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俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い 単行本 – 2010/3/10

3.3 5つ星のうち3.3 8個の評価

都合の悪い意見や批判を封じるための嫌がらせ訴訟(SLAPP)が横行している。その被告=被害者となったジャーナリストたちが、SLAPP裁判の実態や名誉毀損訴訟の問題点を検証する。
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商品の説明

出版社からのコメント

【SLAPPとは何か?】
大企業や団体など力のある勢力が、それとは反対の意見を持つ人々の発言を封じ込めるために起こす、報復的、恫喝的なな民事訴訟のことをSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)と呼ぶ。アメリカでは二五の州・地域にSLAPPの被害を防ぐ法律がある。

著者について

烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)
1963年、京都府生まれ。京都大学経済学部卒業後、朝日新聞社に入社し、三重県津支局、愛知県岡崎支局、名古屋本社社会部、『AERA』編集部などを経て、2003年に早期定年退社。1992年にコロンビア大学国際関係大学院に自費留学し、軍事学で修士号を取得。著書に『「朝日」ともあろうものが。』、『Jポップとは何か----巨大化する音楽産業』、『Jポップの心象風景』、『カラオケ秘史----創意工夫の世界革命』がある。

西岡研介(にしおか・けんすけ)
1967年、大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業後、神戸新聞社に入社し、阪神淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件などを取材。その後、『噂の眞相』、『週刊文春』、『週刊現代』の記者を経て、現在はフリー。著書『マングローブ----テロリストに乗っとられたJR東日本の真実』で講談社ノンフィクション賞を受賞。その他の著書に『「噂の眞相」トップ屋稼業』、『襲撃----中田カウスの1000日戦争』がある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2010/3/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/3/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 271ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309245137
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309245133
  • カスタマーレビュー:
    3.3 5つ星のうち3.3 8個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2014年5月21日に日本でレビュー済み
    ※文中敬称略

    烏賀陽弘道と西岡研介の対談本。55ページにはこう書かれている。

    烏賀陽―〔略〕新潮社から『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相』っていう本が出てるやろ。あの本で「なかでも悪質だったのが『週刊文春』の西岡記者である」って名指しで非難されているやろ?
    西岡―されてる,されてる(笑)。

    この後,『でっちあげ』の著者・福田ますみに対する批判がしばらく続くのだが,これが言語に絶するひどさである。

    まず『でっちあげ』(2007年に単行本,2010年1月に文庫化)のどこにも,「なかでも悪質なのが…」に該当する記述は存在しないし,これに類似する表現も存在しない。これは端的に言って文章の捏造,ないしは悪質な曲解である。この時点でアウトであろう。

    福田の『でっちあげ』は2003年に福岡市で起こされた裁判を取り上げたノンフィクションである。先祖に米国人がいる児童に対し,担任の教師が「血が穢れている」などの人種差別発言を行い,さらにはその児童に対して,ミッキーマウス(両耳をつかんで持ち上げる),ピノキオ(鼻をつまんで引っ張り回す)などの無茶苦茶な体罰を行っていたーと報道された事件である。教師は懲戒処分を受け,さらには児童・その両親から民事訴訟も起こされた。西岡が週刊文春で,教師の実名や顔写真などを掲載してセンセーショナルに報じてからは,キー局のワイドショーも取り上げて教師へのバッシングが行われたものの,続報は間を置かずぱったりと止んでしまった。結論をいえば,2013年1月に,いじめや体罰はなかったとして,福岡市人事委員会が懲戒処分を取り消したのである。福田の『でっちあげ』は,当初より教師の「無実」を訴えていた本で,言ってみれば一種の冤罪ドキュメントだ。これは当然,「殺人教師」などと指弾していた西岡の記事の正反対を行くので,西岡が噛み付いたというわけである。

    それでは西岡は,どう反論したのか。本書で述べているのは,結局のところ次の2点である(pp.55-60,pp.161-162)。

    ・裁判所は教師のいじめを認めて福岡市に賠償を命じた。だから自分の書いた記事は正しい
    ・にもかかわらず,福田は『でっちあげ』で教師の体罰がなかったかのように書いている

    しかし,西岡のこの反論は,「裁判所の事実認定は必ず真実と合致する」という前提を置かなければ成立しないものである。そう考えるのは個人の勝手だが,ならば, 「絶対に間違っていないことを書いているのに証人尋問で下手打ったら,裁判では負けてしまう」(p.75)などとは言えないはずだ。自分にとって都合が良いかどうかで裁判に対する評価を180度変えるのは,単なるダブルスタンダードである。

    記者ならば,裁判所という権威にすがるのではなく,自らの取材と観察に基づいて反論すべきである。福田は『でっちあげ』でそういう仕事をしているし,同書では判決も引用した上で丁寧に批判・検討を加えている。西岡に同じことが出来ないのは,一言で言えばロクな取材をしていないからだ。文春の記事では,児童・両親の弁護団が,教師の体罰で折られた歯を保管している,と堂々と書いていた(後掲(2)p.39)。福田が弁護士に確認すると「それは知りません。保管していません」という答えが返ってきた(『新潮45』2004年1月号p.58)。西岡よ,本当に弁護士に取材したのか?

    しかし,より深刻なのは次の問題だ。西岡は,裁判所が体罰を認めたから自分の記事は正しいのだと強弁しているものの,実のところ判決 は,西岡が記事に書いたような体罰は認定していない。これは『でっちあげ』を読んでも分かることだが(文庫pp.273-274,pp.277-279,pp.328-329),余裕があるならば,ネットの「ウィキソース」に上がっているこの事件の確定判決(福岡高等裁判所判決平成18年(ネ)第720号、平成18年(ネ)第1010号)と,西岡が書いた記事

    (1)週刊文春2003年10月9日号(pp.40-43)「死に方教えたろうか」と教え子を恫喝した史上最悪の「殺人教師」
    (2)週刊文春2003年10月30日号(pp.38-39)「史上最悪の殺人教師を擁護した史上最悪のテレビ局」

    を比較対照してみればよい。裁判所は,西岡が書いた「血が穢れている」発言も,怪我をするような連日の体罰も,自殺の強要も,児童のPTSDも,何一つ認めていない。"判決なんて誰も読まないだろう" とタカをくくっていたのか。よくもまあこんな大ウソがつけたもんだ。たとえ裁判所の事実認定が正しいと仮定したとしても,西岡の記事が誤報であることに変わりはない。

    (※なぜこんなにねじれた話になったのか,理由はこうである。西岡は,裁判では子供の両親(正確には子供のみ)が勝って福岡市教育委員会(正確には福岡市)が負けたと説明しているが(p.56),正しくは一部勝訴。ということは一部敗訴である。しかも,一審では5800万円も請求して220万円しか取れなかったのだから,実質敗訴と言う方が正しい。これは原告側弁護団も認めていて,だから控訴したのである(『でっちあげ』新潮文庫p.277)。控訴審では請求額と認容額がともに原審とは異なるが(約5400万円に対して330万円),いじめに関する事実認定は全く同じであるから,やはり実質的には敗訴ということになろう。この「敗訴部分」が,西岡の記事である)

    マスコミが誤報を出してしまうのは,ある意味では仕方のないことである。にんげんだもの。だから,肝心なのはその後のフォローだ。自らの過ちを公に認めるほどの度量がないのであれば,沈黙するのがせめてもの礼儀というものだろう。

    私はてっきり西岡が,この件は黒歴史にして封印しているのかと思っていたのだが,どうやら買い被りすぎていたようである。本書で西岡がやっていることと言えば,逆ギレの挙句の他人の文章の捏造と,裁判制度を曲解したウソの上塗り,さらには自分が正しいことを主張せんがための人格攻撃である。対談相手の烏賀陽も無論同罪だ。『でっちあげ』を読んでいれば,こんな馬鹿な会話が成立するはずはない。言ってみれば烏賀陽は,西岡のインチキの片棒を担いでいるのである。もうこれで西岡は,烏賀陽に頭が上がらないだろう。ジャーナリストとしての適格性もさることながら,人間性が疑われる。西岡は本書59ページで,福田は自分に面と向かって「オバハン」と言われたのを根に持っているみたい(笑),と書いているが,自身の間違いを指摘した者を侮辱しておいて,あとは全部「あの人の言ってることは逆恨み」と言い抜けるつもりなのか。

    どうにもこのサイコな反応には既視感があると思ったら,本書の中で西岡はこんなことを言っている。

    ・次にケンカ売られたら倍返しにしようとは思てますよ,もちろんメディアの世界で,今度は相手が立ち上がれんぐらいに叩きのめします。それこそ日垣隆さんがやりはるみたいに(笑)。(p.60)

    なるほど。日垣隆が西岡の師匠だったわけだ。数年前,ここにはとても書けないような差別発言や虚偽発言をツイッターで繰り返し,数多の批判を受けて従来のファンからも見放された日垣センセイは,今どこで何をしているんでしょうねえ。

    本書は全体としては「表現の自由」(憲法21条)について述べた本だが,憲法と法律の区別ができていなかったり(p.190),プライバシー侵害について対抗言論の法理を持ち出したり(pp.68-70)と,議論のレベルが著しく低い。このうち,後者は要するに,人格権であるプライバシー権と名誉権の区別が出来ていないことを意味している。これは,八百屋の親父がキャベツとレタスの区別がついていないのと同じくらいに恥ずかしい話である。もちろん間違いはこれだけにとどまらない。「最高裁まで控訴」(p.26)などとアホなことも言っているから,義務教育からやり直した方が良いだろう。

    空虚に「表現の自由」を主張するだけの得手勝手な議論に,自身の誤報に対しては大ウソの釈明。読者を舐めるのも大概にしたらどうだ。こんなバカな本が堂々と出ているのだから,メディアが信頼されなくなるのも当然である。
    239人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2011年9月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    久しぶりに元気のある本にぶち当たる。
    本音のトークは読むものに感動を与えてくれる。
    2人とも今まで以上に活躍してほしい!!
    期待してます。
    9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2013年6月8日に日本でレビュー済み
    雑誌が名誉毀損で訴えられて業務がパワーダウンしていく様は著者である西岡氏の元同僚、神林広恵「噂の女」を読んだときに気になっていた。

    烏賀陽弘道氏のように、突然高額の損害賠償とともに訴状が届けられ裁判となると、訴えられる側は途方もない労力を使う。
    その上、それで得られる収入はない。

    一方、西岡研介氏はJRに関する記事(単行本「マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」)を書く際、訴えられた場合の費用は出版社が負担、弁護士は自分が指定した弁護士が担当するなど、訴えられた場合に備えて周到に準備している。それは上記の神林氏の姿を見ていたからなのは間違いない。

    最初のうちは単なる対談としてサラっと読んだ。
    しかし
    ・公共の利害に関することで(公共性)
    ・公益を図る目的に基づいて(公益性)
    ・真実であるか(真実性)
    ・もしくは真実であると信じるにたる理由があり(真実相当性)
    ・訴えられていることと記事との間に因果性がないことを証明
    「法廷で納得できる証拠を出せなければ」
    裁判では勝てない現実を当事者の体験談として詳細に示している。

    それ以外にも書く側、書かれる側、司法の問題点、メディアでは訴えられた場合の対応をほとんど指導していない現実、西岡氏による「噂の真相」休刊時期や週刊現代大相撲八百長報道における裁判の行方に関するコメントも的確で、奥深い本に仕上がっている。

    現時点で烏賀陽氏に対する批判は大きいのは確かだが、☆5は妥当と考える。
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2017年12月28日に日本でレビュー済み
    社会において批判やチェックが働くことは望ましいと思いますし、この筆者らもそれに貢献もしているのでしょう。
    ただ、この本はあまりいただけないかな。
    著者のうっぷん晴らしのための本ですか?
    公に人を糺すのならば、当然、ご自身も責任を覚悟しなくてはなりません。
    言いっ放しですましたいなら、売名など考えず、匿名のネットの世界でやればいい。
    裏取りが不十分な、いい加減な話を垂れ流して、人に言いがかりをつけて、被害者面ですか?
    自らが誤っていて、人の人生を狂わせたのなら「筆を折る」くらいの覚悟もなく、開き直るとは、、、盗人にも何とかという感じ。
    筆者らは自分たちは治外法権、批判やチェックは受けるべきでない存在だとでも考えているように思えてなりませんね。
    (偽善)正義面の、典型的なマス〇〇人の与太話という印象。
    いずれにせよ、謙虚な事実検証の姿勢に欠けているようなので、ジャーナリストというより、事件師みたいなもんでしょ。
    42人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2012年7月14日に日本でレビュー済み
    烏賀陽弘道、西岡研介『俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い』は恫喝訴訟(SLAPP: Strategic Lawsuit Against Public Participation)をテーマとした書籍である。恫喝訴訟とは資金力のある大企業や団体が自らに都合の悪い批判意見や反対運動を封殺するために起こす訴訟で、高額の賠償金が請求されることが多い。嫌がらせ訴訟とも呼ばれる。恫喝訴訟の対象は言論界だけでなくマンション建設反対運動に参加する住民など一般にも広がっている。不都合な意見の封殺という点では民事の恫喝訴訟だけでなく、警察を使った手口もある。
    本書は恫喝訴訟の被告となったジャーナリストたちが、SLAPP裁判の実態や名誉毀損訴訟の問題点を検証する。著者の烏賀陽氏は、事実誤認に基づく名誉毀損行為があったとして、5000万円もの損害賠償ならびに謝罪の請求を求めた訴訟が、烏賀陽氏側から恫喝訴訟と批判された。この訴訟はオリコンが請求を放棄することで決着した。
    恫喝訴訟は訴えられる側にとって大きな脅威である。提訴者の目的は相手を疲弊させ、言論活動を萎縮させることである。そのため、恫喝訴訟を起こされて、最終的に勝訴(請求棄却)したとしても、裁判に労力を奪われたことにより、元々の言論による批判や反対運動が疎かになったとしたならば、恫喝訴訟の提訴者の目論見は成功したことになる。
    従って恫喝訴訟での請求が棄却されて全面勝訴したとしても素直に喜べない。恫喝訴訟の存在自体が不当であり、応訴に費やされる時間と労力は本来不必要なものでものである。勝訴に至るまでの時間と労力に思いを馳せれば、暗澹たる気持ちになったとしても無理はない。それ故に本書のように恫喝訴訟を契機として問題意識を深めることは重要である。
    (林田力)
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  • 2017年11月17日に日本でレビュー済み
    本作の文中で「福田は自分に面と向かって「オバハン」と言われたのを根に持っているみたい(笑)」とあったとありますが、この一文を読んで心の底からがっかりしました。
    曲がりなりにも筆で飯を食っている人間が、こんな小学生のような思考でしか相手を蔑むことができないとは。
    分かりやすい「悪口」でしか溜飲を下げることができなかったのでしょうか。

    とにかく「人間として」「ジャーナリストとして」レベルが低すぎてがっかりです。
    52人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2010年6月9日に日本でレビュー済み
    若手ジャーナリストとして注目されている著者ふたりのジャーナリスト魂に震える思いがしました。
    企業や個人が、最近は簡単に訴訟を起こす社会、何が真実なのかを、是非、著者にはこれからも私たちに伝えて欲しいと思います。
    32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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