56歳で認知症を発症し58歳で診断を受けた女性の手記。
「認知症には始まりがある」という彼女の主張にハッとさせられる。もの忘れを訴えて精神科の診察室に連れてこられる(そう、今のところ、本人自らもの忘れを心配して来院することは稀だ)人は、たいていある程度進行してしまった認知症である。そんな彼らにも、認知症の「始まりの時期」があったはずで、その期間の辛さや戸惑い、苦しさ、羞恥、居たたまれなさ、そういうところにもっと目を向けねばならないと感じた。
認知症の患者さんの記憶と感情に関する例え話も印象深い。
認知症の人の記憶力は安物の本棚で、手を伸ばせば届く上の段には最近の記憶がある。肩の高さには50代のころの記憶、膝の高さには20代の記憶、といった具合に下がっていき、つま先のところに子ども時代の記憶がある。認知症があると、この本棚がぐらつき、最上段の本から真っ先にこぼれ落ちて、他の段の本とごちゃ混ぜになってしまう。
いっぽうで感情の本棚は頑丈で、認知症がこの本棚を揺すっても、中身は長い期間を無事でいられる。家族や友人と会ったことや、彼らの名前と顔を忘れても、親愛の情は残り、安心感と幸福感を抱く。
とても素晴らしい内容で、多くの当事者や家族に勇気と理解を与えるはずだ。
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今日のわたしは、だれ? (単行本) 単行本(ソフトカバー) – 2020/3/20
ウェンディ・ミッチェル
(著),
宇丹 貴代実
(翻訳)
購入を強化する
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イギリス、サンデータイムズ紙ベストセラー!
(原題『Somebody I Used to Know』)
病気を抱えながらも自立して明るく生きる
当事者が語る、認知症のリアル。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本全国で認知症の患者は400万人、若年性は10万人を超えるとされる。認知症になった当人は、何をどう感じているのだろう?彼らに世界はどう見えているのだろう?
著者は58歳で若年性アルツハイマーの診断を受けた。しだいに失われていく記憶、ごく簡単な単語が出てこない、電話のかけ方が思い出せない、右折ができない、今いる場所がわからない──。
見知ったはずの世界が、突如知らないものになる恐怖に怯えながらも、著者は残された理性と工夫で、病気を出し抜こうとする。自分のことを忘れてしまっても、新しい「私」を楽しませることはできるはずだ、と。
発症から6年、いまも毎日ブログとツイッターで日々を綴り、認知症当事者が経験している世界をありありと描き出す。認知症とともに生きることの希望と意味を考えさせられる感動の手記。
「“現在"は日々変わっている。きょうのわたしは、六カ月前のわたしとはちがう。そのわたしも、一年前とはちがうわたしだ。自分という感覚をじわじわと失いつつあり、そのことが何よりも怖い。
なぜって、結局は、だれしもこれしか──“わたし"と呼ぶものしか──持っていないのだから。この新しいわたし、以前の記憶がひどくあやふやなわたしを、いまから六カ月後、一年後に現れるわたしは信頼できるだろうか? 」 (本文より)
【目次】
1 見覚えのない空白
2 右折できない
3 盗まれる記憶
4 職場でのカミングアウト
5 認知症仲間との出会い
6 調子がよくない日には
7 『アリスのままで』
8 さよならを言う覚悟
9 認知症とともに生きる
10 いたたまれなさと罪悪感
11 戸棚が消える......
12 無知ゆえの反応
13 認知症者の自立とは
14 面倒な乗客
15 「いま」を生きる
ウェンディ・ミッチェル (Wendy Mitchell)
2014年7月、58歳で若年性認知症と診断される。20年間勤めた国民保健サービス(NHS)の非臨床チームのリーダー職を辞め、以後、認知症という病について理解してもらうための啓蒙活動を続けている。現在、アルツハイマー協会のアンバサダーを務めている。英国ヨークシャー在住。娘がふたりいる。
イギリス、サンデータイムズ紙ベストセラー!
(原題『Somebody I Used to Know』)
病気を抱えながらも自立して明るく生きる
当事者が語る、認知症のリアル。
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日本全国で認知症の患者は400万人、若年性は10万人を超えるとされる。認知症になった当人は、何をどう感じているのだろう?彼らに世界はどう見えているのだろう?
著者は58歳で若年性アルツハイマーの診断を受けた。しだいに失われていく記憶、ごく簡単な単語が出てこない、電話のかけ方が思い出せない、右折ができない、今いる場所がわからない──。
見知ったはずの世界が、突如知らないものになる恐怖に怯えながらも、著者は残された理性と工夫で、病気を出し抜こうとする。自分のことを忘れてしまっても、新しい「私」を楽しませることはできるはずだ、と。
発症から6年、いまも毎日ブログとツイッターで日々を綴り、認知症当事者が経験している世界をありありと描き出す。認知症とともに生きることの希望と意味を考えさせられる感動の手記。
「“現在"は日々変わっている。きょうのわたしは、六カ月前のわたしとはちがう。そのわたしも、一年前とはちがうわたしだ。自分という感覚をじわじわと失いつつあり、そのことが何よりも怖い。
なぜって、結局は、だれしもこれしか──“わたし"と呼ぶものしか──持っていないのだから。この新しいわたし、以前の記憶がひどくあやふやなわたしを、いまから六カ月後、一年後に現れるわたしは信頼できるだろうか? 」 (本文より)
【目次】
1 見覚えのない空白
2 右折できない
3 盗まれる記憶
4 職場でのカミングアウト
5 認知症仲間との出会い
6 調子がよくない日には
7 『アリスのままで』
8 さよならを言う覚悟
9 認知症とともに生きる
10 いたたまれなさと罪悪感
11 戸棚が消える......
12 無知ゆえの反応
13 認知症者の自立とは
14 面倒な乗客
15 「いま」を生きる
ウェンディ・ミッチェル (Wendy Mitchell)
2014年7月、58歳で若年性認知症と診断される。20年間勤めた国民保健サービス(NHS)の非臨床チームのリーダー職を辞め、以後、認知症という病について理解してもらうための啓蒙活動を続けている。現在、アルツハイマー協会のアンバサダーを務めている。英国ヨークシャー在住。娘がふたりいる。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2020/3/20
- ISBN-104480860908
- ISBN-13978-4480860903
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
日本全国で認知症の患者は400万人、若年性は10万人を超えるとされる。認知症になった当人は、何をどう感じているのだろう?彼らに世界はどう見えているのだろう?著者は58歳で若年性アルツハイマーの診断を受けた。しだいに失われていく記憶、ごく簡単な単語が出てこない、電話のかけ方が思い出せない、右折ができない、今いる場所がわからない―。見知ったはずの世界が、突如知らないものになる恐怖に怯えながらも、著者は残された理性と工夫で、病気を出し抜こうとする。自分のことを忘れてしまっても、新しい「私」を楽しませることはできるはずだ、と。発症から6年、著者はいまも毎日ブログとツイッターで日々を綴り、認知症当事者が経験している世界をありありと伝えてくれる。認知症とともに生きることの希望と意味を考えさせられる感動の手記。
著者について
国民健康サービス(NHS)の非臨床チームのリーダーを20年間務めたが、2014年に58歳で若年性認知症の診断を受ける。現在、アルツハイマー協会のアンバサダーを務め、認知症という病の啓蒙活動を続けている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ミッチェル,ウェンディ
2014年7月、五八歳で若年性認知症と診断される。二〇年間勤めた国民保健サービス(NHS)の非臨床チームのリーダー職を辞め、以後、認知症という病について理解してもらうための啓蒙活動を続けている。現在、アルツハイマー協会のアンバサダーを務めている。英国ヨークシャー在住
宇丹/貴代実
1963年、広島県生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2014年7月、五八歳で若年性認知症と診断される。二〇年間勤めた国民保健サービス(NHS)の非臨床チームのリーダー職を辞め、以後、認知症という病について理解してもらうための啓蒙活動を続けている。現在、アルツハイマー協会のアンバサダーを務めている。英国ヨークシャー在住
宇丹/貴代実
1963年、広島県生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2020/3/20)
- 発売日 : 2020/3/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 288ページ
- ISBN-10 : 4480860908
- ISBN-13 : 978-4480860903
- Amazon 売れ筋ランキング: - 566,435位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 58,879位ノンフィクション (本)
- - 76,302位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.7
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評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年7月16日に日本でレビュー済み
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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年8月11日に日本でレビュー済み
著者は、シングルマザーとして娘2人を育て、バリバリ働いていた50代後半の2014年、若年性認知症と診断されて目の前が真っ暗になる。しかし、診断から10~15年経ってもちゃんと話ができている人々がいることを知って勇気づけられ、少しでも認知症の進行を遅らせようと、親孝行な娘たちの世話にもならず、自立して日常生活を送ろうとする。
症状は徐々に進行し退職を余儀なくされるが、認知症患者支援啓蒙活動に参加したり、日々の暮らしをブログに綴ったりすることで、患者やその家族の力になれることに生きがいを見出している。(著者のブログを見てみると、2020年8月も続いている)
例えば、物忘れするので、ITデバイスのアラーム機能で食事などやるべきことを思いだすように工夫する。道も忘れてしまうから、講演先に行くのに、あらかじめ目印になる写真をプリントアウトしておいて一人旅行までする。すごい。
認知症は徐々に進行するものであり、すぐに介護なしで何もできなくなるわけではない。そういう意味では「診断後にも人生がある」のであり、患っているのではなく、「(認知症を)抱えて生きている」のだと著者は言う。
症状は患者それぞれで、著者の場合、会話には不自由するものの、書き言葉はかなりちゃんとできるらしい。「たとえ口ではうまく表現できなくなっても感情は残っている」というのは我々が忘れがちな点である。
人生100年時代となると自分だっていつなるかもしれない。本書の内容を、夫婦お互いに知っておきたいと思う。
読者の理解が深まることで、静かに勇気づけてくれる感じの本です。おススメ。
症状は徐々に進行し退職を余儀なくされるが、認知症患者支援啓蒙活動に参加したり、日々の暮らしをブログに綴ったりすることで、患者やその家族の力になれることに生きがいを見出している。(著者のブログを見てみると、2020年8月も続いている)
例えば、物忘れするので、ITデバイスのアラーム機能で食事などやるべきことを思いだすように工夫する。道も忘れてしまうから、講演先に行くのに、あらかじめ目印になる写真をプリントアウトしておいて一人旅行までする。すごい。
認知症は徐々に進行するものであり、すぐに介護なしで何もできなくなるわけではない。そういう意味では「診断後にも人生がある」のであり、患っているのではなく、「(認知症を)抱えて生きている」のだと著者は言う。
症状は患者それぞれで、著者の場合、会話には不自由するものの、書き言葉はかなりちゃんとできるらしい。「たとえ口ではうまく表現できなくなっても感情は残っている」というのは我々が忘れがちな点である。
人生100年時代となると自分だっていつなるかもしれない。本書の内容を、夫婦お互いに知っておきたいと思う。
読者の理解が深まることで、静かに勇気づけてくれる感じの本です。おススメ。

