新井さんは「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で複数の賞を取り、すっかり有名になった。言うまでもなく、「東ロボくん」プロジェクトのリーダーである。
昨今は第3次AIブームで、いたずらにAIの脅威をあおるような本も多い。しあkし、新井さんのように、冷静にAIの利点と不利益を提示し、AI時代の子供たちのために活動している人を、私は他に知らない。
この本も、「AIブームの到達点と限界」について書いてあるようなので、読む気になった。
内容は、東ロボくんプロジェクトでの英語、数学など科目ごとの解答方法やその結果などが記されている。読んでいてちっとも面白くない。私のような素人が読むより、AIの専門家が参考として読むような本である。意味不明な図や数式もたくさん出てくる。しかし、私が知りたいのはあくまでも現在のAIができることとできないことなので、そんな箇所はすっ飛ばし、とにかく読み進めた。
英語では、長文問題がAIにとってかなりの難問のようだ。AIに長文問題を解かせるのは困難な課題であるらしい。
国語では、長文読解でも半分ぐらいの問題を正解させることはできる。しかし、偏差値50ぐらいで頭打ちになったようだ。AIは長い文章を理解することがほとんどできないからである。
その一方で、世界史では偏差値66を出している。専門的な記述ばかりで分かりにくいのだが、どうやら英、国とは異なるやり方で問題を解いているようである。数学でも偏差値65程度を出している。
結論としては、AIはある部分では人間を大きく上回る分野がある一方、読解力という点では人間には及ばない。読解力を高め、新しいことを独学で学んで身につけられるようにしておく―これが、AI時代に私たちが生き残る戦略であるようだ。
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