「本書では英語と日本語の併記が煩くて、読書の生産性が落ちる」とあるが、私は気にならなかった。単純に読み飛ばせばいい。併記方式は出版社の方針であり、この著者の求める所ではないと考える。そもそも、そこをひらすら指摘しているコメントが多いのは何故だろう?そんなどうでもいいことがこの本を読んだコメントとして多く出てくるのに私は驚いた。本質ではない。
この著者は入社数年でこれだけのことを詳細に客観的に分析し、出版まで行った実績を評価する。何故なら現状の問題点に疑問を抱き、幅広い事実を収集する作業は途方もないモチベーションを要するからだ。何もリターンは得られない。使命感しかないだろう。転職において影響が生じるかもしれない。社会への貢献という意味で良い仕事をしたと私は感じた。
富士通の管理職への批判が多く記載されているが、思うに、私はこの著者は富士通のことを愛し、期待していたのだと思う。何故、制度が形骸化したのか、なぜ富士通は課題の本質と向き合わなかったのか?制度を修正すべき立場にいる人間が修正しなかった罪は非常に重い。「あともう何年我慢すれば、逃げられる。年金生活を送れる」そのような管理職が現実に今も多くいる。彼らをどのように意識改革するか。若しくはリストラするかが一つ課題なのではないのか?
一つこの本の出版日から変わらない公然の事実を記載すると、部署名の変更という、目の前の仕事は一切変わらない看板の付け替えは今も行われています。無能な管理職をどう処遇するかは、富士通という一企業だけではなく、日本社会の課題だと私は考えている。
内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス) (日本語) 単行本 – 2004/7/23
城 繁幸
(著)
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本の長さ235ページ
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言語日本語
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出版社光文社
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発売日2004/7/23
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ISBN-104334933394
-
ISBN-13978-4334933395
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
「成果主義という日本人になじまないシステムの下で、いかに会社が病んでいったかに、慄然とするものがある」。元富士通社員であり、成果主義を推進する部署に身を置いていた著者はそう語る。かつては日本のIT(情報技術)界の巨人とも言われた富士通。しかし、ITバブル崩壊後の業績の低迷ぶりは、同業他社に比しても目に余るものがある。本書は、その原因の1つを同社が1993年に鳴り物入りで導入し話題を呼んだ成果主義にあると見た著者による“告発の書”だ。
「成果主義という日本人になじまないシステムの下で、いかに会社が病んでいったかに、慄然とするものがある」。元富士通社員であり、成果主義を推進する部署に身を置いていた著者はそう語る。かつては日本のIT(情報技術)界の巨人とも言われた富士通。しかし、ITバブル崩壊後の業績の低迷ぶりは、同業他社に比しても目に余るものがある。本書は、その原因の1つを同社が1993年に鳴り物入りで導入し話題を呼んだ成果主義にあると見た著者による“告発の書”だ。
従業員の目標達成度をいかに正しく評価するかといった、成果主義の根本からして誤っていたと指摘する。評価の各段階の分布比率は人事部によってあらかじめ決められており、上位の評価枠が満員になれば一部社員の評価は、目標を達成しても下方修正される。「どんなにがんばっても『やっぱりオマエは最初からB評価要員だから』と言われている気がする」と、働く気を失った者の声を紹介する。こうして中堅以上の社員は無気力化していった。さらに成果主義の恩恵を最も受けるべき若手社員でさえも、自分に厳しいハードルを課す上司たちが保身ばかりに関心を寄せる姿に失望し離職していったという。最終章では著者の思う「日本型成果主義」の理想形を模索する。
(日経ビジネス 2004/09/13 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
出版社からのコメント
元社員が初めて書いた「成果主義」運用の大混乱!
――それはアメリカの雇用システムへの誤解から始まった。
●なぜ削減できるはずの人件費は、2割もアップしたのか?
●なぜ社員はやる気を失っていったのか?
●なぜ毎年毎年、下方修正が繰り返されるのか?
●なぜ優秀な人材ばかり引き抜かれるのか?
●優秀な新入社員は、みな3年以内に退社していた
●「成果主義」なのに、管理職の9割はA評価
●降格制度がないから、仕事をしなくても問題なし
●誰も自社製品を売ろうとしない不思議
●数字のゴマカシで、最後は大リストラ
●社員のブラックリストはこうして作られた
などなど、初めて明かされた信じられない内部事情!
――それはアメリカの雇用システムへの誤解から始まった。
●なぜ削減できるはずの人件費は、2割もアップしたのか?
●なぜ社員はやる気を失っていったのか?
●なぜ毎年毎年、下方修正が繰り返されるのか?
●なぜ優秀な人材ばかり引き抜かれるのか?
●優秀な新入社員は、みな3年以内に退社していた
●「成果主義」なのに、管理職の9割はA評価
●降格制度がないから、仕事をしなくても問題なし
●誰も自社製品を売ろうとしない不思議
●数字のゴマカシで、最後は大リストラ
●社員のブラックリストはこうして作られた
などなど、初めて明かされた信じられない内部事情!
内容(「BOOK」データベースより)
無能なトップ、暗躍する人事部、社内に渦巻く不満と嫉妬…日本を代表するリーディングカンパニーは、「成果主義」導入10年で、無惨な「負け組」に転落した。
内容(「MARC」データベースより)
無能なトップ、暗躍する人事部、社内に渦巻く不満と嫉妬…。日本を代表するリーディングカンパニーは、「成果主義」導入10年で、無惨な「負け組」に転落した! 富士通「成果主義」運営の当事者が、内側から見た事実を語る。
著者について
城繁幸[じょうしげゆき]
1973年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。以後人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。同社の隆盛と凋落を経験 する過程で、成果主義のさまざまな問題点、人事の腐敗を目の当たりにしたことが、本書を書いたきっかけとなる。
1973年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。以後人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。同社の隆盛と凋落を経験 する過程で、成果主義のさまざまな問題点、人事の腐敗を目の当たりにしたことが、本書を書いたきっかけとなる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
城/繁幸
1973年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。以後人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。同社の隆盛と凋落を経験する過程で、成果主義のさまざまな問題点、人事の腐敗を目の当たりにし『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』を書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1973年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。以後人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。同社の隆盛と凋落を経験する過程で、成果主義のさまざまな問題点、人事の腐敗を目の当たりにし『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』を書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2004/7/23)
- 発売日 : 2004/7/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 235ページ
- ISBN-10 : 4334933394
- ISBN-13 : 978-4334933395
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 233,469位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 221位企業動向
- - 1,247位IT
- - 1,414位マネジメント・人材管理
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.9
星5つ中の3.9
165 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月19日に日本でレビュー済み
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11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
■ 平社員は「成果主義」なのに、管理職は「年功序列」で評価される矛盾
■ 高い評価SAやAを受けられるのは本社勤務の社員のみ
■ 成果主義の企業なはずなのに、赤字を垂れ流した経営陣は退任しない
などなど、「ここまで書いていいのかよ.....」と思うほど富士通の内情を
筆者が人事にいたからこそ知ることのできた情報を交えつつ暴露し、
痛烈に批判しています。
一方、本業が作家ではないためかすんなりと頭に入ってくるような文章ではなく、
終始だらだらと書かれている点はマイナスです。
しかしながら、他ではなかなか読めない情報にあふれた良書。
■ 高い評価SAやAを受けられるのは本社勤務の社員のみ
■ 成果主義の企業なはずなのに、赤字を垂れ流した経営陣は退任しない
などなど、「ここまで書いていいのかよ.....」と思うほど富士通の内情を
筆者が人事にいたからこそ知ることのできた情報を交えつつ暴露し、
痛烈に批判しています。
一方、本業が作家ではないためかすんなりと頭に入ってくるような文章ではなく、
終始だらだらと書かれている点はマイナスです。
しかしながら、他ではなかなか読めない情報にあふれた良書。
2011年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2004年に出た本。普段よく著者である城繁幸氏のブログ、Twitterなどを読んでいて
最初の本はどんなものだったのだろうかと興味がわいてきたため今更ながら手にしてみた。
なるほど、当初から年功序列の抱える矛盾点や課長職以上になる社員がこれからは減るだろう
ということなど今に通じることを指摘していたのだと分かる。
また巨大企業における腐敗が進みすぎた例としても勉強になる。
結果的に中途半端な成果主義がいかに多くの人間を苦しめたか。
かつての社会主義を導入して没落していった旧東側諸国のようでもある。
そして何より事態を深刻化させたのは当初、成果主義がうまくいっていないと答えた社員たちを
圧迫面談して次回のアンケートで9割以上の者たちに肯定的な意見を言わせたことだ。
ありのままの事実を見つめる努力を放棄したのは致命的だと思えた。
(この一連の動きもまるで社会主義諸国のようだ)
今となっても人事制度を改める際にはこの失敗(本書)から多くのことを学べると思う。
あと当時の光文社ペーパーブックスは英語表現がところどころ入っていて読みにくい。
紙質もよくない。その2点が残念なところだ。
最初の本はどんなものだったのだろうかと興味がわいてきたため今更ながら手にしてみた。
なるほど、当初から年功序列の抱える矛盾点や課長職以上になる社員がこれからは減るだろう
ということなど今に通じることを指摘していたのだと分かる。
また巨大企業における腐敗が進みすぎた例としても勉強になる。
結果的に中途半端な成果主義がいかに多くの人間を苦しめたか。
かつての社会主義を導入して没落していった旧東側諸国のようでもある。
そして何より事態を深刻化させたのは当初、成果主義がうまくいっていないと答えた社員たちを
圧迫面談して次回のアンケートで9割以上の者たちに肯定的な意見を言わせたことだ。
ありのままの事実を見つめる努力を放棄したのは致命的だと思えた。
(この一連の動きもまるで社会主義諸国のようだ)
今となっても人事制度を改める際にはこの失敗(本書)から多くのことを学べると思う。
あと当時の光文社ペーパーブックスは英語表現がところどころ入っていて読みにくい。
紙質もよくない。その2点が残念なところだ。
2012年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
成果主義の導入にともなう富士通社内の混乱もさる
ことながら、富士通という会社の息苦しさが伝わって
きました。成果主義という言葉には自由とか個性、
創造性というイメージがあるが、富士通という会社は
そうした雰囲気とはかけ離れた閉塞的な会社だったん
ですね。
驚きましたが、こうした本が出て富士通という会社は
変わったのでしょうか?
日本という社会でこうした内部告発的な本が、しかも
大企業について書かれたものが出版されたことも
ちょっとした驚きです。
ことながら、富士通という会社の息苦しさが伝わって
きました。成果主義という言葉には自由とか個性、
創造性というイメージがあるが、富士通という会社は
そうした雰囲気とはかけ離れた閉塞的な会社だったん
ですね。
驚きましたが、こうした本が出て富士通という会社は
変わったのでしょうか?
日本という社会でこうした内部告発的な本が、しかも
大企業について書かれたものが出版されたことも
ちょっとした驚きです。
2014年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きっと富士通社員は見たことでしょう。
どこの会社にも、どんな立派な評判の会社にも暗部はあるもの。
人事部員が最も良い評価を得られるようになっているなんて、お手盛りもいいところですね。
どこの会社にも、どんな立派な評判の会社にも暗部はあるもの。
人事部員が最も良い評価を得られるようになっているなんて、お手盛りもいいところですね。