世界的に有名な古今東西の古典からひいた名言はもちろんですが、それらに紐付けるようにして新聞に掲載されたエッセイやネットのコメント等、著者のアンテナにひっかかった現代の「名言」も登場しています。この「名言」の「組み合わせ」が、よりそれらの持つ意味を深く、読者の心に響くものとしていると感じました。
例えば、「『愚痴を言う』『他人を嫉む』『誰かに評価して欲しいと願う』……人生をむだにしたければ、この3つをどうぞ」(「多眼思考」ちきりん)と、「天知る、地知る、我知る、子知る」(「後漢書」)が並んで紹介されていたりします。(中国の古典と、社会派ブロガーの言葉、この二つがどのように、関連付けられているかは、ぜひ読んでたしかめてみてください。)こういった本書ならではの面白さは、読書によって培われた著者の俯瞰力のなせる技といえるでしょう。
また、本書には、数多くの古典と呼ばれる本が登場します。著者のフィルターを通して知恵のエッセンス受け取ってみると、それまで難しそうだからと敬遠していた多くの本を不思議と自分も読んでみたくなりました。(私はマーク・トウェイン「不思議な少年」、ダンテ「神曲 地獄篇」が読みたくなりました。)読書ガイドとしても、いい本だと思います。
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