このたび新潮新書より「会社は誰のものか」を刊行させていただきました。フジテレビとライブドアの騒動を見て、会社が登場した直後から生まれ、陳腐とさえ>思えるこの普遍テーマにあらためて取り組んでみたいと考えました。
自分なりの区切りもありました。ある種宗教のような共同体だった電通を辞めてちょうど5年。ミドルエイジの思いがけぬ激動を駆け抜けました。その間に4つ(3.5?)の会社を創業し、わいのわいのとやって おります。
また幸運なことに声をかけてくださる方がおり、2社の上場会社(スカイパーフェクト・コミュニケーションズ 東証一部 社外取締役)(スカイマークエアラインズ 東証マザーズ 常勤監査役)の役員を務める貴重な経験を経ました。
あえて中空をつくることにより、激しい資本主義のエネルギーの流入を招く会社の野蛮な仕組みを、実業経験としても十分に体感いたしました。そのことを真面目考えなければ身を滅ぼす、切実感もありました。経営の真っ当な考え方を自分なりに理解し、また表現したく、そして正直に言えば・・・・ちょっとだけ時流に乗ってみました。是非お読みいただければ幸いです。(ちなみに同月には東大教授の岩井克人さんも平凡社より同タイトルで出版されます。このテーマが流行していることが、よくわかります。読み比べていただくのも一興、と考えております。)
今後ともよろしくお願いいたします。
ライブドア対フジテレビ、そして西武王国の崩壊―。日本企業が直面する数々の事態は、かくも普遍的な問いを我々に投げかける。いったい会社は誰のものなのか、と。まずは筆者が揺籃期からかかわってきたネット業界を通じて、ポスト産業資本主義の時代の会社、株主、経営者の生態を分析。株式会社のモラル・ハザードとガバナンスの歴史を振り返りながら、専門のブランド論をまじえて「新しい資本主義」の展望を語る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/望
1956(昭和31)年、東京生まれ。東京大学工学部卒、慶応義塾大学大学院経営学修士。1980年電通入社、2000年に退社後、ノゾムドットネットを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)