この人は「文章が上手く、読ませる人」だと思っていた。
最近だとNumber誌の藤井聡太特集で実に良い話を書いていて、1ページという短い分量で藤井聡太という男が「どう凄いのか」を興味深いエピソードで語っており、実に上手いなと思っていたのだが。
『週刊文春』連載というメディアの性格なのか、それとも連載だから分量が決まっているからなのか、話が面白くなりそうなところで終わってしまうきらいがある(おそらくメディアの性格が大きいのだろう)。
多分、多くの人(特に将棋界に詳しくない人)には「なるほど」と思って読めるだろうが、不肖私はこの人より多少年齢は上で、学生将棋にも打ち込んでいた(大して強くはなれなかったが・・・)ので、概ねここに書かれてることは概ね想定内。奥さんが無くしたケイタイ(「ケータイ」とは書かないのがこの人らしい)の在り処を突き止める話などは面白かったが、将棋とは全然関係ない。
最後の方で3.11の話になる(連載のタイミング的にそうなったということだろうが)ので、余計に話が真面目というか「ケチは付けられないけど読んでて面白くない」ことになるのはやむを得ないか。
この人のものでは『フフフの歩』が断然お勧め。人によっては「悪乗りしすぎ・書き過ぎ」と思えるかもしれないが、森下卓や滝誠一郎などの人物描写がめちゃくちゃ面白い。ちなみにこの本は『将棋世界』連載のものであって、その辺やはり『週刊文春』と違ってマニアックというか「将棋好きが読むことを前提」としているから面白いのだろう。
蛇足ながら書名は勿論『今夜、すべてのバーで』のもじりで付けているのだろう。これは元ネタが有名すぎるのでパクリというのは当たらない。
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今宵、あの頃のバーで (将棋連盟選書) 単行本(ソフトカバー) – 2011/10/26
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「将棋はコワいねえ」
この日も誰からともなくこのことばが出た。
聞き飽きたひと言だが、深夜二時、疲れ果てた男たちがうつろな目をしながら呟くと、やはり迫力があった。(本文より)
才気溢れるプロ棋士達の愉快で苛酷な日常を描いた週刊文春の人気連載「先ちゃんの浮いたり沈んだり」から81編を収録。
単行本化にあたり図面と注釈を加えて再編集しました。
この日も誰からともなくこのことばが出た。
聞き飽きたひと言だが、深夜二時、疲れ果てた男たちがうつろな目をしながら呟くと、やはり迫力があった。(本文より)
才気溢れるプロ棋士達の愉快で苛酷な日常を描いた週刊文春の人気連載「先ちゃんの浮いたり沈んだり」から81編を収録。
単行本化にあたり図面と注釈を加えて再編集しました。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社マイナビ
- 発売日2011/10/26
- 寸法13 x 2.9 x 18.9 cm
- ISBN-104839940800
- ISBN-13978-4839940805
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
週刊文春で好評連載中の「先ちゃんの浮いたり沈んだり」から選りすぐった81編を再編集して収録。
著者について
先崎学(Manabu Senzaki)
日本将棋連盟棋士八段
青森県出身。米長邦雄永世棋聖門下。
棋戦優勝は2回。A級在位2期。
・主な著書
「千駄ヶ谷市場」日本将棋連盟/「山手線内回りのゲリラ 先崎学の浮いたり沈んだり」日本将棋連盟/
「まわり将棋は技術だ 先崎学の浮いたり沈んだり2」文藝春秋/「やりなおしの将棋」岩波書店
「小博打のススメ」新潮社/「先崎学の浮いたり沈んだり」文藝春秋/「フフフの歩」講談社
「先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集」日本将棋連盟/「世界は右にまわる 将棋指しの優雅な日々」日本将棋連盟/「一葉の写真 若き勝負師の青春」講談社
日本将棋連盟棋士八段
青森県出身。米長邦雄永世棋聖門下。
棋戦優勝は2回。A級在位2期。
・主な著書
「千駄ヶ谷市場」日本将棋連盟/「山手線内回りのゲリラ 先崎学の浮いたり沈んだり」日本将棋連盟/
「まわり将棋は技術だ 先崎学の浮いたり沈んだり2」文藝春秋/「やりなおしの将棋」岩波書店
「小博打のススメ」新潮社/「先崎学の浮いたり沈んだり」文藝春秋/「フフフの歩」講談社
「先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集」日本将棋連盟/「世界は右にまわる 将棋指しの優雅な日々」日本将棋連盟/「一葉の写真 若き勝負師の青春」講談社
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
先崎/学
昭和45年6月22日生まれ。青森県出身。56年、5級で米長邦雄永世棋聖門。60年初段、62年四段、平成12年八段。平成3年、第40回NHK杯戦で棋戦初優勝。棋戦優勝は2回。A級在位2期(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
昭和45年6月22日生まれ。青森県出身。56年、5級で米長邦雄永世棋聖門。60年初段、62年四段、平成12年八段。平成3年、第40回NHK杯戦で棋戦初優勝。棋戦優勝は2回。A級在位2期(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : マイナビ (2011/10/26)
- 発売日 : 2011/10/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4839940800
- ISBN-13 : 978-4839940805
- 寸法 : 13 x 2.9 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 291,794位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 926位将棋 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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役に立った
2011年11月6日に日本でレビュー済み
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中堅からベテランに差し掛かりつつある棋士が書く、棋士の日常と非日常、本音と建前を綴ったエッセイ。
歯に衣着せぬ発言が有名な先崎八段、このエッセイ集でもズバズバはっきり書いてくれるのでとても読みやすく、楽しめます。
先崎氏くらいのキャリア、年齢になるとほとんどの現役棋士たちは後輩に当たるわけで、それら若手現役棋士のおもしろエピソードを遠慮なく紹介してくれています。
また、将棋を「およそ世の中に無くてもよいもの」と表現して、棋士たちの苦労や苦悩を「将棋という遊びを生業としている代償」とまで。
ここまではっきり自らの道にかかわることを言い切れるのは、達観してこそ、ともおもいます。
達観しているにもかかわらす、本音トーク、平易な文章で面白おかしくエピソードを紹介してくれるのでどんどん読み進められて、しかも面白い話がたくさん。
将棋、棋界のファンであれば一度手にとって見て損無しです。
一応、ある程度棋士の名前とどんな人か位は知っておくと楽しみやすいです。まあ、NHK杯に参加している棋士の半分くらいの名前と顔が一致するくらい知っていれば十分かと思います。(たとえば、戸部六段が、とか神吉七段が、とかいきなり話にでてきますがそれらの人の顔くらい思い浮かべられるとエピソードをより楽しめると思います)。
☆-1は、連載ものの再編集版の割りには値段高いかなと(私のように初見の人にはいいですが)いうことと、タイトルのつけ方が妙にシャレようとしている感じがして、もっと泥臭く棋士たちのエピソード集とわかるようなタイトルにしてほしかったかな、という思いからです。
内容に関しては文句なく面白いです。
歯に衣着せぬ発言が有名な先崎八段、このエッセイ集でもズバズバはっきり書いてくれるのでとても読みやすく、楽しめます。
先崎氏くらいのキャリア、年齢になるとほとんどの現役棋士たちは後輩に当たるわけで、それら若手現役棋士のおもしろエピソードを遠慮なく紹介してくれています。
また、将棋を「およそ世の中に無くてもよいもの」と表現して、棋士たちの苦労や苦悩を「将棋という遊びを生業としている代償」とまで。
ここまではっきり自らの道にかかわることを言い切れるのは、達観してこそ、ともおもいます。
達観しているにもかかわらす、本音トーク、平易な文章で面白おかしくエピソードを紹介してくれるのでどんどん読み進められて、しかも面白い話がたくさん。
将棋、棋界のファンであれば一度手にとって見て損無しです。
一応、ある程度棋士の名前とどんな人か位は知っておくと楽しみやすいです。まあ、NHK杯に参加している棋士の半分くらいの名前と顔が一致するくらい知っていれば十分かと思います。(たとえば、戸部六段が、とか神吉七段が、とかいきなり話にでてきますがそれらの人の顔くらい思い浮かべられるとエピソードをより楽しめると思います)。
☆-1は、連載ものの再編集版の割りには値段高いかなと(私のように初見の人にはいいですが)いうことと、タイトルのつけ方が妙にシャレようとしている感じがして、もっと泥臭く棋士たちのエピソード集とわかるようなタイトルにしてほしかったかな、という思いからです。
内容に関しては文句なく面白いです。
2012年1月23日に日本でレビュー済み
軽妙洒脱なエッセイ。小学生のときを最後に将棋など指していない私だが、存分に楽しめた。著者の筆力は、なまなかなものでは、ない。
次は著者が監修を務めるマンガ「 3月のライオン (1) (ジェッツコミックス) 」へ進みます。(笑)
次は著者が監修を務めるマンガ「 3月のライオン (1) (ジェッツコミックス) 」へ進みます。(笑)