最初から最後までここまでのめり込んで読めた小説は初めて。
初めは「こんなおかしな考え方をする人がいるのか」と半ば見世物を見つけたような怖いもの見たさがあった。サイコホラーサスペンスの映画を見ている時の、薄気味悪くも脳が興奮した状態に近い感覚だった。
しかし読んでいるうちに、主人公・葉蔵が捉える歪んだ世界と、自分が日頃感じているこの世の不条理とに、合致する部分が幾つも出てくる。
初めはあんなにわからなかった葉蔵の考え方に、次第に、自分を重ねていってしまう。葉蔵に自分の暗部を投影し、その堕落していく姿に心を痛め、それと同時に自分の汚い部分が文章化され、晒されていることに気付いた時、僕自身冷や汗が止まらなかった。
中盤以降、そんな自分の暗部を直視する意味での怖いもの見たさが、読み進める手を止めなかった。
読後感はすっきりとしたものではないし、影響を受けやすい自分のような人間は間違いなく落ち込む。けれどこの小説にはそれでもなお人を惹きつけて離さない魅力がある。
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人間失格 (新潮文庫) 文庫 – 2006/1/1
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「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う、太宰治、捨て身の問題作。
・ご注文時の在庫状況によって、表示と異なるカバーの商品が届くことがあります。予めご了承下さい。
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- ISBN-104101006059
- ISBN-13978-4101006055
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日2006/1/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ192ページ
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出版社より
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| 晩年 | 斜陽 | ヴィヨンの妻 | 津軽 | 人間失格 | 走れメロス | |
| 【新潮文庫】太宰治 作品 | 妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女創作集。 | ”斜陽族”という言葉を生んだ名作。没落貴族の家庭を舞台に麻薬中毒で自滅していく直治など四人の人物による滅びの交響楽を奏でる。 | 新生への希望と、戦争の後も変らぬ現実への絶望感との間を揺れ動きながら、命をかけて新しい倫理を求めようとした文学的総決算。 | 著者が故郷の津軽を旅行したときに生れた本書は、旧家に生れた宿命を背負う自分の姿を凝視し、あるいは懐しく回想する異色の一巻。 | 生への意志を失い、廃人同様に生きる男が綴る手記を通して、自らの生涯の終りに臨んで、著者が内的真実のすべてを投げ出した小説。 | 人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な文体で表現した「走れメロス」など、中期の安定した生活の中で、多彩な芸術的開花を示した9編。 |
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| お伽草紙 | グッド・バイ | 二十世紀旗手 | 惜別 | パンドラの匣 | 新ハムレット | |
| 昔話のユーモラスな口調の中に、人間宿命の深淵をとらえた表題作ほか「新釈諸国噺」「清貧譚」等5編。古典や民話に取材した作品集。 | 被災・疎開・敗戦という未曾有の極限状況下の経験を我が身を燃焼させつつ書き残した後期の短編集。「苦悩の年鑑」「眉山」等 16 編。 | 麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々──小市民のモラルと、既成の小説概念を否定し破壊せんとした前期作品集。「虚構の春」など7編。 | 仙台留学時代の若き魯迅と日本人学生との心あたたまる交友を描いた表題作と「右大臣実朝」──太宰文学の中期を代表する秀作 2 編。 | 風変りな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」。社会への門出に当って揺れ動く中学生の内面を綴る「正義と微笑」。 | 西洋の古典や歴史に取材した短編集。原典「ハムレット」の戯曲形式を生かし現代人の心理的葛藤を見事に描き込んだ表題作等5編。 |
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| きりぎりす | もの思う葦 | 津軽通信 | 新樹の言葉 | ろまん燈籠 | 地図―初期作品集― | |
| 著者の最も得意とする、女性の告白体小説の手法を駆使して、破局を迎えた画家夫婦の内面を描く表題作など、秀作 14 編を収録する。 | 初期の「もの思う葦」から死の直前の「如是我聞」まで、短い苛烈な生涯の中で綴られた機知と諧謔に富んだアフォリズム・エッセイ。 | 疎開先の生家で書き綴られた表題作、『短篇集』としてくくられた中期の作品群に、”黄村先生”ものと各時期の連作作品を中心に収録。 | 地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねた中期の作品集。乳母の子供たちと異郷で思いがけない再会をした心温まる話など 15 編。 | 小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに五人の性格を浮彫りにするという野心的な構成をもった表題作など 16 編。 | 生誕百年記念出版。才気と野心の原点がここにある。中学生津島修治から作家太宰治へ、文豪の誕生を鮮やかに示す初期作品集。 |
第166回芥川賞・直木賞 受賞作決定
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2006/1/1)
- 発売日 : 2006/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 192ページ
- ISBN-10 : 4101006059
- ISBN-13 : 978-4101006055
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,101位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
カスタマーレビュー
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星5つ中の4.1
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トップレビュー
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2017年11月26日に日本でレビュー済み
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114人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
I loved this book! I read through it pretty quickly the first time.
Light, fast read with a good plot line and quick pace. No “Great Expectations”
Great book! Lots of turns and twist which made it good. Lots of suspense , could not put it down.
Light, fast read with a good plot line and quick pace. No “Great Expectations”
Great book! Lots of turns and twist which made it good. Lots of suspense , could not put it down.
2019年6月21日に日本でレビュー済み
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喫茶店のママのセリフ、
「葉ちゃんは・・・神様みたいないい子でした」
これに尽きる。このセリフによって読者は人間社会の泥沼を思い知らされる。
この小説の主人公である大庭葉蔵には、
どうやら人間特有の欲望というものが欠けているようだ。
そんな自己中心的な心を持たない葉蔵が、
女性から神の子のように見えても不思議ではない。
では葉蔵が神の子なら、葉蔵以外の人間はいったいなんだろうか?
人間を失格した葉蔵が神の子なら、人間を合格した人間は?
その答えは誠に恐ろしい。
太宰治はとんでもない才能をもった作家ではあるが、
その筆は必ずしも安定したものではない。
しかしこの人間失格に限っては、究極の筆致である。
「末期の眼」をもった彼に何かが憑依したような別次元の作品となった。
その瞬間太宰は、川端康成が憧れ続けた「魔界」に踏み入れたに違いない。
万人にお勧めできる作品ではない。
読んで元気が出るという代物ではない。
しかし、人間、自分、社会の真の姿を知りたいと
切に願うのであれば読むべき一冊である。
「葉ちゃんは・・・神様みたいないい子でした」
これに尽きる。このセリフによって読者は人間社会の泥沼を思い知らされる。
この小説の主人公である大庭葉蔵には、
どうやら人間特有の欲望というものが欠けているようだ。
そんな自己中心的な心を持たない葉蔵が、
女性から神の子のように見えても不思議ではない。
では葉蔵が神の子なら、葉蔵以外の人間はいったいなんだろうか?
人間を失格した葉蔵が神の子なら、人間を合格した人間は?
その答えは誠に恐ろしい。
太宰治はとんでもない才能をもった作家ではあるが、
その筆は必ずしも安定したものではない。
しかしこの人間失格に限っては、究極の筆致である。
「末期の眼」をもった彼に何かが憑依したような別次元の作品となった。
その瞬間太宰は、川端康成が憧れ続けた「魔界」に踏み入れたに違いない。
万人にお勧めできる作品ではない。
読んで元気が出るという代物ではない。
しかし、人間、自分、社会の真の姿を知りたいと
切に願うのであれば読むべき一冊である。
2020年8月17日に日本でレビュー済み
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SNSやインターネットが流行する現代において、「自分」を形作ることができず、生きづらさを抱えている人にぜひ勧めたい一冊。
特に家庭にいても教室にいても他のコミュニティにいても、何か自分とは違う誰かを演じているような感覚をずっと持ち続けながら生きてきた自分からすると、第一の手記に記載されている内容は「わかる、わかる」とうなずくものばかりだった。
第二の手記までは他人から批判されるのを恐れて自分ではない道化を演じることで生きづらさを感じ自ら「地獄」を作り出していたので、正直ある種自業自得ではある。
だが、第三の手記に記載されている内容は、そんな主人公がやっと見つけた幸せが瓦解してしまうと言う意味で本当の地獄だった。
客観的に見ると、主人公は学校にも行かずに怠けた結果、定職につかず、酒に溺れて最後は薬に手を出して自殺未遂をした、どうしようもない人間でしかない。現代の資本主義社会では確実に切り捨てられるような人間だが、そんな「どうしようもない人間」の内面の葛藤を我々はちゃんと直視しているだろうか。
生活保護受給に対する厳しいバッシングなどを見ると、我々は自ら首を締めて生きづらい「地獄」を生み出しているような気がしてならない。
特に家庭にいても教室にいても他のコミュニティにいても、何か自分とは違う誰かを演じているような感覚をずっと持ち続けながら生きてきた自分からすると、第一の手記に記載されている内容は「わかる、わかる」とうなずくものばかりだった。
第二の手記までは他人から批判されるのを恐れて自分ではない道化を演じることで生きづらさを感じ自ら「地獄」を作り出していたので、正直ある種自業自得ではある。
だが、第三の手記に記載されている内容は、そんな主人公がやっと見つけた幸せが瓦解してしまうと言う意味で本当の地獄だった。
客観的に見ると、主人公は学校にも行かずに怠けた結果、定職につかず、酒に溺れて最後は薬に手を出して自殺未遂をした、どうしようもない人間でしかない。現代の資本主義社会では確実に切り捨てられるような人間だが、そんな「どうしようもない人間」の内面の葛藤を我々はちゃんと直視しているだろうか。
生活保護受給に対する厳しいバッシングなどを見ると、我々は自ら首を締めて生きづらい「地獄」を生み出しているような気がしてならない。
2019年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
彼の人生のほとんどは、偽物の自分に終始していたように感じます。偽物を演じることで本当の自分を守りたかったのだとすれば、それは自分が傷つくことや間違えることを人一倍恐れていたからなのかもしれません。しかし、それは卑怯だと思います。人は間違えるし、人間同士が関係する以上、時には傷つけあってしまうことも避けられません。そんな当たり前の事実から目を背けて、本人は殻に閉じこもっているのです。
また、本物の自分を表現できない結果、おびただしい欲求不満や怒りの感情を自分の中に溜め込んで、それを解消すべく取った行動は言わずもがな。私がこの物語から得た教訓は、自分の軸をしっかりと持って本物の人生を生きることです。
……とはいえ、彼の儚く脆いガラスのような心情、文脈に合わせた生き方にはかなり共感できました。読んでいて感情移入する場面が多々ありました。また、人生における幾度の転落経験があったからこそ、奥ゆかしい彼の秀逸の作品が世の中に次々と生み出されていったのだと思います。彼の人生の多くは偽りだったかもしれませんが、執筆に向き合う彼はきっと本物だったと信じています。
また、本物の自分を表現できない結果、おびただしい欲求不満や怒りの感情を自分の中に溜め込んで、それを解消すべく取った行動は言わずもがな。私がこの物語から得た教訓は、自分の軸をしっかりと持って本物の人生を生きることです。
……とはいえ、彼の儚く脆いガラスのような心情、文脈に合わせた生き方にはかなり共感できました。読んでいて感情移入する場面が多々ありました。また、人生における幾度の転落経験があったからこそ、奥ゆかしい彼の秀逸の作品が世の中に次々と生み出されていったのだと思います。彼の人生の多くは偽りだったかもしれませんが、執筆に向き合う彼はきっと本物だったと信じています。
2019年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第一の手記、第二の手記に描かれた主人公の心情は非常に共感できました。
しかし、第三の手記は解釈が難しかったです。
葉蔵のように歪な環境で歪んだ人格が形成された人間でなければこの作品を真に理解することはできないのかもしれません。
性的虐待こそ受けてないものの、両親からの愛情をあまり感じずに育った自分としては彼に同情する気持ちはあります。
僕自身は親に対して恨みなど一切ないしむしろ産んでくれたことに最大の感謝をしていますが、僕はこの作品を読んで自分の子どもには100%の愛を受けて育ってほしいと思いました。
でも僕はたとえそれが我が子であってもそのような無償の愛を与え続けられる自信がないのでやはり子供は作らないでしょう。
しかし、第三の手記は解釈が難しかったです。
葉蔵のように歪な環境で歪んだ人格が形成された人間でなければこの作品を真に理解することはできないのかもしれません。
性的虐待こそ受けてないものの、両親からの愛情をあまり感じずに育った自分としては彼に同情する気持ちはあります。
僕自身は親に対して恨みなど一切ないしむしろ産んでくれたことに最大の感謝をしていますが、僕はこの作品を読んで自分の子どもには100%の愛を受けて育ってほしいと思いました。
でも僕はたとえそれが我が子であってもそのような無償の愛を与え続けられる自信がないのでやはり子供は作らないでしょう。
他の国からのトップレビュー
ox
5つ星のうち5.0
電子ブック失格
2014年4月7日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
This is eBook shikkaku... Not available in Kindle for PC.
I'm really confused for the eBook. I want to read in many devises.
UPDATE: March 10, 2015
Kindle for PC was already supported when I noticed.
Changed from 2 stars. Good job!
I'm really confused for the eBook. I want to read in many devises.
UPDATE: March 10, 2015
Kindle for PC was already supported when I noticed.
Changed from 2 stars. Good job!









