現在、世界は第三次人工知能ブームの真っ只中にあり、関連した様々な情報が飛び交っている。
これらの情報群から、ますます便利になっていく高度情報科社会への期待をいだいている人や、あるいは「シンギュラリティが到来し、人類がAIに支配されるのではないか」といった不安感を抱いている人は多いだろう。
一方で、以下のように冷笑的なスタンスを取ることも可能だ。
「過去に2度の人工知能ブームが到来したにもかかわらず、いずれも真の意味での人工知能とは程遠い次元で下火になっている。今回もきっとそうなるだろうし、騒ぐほどのこともない。」
しかし、現在の第三次人工知能ブームで何が起きているのかを理解するには、ディープラーニングに関する最低限の理解が不可欠である。ディープラーニングの革新性がどこにあるかを知らなければ、そこから連鎖的に起こりうる人工知能研究の発展を理論的に推測することはできない。
本書では、これまでの人工知能研究がたどってきた歴史を解説し、特にディープラーニングがどのようなブレイクスルーだったのかを重点的に説明する。さらに、同様のブレイクスルーが画像認識以外の用途に広がった場合に人工知能がどのように発展していくのかを推察し、人間社会におよぼしうる影響を理論的に、冷静に考察している。
著者の松尾豊氏は人工知能を専門とする東大の准教授である。人工知能に関するブームと氷河期の繰り返しを当事者として眺めてきた立場から、「人工知能に対して過剰評価でも過小評価でもない、正しい期待をしてほしい」という願いを込め、本書を執筆したようだ。
その情熱の甲斐もあり、本書はわかりやすさと冷静さを兼ね備えた良著となっている。幅広く読まれることで、日本社会に「人工知能に対する正しい期待」が醸成されることを願ってやまない。
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