私自身は将棋も人工知能も何も知らず少しの興味を持って新聞や雑誌の記事を読む程度でしたが、本書を手に取りました。私のようなど素人が読んでも面白くわかりやすいと思う本でした。
日本人最高クラスの頭脳を持つ棋士がどのようにして将棋の解にたどり着くのか、本人がそれを説明しているだけでも読む価値がある本なのだろうと感じました。人工知能は棋士とは全く違うアプローチで計算しているために生まれてくる「違和感」や、棋譜から感じられる美意識、ランダムに選んだ選択と創造性の違いなど、この本を読むまでは考えたことはなかったです。本書は将棋の世界をスタート地点としているけれど、人工知能がさまざまな分野に広がれば同じようなことが議論され、同じように悩んで行くんだろうと思います。
フレーム問題や水平線効果、中国語の部屋など、今まで知らなかった単語や人工知能の問題点が出てきたので、今後勉強する上でも参考になりました。このような問題点が解決されていくのか、今は分かっていないあらたな問題が生まれてくるのかなど、考えるのが楽しくなってきました。
羽生さんという将棋の天才がこんなに分かりやすい文章を書くのだというのもわかり、意外で面白かったです。
人工知能の核心 (NHK出版新書 511) (日本語) 新書 – 2017/3/8
羽生 善治
(著)
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羽生善治
(編集)
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本の長さ240ページ
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言語日本語
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出版社NHK出版
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発売日2017/3/8
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ISBN-104140885114
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ISBN-13978-4140885116
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
二〇一六年三月、人工知能の囲碁プログラム「アルファ碁」が世界ランクの棋士を破った。羽生善治は、その勝利の要因を、「人工知能が、人間と同じ“引き算”の思考を始めた」とする。もはや人間は人工知能に勝てないのか。しかし、そもそも勝たなくてはいけないのか―。天才棋士が人工知能と真正面から向き合い、その核心に迫る、“人工知能本”の決定版。
著者について
羽生善治(はぶ・よしはる)
1970年生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生棋士となる。 1996年には竜王、名人ほか7つのタイトルすべてを獲得し、話題を集めた。 2008年には、永世名人(十九世名人)の資格を獲得し、 王位・王座・棋聖のタイトルを保持(2017年2月現在)。 著書に『大局観』(角川oneテーマ21)など。
NHKスペシャル取材班
国内外の人工知能最前線を取材し、 NHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」を 制作(2016年5月放送)。 本書の執筆を担当したのは、寺園慎一(NHK大型企画開発センター エグゼクティブ・プロデューサー)、 中井暁彦(NHK制作局科学・環境番組部 ディレクター)の2名。
1970年生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生棋士となる。 1996年には竜王、名人ほか7つのタイトルすべてを獲得し、話題を集めた。 2008年には、永世名人(十九世名人)の資格を獲得し、 王位・王座・棋聖のタイトルを保持(2017年2月現在)。 著書に『大局観』(角川oneテーマ21)など。
NHKスペシャル取材班
国内外の人工知能最前線を取材し、 NHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」を 制作(2016年5月放送)。 本書の執筆を担当したのは、寺園慎一(NHK大型企画開発センター エグゼクティブ・プロデューサー)、 中井暁彦(NHK制作局科学・環境番組部 ディレクター)の2名。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
羽生/善治
1970年生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生棋士となる。1996年には竜王、名人ほか7つのタイトルすべてを獲得し、話題を集めた。2008年には、永世名人(十九世名人)の資格を獲得し、王位・王座・棋聖のタイトルを保持(2017年2月現在)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1970年生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生棋士となる。1996年には竜王、名人ほか7つのタイトルすべてを獲得し、話題を集めた。2008年には、永世名人(十九世名人)の資格を獲得し、王位・王座・棋聖のタイトルを保持(2017年2月現在)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2017/3/8)
- 発売日 : 2017/3/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4140885114
- ISBN-13 : 978-4140885116
- Amazon 売れ筋ランキング: - 246,683位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月16日に日本でレビュー済み
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10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年9月4日に日本でレビュー済み
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人工知能の専門家やIT分野に詳しい方の書いた本ではありませんが,
まぎれもなく現代の「知」の先鋭の一人である羽生氏による,
人工知能にまつわる様々な課題・問題・考察をまとめ上げた本です。
DeepLearning など,プラグらミングについては,他書の方がよく分かります。
(個人的には,「人工知能、ロボット、人の心」 (TheWave出版) がkindle版でしたら無料ですし,お薦めです)
ただ,人工知能の「知」の可能性に焦点を当てて考えるとすると,この本は素晴らしい本となります。
表現も難しいものがなく,とてもやさしい論理で書かれているのに,うーんとうならされる本質を突いた一手
人工知能関係の本の入門書としても,また逆に ITやプログラム系にも造詣が深い方にもお勧めの一冊になると思います
まぎれもなく現代の「知」の先鋭の一人である羽生氏による,
人工知能にまつわる様々な課題・問題・考察をまとめ上げた本です。
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(個人的には,「人工知能、ロボット、人の心」 (TheWave出版) がkindle版でしたら無料ですし,お薦めです)
ただ,人工知能の「知」の可能性に焦点を当てて考えるとすると,この本は素晴らしい本となります。
表現も難しいものがなく,とてもやさしい論理で書かれているのに,うーんとうならされる本質を突いた一手
人工知能関係の本の入門書としても,また逆に ITやプログラム系にも造詣が深い方にもお勧めの一冊になると思います
2017年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・圧倒的なデータ処理能力
現在の人工知能の最大の強みがこの一点で説明できると羽生さんの鋭い視点から学ばせて頂きました。
なぜ, 人工知能が将棋や囲碁で人間に勝つ事が出来たのかという問いに対し,
例えば, 将棋において次の一手を決める時, プロ棋士は数ある次の一手の候補から自らの
・「経験に基ずく直感」
・「美意識」(詳しくは本書で参照して下さい)
によって最善手となり得る候補を絞ります。そして絞った候補のみに対し読みを行い最善手を決定します。
一方, 人工知能が人間と大きく異なる点は, 数ある次の一手の候補から手を絞りません。
つまり, ほぼ全ての候補に対して圧倒的なデータ処理能力を駆使して読みを行い, その中から最善手を決めます。
これが人工知能の勝因の一つであると本書では書かれています。
近い将来, 人工知能がより社会に進出し, 現存するかなりの仕事が人工知能に取って代わられる事が予想されます。そんな中, 我々人間しか出来ない仕事への価値を再認識させられる本だと思います。
現在の人工知能の最大の強みがこの一点で説明できると羽生さんの鋭い視点から学ばせて頂きました。
なぜ, 人工知能が将棋や囲碁で人間に勝つ事が出来たのかという問いに対し,
例えば, 将棋において次の一手を決める時, プロ棋士は数ある次の一手の候補から自らの
・「経験に基ずく直感」
・「美意識」(詳しくは本書で参照して下さい)
によって最善手となり得る候補を絞ります。そして絞った候補のみに対し読みを行い最善手を決定します。
一方, 人工知能が人間と大きく異なる点は, 数ある次の一手の候補から手を絞りません。
つまり, ほぼ全ての候補に対して圧倒的なデータ処理能力を駆使して読みを行い, その中から最善手を決めます。
これが人工知能の勝因の一つであると本書では書かれています。
近い将来, 人工知能がより社会に進出し, 現存するかなりの仕事が人工知能に取って代わられる事が予想されます。そんな中, 我々人間しか出来ない仕事への価値を再認識させられる本だと思います。
2018年2月28日に日本でレビュー済み
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本書は、2016年に放送されたNHKの番組内容を書籍化したものだ。同番組は、人工知能開発の最前線を取材したもので、将棋棋士である羽生善治氏がレポーター役を務めた。将棋ではプロ棋士がコンピュータに負けることも増えている中、羽生氏は人工知能を否定的に捉えるのではなく、人間の可能性を切り拓くものとして比較的肯定的に考えているようである。
取材を通じ、本書で羽生氏は人工知能に関する様々な考察を述べる。ディープラーニングについては、無駄な情報を扱うことを減らす「引き算」の要素が入っていると指摘する。棋士が考える将棋の指し手のメカニズムをもとに、人間と人工知能の思考の違いについて解説を行う。また、pepperと過ごした体験談などをもとに、ロボットに対し人格を与えるというアイデアに理解を示す。どれもなかなか興味深い。
一方で羽生氏は、人工知能を利用した学習の高速化と大量の情報取得により、我々は自分の頭で課題を解決しなくなる可能性を危惧する。個々の人間が実践で積み上げていく経験値や、経験から得た様々な選択肢の中から、問題やテーマに対して一番良いアプローチを選んでいくことの重要性を羽生氏は指摘する。プロ棋士の第一人者である、羽生さんらしい考え方だと感じる。
各章末に置かれる、NHKディレクターによる解説やトピックも、人工知能に関する知見を深める。ホワイトカラーの仕事が人工知能に代替される理由について、分析することの価値が劇的に変化し、分析力を要する弁護士や会計士などの仕事を人工知能は簡単にこなしてしまうからだとする。本書で指摘される通り、今後の変化に適応することが、やはり重要なのだろう。
取材を通じ、本書で羽生氏は人工知能に関する様々な考察を述べる。ディープラーニングについては、無駄な情報を扱うことを減らす「引き算」の要素が入っていると指摘する。棋士が考える将棋の指し手のメカニズムをもとに、人間と人工知能の思考の違いについて解説を行う。また、pepperと過ごした体験談などをもとに、ロボットに対し人格を与えるというアイデアに理解を示す。どれもなかなか興味深い。
一方で羽生氏は、人工知能を利用した学習の高速化と大量の情報取得により、我々は自分の頭で課題を解決しなくなる可能性を危惧する。個々の人間が実践で積み上げていく経験値や、経験から得た様々な選択肢の中から、問題やテーマに対して一番良いアプローチを選んでいくことの重要性を羽生氏は指摘する。プロ棋士の第一人者である、羽生さんらしい考え方だと感じる。
各章末に置かれる、NHKディレクターによる解説やトピックも、人工知能に関する知見を深める。ホワイトカラーの仕事が人工知能に代替される理由について、分析することの価値が劇的に変化し、分析力を要する弁護士や会計士などの仕事を人工知能は簡単にこなしてしまうからだとする。本書で指摘される通り、今後の変化に適応することが、やはり重要なのだろう。
2017年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
羽生さんの専門である将棋や囲碁へのAI適用を切り口に、もう少し広く人工知能の現状と、
課題、展望を紹介している。正直、全体的にまとまりがゆるく、内容が薄いが、これは
他の類書も同じ。
人間の脳を模倣することで人工知能の開発が進んでいるが、逆に人工知能から見た時に
人間の知能とは何か、人間らしさとは何かを考えざるをえない。また、人工知能を
現実の問題に適用するには、人によって判断が異なる倫理的な問題に白黒つけることを
迫られるという指摘はなるほどと思った。まあ、人工知能に限った話ではないし、
コンセンサスができなければ、使わなければいい。あくまでも人間が決めることだ。
AIの適用事例は、まだ少数の点と点に過ぎないので、近い将来、社会に対して
どれほどのインパクトがあるのかはっきりしない。しばらくは、本書も含めて
最新状況をウォッチするしかない。
課題、展望を紹介している。正直、全体的にまとまりがゆるく、内容が薄いが、これは
他の類書も同じ。
人間の脳を模倣することで人工知能の開発が進んでいるが、逆に人工知能から見た時に
人間の知能とは何か、人間らしさとは何かを考えざるをえない。また、人工知能を
現実の問題に適用するには、人によって判断が異なる倫理的な問題に白黒つけることを
迫られるという指摘はなるほどと思った。まあ、人工知能に限った話ではないし、
コンセンサスができなければ、使わなければいい。あくまでも人間が決めることだ。
AIの適用事例は、まだ少数の点と点に過ぎないので、近い将来、社会に対して
どれほどのインパクトがあるのかはっきりしない。しばらくは、本書も含めて
最新状況をウォッチするしかない。
2018年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人工知能とは何なのか、今どんな能力があり、将来どのように発展する可能性があるのか がわかる本です。
一般の方向けに簡潔な文章でまとめてあり読み進めやすいですが、構成がよく練られており
取材対象の幅が広いことに加え、羽生さんの見識・観点が深みを加えているため、内容は読み応えがあります。
(内容の抜粋は、他の方も挙げられているため省きます。)
人工知能について何冊かの本を読み、その輪郭をとらえたい方には、
役立つと思いますし、何回か読み返す本だと思います。
一般の方向けに簡潔な文章でまとめてあり読み進めやすいですが、構成がよく練られており
取材対象の幅が広いことに加え、羽生さんの見識・観点が深みを加えているため、内容は読み応えがあります。
(内容の抜粋は、他の方も挙げられているため省きます。)
人工知能について何冊かの本を読み、その輪郭をとらえたい方には、
役立つと思いますし、何回か読み返す本だと思います。