千日回峰行を満行した著者が、
人はどう生きるべきか、何のために生まれてきたのかを、
命懸けの行の中で得た「気づき」を通して語っているのが本書である。
「心を込めて山を歩いていると、たくさんの気づきがあります。
この度は、その山で気づいた人生の歩き方をまとめさせていただきました。」(4)
本書は本当に平易な言葉で書かれている。
あまりにも読みやすいため、
うっかりすると珠玉の言葉を読み飛ばしてしまいそうになる。
「強みとはなんでしょうか。それは、清らかなる心とやさしさです。……
この強みさえあれば、どんな困難にも挫けることはなく、
またどんな苦しみも幸せに変えられるように思います。」(53)
「清らかなる心とやさしさ」が、一番強いと著者は言っている。
これは自身の体験でつかんだものでなければ、出てこない言葉だと思う。
「山の行をふり返ってみますと、
すべて自分の心が本来のきれいな心になるために
神仏が与えてくださったのだなと心から感謝します。」(48)
修行とは、「本来のきれいな心」に戻っていくためのものだという。
これも心に刻んでおくべき深い言葉だと思った。
そして著者は、
今、このときを生きることが一番大切なのだと、
私たちに教えてくれているように思う。
「ただ日々を精いっぱい努力していたというだけのことです。」(25)
「人生とはなんなのか、なぜ生きるのか、という問題を考えますと、
人生を論じる暇などない、今このときを生きていかねば、と思います。」(94)
「必要以上の無理をなるべくしないように『ぼちぼち』と
自分のペースでさせていただいただけのことなのです。」(140)
各章にひとつずつ、著者直筆の「書」があるのだが、
これが実に味わいがあって良い。
素直でまっすぐで、優しい人柄がにじみ出ている。
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