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人質の朗読会 単行本 – 2011/2

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商品の説明

内容紹介

遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた――慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは……。しみじみと深く胸を打つ小川洋子ならではの小説世界。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた。紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして…しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。

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登録情報

  • 単行本: 247ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2011/02)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4120041956
  • ISBN-13: 978-4120041952
  • 発売日: 2011/02
  • 商品パッケージの寸法: 19.4 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1 41件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 185,674位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 単行本 Amazonで購入
 最初から主人公である8人の人質は死んでしまったと、わかって始まる8人の物語に静かに耳を傾けられるのだろうか。痛みばかりではなくいとおしさをもって寄り添いながら読み進められるのだろうかと恐る恐るページをめくった。しかし人質たちが物語を語ることになったいきさつを語った冒頭部分ですでに物語にからめ捕られていく。「いつになったら解放されるかという未来」ではなく「自分たちの中にしまわれて」「決して損なわれない過去」に耳をすませることが必要なのだ。と、小川ワールドに深く静かに潜っていけるのだった。
 それぞれのささやかな日々の生活の中のささやかな物語が、どれほどいとおしくどれほど生の輝きを持ってこちらに迫ってくるか。だからかわいそうというのではない。読後に残る涼やかな印象はなんだろう。彼らは生きているのである。物語を通して生き続けているのだ。
 全編を読み終わった後に「もしも自分だったら何を語るだろうか」と考えた。そして物語ることの意味、物語ることの必要性を改めて考える。物語のイメージを左手に握りしめ、右手で今自分のできることを一つ一つ丁寧に生きていこうと、勇気をもらった一冊。こんな時代だからこそ多くの人に読んでほしい一冊。
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形式: 単行本
異国で反政府ゲリラの人質となり爆死した日本人達が、
生前に囚われの日々の中でそれぞれ印象に残った思い出を記し、それを互いに朗読し合う、というのが本書の設定である。
冒頭にその設定が淡々と書かれ、人質たちが残した思い出が後続の各章で明かされる、といった構成だ。
(最後の章だけ人質以外の人物が語っている。)

それぞれの思い出が綴られる個々のエピソードは非常に良かった。
病気の母に食べさせるスープを一心に作る女性の話や、怪しいぬいぐるみを売る老人など、
不思議な登場人物との不思議な出来事がどこか覚めた語り口で描かれていていて、
その文体は最後まで飽きない魅力を感じさせてくれる。
個人的には整理整頓好きのおばあさんとクッキー工場に務める女性との交流が印象深かった。
やり投げの青年の話は、おそらく女性ならもっと共感するところがあるだろう。

しかし、それぞれのエピソードは秀逸でも、
私にはこれらのエピソードがなぜ『人質の朗読会』という設定の上で語られるのか、その必然性を感じる事はできなかったし、
『人質の朗読会』という設定の存在意義も感じられなかった。

理由は二つある。一つは個々のエピソードの文面が思い出を淡々と語ることに終始して
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形式: 単行本
 小川洋子独特のいつもの世界に心地よく浸ることができた。
 大震災というスパイスが夢中にさせたのかもしれない。
 私の心は、自分も知らない間に疲れていたんだなとわかる。
小川洋子の作品は心のひび割れにそっとしみ込み、静かに、騒ぎ立てることなく
癒してくれる。

 なんでもない日常が本当は一番輝いていた。そんなことに気が付くのは
緊張を強いられる非日常の環境におかれているから。
環境が変えられないなら、あの日の気持ちだけでも取り戻そう。
賢明な人質たちは気が付いた。今このときも日常なのだ。朗読はそれを取り戻す
ための手段。自分が生きてきたことの記録。

 毎日を静かに、丁寧に、ゆっくり生きていこう。
 覚悟を決めたら楽になる。
 すぐに何かが変わるわけじゃない。
 今このときも自分の大事な人生の時間なんだ。
 手の届かない問題に振り回されたら損だよ。
 自分を大事に、周りの人を大事に生きていけばいいだけなんだ。
 
 そんな気持ちにさせてくれる本かな。
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形式: Kindle版 Amazonで購入
 8+1=9人の体験談。興味深いがそう大した物語でもない。ところがどのエピソードも痛切に胸に響く。小川洋子はあるプロジェクトに触発されてそんな小説をものにした。見事な腕前である。

 そのプロジェクトとは私の大好きな米作家ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」。ラジオ番組を持たされてネタに困ったオースターが妻シリの助言を受けて、リスナーから本当にあった面白い話を募ったところ、予想外の膨大な投書が寄せられたところから始まった企画で、もちろん本になり邦訳もされ新潮文庫に収められている。

 市井の名も無き人々が語ったのは、奇跡的な再会や驚くべき偶然、笑えるヘマ、思わぬ死との接近遭遇等々、まさしく「事実は小説より奇なり」を絵に描いた様な体験談であった。

 これを小川洋子はある地球の裏側の国で起こった誘拐事件に巻き込まれたツアー客七人とツアーガイドが、拘束された生活の中で自らの体験談を語る朗読会という形に置き換え、それを盗聴していた政府軍兵士のインタビューを加えた九つの物語で構成される実験的小説に転化してみせた。

 どの体験談もセンス・オブ・ワンダーに満ちているし、もちろん素人の投書とは段違いの質の高い文章である。特に「B談話室」「冬眠中のヤマネ」「コンソメスープの名人」などは
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