行き詰まったリベラル教育のせいか、平成の終わりから令和にかけて戦前の本の再評価がされるようになり、この本もその一つだと思います。
内容はいちいち素晴らしい(中年には耳が痛い)ですが、内容は個人主義に基づいています。
そこが「修身」という響きとどうも符合せず、若干期待はずれでした。
最初から最後まで個人としてどう生きれば良い人生を送れるか、という視点で書かれています。
書かれている内容は全く間違いはありません。
当時一流の人物による一流の講義です。
よくここまで記録が残っていたな、と大変感心します。
ところが不思議なもので、日本人は「個人の完成を目指す」といった観点から書かれた本を読むと不思議と違和感や反発を感じるものなのですね。
たまたまこの本を読む前に「國體の本義」を読んでいたので、同じ戦前の読み物でありながら、不思議と「國體の本義」の方がはるに難解で古めかしい文章なのにほぼ全編に渡って受け入れやすく、「修身教授録」はわかりやすく、平易な表現を使っているのに全体的に反発を覚えます。
國體の本義→個人は国(皇室)に尽くすことで全体として調和し、真価を発揮する→日本人に受け入れやすい考え方
修身教授録→個人はこう行動すればより良い人生を送れる(儒教、西洋思想≒個人主義)→日本人は個人の完成をゴールとする考え方そのものに反発を感じる
このことに気づけた一冊でした。
修身教授録 (致知選書) (日本語) 単行本 – 1989/3/1
森 信三
(著)
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本の長さ531ページ
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言語日本語
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出版社致知出版社
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発売日1989/3/1
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ISBN-104884741722
-
ISBN-13978-4884741723
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、大阪天王寺師範学校(現・大阪教育大学)本科での森信三先生の講義をまとめた『修身教授録』(全5巻、昭和14年刊)の中から、昭和12年3月~昭和14年3月までの2年間の講義を改めて編集したものです。
登録情報
- 出版社 : 致知出版社 (1989/3/1)
- 発売日 : 1989/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 531ページ
- ISBN-10 : 4884741722
- ISBN-13 : 978-4884741723
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,555位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読まずに4年間経過したが、ふと読んでみようと思い立った。積読も悪くない。
森先生の言葉の節々から、現代人が忘れがちな強い信念と想いが心に染み渡ってくる。
人生とその縮図である日々の生き方に対する自身の甘さを実感し背筋が伸びてくる。
本書の根本眼目は「立志」である。
人間や日本に生まれた意味を背負い、肉体が滅した後にも人々に役に立つための志を掲げ、
命を燃やし尽くすまで日々を生き貫く。
志が心に常にあれば、読書、態度や行動は自ずと変わるものとするが、
森先生の心の鍛錬と心得への深い考え方がその甘さに気づかせ指針としてくれる。
例えば、階段ひとつ登るにも平地と変わらない在り方をしているかが、
逆境に対する心構えを示すといった具合である。
さて、本書で森先生は「調べる」でなく「研究」と表現しているが、
現代人が表面的な情報で物事を捉えがちな中、より深く真実を探求していく態度が、
森先生の言葉の深みを生んでいるように思われる。
普段、私は科学的・統計的な研究結果を読むのを好んでいるが、
今年度は精神的偉人に対する視野を広げ、心に強い志を持つための生き方を見つけて内面を強化して行きたいと思う。
迷った時に立ち戻りたいと思える一冊。
森先生の言葉の節々から、現代人が忘れがちな強い信念と想いが心に染み渡ってくる。
人生とその縮図である日々の生き方に対する自身の甘さを実感し背筋が伸びてくる。
本書の根本眼目は「立志」である。
人間や日本に生まれた意味を背負い、肉体が滅した後にも人々に役に立つための志を掲げ、
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志が心に常にあれば、読書、態度や行動は自ずと変わるものとするが、
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例えば、階段ひとつ登るにも平地と変わらない在り方をしているかが、
逆境に対する心構えを示すといった具合である。
さて、本書で森先生は「調べる」でなく「研究」と表現しているが、
現代人が表面的な情報で物事を捉えがちな中、より深く真実を探求していく態度が、
森先生の言葉の深みを生んでいるように思われる。
普段、私は科学的・統計的な研究結果を読むのを好んでいるが、
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