人間の条件 (ちくま学芸文庫) (日本語) 文庫 – 1994/10/1
ハンナ アレント
(著)
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ISBN-104480081569
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ISBN-13978-4480081568
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出版社筑摩書房
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発売日1994/10/1
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言語日本語
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本の長さ549ページ
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「人間の条件」―「活動的生活」―「労働・仕事・活動」という構成で論が進められる。
読み進める上でのテクニカルな面は、1.観念的な展開で具体例等は少ない、2.文章が肯定のように進んで文の最後で否定する場合が度々ある、3.前半より後半の方がむしろ難しい。これらのため、全体としてもやや難解な印象を持った。
難解ではあるが、「労働」、「仕事」、「活動」の概念化とその論証は、すばらしいと感じた。中でも、感銘を受けたのは「労働」の章である。
『実際、人間の労働力は自然の一部であり、おそらく、すべての自然力のうちで、最も強力な力なのである。(本文P188)』
アレントの「労働」の概念によって、「働くこととは何か」を改めて考えさせられた。
「人間とは何か」、「働くことの意味は何か」等を探求したい方に、ぜひ本書をお勧めしたい。
読み進める上でのテクニカルな面は、1.観念的な展開で具体例等は少ない、2.文章が肯定のように進んで文の最後で否定する場合が度々ある、3.前半より後半の方がむしろ難しい。これらのため、全体としてもやや難解な印象を持った。
難解ではあるが、「労働」、「仕事」、「活動」の概念化とその論証は、すばらしいと感じた。中でも、感銘を受けたのは「労働」の章である。
『実際、人間の労働力は自然の一部であり、おそらく、すべての自然力のうちで、最も強力な力なのである。(本文P188)』
アレントの「労働」の概念によって、「働くこととは何か」を改めて考えさせられた。
「人間とは何か」、「働くことの意味は何か」等を探求したい方に、ぜひ本書をお勧めしたい。
ベスト1000レビュアー
本当に読み応えのある深い本でした。本書は20世紀の哲学者ハンナ・アレントの代表作の一つで1950年代に書かれました。訳者の志水氏も最後に述べているように、どちらかと言えば難解な本ですが、アレントの言葉の定義がわかってくると徐々にスラスラと読めるようになってきます。志水氏が最後に本書の概要をとてもわかりやすく説明されていますが、読者の皆さんはまずは自力で本書を読み進め、最後に自分の理解を補う上で志水氏の解説を読むと良いかと思います。
本書は人間の「活動的生活」を「労働」「仕事」「活動」の3つに分類し、アレント氏がそれぞれを定義づけます。そして人類の歴史(古代ギリシャ以降)において、この3つの序列がどう変化してきた、そしてその理由は何か、を解き明かしています。最初はどう違うのか良くわからないかと思いますが、アレントの言葉の使い方に慣れてくるにつれ、本書の後半ではだいぶ違いが理解できます。
アレントは本書の最後の章で「アルキメデスの点」の話を出します。これは何かといえば、人類は地球に拘束されている生き物であるにもかかわらず、地球を離れて宇宙のある点から地球を見ることが出来るようになったことを、ガリレオ・ガリレイの地動説をもって説明しているのですが、私はアレント自身も「アレントの点」なるものを持っていると思いました。しかもこのアレントの点は、空間的に遠く離れた点という意味だけでなく、時間的にも遠く離れた点に自分をおくことが出来る、という意味で時空間を超えた点だと思います。自身を古代ギリシャにおくと、いかに現代社会(20世紀)の常識が非常識であるか、が描写できるというようなことがたびたび登場します。アレントは非常に視野が広いだけでなく深い(つまり事象の根源を突き止める)ことができる卓越した人物であったと感銘を受けました。
本書は人間の「活動的生活」を「労働」「仕事」「活動」の3つに分類し、アレント氏がそれぞれを定義づけます。そして人類の歴史(古代ギリシャ以降)において、この3つの序列がどう変化してきた、そしてその理由は何か、を解き明かしています。最初はどう違うのか良くわからないかと思いますが、アレントの言葉の使い方に慣れてくるにつれ、本書の後半ではだいぶ違いが理解できます。
アレントは本書の最後の章で「アルキメデスの点」の話を出します。これは何かといえば、人類は地球に拘束されている生き物であるにもかかわらず、地球を離れて宇宙のある点から地球を見ることが出来るようになったことを、ガリレオ・ガリレイの地動説をもって説明しているのですが、私はアレント自身も「アレントの点」なるものを持っていると思いました。しかもこのアレントの点は、空間的に遠く離れた点という意味だけでなく、時間的にも遠く離れた点に自分をおくことが出来る、という意味で時空間を超えた点だと思います。自身を古代ギリシャにおくと、いかに現代社会(20世紀)の常識が非常識であるか、が描写できるというようなことがたびたび登場します。アレントは非常に視野が広いだけでなく深い(つまり事象の根源を突き止める)ことができる卓越した人物であったと感銘を受けました。
2020年5月31日に日本でレビュー済み
本書は現代の政治哲学にとって決定的に重要である。アレント以前の政治哲学は、共通善であれ正義であれ、何がしかの良き目的を実現する手段ないしプロセスが政治であるという前提のもと、その政治がいかにあるべきかを問うてきた。だが政治とはかかる目的に対する手段に尽きるものではない。そのような手段的価値を越えるそれ自体としての価値(=目的)が政治にはある。それは欲求を満たすための「労働」でも、有益性を追求する「仕事」でもない。快楽や便利さは人間が生きる目的ではない。人間を動物から分かつのは、意味を問う存在であるということだ。意味とはそれが「何(what)であるか」ではなく、お前が「誰(who)であるか」であり、言葉を通じて他者と関わり、その中で自己を表現し、称賛されることで始めて立ち現れてくるものだ。政治とは人間にとって最も本質的なこうした意味を問う「活動」であり、まさしく「人間の条件」である。だからこそアリストテレスは「人間は政治的動物である」と規定した。政治は私的利害の調整でも、合意のプロセスでもない。従来の政治哲学が論じてきたそうしたシェーマは、本来の政治にとって二義的なものに過ぎず、私的領域と公的領域を混同するものだ。自立した理性的個人を前提とする市民的リベラリズム、あるいはその焼き直しであるロールズの正義論は、こうした「人間の条件」としての「活動」を捨象する。本書はそのような「活動」の場としての公共空間の再生を企図する現代実践哲学の輝かしい出発点である。サンデルに代表されるコミュニタリアニズム、ハーバーマスの討議倫理、さらにはポストモダン的な闘技民主主義もこうしたアレントの思想から豊かな着想を得ている。
2011年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書がアメリカで最初に刊行されたのは1958年。日本語訳が出版されたのは1973年。半世紀以上前の著作にもかかわらず本書は、公共哲学の古典として読まれ続けている。難解な本ではあるが、平易な文章に工夫されて訳されており、読み通すことによって、大まかな内容は把握できるだろう。
もっともアレントの思想には様々な批判がある。
例えば、政治権力に含まれる支配や強制をあまり問題とせず、「権力」の戦略的、目的合理的側面を軽視しているという批判。
また、政治制度への具体的言及が少なく、存在論的な哲学的考察とそれを実際の政治制度へと架橋していくところに飛躍があるという批判。
さらに、ジェンダーの観点が弱く、貧困などの「社会的なもの」を「政治的なもの」から排除することによって「政治」を純化し過ぎているという批判など。
しかし、これらの批判にもかかわらず、本書は読むべき古典的名著であることは変わりない。
もっともアレントの思想には様々な批判がある。
例えば、政治権力に含まれる支配や強制をあまり問題とせず、「権力」の戦略的、目的合理的側面を軽視しているという批判。
また、政治制度への具体的言及が少なく、存在論的な哲学的考察とそれを実際の政治制度へと架橋していくところに飛躍があるという批判。
さらに、ジェンダーの観点が弱く、貧困などの「社会的なもの」を「政治的なもの」から排除することによって「政治」を純化し過ぎているという批判など。
しかし、これらの批判にもかかわらず、本書は読むべき古典的名著であることは変わりない。