この本を読んで良かったなと思ったのは,
「デューク東郷」の「東郷」は,
中学校時代の先生のお名前が由来になっている
という裏話を知ることができたことです。
今度は,『サバイバル』と『ブレイクダウン』の誕生秘話なども読んでみたいです。
俺の後ろに立つな―さいとう・たかを劇画一代 (日本語) 単行本 – 2010/6/1
さいとう たかを
(著)
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本の長さ202ページ
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日2010/6/1
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ISBN-104103257318
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ISBN-13978-4103257318
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
『ゴルコ13』連載40年超、休載なし。誰が巨匠の背後を襲えるか。波乱の少年時代。発想の秘密。経営戦略。教育論。血液型論。すべてを語りつくした決定版自伝・劇画論。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
さいとう/たかを
本名:斉藤隆夫。劇画家。1936年、和歌山生まれ、大阪で育つ。17歳で描いた『空気男爵』でデビュー。その後、上京し、仲間と「劇画工房」を結成。大人の鑑賞に堪えうる「劇画」を定着させ、分業制を取り入れた「さいとう・プロダクション」を設立。出版業にも出進した(のちの「リイド社」)。1968年連載開始の『ゴルゴ13』は、現在まで1回も休載することなく続いている。1976年に小学館漫画賞受賞。2003年に紫綬褒章、2010年に旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
本名:斉藤隆夫。劇画家。1936年、和歌山生まれ、大阪で育つ。17歳で描いた『空気男爵』でデビュー。その後、上京し、仲間と「劇画工房」を結成。大人の鑑賞に堪えうる「劇画」を定着させ、分業制を取り入れた「さいとう・プロダクション」を設立。出版業にも出進した(のちの「リイド社」)。1968年連載開始の『ゴルゴ13』は、現在まで1回も休載することなく続いている。1976年に小学館漫画賞受賞。2003年に紫綬褒章、2010年に旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/6/1)
- 発売日 : 2010/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 202ページ
- ISBN-10 : 4103257318
- ISBN-13 : 978-4103257318
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 230,828位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 402位コミック・アニメ研究
- - 9,431位社会学概論
- - 116,245位コミック
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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ベスト100レビュアー
Amazonで購入
「ゴルゴ13」の原作者である,さいとう・たかを氏の一代記というので買って読んでみた。
単なる回顧録にとどまらず,氏の劇画論,映画論,幸福論,教育論など様々な事柄に触れているが,その他者に迎合せず,自分を厳しく律したダンディな書きぶりに引き込まれていった。
最近,こうした辛口の本にめぐり合うことが少なくなってきたせいか,思わず唸り声をあげてしまうほどだった。
ここに「ゴルゴ13」の原風景を見た思いがした。
単なる回顧録にとどまらず,氏の劇画論,映画論,幸福論,教育論など様々な事柄に触れているが,その他者に迎合せず,自分を厳しく律したダンディな書きぶりに引き込まれていった。
最近,こうした辛口の本にめぐり合うことが少なくなってきたせいか,思わず唸り声をあげてしまうほどだった。
ここに「ゴルゴ13」の原風景を見た思いがした。
ベスト50レビュアー
私は劇画『ゴルゴ13』の長年に亘るファンです。ゴルゴ13の生みの親、さいとう・たかをの自伝にして劇画論でもある『俺の後ろに立つな――さいとう・たかを劇画一代』(さいとう・たかを著、新潮社。出版元品切れだが、amazonで入手可能)を興味深く読みました。
ゴルゴ13の内輪話を知ることができるのは、ファンにとって嬉しいことです。「私は、説得力のある言葉で、私のような悪童を納得させてしまうその人物を無条件で尊敬してしまった。彼の名こそ東郷先生。お察しの通り『ゴルゴ13』のデューク東郷という名は、その(中学校の)先生から頂戴したものだ。以来、東郷先生だけは別格扱いで、素直にその教えに従った。(ガキ大将の)私がそうするのだから、校内で東郷先生にタテをつく者はいなかった。尊敬の念をもって接すれば、相手も胸襟を開いて、何でも意見してくれた」。
ところが、ショッキングなことが起こります。「東郷先生が私の絵を非難したのである。しかも才能までないと断言された。絵には自信があったし、周りのだれもがそれを認めていたにもかかわらずだ。事実、展覧会などに出品すれば、必ずと言っていいほど賞をいただいていた。それでも才能がないときっぱり尊敬する先生に言われたのだからたまらない」。東郷先生に井の中の蛙の自慢の鼻をへし折られてしまったのですが、この一件は著者の成長を促すことになります。
「兄の参加で、夢はぐっと引き寄せられて、4月に、さいとう・プロダクションは産声を上げた。兄に営業と総務を任せ、私は創作活動に没頭。それまでアシスタントを務めてくれていた3、4人のスタッフでいよいよ分業化に着手。・・・しかし、プロの世界はそんなに甘くはない。絵のうまい者はいくらでも存在する。そこで勝ち抜いていくのは並大抵のことではない。才能、努力、そして運もある。運とはヨットでいえば、自分の風である。それが吹かない限り、どんなにじたばたあがいても前へは進まない。そんな自分の風を待つためにも、まずは、あるパートのエキスパートになるのが得策なのだ。自分の一番優れているところで才能を発揮できることの素晴らしさを、是非、知ってほしかった」。本書は優れた仕事論でもあるのです。
「まず、取り組むのが主人公の名前。これは人様とも同じで、名前がその性格に大きく影響する。極端な話、名がついたところでキャラクターの性格は確定すると言ってもいい。その好例が、『ゴルゴ13』である。『ゴルゴ』とは、キリストが十字架にかけられたゴルゴダの丘で、『13』はキリストの最後の晩餐で13番目の席についたユダにまつわる数字だ。そこからイメージを膨らませ、あのキャラクターは出来上がった」。
「『ゴルゴ13』にしても、陰謀、戦争、権力争い、失脚、嫉妬というようにさまざまな話がその舞台となるが、これらの枝葉になるネタがなくなることはない。企業と政治の癒着や大富豪の相続争いなどはよくあるパターンだが、アレンジ方法は無尽蔵と言ってもいい。政権交代、あるいは天下りも格好のテーマになる。そこに野望を抱いて虎視眈々とトップの座を狙う男や親友を裏切った過去を持つ男が登場すれば、物語はどうにでも展開する」。
「これまでに500話を超える物語を描いてきたが、ゴルゴ13を単なる狙撃者として描いたことは一度たりともない。彼を通して、きれい事ばかりが認められる世の中に対してのアンチテーゼを必ず忍び込ませている。一見、冷酷非道のキャラクターのようだが、実はその裏にはもう一つのゴルゴの顔がある。そこを見出していただけたならば、ゴルゴは決して冷酷でもなければ、強い男でもなく、ただ使命を果たしているに過ぎない。極端なことを言えば、企業繁栄のために、家族のために懸命に働くビシネスマンと同じ人間であることに気づいていただけるはずだ」。この「ゴルゴ=普通のビジネスマン」論には、少々驚かされました。
「誰がなんと言おうとも、人生は楽しむものだ。仕事でもプライベートでも悩みは尽きないが、ふりかかる火の粉も、はたまた幸運も、我が人生だからこその物種と、前向きに取り組んで生きている。・・・物事を謙虚に受け止めて今日を健康に生きていることに感謝する気持ちがあれば、幸福は身近に感じるものだ。自分の置かれた境遇の粗さがしをするのではなく、自分なりの価値観を見出す。謙虚な気持ちでいいところ探しをすれば、おのずと幸福になるための原点が見えてくるものだ。私の場合。いいことも悪いことも真正面から受け止めている。そうすることで、いろんな反応をする自分を発見できる。それがたとえ損をすることでも、そんな状況に立たされた自分を知ったのは得と考えれば相殺もできる、それが私の価値観なのである。極楽トンボと揶揄されるが、おかげで不幸だと思ったことは一度たりともなく、大いに満足しながら日々を過ごしている」。これほど、あっけらかんと自分の生き方を肯定できる人、そして、それを臆せず発表できる人は滅多にいませんが、著者のこの前向きな姿勢こそが連載を47年間も続けさせる原動力となってきたのでしょう。
ゴルゴ13だけでなく、さいとう・たかをも好きになってしまいました。
ゴルゴ13の内輪話を知ることができるのは、ファンにとって嬉しいことです。「私は、説得力のある言葉で、私のような悪童を納得させてしまうその人物を無条件で尊敬してしまった。彼の名こそ東郷先生。お察しの通り『ゴルゴ13』のデューク東郷という名は、その(中学校の)先生から頂戴したものだ。以来、東郷先生だけは別格扱いで、素直にその教えに従った。(ガキ大将の)私がそうするのだから、校内で東郷先生にタテをつく者はいなかった。尊敬の念をもって接すれば、相手も胸襟を開いて、何でも意見してくれた」。
ところが、ショッキングなことが起こります。「東郷先生が私の絵を非難したのである。しかも才能までないと断言された。絵には自信があったし、周りのだれもがそれを認めていたにもかかわらずだ。事実、展覧会などに出品すれば、必ずと言っていいほど賞をいただいていた。それでも才能がないときっぱり尊敬する先生に言われたのだからたまらない」。東郷先生に井の中の蛙の自慢の鼻をへし折られてしまったのですが、この一件は著者の成長を促すことになります。
「兄の参加で、夢はぐっと引き寄せられて、4月に、さいとう・プロダクションは産声を上げた。兄に営業と総務を任せ、私は創作活動に没頭。それまでアシスタントを務めてくれていた3、4人のスタッフでいよいよ分業化に着手。・・・しかし、プロの世界はそんなに甘くはない。絵のうまい者はいくらでも存在する。そこで勝ち抜いていくのは並大抵のことではない。才能、努力、そして運もある。運とはヨットでいえば、自分の風である。それが吹かない限り、どんなにじたばたあがいても前へは進まない。そんな自分の風を待つためにも、まずは、あるパートのエキスパートになるのが得策なのだ。自分の一番優れているところで才能を発揮できることの素晴らしさを、是非、知ってほしかった」。本書は優れた仕事論でもあるのです。
「まず、取り組むのが主人公の名前。これは人様とも同じで、名前がその性格に大きく影響する。極端な話、名がついたところでキャラクターの性格は確定すると言ってもいい。その好例が、『ゴルゴ13』である。『ゴルゴ』とは、キリストが十字架にかけられたゴルゴダの丘で、『13』はキリストの最後の晩餐で13番目の席についたユダにまつわる数字だ。そこからイメージを膨らませ、あのキャラクターは出来上がった」。
「『ゴルゴ13』にしても、陰謀、戦争、権力争い、失脚、嫉妬というようにさまざまな話がその舞台となるが、これらの枝葉になるネタがなくなることはない。企業と政治の癒着や大富豪の相続争いなどはよくあるパターンだが、アレンジ方法は無尽蔵と言ってもいい。政権交代、あるいは天下りも格好のテーマになる。そこに野望を抱いて虎視眈々とトップの座を狙う男や親友を裏切った過去を持つ男が登場すれば、物語はどうにでも展開する」。
「これまでに500話を超える物語を描いてきたが、ゴルゴ13を単なる狙撃者として描いたことは一度たりともない。彼を通して、きれい事ばかりが認められる世の中に対してのアンチテーゼを必ず忍び込ませている。一見、冷酷非道のキャラクターのようだが、実はその裏にはもう一つのゴルゴの顔がある。そこを見出していただけたならば、ゴルゴは決して冷酷でもなければ、強い男でもなく、ただ使命を果たしているに過ぎない。極端なことを言えば、企業繁栄のために、家族のために懸命に働くビシネスマンと同じ人間であることに気づいていただけるはずだ」。この「ゴルゴ=普通のビジネスマン」論には、少々驚かされました。
「誰がなんと言おうとも、人生は楽しむものだ。仕事でもプライベートでも悩みは尽きないが、ふりかかる火の粉も、はたまた幸運も、我が人生だからこその物種と、前向きに取り組んで生きている。・・・物事を謙虚に受け止めて今日を健康に生きていることに感謝する気持ちがあれば、幸福は身近に感じるものだ。自分の置かれた境遇の粗さがしをするのではなく、自分なりの価値観を見出す。謙虚な気持ちでいいところ探しをすれば、おのずと幸福になるための原点が見えてくるものだ。私の場合。いいことも悪いことも真正面から受け止めている。そうすることで、いろんな反応をする自分を発見できる。それがたとえ損をすることでも、そんな状況に立たされた自分を知ったのは得と考えれば相殺もできる、それが私の価値観なのである。極楽トンボと揶揄されるが、おかげで不幸だと思ったことは一度たりともなく、大いに満足しながら日々を過ごしている」。これほど、あっけらかんと自分の生き方を肯定できる人、そして、それを臆せず発表できる人は滅多にいませんが、著者のこの前向きな姿勢こそが連載を47年間も続けさせる原動力となってきたのでしょう。
ゴルゴ13だけでなく、さいとう・たかをも好きになってしまいました。
2013年12月21日に日本でレビュー済み
『ゴルゴ13』『影狩り』『無用ノ介』といったさいとうプロの
名作を読み続けてきた私としては、これら傑作を作り上げたさいとう先生のおいたち・哲学などを興味深く読みました。
お母様が現代の母親と比べてとてつもなく厳しい方でいらしたこと、学校教育に反発し、理容師の仕事をしながら漫画を描き続けたこと、漫画の黎明期に神様と呼ばれた手塚治虫先生に批判されつつも自分の信じる道を貫いて「劇画」というジャンルを確立されたことなど、その強靭な精神に打たれます。そして有名になられてからも既存の価値観に寄りかかることなく、独自の世界を描かれてきたことは素晴らしいです。
読んで気づかされたのは、さいとう先生は「あくまで自分の頭で考える人」なのだということです。血液型による性格分類や「人類宇宙人説」などに疑問を感じる読者もいるでしょうが、現代社会に対する危機意識など読みすごすことのできない鋭さが感じられました。『デビルキング』など初期の作品ですでに科学文明批判を展開していたのに、科学万能主義の風潮が強かった当時は全く受け入れられなかった挿話は興味深いです。また「父性愛は人類愛」の項では決してマッチズモではない「父親としての愛のあり方」を説かれていて、きわめて常識的な大人としての見識のように感じました。
個人的には日本の漫画界に衰退のきざしも見られるように感じていますが、さいとう先生のように骨太な巨匠にはお元気で頑張っていただきたいです。あくまで「読者にとって面白いものを描きたい」という先生のサービス精神とプロ意識に敬服し、改めて御健筆をお祈りしたい気持ちになりました。
名作を読み続けてきた私としては、これら傑作を作り上げたさいとう先生のおいたち・哲学などを興味深く読みました。
お母様が現代の母親と比べてとてつもなく厳しい方でいらしたこと、学校教育に反発し、理容師の仕事をしながら漫画を描き続けたこと、漫画の黎明期に神様と呼ばれた手塚治虫先生に批判されつつも自分の信じる道を貫いて「劇画」というジャンルを確立されたことなど、その強靭な精神に打たれます。そして有名になられてからも既存の価値観に寄りかかることなく、独自の世界を描かれてきたことは素晴らしいです。
読んで気づかされたのは、さいとう先生は「あくまで自分の頭で考える人」なのだということです。血液型による性格分類や「人類宇宙人説」などに疑問を感じる読者もいるでしょうが、現代社会に対する危機意識など読みすごすことのできない鋭さが感じられました。『デビルキング』など初期の作品ですでに科学文明批判を展開していたのに、科学万能主義の風潮が強かった当時は全く受け入れられなかった挿話は興味深いです。また「父性愛は人類愛」の項では決してマッチズモではない「父親としての愛のあり方」を説かれていて、きわめて常識的な大人としての見識のように感じました。
個人的には日本の漫画界に衰退のきざしも見られるように感じていますが、さいとう先生のように骨太な巨匠にはお元気で頑張っていただきたいです。あくまで「読者にとって面白いものを描きたい」という先生のサービス精神とプロ意識に敬服し、改めて御健筆をお祈りしたい気持ちになりました。
ベスト1000レビュアーVINEメンバー
ゴルゴ13で有名なさいとう・たかを氏の自伝です。
やはり完成が違う!今のようにぬるま湯に使っているので、ジリ貧から抜け出せない日本人にはインパクトのある一冊です。ちょっとした発想の転換だと思うのですが・・・昔の成功者にあるような泥臭い、しつこい人生が紹介されていて参考になります。
ゴルゴ13と名付けた逸話も良かったですし、映画のカット割りを漫画界に持ち込んだという(だから本人は劇画と名付けていますが・・・)話は無から(有)を産み出すプロの仕事です。
欲をいえば、もう少し深く詳しく掘り下げて頂きたいと感じました。
やはり完成が違う!今のようにぬるま湯に使っているので、ジリ貧から抜け出せない日本人にはインパクトのある一冊です。ちょっとした発想の転換だと思うのですが・・・昔の成功者にあるような泥臭い、しつこい人生が紹介されていて参考になります。
ゴルゴ13と名付けた逸話も良かったですし、映画のカット割りを漫画界に持ち込んだという(だから本人は劇画と名付けていますが・・・)話は無から(有)を産み出すプロの仕事です。
欲をいえば、もう少し深く詳しく掘り下げて頂きたいと感じました。
VINEメンバー
本書は、著者の半生記(というか73歳だから人生記か)で、さいとうプロに所属していた小池一夫や工藤かずや、小山ゆうの話は出てこず、どのようにアイディア作りをし、脚本家との作品が練り上げられたり、苦労しているのかなどについても触れられず、「俺の後ろに立つな」と『ゴルゴ13』を意識した題名にしているにも関わらず、内容はそこにあまり言及されておらず、期待して読めばガッカリする。
また、本人と作品の年表で37ページもとっており、そんなに紙幅を使う必要があったのかと疑問に思う。
後半では「持論」と称して色々と述べているが、科学的検証では性格や気質との関連性が見いだされない血液型について述べていたり、選挙を免許制にしろといったマッチョで傲慢な、データでなく自身の経験値にのみ基づく持論が展開されており、更に損した気分にさせた。
また、本人と作品の年表で37ページもとっており、そんなに紙幅を使う必要があったのかと疑問に思う。
後半では「持論」と称して色々と述べているが、科学的検証では性格や気質との関連性が見いだされない血液型について述べていたり、選挙を免許制にしろといったマッチョで傲慢な、データでなく自身の経験値にのみ基づく持論が展開されており、更に損した気分にさせた。
2011年7月18日に日本でレビュー済み
この本はちょうど、さいとうたかを版「私の履歴書」といった感じの内容です。解説にある自伝、発想の秘密、劇画論などのテーマはこれまで書籍や新聞記事などのインタビューで語られており、若干重複する部分もあるのですが、この本ではより深く、またより詳しく書かれていますので新鮮に読むことができました。
内容としては劇画の確立、制作の分業制、自己出版社の設立など漫画界に比類なき業績を築いてきただけあり、多角的で非常に読み応えのある内容です。
個人的に目から鱗が落ちたのは、さいとう氏の哲学ともいえる部分。「飛行機は安全ではなく落ちるもの」「幸福も不幸も自分自身の価値観から生まれる」などこれまで世の中の常識とされていることに距離を置き、すべてを0からとらえ、人生や物事に対して先入観を持たず、謙虚な姿勢で臨み、自分の価値観を築いていくという生き方には、現在の混迷を生きていくためのヒントのようなものを感じました。
また、映画、劇画についてはその役割から自分の流儀、発想法まで詳しく書かれており、クリエイターやエンターテイメント業界を目指す人たちにとっても参考になる部分も多いです。
ちょっと生き方に迷っている人、または自分に自信が持てない方には是非おすすめです。
内容としては劇画の確立、制作の分業制、自己出版社の設立など漫画界に比類なき業績を築いてきただけあり、多角的で非常に読み応えのある内容です。
個人的に目から鱗が落ちたのは、さいとう氏の哲学ともいえる部分。「飛行機は安全ではなく落ちるもの」「幸福も不幸も自分自身の価値観から生まれる」などこれまで世の中の常識とされていることに距離を置き、すべてを0からとらえ、人生や物事に対して先入観を持たず、謙虚な姿勢で臨み、自分の価値観を築いていくという生き方には、現在の混迷を生きていくためのヒントのようなものを感じました。
また、映画、劇画についてはその役割から自分の流儀、発想法まで詳しく書かれており、クリエイターやエンターテイメント業界を目指す人たちにとっても参考になる部分も多いです。
ちょっと生き方に迷っている人、または自分に自信が持てない方には是非おすすめです。