本書をちょうど読み終えた本日(2011年9月9日)付けのカナダ、モントリオールのフランス語主要紙である「デヴォアー(Le Devoir)」紙の経済欄に、「フランスがギリシャ救済計画を承認」という見出し記事があり、その小見出しでは「いくつかの国がその劣等生(つまりギリシャ)のユーロ・ゾーンからの離脱を公に示唆」というまさに三橋氏が本書で予想していたとおりの展開を憂慮した記事が掲載されていた。ユーロ・EUの状況はまさに三橋氏の予言どおりであるし、大統領選を控えるオバマ大統領もアメリカで四苦八苦しているのもそのとおりである。いわゆる経済学者ら専門家、研究者が書くような多くの文献からの引用や確立された理論を前面に出しながらの本格的な学術書とは全く違ったタイプの本書ではあるが、そうした専門的な学術書よりもわかりやすく、現状が把握でき、つまりより役立つのではないかと思っている人は私だけではないであろう。学術界の専門家たちが本書についてどのようにコメントするか聞いてみたい気がする。
また、日本の新聞記者、ジャーナリストは本当に無知だということはそのとおり。著者の指摘する経済記事に限らず、本当に勉強不足にも程があると言いたくなるくらい多くの一般国民を欺くいい加減な記事が多いことは重罪に値するだろう。新聞社は、受験勉強までがんばっただけの単なる優等生ではなく、もっと学生時代にちゃんと勉強しこの業界でしっかりと責任を持った記事を書けるような本質的に優れた人材を雇用するよう採用方法を変えていくべきだ。と同時にそうした人材ばかり輩出してしまう日本の教育方法も大きく問われる。
最後に、同じことを繰り返し書かれている箇所が多く編集が少し雑な印象を受けた分と、上述のように経済の専門家がどのように見るのかが未知な分だけ星を一つ減らしておいたが、世界経済に関心のある方には是非一読をお奨めする。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

1分以内にKindleで 今、世界経済で何が起こっているのか? をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、Get your Kindle here Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、Get your Kindle here Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。