働く女子の取り巻く環境を日本や海外の法整備状況も絡めながら歴史的な経緯を紐解いていく本書。
意外と歴史的な考察が多いのが意外でした。
私自身がこのテーマで最近本当に強く思う事は、30代以上の女性で
「働きたい」
と心底思っている女性にほぼ出会ったことが無いということです。
男女平等という概念を優先して考察することが多いこの問題ですが正直言ってそれはもう時代遅れになっている気がします。
日本人女性はそれほど「働くこと」に「幸せ」を感じてはいない、というごくごく当たり前の感覚を拾い上げているものがほとんどないという気がしていました。
そんなもやもやを抱えながら読み進めていたら最後の最後でピッタリの内容が出てきて驚きました。
「私は自分が女であることに気づくのが遅すぎたんですよ。」
という一文がそのすべてを凝縮しているように感じました。
更にいえば「女性の働きやすさ」を求める女性たちが男性に比べてまったく自分たちでは起業しないことがその証左な気がします。
男が作ってきた器が嫌なら自分で作ろう、という事と其れそのものが与える効果は全く見合っていないんだろうと思います。
脳梁が男よりも大きく一つの事に集中することが継続できない上に同時にいろんなことを考えられてしまう女性という存在は仕事というものを「これまで通り」するには「優秀過ぎて」あまり向いていないと私は思っています。
が自ら器を作って頑張るほどの魅力が無いことにも気がついてしまっているという状態だと思います。
私は「女性らしく」たとえいい加減に見えたとしてもポンポン興味のあることに自分の仕事における存在意義を移したっていいんだという「脳の違い」に即した働き方を女性自身が認めることが極めて重要だと感じました。
もう男女平等云々を論じても時代とマッチしていないと心底思った本でした。
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働く女子の運命 ((文春新書)) 新書 – 2015/12/18
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女性の「活用」は叫ばれて久しいのに、日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」では、日本は145カ国中101位という低い数字。その理由は雇用システムの違いにある。
ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間、どんな異動にも耐え、遠方への転勤も喜んで受ける「能力」と、企業へ忠誠を尽くす「態度」の積み重ねが査定基準になりがちだ。このような〈メンバーシップ型社会〉のもとでは、仕事がいくら出来ようとも、育児や出産の「リスク」を抱える女性は重要な業務から遠ざけられてきた。なぜそんな雇用になったのか――その答えは日本型雇用の歴史にある。
本書では、豊富な史料をもとに、当時の企業側、働く女子たち双方の肉声を多数紹介。歴史の中にこそ女子の働きづらさの本質があった! 老若男女必読の一冊。
社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」では、日本は145カ国中101位という低い数字。その理由は雇用システムの違いにある。
ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間、どんな異動にも耐え、遠方への転勤も喜んで受ける「能力」と、企業へ忠誠を尽くす「態度」の積み重ねが査定基準になりがちだ。このような〈メンバーシップ型社会〉のもとでは、仕事がいくら出来ようとも、育児や出産の「リスク」を抱える女性は重要な業務から遠ざけられてきた。なぜそんな雇用になったのか――その答えは日本型雇用の歴史にある。
本書では、豊富な史料をもとに、当時の企業側、働く女子たち双方の肉声を多数紹介。歴史の中にこそ女子の働きづらさの本質があった! 老若男女必読の一冊。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/12/18
- ISBN-104166610627
- ISBN-13978-4166610624
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商品の説明
出版社からのコメント
つい最近まで、女子は「腰掛け就職」「職場の花」などと呼ばれ、重要な業務につけず、管理職にもなれない不遇を味わってきました。 そしてやってきた失われた20年以降、総合職というコースが用意された代わりに、“転勤も労働時間も無制限"に働けという。 さらには「少子化対策と女性の活躍」を両立させる、ですって――!? いったい女性にどうしろと言うのでしょう。 本書では富岡製糸場から戦争時、職業婦人、ビジネス・ガールといった働く女子の歴史を追いながら、男性中心に成功してきた日本型雇用の問題点を探っていきます。
内容(「BOOK」データベースより)
女子の「活躍」をはばんでいるのは、日本型雇用システムだった!“父親が家族を養う”ことが常識だった時代、結婚や育児の「リスク」を抱える女子は、重要な業務から外され続けてきた。本書では当事者たちの肉声を交え、働きづらさの本質を暴く。男性も必読!
著者について
1958年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在、労働政策研究・研修機構の主席統括研究員。著書に『新しい労働社会―雇用システムの再構築へ』(岩波新書、2009/7)、『若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす』 (中公新書ラクレ、2013/8)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
濱口/桂一郎
1958年、大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在、労働政策研究・研修機構の主席統括研究員。日本型雇用システムの問題点を中心に、労働問題について幅広く論じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1958年、大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在、労働政策研究・研修機構の主席統括研究員。日本型雇用システムの問題点を中心に、労働問題について幅広く論じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/12/18)
- 発売日 : 2015/12/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4166610627
- ISBN-13 : 978-4166610624
- Amazon 売れ筋ランキング: - 94,612位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 141位キャリアデザインの資格・就職
- - 254位文春新書
- - 3,226位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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2020年8月30日に日本でレビュー済み
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教養の為のブックガイド88で紹介されていた女性の働き方に関する著書ということで購入。
私の立場:メーカー勤務10年のメカ系技術職。最近女性の新人が配属され、教育係として任命された。
勤めている会社:日本企業の中では、ワークライフバランス、女性の機会均等、職場復帰に関しては進んでいる方だと評価されています。
内容に関して
戦前、戦中、戦後、そして高度経済成長期と日本の現在の正社員と言われる人たちの働き方がどう変わり
そして女性にどのような影響があったのかと時系列で紹介されており。理解できた。
そして
日本的生活給の考えと年功序列給料制度、無限定的な働き方、法整備の片手落ち(物理的な時限制度が無い)
が女性の働きやすさ、妊娠&出産からの復帰を如何様に妨げているかを説明しています。
最後には、日本が欧米のJOB型業務に近づくためにはどうするべきかの著者の考えが記載されています。
その結論に対しては少し疑問が残りますが、働き方改革(変革)が謳われる昨今で
自分の考えを保つ為のベース知識を広く学べる良書だと思います。
女性が働きやすくなるのでは無く、誰もが働きやすくなる社会システムになることを祈っております。
私の立場:メーカー勤務10年のメカ系技術職。最近女性の新人が配属され、教育係として任命された。
勤めている会社:日本企業の中では、ワークライフバランス、女性の機会均等、職場復帰に関しては進んでいる方だと評価されています。
内容に関して
戦前、戦中、戦後、そして高度経済成長期と日本の現在の正社員と言われる人たちの働き方がどう変わり
そして女性にどのような影響があったのかと時系列で紹介されており。理解できた。
そして
日本的生活給の考えと年功序列給料制度、無限定的な働き方、法整備の片手落ち(物理的な時限制度が無い)
が女性の働きやすさ、妊娠&出産からの復帰を如何様に妨げているかを説明しています。
最後には、日本が欧米のJOB型業務に近づくためにはどうするべきかの著者の考えが記載されています。
その結論に対しては少し疑問が残りますが、働き方改革(変革)が謳われる昨今で
自分の考えを保つ為のベース知識を広く学べる良書だと思います。
女性が働きやすくなるのでは無く、誰もが働きやすくなる社会システムになることを祈っております。
2020年5月9日に日本でレビュー済み
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大学に通うくらいの娘がいるとなると、働く女子の運命に漠然とした不安を抱くのは当然なことでしょう。
終身雇用制の弊害が叫ばれて久しくなった後も、
はんこ文化、ファックス業務等の非効率な職務はなくならず、
働く質の低さを量でカバーする旧習は、コロナ禍で改めて議論の的になりました。
終身雇用保障と引き換えに、
事実上、無限定の労働義務が温存されていた働き方の本質を示す一面ではないかと思います。
この硬直した雇用文化の中で、出産や妊娠を機に優秀な女性が排除されてしまう構造は、
どう考えても国力の低下に結びつくわけです。
女子の働き方から、日本の雇用制度の脆弱な点を抉った良書だと思います。
終身雇用制の弊害が叫ばれて久しくなった後も、
はんこ文化、ファックス業務等の非効率な職務はなくならず、
働く質の低さを量でカバーする旧習は、コロナ禍で改めて議論の的になりました。
終身雇用保障と引き換えに、
事実上、無限定の労働義務が温存されていた働き方の本質を示す一面ではないかと思います。
この硬直した雇用文化の中で、出産や妊娠を機に優秀な女性が排除されてしまう構造は、
どう考えても国力の低下に結びつくわけです。
女子の働き方から、日本の雇用制度の脆弱な点を抉った良書だと思います。
2019年6月22日に日本でレビュー済み
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共働き世帯が増加している現代において、転勤させ放題な、日本型雇用・メンバーシップ型・職能給が、時代にマッチしていないかよく理解できました。
著者自身がインタビューで語っていますが、具体的な問題解決の方策が本書で語られているわけではありませんが、30歳代くらいから職務給=ジョブ型=欧米型にシフトするのが良いのではないかと述べています。
専門の研究機関の研究者の著した書だけあって、骨太な内容で勉強になりました。
一文が長い傾向があり、読みづらいと感じましたが。。
なお、本書は女性が正社員雇用された際の問題点を論じており、非正規雇用の問題は書かれておりません(その点を論じると別の書籍が書けるくらいになるので、あえて触れなかったと著者が断りを入れています)。
著者自身がインタビューで語っていますが、具体的な問題解決の方策が本書で語られているわけではありませんが、30歳代くらいから職務給=ジョブ型=欧米型にシフトするのが良いのではないかと述べています。
専門の研究機関の研究者の著した書だけあって、骨太な内容で勉強になりました。
一文が長い傾向があり、読みづらいと感じましたが。。
なお、本書は女性が正社員雇用された際の問題点を論じており、非正規雇用の問題は書かれておりません(その点を論じると別の書籍が書けるくらいになるので、あえて触れなかったと著者が断りを入れています)。
2017年3月7日に日本でレビュー済み
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明治維新から、現代に至るまでに、女性がどのような待遇で働いてきたかという歴史が詳しく書かれていて、非常に勉強になる。
そもそも、日本のお給料というのは、家庭を養っていける額を、一家の長である男性に支払いましょう、というのが基本なのだそうだ。しかも、その考えができあがったのは、戦時中である。
70年も前の考え方をずーっと引きずっているわけなんですねえ。
まあ、男性が家族を安心して養える額をもらえるというのは、社会の安定にもつながるという点で、理にかなっていると言えば、かなっているのかもしれません。
ただし、ここには落とし穴があります。
これは、「夫が働いて賃金を稼ぎ、妻は家の家事をになって家庭をを作る」という家庭システムが前提です。
このシステムから少しでも外れてしまうと、とたんに女性は困難を抱えることになります。
様々な生き方を選択する人のいる時代ですから、やはり、うまく世の中を移行させていかなければならないなあ、と思った次第です。
そもそも、日本のお給料というのは、家庭を養っていける額を、一家の長である男性に支払いましょう、というのが基本なのだそうだ。しかも、その考えができあがったのは、戦時中である。
70年も前の考え方をずーっと引きずっているわけなんですねえ。
まあ、男性が家族を安心して養える額をもらえるというのは、社会の安定にもつながるという点で、理にかなっていると言えば、かなっているのかもしれません。
ただし、ここには落とし穴があります。
これは、「夫が働いて賃金を稼ぎ、妻は家の家事をになって家庭をを作る」という家庭システムが前提です。
このシステムから少しでも外れてしまうと、とたんに女性は困難を抱えることになります。
様々な生き方を選択する人のいる時代ですから、やはり、うまく世の中を移行させていかなければならないなあ、と思った次第です。