝、南博、森山裕之、安田謙一、柳下美恵、山崎ナオコーラ、山下賢二、山田太一、山本善行、吉澤美香、吉田篤弘、吉本由美。
本の体裁で言えば、ちょうど見開き2ページで1つのタイトルが完結するわけですから、読みやすさは格別です。文字数も1000字程度ですので、当方のレビューの勉強にもなりましたし、冬の寒さを実感しながら手に取ったわけですから、それぞれの状況も皮膚感覚で共感しながら読了しました。
はじめにで書かれていますが「冬が物語の舞台になった本。まるで冬のような本。冬になると思い出す本。いくつものあざやかな冬のかたちが、毎日届けられるぜいたくな時間を楽しみました。」とある通りです。装幀は和田誠さんが担当され、本書のテーマや温かみを具体的なイメージとして描いていました。
幅広いジャンルの書き手が集まっていますし、巧みな文章の流れは鮮やかなものでした。配列も執筆者の五十音順という並びで、潔さを感じさせるものでした。
難を言えば、優れた執筆者群を擁しながらも、1000字で読み手を納得させるエッセイの構築の難しさを感じ取りました。著名な小説家、エッセイストをもってしても結構難題だったのではないでしょうか。
気に入ったエッセイに触れることにします。
上原隆「本を閉じると」のラスト2行の鮮やかな転換はお見事でした。どのカップルにもある日常の一こまでしょう。オチが決まれば文は締まります。
岡崎武志「冬の夜のカルテット」での哲学の道、疏水べりのレストラン、弦楽四重奏と筆者の若き日の寒さを耐える日との鮮やかな対比もまた印象に残るものでした。
小西康陽「指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは。」の前半の箇所から、上手く後半につなげ、ラストの2行で鮮やかな収束を見るといった構成はエッセイのお手本のような文章でした。
佐伯一麦「手あぶりしながら・・・」で引用されている柴田翔「ロクタル管の話」で遠い過去の記憶が蘇ってきました。筆者と同じ思いを抱きながら読んだことを。
杉江由次「誕生」も心温まる文でした。人生のある日をここまで見事に紡ぎだせる文章の能力に憧れを感じさせるエッセイでした。
「みじめで情けない」太宰治の「人間失格」に「身に覚えがあるからだろうか」と問いかける早川義夫「冬の本」のエッセイからは彼の音楽と通ずるものを感じました。
又吉直樹「なにもない冬」にも感心しました。読書家だけあって読ませる展開ですし、内容でした。
大好きな北村薫の「舞踏会の手帖」、同じく好きな万城目学「どんぐり」なども所収してあり、小さな本なのに中身が充実しており、本が好きな方にはお勧めできると思いました。
この夏葉社を一人で経営し、運営されている島田潤一郎さんの奮闘努力ぶりを想像しますと、逆によくこれだけの執筆陣を集められたということに驚嘆しています。
なお、ご参考までに84人の執筆者名を列記します。人名ですが、一部当用漢字で表記させて頂いた方もあります。間違いがないように見直しはしたつもりですが。
青山南、秋葉直哉、浅野卓夫、天野祐吉、安西水丸、いがらしみきお、池内紀、池内了、石川美南、井嶋ナギ、伊藤比呂美、伊藤礼、井上理津子、岩瀬成子、上原隆、宇田智子、内堀弘、大竹昭子、大竹聡、大谷能生、岡尾美代子、岡崎武志、荻原魚雷、角田光代、片岡義男、木内昇、北沢夏音、北沢街子、北村薫、北村知之、久住昌之、越川道夫、小西康陽、小林エリカ、近藤雄生、佐伯一麦、柴田元幸、杉江由次、杉田比呂美、鈴木慶一、鈴木卓爾、鈴木理策、曽我部恵一、高橋靖子、高山なおみ、田口史人、竹熊健太郎、武田花、田尻久子、田中美穂、丹治史彦、友部正人、直枝政広、長崎訓子、名久井直子、能町みね子、橋口幸子、蜂飼耳、服部文祥、浜田真理子、早川義夫、平田俊子、平松洋子、文月悠光、穂村弘、堀込高樹、堀部篤史、ホンマタカシ、前野健太、万城目学、又吉直樹、町田康、松浦寿輝、南博、森山裕之、安田謙一、柳下美恵、山崎ナオコーラ、山下賢二、山田太一、山本善行、吉澤美香、吉田篤弘、吉本由美。
2015年6月1日に日本でレビュー済み
今日から「衣更え」ですが、そんなことばも季節に合わなくなってきた「異常気象」の夏がこれから始まると思います。そんな時に「冬の本」を読みました。
ページを開くと、見開き2Pの中に一遍づつ、作家から編集者、歌手、科学者、あらゆる人たちが「冬」と「本」、2つがそこにあるということを唯一のルールとして自由に書かれたエッセイ集です。
ある人は、冬の陽射しの朝食のあとの午前、夫婦で小説を読んだり新聞を読んだりしている、ということを綴っているエッセイ。昔の恋愛遍歴を思い出しているが、最後の恋人がやがて目の前の老眼鏡をかけた彼女に向かうという短編のような一遍を書く。(「本を閉じると」上原隆)
作家・門田光代は小学生の時に宮沢賢治が好きで、なぜか彼の描く「光景」は冬のようだったという。もちろん「風の又三郎」には夏の水遊びがあるし、「どんぐりと山猫」は秋、「土神と狐」は夏のはじめ。それでも、というのだ。なんとなくわかった。私が花巻を旅したのが冬だったからかもしれない。
写真家の鈴木理策は、中谷宇吉郎「雪」を持って来た。和歌山県新宮に生まれた鈴木は、雪は馴染みのない遠い存在だったという。だからこそ、中谷の「情熱」に魅かれた、という。今「雪」を読んでいる途中なので、とてもよくわかる。写真家鈴木の写しているという、誰の足跡もない早朝の山奥の雪景色を見てみたいという気もするが、文章の中で想像する方がいいのだろう。
倉敷の古本屋「蟲文庫」の店主、田中美穂さんのチョイスはなかなかだった。彼女の古本屋顛末記を読んだ直後なので、その気持ちに共感した。店開店一年後の冬の日、初めて万引きにやられた時に、自分を慰めて思い出したのが魯迅の「孔乙己」の一節「竊書(せっしょ)は盗みとは申せん…竊書はな…読書人の常じゃ。盗みと申せるか」だという。転売目的の万引きも増えている中、そんな悠長なことも言えなくなっているそうですが。
詩人の文月悠光さんは歌集を紹介した。その代表作。
「シチュー鍋に背中を向けた瞬間に白い巻き毛の天使がこぼれる」
30歳で急逝したというその歌集を読んでみたいと思ったが、県立図書館には置いてなかった。
「歌集 シチュー鍋の天使」北川草子著沖積舎(2001)
天野祐吉さんが谷内六郎さんの遺した一冊の闘病絵日記に惚れ込んで、自ら立ち上げた出版社で限定復刻版を作ったらしい。それも図書館でリクエストしたが、どうやらむつかしそうだ。なにしろ、1000冊も刷ってはないのだ。わざわざ他の図書館から借り受けて、読むのも気が引ける。その間に万が一疵がついたら大変なことになる。この文章を書いて直ぐに天野祐吉さんも亡くなっている。
「楽書 病院日記」谷内六郎著 天野祐吉作業室(2011)
この本の巻末には、登場した84人の簡単なプロフィールと紹介した本の紹介が載っている。「古本屋なら入手可能」とか書いていて、わりと親切。私が欲しいと思った本のほとんどは入手困難だった。冬の本だからだろうか。思ったよりも、楽しく明るい本をあえてチョイスする人はほとんどいなかった。私が興味を持つ本はなかったり、既に読んでいたりだったが、拘りのある人は多くて楽しかった。初夏に向かう今だから、こういう本もいい。今年の冬に「夏の本」は出ないかな。でたならば、小さな出版社のこういう企画が成功したということを示していて、少し楽しくなるのだけど。
2015年6月1日読了
ページを開くと、見開き2Pの中に一遍づつ、作家から編集者、歌手、科学者、あらゆる人たちが「冬」と「本」、2つがそこにあるということを唯一のルールとして自由に書かれたエッセイ集です。
ある人は、冬の陽射しの朝食のあとの午前、夫婦で小説を読んだり新聞を読んだりしている、ということを綴っているエッセイ。昔の恋愛遍歴を思い出しているが、最後の恋人がやがて目の前の老眼鏡をかけた彼女に向かうという短編のような一遍を書く。(「本を閉じると」上原隆)
作家・門田光代は小学生の時に宮沢賢治が好きで、なぜか彼の描く「光景」は冬のようだったという。もちろん「風の又三郎」には夏の水遊びがあるし、「どんぐりと山猫」は秋、「土神と狐」は夏のはじめ。それでも、というのだ。なんとなくわかった。私が花巻を旅したのが冬だったからかもしれない。
写真家の鈴木理策は、中谷宇吉郎「雪」を持って来た。和歌山県新宮に生まれた鈴木は、雪は馴染みのない遠い存在だったという。だからこそ、中谷の「情熱」に魅かれた、という。今「雪」を読んでいる途中なので、とてもよくわかる。写真家鈴木の写しているという、誰の足跡もない早朝の山奥の雪景色を見てみたいという気もするが、文章の中で想像する方がいいのだろう。
倉敷の古本屋「蟲文庫」の店主、田中美穂さんのチョイスはなかなかだった。彼女の古本屋顛末記を読んだ直後なので、その気持ちに共感した。店開店一年後の冬の日、初めて万引きにやられた時に、自分を慰めて思い出したのが魯迅の「孔乙己」の一節「竊書(せっしょ)は盗みとは申せん…竊書はな…読書人の常じゃ。盗みと申せるか」だという。転売目的の万引きも増えている中、そんな悠長なことも言えなくなっているそうですが。
詩人の文月悠光さんは歌集を紹介した。その代表作。
「シチュー鍋に背中を向けた瞬間に白い巻き毛の天使がこぼれる」
30歳で急逝したというその歌集を読んでみたいと思ったが、県立図書館には置いてなかった。
「歌集 シチュー鍋の天使」北川草子著沖積舎(2001)
天野祐吉さんが谷内六郎さんの遺した一冊の闘病絵日記に惚れ込んで、自ら立ち上げた出版社で限定復刻版を作ったらしい。それも図書館でリクエストしたが、どうやらむつかしそうだ。なにしろ、1000冊も刷ってはないのだ。わざわざ他の図書館から借り受けて、読むのも気が引ける。その間に万が一疵がついたら大変なことになる。この文章を書いて直ぐに天野祐吉さんも亡くなっている。
「楽書 病院日記」谷内六郎著 天野祐吉作業室(2011)
この本の巻末には、登場した84人の簡単なプロフィールと紹介した本の紹介が載っている。「古本屋なら入手可能」とか書いていて、わりと親切。私が欲しいと思った本のほとんどは入手困難だった。冬の本だからだろうか。思ったよりも、楽しく明るい本をあえてチョイスする人はほとんどいなかった。私が興味を持つ本はなかったり、既に読んでいたりだったが、拘りのある人は多くて楽しかった。初夏に向かう今だから、こういう本もいい。今年の冬に「夏の本」は出ないかな。でたならば、小さな出版社のこういう企画が成功したということを示していて、少し楽しくなるのだけど。
2015年6月1日読了
2021年1月21日に日本でレビュー済み
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小さな本に84ものストーリー、贅沢な本です。和田誠さんのジャケットも可愛いので読んだ後も部屋に飾っています。