本書は1999年初版、2003年に和訳が初版になった
健康帝国ナチス
が文庫化されたものです。
序文にもあるように、本書で「悪から善は生じうるか?」というモラルの問題を問うものではありません。たばこ撲滅キャンペーン、ガン制圧の国民運動、アスベストや食生活への注目など、現代においても通用する事実を歴史的に記しておこうというものです。著者は決してナチズムを容認するわけではありません。しかしながら国民が「無責任な純粋さ」をもって、ナチズムの健康志向およびその他の活動に「若さの回復」を期待し、イデオロギーと一体となることによって科学が進歩していったことを、「不愉快な事実」としてではあるが認めなければならないと述べています。
現在の知識と比べても遜色ないような部分もあれば、健康の維持のために狂信的になっている部分もあります。自覚的にせよ無自覚にせよ科学がイデオロギーと結びついてしまった場合、後世からみるとそれは正当な評価を困難にします。本書はまさに現代の科学者に警鐘を鳴らしているように思われました。
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