本書をざっくり要約すると、
天才的な経営者の哲学とは違った等身大の起業の物語です。
いわゆる「成功」のようなお話は
・並外れた成果を出した経営者、
・天才的な才能を発揮した起業、
・元々苦労知らずのポジションの社長、
のご高説と感じずにはいられません。
そんな中本書は、草食系中年男子が失敗と挫折を繰り返し続け、
そんな中でも助けてくれる人に恵まれ、忙しくも一歩ずつ会社を成長させていく実話です。
有名な成功者の本は題材的にPRされて多くの人が手に取ると思いますが、
現実とかけ離れすぎていることがしばしばあります。
内容が優れているというよりも、出版社としてもキャッチ―な本が売れるから
出版したいという意向があるのでしょう。
こういう地に足を付けた起業本があってもいいのではないでしょうか。
本書でたびたび登場するフレーズが、
「頭がいい人は頭で稼げばいい、体が丈夫な人は体で稼げばいい、それがない人は情で売ればいい」
まさに本書は情だと思います。
内容は具体的なテクニックなどより、どんな苦悩がどんな状態で起きて、どう乗り越えたのか。
ビジネス起業小説とでも表現できると思います。
好感が持てるは「自分の居場所を作るための起業」と一貫したコンセプトがある点です。
儲かる、目立ちたい、見返したい、そんな思いは著者にはありません。
みなさんは日常の会社生活で著者と同じことを思ったことはありませんか。
「ここは自分の居場所ではない」と。
私は過去に社長の機嫌を取ることが主な仕事という勤務生活を経験したことがあり
非常に共感できます。お客様に喜んでもらえるわけでもなく、ただYESマンになる。
そして給料も悪くもなければ高くもない。
もしかしたら著者も似たような思いだったのかな、と感じずにはいられませんでした。
最後に印象に残ったのは、結果的には売れたけど
とにかく売れ!売ろうとすること。そこに時間を費やすこと。
とジタバタしていたこと。
ビジネスの基本は見栄を張ることでもなく、とにかく売ること。
起業家の想いは違えど、そこは共通の真理かもしれないです。
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