メディア露出の多い人気僧侶の二人が、映画を題材にしながら現代の宗教や人間生活&死のあり方を語り合う本。言及される映画はバリバリの宗教映画から作品のメッセージに宗教的深みを感じ取ることのできるものまで様々だが、全体の印象としては、両者の経験談をまじえた人生談話といった赴きが強い。方や若者の芸術活動支援やエンディングサポート活動などに取り組む実践派僧侶、方や理論的な宗教論を得意としながらも認知症高齢者のグループホームを運営する才人僧侶と、確たる仏教信心に基づきながら現代社会の最前線で人と向き合っている両者の言葉は鋭く含蓄多い。
「僧侶は「葬儀」という点だけではなく、今生も死後もといった「死のプロセス」、つまり線で関われるのが望ましいですね」(釈)。そのとおりだと思う。
なお類書に、個別の作品紹介を丁寧にやっている『映画で学ぶ現代宗教』(弘文堂、2009年)があるが、単に宗教映画のブックガイドとしてはこちらのほうが便利だろう。あわせて読まれたい。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
