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登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 80 g
- EAN : 4988105105010
- 監督 : キン・フー
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 3 時間
- 発売日 : 2017/6/7
- 出演 : シュー・フォン, シー・チュン, ティエン・ポン, パイ・イン, ロイ・チャオ
- 言語 : 北京語 (Mono)
- 販売元 : 松竹
- ASIN : B06XDH54XV
- ディスク枚数 : 1
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 64,341位DVD (の売れ筋ランキングを見るDVD)
- - 376位アジアンアクション映画
- - 5,070位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
商品の説明
内容紹介
復讐を胸に立ち上がるのは一人の優しき女剣士
■第28回カンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリ受賞作品
4Kデジタルリマスターにて修復された本作は、カンヌ国際映画祭クラシックス部門(2015)にて世界の並み居る傑作群の中回顧上映された。ジャンルを超えたそのあまりに美しい映像が世界中で賞賛されての受賞。2017年、長らく映画祭での上映のみであったが、遂に本年日本でも一般公開。
■「武俠映画」の頂点にして完成形、他の追随を許さない歴史的名作
静と動、光と影、正と邪、善と悪、男と女、剣と拳と全てが対比となる構成。そして縦横無尽に自在に動きまわるカメラ。廃屋・原野・森林・山道と多彩に変化する舞台。何より、竹林の死闘は、シュー・フォンの凛々しさを加えて映画史上最も美しいシーンの一つとして輝く。
■近年のアクション映画の原点となる作品
香港のスピルバークことツイ・ハークは監督の熱烈な信者だが、武術指導を兼ねるハン・インチェは後に「ドラゴン 危機一髪」でブルース・リーを演出。その片腕役になんと若きサモ・ハン・キンポーが扮す。キン・フー作品でのスタントをきっかけに多くのスターや武術指導者が育ち、今なお活躍中。そして「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」も「グリーン・ディスティニー」も本作やキン・フー監督の作品群がなければ存在しなかったかも。
【映像特典】
予告編
【ストーリー】
明朝末期。書生のグーは、小さな村に母親と暮らしていた。ある日、店に現れたオウヤンという男に、住んでいるチンルー砦のことを聞かれる。近所を調べると、そこには美しい女性ヤンが越してきていた。時が経ち、グーとヤンの距離が縮まる中、二人の目の前に待ち構えていたオウヤンが現れ、剣を抜きヤンと戦い始める。なんとヤンは政府(東廠)に処刑された大臣の娘であり、唯一の生き残りだった。人相書を頼まれたことで事実を知ったグーは、姿を消したヤンを探し出し、彼女とその仲間を助けるために、兵法を使って東廠の追跡隊を罠にかけるが…。
【キャスト】
シュー・フォン、シー・チュン、ティエン・ポン、パイ・イン、ロイ・チャオ
【スタッフ】
◆撮影:ファ・フィイン◆音楽:ウー・タイコン◆武術指導:ハン・インチェ
◆原作:『聊齋志異』
※商品仕様、特典等については変更となる場合がございます。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
キン・フー監督、復讐を胸に戦う女剣士を描いた武侠アクション。明時代末期。書生のグーが暮らす小さな村にヤンという女性が越して来た。グーとヤンの仲が親密になっていく中、突然現れたオウヤンという男とヤンが剣を抜いて戦い始め…。
内容(「Oricon」データベースより)
明朝末期。書生のグーは、小さな村に母親と暮らしていた。ある日、店に現れたオウヤンという男に、住んでいるチンルー砦のことを聞かれる。近所を調べると、そこには美しい女性ヤンが越してきていた。時が経ち、グーとヤンの距離が縮まる中、二人の目の前に待ち構えていたオウヤンが現れ、剣を抜きヤンと戦い始めるのだった…。
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カスタマーレビュー
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星5つ中の4.2
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年6月27日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
本作は元来上集、下集の2部構成。『ゴッドファーザーPART2』みたいな感じ。
2000年に発売された187分のDVDには、上集の終わりを告げる大きなテロップ(?)と、
下集の最初に流れるオープニングが収録されていたのですが、
今回の180分のものは前後のシーンがそのまま繋がってるんですね。
きっとマスターがそうだから、しようがないっていう理由なんでしょうね。
上集が終わるシーンは1時間40分で新旧一致してるんですが、
前述したEDとOPを合わせても7分まではとてもいかないので、
旧盤よりちょっとカットされちゃってるシーンもありそう。
まだきちんと視聴してないので申し訳ないのですが、
好きな方は旧盤も手放さないでおいた方がいいかもですね。
2000年に発売された187分のDVDには、上集の終わりを告げる大きなテロップ(?)と、
下集の最初に流れるオープニングが収録されていたのですが、
今回の180分のものは前後のシーンがそのまま繋がってるんですね。
きっとマスターがそうだから、しようがないっていう理由なんでしょうね。
上集が終わるシーンは1時間40分で新旧一致してるんですが、
前述したEDとOPを合わせても7分まではとてもいかないので、
旧盤よりちょっとカットされちゃってるシーンもありそう。
まだきちんと視聴してないので申し訳ないのですが、
好きな方は旧盤も手放さないでおいた方がいいかもですね。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品に昨今の様なテンポの良い、カンフー映画を期待してはいけません。
開始早々、深山幽谷の情景が延々と映し出され、ようやくスクリーンにキャストが登場、
ここまで約6分。
劇中、とある策略により敵勢を追い払うのですが、その種明かしを妙な高笑いをしつつ準主人公が
これまたご丁寧に逐一実演してみたり‥‥。
極めつけは仇打ち完遂後、主人公が「捜さないで下さい」と伝え残し姿を消し、『終劇』とすれば良かった
ものを、その後のダメ押しの戦い。太陽を背に浮かぶ逆光の高僧の尊い御姿で、迎えるエンディング。
このシーンを見るにつけ、最後は一体何を伝えたかったのだろうと首をひねります。
とは言うもの、伝説の竹林シーンでの戦いとか、若きサモ・ハン・キンポーが
出演していたりするので、カンフー映画が好きな方は一度は見ておいても
損は無いと思います。
開始早々、深山幽谷の情景が延々と映し出され、ようやくスクリーンにキャストが登場、
ここまで約6分。
劇中、とある策略により敵勢を追い払うのですが、その種明かしを妙な高笑いをしつつ準主人公が
これまたご丁寧に逐一実演してみたり‥‥。
極めつけは仇打ち完遂後、主人公が「捜さないで下さい」と伝え残し姿を消し、『終劇』とすれば良かった
ものを、その後のダメ押しの戦い。太陽を背に浮かぶ逆光の高僧の尊い御姿で、迎えるエンディング。
このシーンを見るにつけ、最後は一体何を伝えたかったのだろうと首をひねります。
とは言うもの、伝説の竹林シーンでの戦いとか、若きサモ・ハン・キンポーが
出演していたりするので、カンフー映画が好きな方は一度は見ておいても
損は無いと思います。
2020年6月10日に日本でレビュー済み
胡金銓監督作品の中でも、最も好きな作品です。監督お得意の閉所で展開される「客棧物」とはまた違った魅力があります。
主演の徐楓はこのとき20歳ぐらいだと思いますが、彼女の出演作品の中でも群を抜いて魅力的だと思います。武術指導の韓英傑の殺陣も魅力的です。(韓英傑は今作ではちょい役で出てますが、遺作となった笑傲江湖の風清揚役も素晴らしい)。現在の武侠映画の基礎となる様々な技術が多用されています。トランポリンや細かいカット割りなど、今からすると若干物足りないかもしれませんが、当時は革命的でした。
胡金銓の映画は非常に緻密で、ストーリーを重視するものが多いですが、本作はその最高傑作と言えるでしょう。
主演の徐楓はこのとき20歳ぐらいだと思いますが、彼女の出演作品の中でも群を抜いて魅力的だと思います。武術指導の韓英傑の殺陣も魅力的です。(韓英傑は今作ではちょい役で出てますが、遺作となった笑傲江湖の風清揚役も素晴らしい)。現在の武侠映画の基礎となる様々な技術が多用されています。トランポリンや細かいカット割りなど、今からすると若干物足りないかもしれませんが、当時は革命的でした。
胡金銓の映画は非常に緻密で、ストーリーを重視するものが多いですが、本作はその最高傑作と言えるでしょう。
ベスト1000レビュアー
「わたしは、東洋のものの考え方は芸術に対して西洋的な方法と全く異なっていると考えています。西洋の芸術家たちは科学と同じ態度で、数学的な正確さで自然を写しました。でも東洋的な生き方は違う。わたしたちは農耕民族で、自然を征服しようとせず、自然と調和してきました。芸術も自然のイミテーションではなく、沈思黙考し、心に浮かんだ事を描きます。東洋の絵には余白というものがありますが、西洋人はこれを理解しない。わたしたちは余白が構図の一部であることを自然に受け入れます。この方が芸術の高い段階と言っていいのではないかと思います。わたしはリアリスティックと言われるものを信じていないのです。自然のコピーではないイマジネーションの方を信じます」-『キン・フー 武侠電影作法』より(キン・フー、山田宏一、宇田川幸洋・著/草思社・刊)
本作『侠女(A Touch of Zen)』(’70)は、第28回カンヌ国際映画祭で高等技術委員会グランプリ(編集のテクニックが評価された)を受賞し、監督の胡金銓(キン・フー)は、国際的に高い芸術的評価を受けた最初の中国人監督となった。「香港・台湾映画界のクロサワ」などと呼ばれもしたが、彼の芸術的探求心を知るほど、その呼称は決して伊達や酔狂ではないと感じる。通俗的な映画が幅を利かせていた中華圏の映画界に於いて、考証や美術といった作品の質を高める事にこだわり続け、様々な撮影・編集テクニックを開発し、迫力の剣戟シーン、さらに映像美も追及し「武侠映画」のスタイルを確立。多くの追随者を生み、後のカンフー映画や香港アクション映画の礎を築いた。香港映画が隆盛をはじめた’60年代の黄金期第一世代の監督の一人である。
ブルース・リーは、キン・フーの映画に出演する事を生涯切望し続け、ツイ・ハークもまた熱狂的なキン・フー信者として知られている。またジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ、そして後に『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の監督となるチン・シウトンらが無名の子役だった頃に次々と映画に出演させ、「香港映画界の金の卵」たちと映画界との橋渡し役も担った多大な功績を持つ人でもある。日本では一部のマニアを除いて、未だに正当に評価されていない事が残念至極と言うほかない(ソフトの発売状況も良好とは言えない)。冒頭に挙げた、山田宏一氏、宇田川幸洋氏両名によるインタビュー本は、この監督の功績を後世に遺す、まさに先見の明と慧眼に満ちた素晴らしい仕事だと絶賛したい。
本作は、そうしたキン・フー作品の中でも、活劇の娯楽性と映像的快楽、そして単なるエンタメでは終わらない東洋的な神秘性(最初に引用した監督の言葉に注目してほしい)まで持ち合わせた、まさに代表作と呼ぶにふさわしい一本である。
怪奇譚や異聞を集めた中国の古典文学で、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の原作としても知られる蒲松齢の『聊齋志異』の中のエピソードをキン・フーが大胆脚色し、前・後編の合計3時間に及ぶ大作として仕上げ、本作と同じくデジタルリマスターされた『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(‘67)と共に、台湾武侠映画のブームを作った記念碑的作品である。何度も繰り返すが、本作は欧米に中華圏映画の芸術性を知らしめた伝説的作品である(笑)。
明王朝の末期、小さな村で絵や書を売って暮らす若者グー(石雋/シー・チュン)は、店に現れた男に、近所にある荒れ果てた砦について尋ねられる。そこには謎めいた美女ヤン(徐楓/シー・フン)が住み着いていた。グーはヤンと恋に落ちるが、そこに再び例の男が現れ、剣を抜いてヤンと戦い始める。ヤンの父は反政府分子として処刑された大臣で、彼女はその一族の最後の生き残り・・・そして父の復讐を誓った身だったのだ。
武術の心得がないグーは、代わりに自分の知識を兵法に活かし、軍師として彼女の復讐に力を貸す事を決意する。かくして、数少ないヤンの仲間と政府の刺客たちとの壮絶な闘いの火ぶたが切って落とされた・・・!
とにかく本作の魅力は、自然光の中で展開するアクションの数々、ロケーションの素晴らしさなど目を瞠るような映像美学である。クライマックスの大決戦の場となる荒廃した砦の、ススキが茫々と生え、朽ち果てかけた建物の、作り物には見えない圧巻のセット。そしてヒロインの回想シーンの中に登場する、雄大なロケーション・・・真っ白な巨岩がごろごろと転がる川べり、その岸壁に張り付くように建つ神秘的な寺院、有名な竹林での映像美が炸裂する決斗シーン。ほかにも、どんだけロケーションにこだわるんだと思ってしまうぐらいにカッコいい風景のてんこ盛りである(笑)。
3時間にも及ぶ作品のため、実は冒頭の展開はけっこうタルい(笑)。荒れ果てた砦の風景を、これでもかとじっくり見せていくカメラワーク、グーとヤンの出逢いから、二人の距離が狭まっていく過程などはスローテンポ・・・もとい、じっくり描かれていて、やはりひと昔前の映画か・・・と一瞬思うのだが、しかし物語が動き始めるや、一挙に痛快活劇へと転じ、あとは脇目もふれないキン・フー美学の乱れ撃ちへと突入してゆく。
もう見どころだらけで何から書いたらいいか分からないぐらいなのだが(笑)、あの伝説的な、前半のクライマックスとなる竹林での決斗シーンが本作を象徴するシーンであろう。逆光スモークという手法を、リドリー・スコットの10年近くも前にやってしまった、この先駆的な才能と映像美!
トランポリンを使って人間を中高くジャンプさせる方法を中国映画で初めてやったというキン・フーが、あらゆる撮影・編集テクニックを駆使して描く竹林での剣戟。プロの編集マンや、カンヌの審査員たちが唸ったアクション・カッティングのアイディアと技術で見せる急降下アクション。後の香港映画に多大な影響を与え、多くの模倣を生んだスタイルの原点がここにある。
また、この映画のクライマックスの舞台となる荒廃した砦。あまりの存在感に、どこかに実在する廃墟を使ったのかと思ったが、これは完全に作ったセットなのだそうだ。建物の表面に塩酸をかけたり、緑色に染めたおがくずを塗りたくって、実にうまく荒れ果てて苔むした雰囲気を出している。しかも、ススキがこれでもかと生い茂るすさまじさは鬼気迫るものがあり、キン・フー監督のこだわりいかばかりか、と唸ってしまう。本作のプロデューサーが、「古びた感じを出すために、撮影するまで1年も待った」という大ウソで宣伝したというこぼれ話もナルホドと笑ってしまう。
実は、こうしたこだわりはキン・フーならではのもので、セットなどを古めかしく作り込む作業は、監督が指示して実践しない限り、当時のスタッフは全くやらなかったそうなのだ。同じ事は考証などにも言えて、キン・フーは自ら古い文献にあたり、設定や小道具など様々なものに反映させている。この辺の考証も、当時の中華圏映画は相当いいかげんだそうで、監督、インタビュー本で他の映画の悪口を相当言ってます(笑)。で、本作で面白いのが、政府の追っ手たちが腰にベルトのように巻いている「しなる」刀である。これは創作ではなく実際に使われていた武器で、「緬刀」というビルマから伝わって来た刀なのだそうだ。『武経備要』という書物の中で見つけたという。
このように、何から何まで徹底してこだわるキン・フーは、とにかく尋常でないぐらいに全てに厳しい監督だったらしく、演技が少しでも気に食わないと、俳優にもすごい勢いで怒鳴りつけるのだそうだ。本作の主演男優のシー・チュンを見ているといつも目が真っ赤で、この人は目の病気かなにかだろうかと思っていたら、緊張のあまり頭に血が上って、本番の時に目が充血してしまうのだそうだ。すごいエピソードだね、これ(笑)。主演女優のシー・フンによると、キン・フーの現場を経験すれば「他の監督の現場はすごく簡単に感じる」のだそうだ。
という風に、創作の裏話を知れば知るほど、「香港・台湾映画界のクロサワ」というキャッチフレーズは、あながちジョークでもない事が判る。
話題は尽きないのだが、どうしても最後に書いておきたい事がある。本作はタイトルからも判る通り、一人の女傑が見事父の仇を討つ物語だが、しかし・・・実はそれだけでは言い切れない、他の武侠映画とは毛色の違う、東洋的な神秘性を帯びた映画でもあるのだ。
本作には、一人の高僧が登場する。逃亡の身だったヒロインを匿い、政府の刺客たちを卓越した武技と法力で蹴散らし、ヒロインに武術を教える人物である。ある意味、この喬宏(ロイ・チャオ)演じる高僧が本作の最強キャラなのだが、実はラストは、このキャラクターに完全に持って行かれてしまうのである(笑)。
政府の刺客との大決戦が終わった後、まだ40分も残っている。で、政府が放った更なる強敵(演じるのは、キン・フーの数々の作品で武術指導を担当した韓英傑/ハン・インチェー。この部下を当時無名だった洪金宝/サモ・ハン・キンポーが演じている)がヒロインを狙うのである。数々の死線をくぐり抜けて来た侠女も、この最強剣士には敵わない。で、師匠の高僧の登場となる。ここから先はネタバレになるので詳しくは書かないが、この二人の対決からラストに至る展開は、それまでの復讐劇からジャンルを越境してしまったかのような、一種の精神世界めいたものになる、とだけ言っておきたい。ラストは、何かスゴいものを観てしまったような気分でお口アングリ状態になってしまった・・・(笑)。
そこでふと気づいたのである。本作の英語タイトルは『A Touch of Zen』。こっちの方がしっくりくるのではないだろうか、と。
本作は、キン・フー監督が台湾に亘って撮った2作目の作品。台湾映画界によるデジタル修復版で、ソフトの発売に先立ち、今年(2017年)劇場公開された。画質は問題なく美しいが、元々中華圏の映画はハリウッドとは違って予算も厳しく、夜のシーンなどは照明機材も乏しく暗いシーンも少なくない。その辺は、目も覚めるような色彩と映像に修復されたハリウッド映画と同レベルの画質とは言えないが、その分フィルムの質感が感じられる好感度の高い映像でもあった。尚、この修復作業には、後にプロデューサーに転じ『さらば, わが愛 覇王別姫』の企画・製作に携わる事になる、本作の主演女優シー・フンも関わっている。
【付記】
中華圏の映画は、俳優の名前の表記などが資料によってまちまちで(キン・フーも日本に初めて紹介された時は「ウ・チンチュアン」の表記だったそうだ)、本作でもこの商品ページに記載された俳優名の表記と拙レビューで若干の差異があるが、レビューを書くにあたり多大に参考にさせて頂いたインタビュー本『キン・フー 武侠電影作法』に敬意を表し、この本の表記に統一した事をご了承頂きたい。この本には、漢字表記が併記されているのが理由のひとつでもある。
後世にキン・フー監督の功績を遺す事を考慮して作られた、資料性の高い素晴らしいインタビュー本なので、興味を持たれた方はぜひ手に取って頂きたい。
本作『侠女(A Touch of Zen)』(’70)は、第28回カンヌ国際映画祭で高等技術委員会グランプリ(編集のテクニックが評価された)を受賞し、監督の胡金銓(キン・フー)は、国際的に高い芸術的評価を受けた最初の中国人監督となった。「香港・台湾映画界のクロサワ」などと呼ばれもしたが、彼の芸術的探求心を知るほど、その呼称は決して伊達や酔狂ではないと感じる。通俗的な映画が幅を利かせていた中華圏の映画界に於いて、考証や美術といった作品の質を高める事にこだわり続け、様々な撮影・編集テクニックを開発し、迫力の剣戟シーン、さらに映像美も追及し「武侠映画」のスタイルを確立。多くの追随者を生み、後のカンフー映画や香港アクション映画の礎を築いた。香港映画が隆盛をはじめた’60年代の黄金期第一世代の監督の一人である。
ブルース・リーは、キン・フーの映画に出演する事を生涯切望し続け、ツイ・ハークもまた熱狂的なキン・フー信者として知られている。またジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ、そして後に『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の監督となるチン・シウトンらが無名の子役だった頃に次々と映画に出演させ、「香港映画界の金の卵」たちと映画界との橋渡し役も担った多大な功績を持つ人でもある。日本では一部のマニアを除いて、未だに正当に評価されていない事が残念至極と言うほかない(ソフトの発売状況も良好とは言えない)。冒頭に挙げた、山田宏一氏、宇田川幸洋氏両名によるインタビュー本は、この監督の功績を後世に遺す、まさに先見の明と慧眼に満ちた素晴らしい仕事だと絶賛したい。
本作は、そうしたキン・フー作品の中でも、活劇の娯楽性と映像的快楽、そして単なるエンタメでは終わらない東洋的な神秘性(最初に引用した監督の言葉に注目してほしい)まで持ち合わせた、まさに代表作と呼ぶにふさわしい一本である。
怪奇譚や異聞を集めた中国の古典文学で、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の原作としても知られる蒲松齢の『聊齋志異』の中のエピソードをキン・フーが大胆脚色し、前・後編の合計3時間に及ぶ大作として仕上げ、本作と同じくデジタルリマスターされた『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(‘67)と共に、台湾武侠映画のブームを作った記念碑的作品である。何度も繰り返すが、本作は欧米に中華圏映画の芸術性を知らしめた伝説的作品である(笑)。
明王朝の末期、小さな村で絵や書を売って暮らす若者グー(石雋/シー・チュン)は、店に現れた男に、近所にある荒れ果てた砦について尋ねられる。そこには謎めいた美女ヤン(徐楓/シー・フン)が住み着いていた。グーはヤンと恋に落ちるが、そこに再び例の男が現れ、剣を抜いてヤンと戦い始める。ヤンの父は反政府分子として処刑された大臣で、彼女はその一族の最後の生き残り・・・そして父の復讐を誓った身だったのだ。
武術の心得がないグーは、代わりに自分の知識を兵法に活かし、軍師として彼女の復讐に力を貸す事を決意する。かくして、数少ないヤンの仲間と政府の刺客たちとの壮絶な闘いの火ぶたが切って落とされた・・・!
とにかく本作の魅力は、自然光の中で展開するアクションの数々、ロケーションの素晴らしさなど目を瞠るような映像美学である。クライマックスの大決戦の場となる荒廃した砦の、ススキが茫々と生え、朽ち果てかけた建物の、作り物には見えない圧巻のセット。そしてヒロインの回想シーンの中に登場する、雄大なロケーション・・・真っ白な巨岩がごろごろと転がる川べり、その岸壁に張り付くように建つ神秘的な寺院、有名な竹林での映像美が炸裂する決斗シーン。ほかにも、どんだけロケーションにこだわるんだと思ってしまうぐらいにカッコいい風景のてんこ盛りである(笑)。
3時間にも及ぶ作品のため、実は冒頭の展開はけっこうタルい(笑)。荒れ果てた砦の風景を、これでもかとじっくり見せていくカメラワーク、グーとヤンの出逢いから、二人の距離が狭まっていく過程などはスローテンポ・・・もとい、じっくり描かれていて、やはりひと昔前の映画か・・・と一瞬思うのだが、しかし物語が動き始めるや、一挙に痛快活劇へと転じ、あとは脇目もふれないキン・フー美学の乱れ撃ちへと突入してゆく。
もう見どころだらけで何から書いたらいいか分からないぐらいなのだが(笑)、あの伝説的な、前半のクライマックスとなる竹林での決斗シーンが本作を象徴するシーンであろう。逆光スモークという手法を、リドリー・スコットの10年近くも前にやってしまった、この先駆的な才能と映像美!
トランポリンを使って人間を中高くジャンプさせる方法を中国映画で初めてやったというキン・フーが、あらゆる撮影・編集テクニックを駆使して描く竹林での剣戟。プロの編集マンや、カンヌの審査員たちが唸ったアクション・カッティングのアイディアと技術で見せる急降下アクション。後の香港映画に多大な影響を与え、多くの模倣を生んだスタイルの原点がここにある。
また、この映画のクライマックスの舞台となる荒廃した砦。あまりの存在感に、どこかに実在する廃墟を使ったのかと思ったが、これは完全に作ったセットなのだそうだ。建物の表面に塩酸をかけたり、緑色に染めたおがくずを塗りたくって、実にうまく荒れ果てて苔むした雰囲気を出している。しかも、ススキがこれでもかと生い茂るすさまじさは鬼気迫るものがあり、キン・フー監督のこだわりいかばかりか、と唸ってしまう。本作のプロデューサーが、「古びた感じを出すために、撮影するまで1年も待った」という大ウソで宣伝したというこぼれ話もナルホドと笑ってしまう。
実は、こうしたこだわりはキン・フーならではのもので、セットなどを古めかしく作り込む作業は、監督が指示して実践しない限り、当時のスタッフは全くやらなかったそうなのだ。同じ事は考証などにも言えて、キン・フーは自ら古い文献にあたり、設定や小道具など様々なものに反映させている。この辺の考証も、当時の中華圏映画は相当いいかげんだそうで、監督、インタビュー本で他の映画の悪口を相当言ってます(笑)。で、本作で面白いのが、政府の追っ手たちが腰にベルトのように巻いている「しなる」刀である。これは創作ではなく実際に使われていた武器で、「緬刀」というビルマから伝わって来た刀なのだそうだ。『武経備要』という書物の中で見つけたという。
このように、何から何まで徹底してこだわるキン・フーは、とにかく尋常でないぐらいに全てに厳しい監督だったらしく、演技が少しでも気に食わないと、俳優にもすごい勢いで怒鳴りつけるのだそうだ。本作の主演男優のシー・チュンを見ているといつも目が真っ赤で、この人は目の病気かなにかだろうかと思っていたら、緊張のあまり頭に血が上って、本番の時に目が充血してしまうのだそうだ。すごいエピソードだね、これ(笑)。主演女優のシー・フンによると、キン・フーの現場を経験すれば「他の監督の現場はすごく簡単に感じる」のだそうだ。
という風に、創作の裏話を知れば知るほど、「香港・台湾映画界のクロサワ」というキャッチフレーズは、あながちジョークでもない事が判る。
話題は尽きないのだが、どうしても最後に書いておきたい事がある。本作はタイトルからも判る通り、一人の女傑が見事父の仇を討つ物語だが、しかし・・・実はそれだけでは言い切れない、他の武侠映画とは毛色の違う、東洋的な神秘性を帯びた映画でもあるのだ。
本作には、一人の高僧が登場する。逃亡の身だったヒロインを匿い、政府の刺客たちを卓越した武技と法力で蹴散らし、ヒロインに武術を教える人物である。ある意味、この喬宏(ロイ・チャオ)演じる高僧が本作の最強キャラなのだが、実はラストは、このキャラクターに完全に持って行かれてしまうのである(笑)。
政府の刺客との大決戦が終わった後、まだ40分も残っている。で、政府が放った更なる強敵(演じるのは、キン・フーの数々の作品で武術指導を担当した韓英傑/ハン・インチェー。この部下を当時無名だった洪金宝/サモ・ハン・キンポーが演じている)がヒロインを狙うのである。数々の死線をくぐり抜けて来た侠女も、この最強剣士には敵わない。で、師匠の高僧の登場となる。ここから先はネタバレになるので詳しくは書かないが、この二人の対決からラストに至る展開は、それまでの復讐劇からジャンルを越境してしまったかのような、一種の精神世界めいたものになる、とだけ言っておきたい。ラストは、何かスゴいものを観てしまったような気分でお口アングリ状態になってしまった・・・(笑)。
そこでふと気づいたのである。本作の英語タイトルは『A Touch of Zen』。こっちの方がしっくりくるのではないだろうか、と。
本作は、キン・フー監督が台湾に亘って撮った2作目の作品。台湾映画界によるデジタル修復版で、ソフトの発売に先立ち、今年(2017年)劇場公開された。画質は問題なく美しいが、元々中華圏の映画はハリウッドとは違って予算も厳しく、夜のシーンなどは照明機材も乏しく暗いシーンも少なくない。その辺は、目も覚めるような色彩と映像に修復されたハリウッド映画と同レベルの画質とは言えないが、その分フィルムの質感が感じられる好感度の高い映像でもあった。尚、この修復作業には、後にプロデューサーに転じ『さらば, わが愛 覇王別姫』の企画・製作に携わる事になる、本作の主演女優シー・フンも関わっている。
【付記】
中華圏の映画は、俳優の名前の表記などが資料によってまちまちで(キン・フーも日本に初めて紹介された時は「ウ・チンチュアン」の表記だったそうだ)、本作でもこの商品ページに記載された俳優名の表記と拙レビューで若干の差異があるが、レビューを書くにあたり多大に参考にさせて頂いたインタビュー本『キン・フー 武侠電影作法』に敬意を表し、この本の表記に統一した事をご了承頂きたい。この本には、漢字表記が併記されているのが理由のひとつでもある。
後世にキン・フー監督の功績を遺す事を考慮して作られた、資料性の高い素晴らしいインタビュー本なので、興味を持たれた方はぜひ手に取って頂きたい。
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