神道と日本社会の関係を分析されているところが面白かったです。外国の人に「神道って何?」と尋ねられたときに、とっさにどう説明すればよいかわからず「アニミズムの一種。でもほぼ形骸化している。」と適当に答えてしまった残念な経験があるのですが、この本を読んだおかげでこれからはもう少しまともに説明できる気がします。筆者によると、万物に神性を見出す神道の精神は、一人一人が他人や物を尊重する日本社会の道徳観念に通ずるものがあるということです。「日本人は規則を守る」「日本の街にはゴミひとつ落ちていない」という使い古されたステレオタイプも、人様に迷惑をかけたくない、周りの環境(物)を穢したくないという精神の表れだと説明できるようです。特に「日本は国そのものが神社」と言う表現は新鮮です。外国に住んでいて、たまに日本に帰ってきたときに感じる周囲の人々(家族ではなく他人)からの絶妙な配慮、心地よさの正体はそれだったのか、と妙に納得しました。もちろんそれには程遠い現実があることもわかっていますが、本当にそんな社会が実現すればよいのになぁと思います。
面白半分でごく一部の日本人の珍奇な行動だけを取り上げてそれこそが日本であるかのように報道する外国メディアが多い中、こんな風に日本人以上に深い考察をして日本の良さを気づかせてくれる人もいるんだと思うと、本当に感謝の気持ちしかありません。
人を楽にしてくれる国・日本~韓国人による日韓比較論~ (扶桑社新書) (日本語) 新書 – 2019/3/2
シンシアリー
(著)
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本の長さ261ページ
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言語日本語
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出版社扶桑社
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発売日2019/3/2
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ISBN-104594081533
-
ISBN-13978-4594081539
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
神様・人様・物様―韓国にはない、日本の3つの美徳。韓国人ベストセラー作家が体験した「日本移住後」の「内」なる変化!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
シンシアリー
1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの生粋の韓国人。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの生粋の韓国人。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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2018年2月24日に日本でレビュー済み
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殿堂入りベスト50レビュアー
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「日本滞在記」を書くため、シンシアリー氏は、日本で作家暮らしを始めた。観光だけでは気づかない、暮らしの中での色々な経験が必要だからである。好きなものをもっと好きになるには、さらに広く、深く、知る必要があると信じ、日本にやって来た。
そうして一年間、日本で暮らしてみて、「日本は素晴らしい国です」という結論だけが浮かび上がったという。
日本での外出は、韓国にいた時に比べて、頭の中がとても「楽」になるという。韓国にいた時には、外出して気持ちよく帰ってきた覚えがあまりなかった。転がるゴミ、目が痛くなる空気、子供を連れたまま当たり前のように社会の規則を破る大人たちに、数々の不愉快さを感じていた。
シンシアリー氏が日本で感じた快適さは、日本では、数々の「線」が守られていることにあるという。
日本の運転マナーはよく、誰もが停止線を守ることに、シンシアリー氏は驚いた。どの車も停止線を守るので、バスがカーブを曲がる時に「止まる」ことがほとんどない。韓国では、対向車線の車が停止線を守らず出張っていることが多く、接触の危険があるため、バスが止まることがしょっちゅうだという。
車道の線だけでなく、法律や規則も「目に見えない線」として考えることができる。社会に存在する数々の「線」は、誰かが一律的に決めたものではなく、試行錯誤を繰り返し、必要によっては修正したり消したり新しく作ったりしながら、大勢の人たちの便宜と安全を守るために出来上がったものである。韓国人はこの「線を守る」ことが大の苦手なのである。日本では、「目に見える線」だけでなく、「目に見えない線」も、様々な分野で守られているので快適なのである。
また、日本社会の「話せばわかる」という生き方も、「見えない線」を守る感覚がないと成立しない。社会生活の中では、他人と意見が衝突したり喧嘩になることもあるだろうが、日本人の喧嘩は長引くことはそうない。相手の「これだけはダメだ」とする心境を読み取って、そこまでは触れないようにしているからである。
一方、韓国では、低俗な言葉で相手の尊厳を完全に破壊する。相手を完全に踏みにじり、相手がこれだけは守りたいと願っている線を破ってこそ、自分の勝利だと思う風潮があるから、喧嘩が長引く。相手が無力になることで「勝った」となるので、「話せばわかる」という生き方はできない。お互いが線を越えようとしているのだから、話して解決できるはずがないのである。
また韓国人が「韓国より先進国だ」と思っている国に移住した場合、「何が何でも高級乗用車から買う」ことが多いという。無理をして虚勢を張る行動の裏には、「誇示」や「体面」がある。自慢すること、偉そうにすることは日常的に表れる韓国人の情緒であり、これは自分という「線」を少しでも超えて見せたいとする心理かもしれないとシンシアリー氏は述べている。
シンシアリー氏の母親は日韓併合時代を知っており、母から聞いた日本と、韓国社会が非難する日本とは全く別物だった。慰安婦も「募集制」だったと話してくれた。シンシアリー氏は母の証言を信じ、それらの証言が「反日」という邪悪な魔術から、彼の精神を守ってくれたという。
また韓国が主張する自国の長所や美徳は、韓国内ではなく、日本で見つけることができるという。韓国が「自国のよさ」として子供たちに教えてきたことは、実は日本の良さだったからである。優秀な民族であるはずの朝鮮民族の文化が、韓国人自身の目に美しく映らなかったため、韓国は日本の文化を韓国のものだと主張したり、自国の文化に日本的なものを入れて美化したりしたのである。韓国は、教育、経済、治安、法律、ほぼすべての分野で日本のやり方をコピーしたのである。
だから、人口5000万人の韓国人のうち、実に年間700万人が日本を訪れるのだという。韓国人が「こうあるべきだ」と思う社会と文化が韓国にはなく、日本にあるからなのである。
そうして一年間、日本で暮らしてみて、「日本は素晴らしい国です」という結論だけが浮かび上がったという。
日本での外出は、韓国にいた時に比べて、頭の中がとても「楽」になるという。韓国にいた時には、外出して気持ちよく帰ってきた覚えがあまりなかった。転がるゴミ、目が痛くなる空気、子供を連れたまま当たり前のように社会の規則を破る大人たちに、数々の不愉快さを感じていた。
シンシアリー氏が日本で感じた快適さは、日本では、数々の「線」が守られていることにあるという。
日本の運転マナーはよく、誰もが停止線を守ることに、シンシアリー氏は驚いた。どの車も停止線を守るので、バスがカーブを曲がる時に「止まる」ことがほとんどない。韓国では、対向車線の車が停止線を守らず出張っていることが多く、接触の危険があるため、バスが止まることがしょっちゅうだという。
車道の線だけでなく、法律や規則も「目に見えない線」として考えることができる。社会に存在する数々の「線」は、誰かが一律的に決めたものではなく、試行錯誤を繰り返し、必要によっては修正したり消したり新しく作ったりしながら、大勢の人たちの便宜と安全を守るために出来上がったものである。韓国人はこの「線を守る」ことが大の苦手なのである。日本では、「目に見える線」だけでなく、「目に見えない線」も、様々な分野で守られているので快適なのである。
また、日本社会の「話せばわかる」という生き方も、「見えない線」を守る感覚がないと成立しない。社会生活の中では、他人と意見が衝突したり喧嘩になることもあるだろうが、日本人の喧嘩は長引くことはそうない。相手の「これだけはダメだ」とする心境を読み取って、そこまでは触れないようにしているからである。
一方、韓国では、低俗な言葉で相手の尊厳を完全に破壊する。相手を完全に踏みにじり、相手がこれだけは守りたいと願っている線を破ってこそ、自分の勝利だと思う風潮があるから、喧嘩が長引く。相手が無力になることで「勝った」となるので、「話せばわかる」という生き方はできない。お互いが線を越えようとしているのだから、話して解決できるはずがないのである。
また韓国人が「韓国より先進国だ」と思っている国に移住した場合、「何が何でも高級乗用車から買う」ことが多いという。無理をして虚勢を張る行動の裏には、「誇示」や「体面」がある。自慢すること、偉そうにすることは日常的に表れる韓国人の情緒であり、これは自分という「線」を少しでも超えて見せたいとする心理かもしれないとシンシアリー氏は述べている。
シンシアリー氏の母親は日韓併合時代を知っており、母から聞いた日本と、韓国社会が非難する日本とは全く別物だった。慰安婦も「募集制」だったと話してくれた。シンシアリー氏は母の証言を信じ、それらの証言が「反日」という邪悪な魔術から、彼の精神を守ってくれたという。
また韓国が主張する自国の長所や美徳は、韓国内ではなく、日本で見つけることができるという。韓国が「自国のよさ」として子供たちに教えてきたことは、実は日本の良さだったからである。優秀な民族であるはずの朝鮮民族の文化が、韓国人自身の目に美しく映らなかったため、韓国は日本の文化を韓国のものだと主張したり、自国の文化に日本的なものを入れて美化したりしたのである。韓国は、教育、経済、治安、法律、ほぼすべての分野で日本のやり方をコピーしたのである。
だから、人口5000万人の韓国人のうち、実に年間700万人が日本を訪れるのだという。韓国人が「こうあるべきだ」と思う社会と文化が韓国にはなく、日本にあるからなのである。
2018年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生活拠点を日本に移し、既に帰化さえ考えているという著者の、「日本に住む韓国人」であるからこそ気付ける日本と韓国の文化の違いを、柔らかで丁寧な文章で著しています。
歯科医であった(移住に当たってクリニックは辞めたそうです)著者が韓国で体験したエピソードは日本人にとっては新鮮です。日本にいて得られる韓国の情報のほとんどはマスコミのフィルターがかかった又聞きの情報になってしまいますが、実体験を綴られると新たな面が見れてとても良い。
日本についても、我々日本人にとっては暗黙の了解で疑問にも思わない事を新鮮な事柄として見られる著者からの分析は、日本人にとってもなるほどと膝を打つような事もあります。
シンシアリー氏には、今後も安易な嫌韓ニーズに流されない冷静な著作を期待します。
歯科医であった(移住に当たってクリニックは辞めたそうです)著者が韓国で体験したエピソードは日本人にとっては新鮮です。日本にいて得られる韓国の情報のほとんどはマスコミのフィルターがかかった又聞きの情報になってしまいますが、実体験を綴られると新たな面が見れてとても良い。
日本についても、我々日本人にとっては暗黙の了解で疑問にも思わない事を新鮮な事柄として見られる著者からの分析は、日本人にとってもなるほどと膝を打つような事もあります。
シンシアリー氏には、今後も安易な嫌韓ニーズに流されない冷静な著作を期待します。
2018年2月26日に日本でレビュー済み
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これは日本という国に憧れ愛しそしてその一部になろうと決意した韓国人の心の軌跡である
生真面目過ぎるほどの性格の著者はさぞ韓国では生きづらかったに違いない
以前は敬虔なクリスチャンだった著者が韓国のキリスト教教会と決別した理由はそのまま日本への移住の理由でもあるに違いない
著者は日本人の行動規範のあり方から日本人の信仰心を読み解いていく
それは常日頃は意識しないだけに、目を開かされる思いである
日本という国をただ持ち上げるだけではない著書であるし、最終章の日本は日本のままでいて欲しいという著者の願いをしっかり受け止めたいと思う
生真面目過ぎるほどの性格の著者はさぞ韓国では生きづらかったに違いない
以前は敬虔なクリスチャンだった著者が韓国のキリスト教教会と決別した理由はそのまま日本への移住の理由でもあるに違いない
著者は日本人の行動規範のあり方から日本人の信仰心を読み解いていく
それは常日頃は意識しないだけに、目を開かされる思いである
日本という国をただ持ち上げるだけではない著書であるし、最終章の日本は日本のままでいて欲しいという著者の願いをしっかり受け止めたいと思う
2018年4月11日に日本でレビュー済み
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著者の本は、目のつけどころが他者と異なり、そこが大きな魅力だが、もう一つ、思索的なところも人をひきつけていく。この本では著者はとくに神に対して思考し、自分なりの結論めいたものを探し出している。韓国で、そして日本に渡り、著者の神との巡り合い、思索の旅は興味深い。
この本で、もっともハッとなったのは、韓国人の「熱中」と日本人の「集中」の対比である。韓国の学者の説として紹介しているが、熱中しすぎて他が見えにくくなる韓国、静かに集中しながら、かつ他者も見る日本の違いがなんとなくわかる。
この本で、もっともハッとなったのは、韓国人の「熱中」と日本人の「集中」の対比である。韓国の学者の説として紹介しているが、熱中しすぎて他が見えにくくなる韓国、静かに集中しながら、かつ他者も見る日本の違いがなんとなくわかる。
ベスト500レビュアー
韓国生まれの人の日本移住後の変貌である。
簡潔に言えば、神道(自他一如)対自他対立の世界である。
その違いの象徴的表現が、「神様、人様、物様」である。その反対が嘘、偽り、裏切り等何でも有りの世界である。
かって、福岡市を拠点とするプロ野球西鉄ライオンズに稲尾という鉄腕投手がいた。
彼は、「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた。日本人は、神様にも成れるのである。
従って本来、道徳も不要である。「お天道さまが見ている」のである。
但し、世界では極、少数派に属するので双方を身につける必要がある。
しかし、風土・歴史から生まれた伝統は変わらないだろう。
以心伝心。神道は、「言挙げせず」である。「目は口ほどにものを言う」という諺もある。
但し、一神教を信奉する人には永遠に解らないだろう。
そして、過去・現在・未来の線形時間も存在しない。それは、言語概念である。
在るのは、道元の「而今」しかない。「前後際断」の世界である。
タモリは、赤塚不二夫への弔辞で赤塚の謔(ぎゃく)「これでいいのだ」を前後裁断と解釈したのである。
簡潔に言えば、神道(自他一如)対自他対立の世界である。
その違いの象徴的表現が、「神様、人様、物様」である。その反対が嘘、偽り、裏切り等何でも有りの世界である。
かって、福岡市を拠点とするプロ野球西鉄ライオンズに稲尾という鉄腕投手がいた。
彼は、「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた。日本人は、神様にも成れるのである。
従って本来、道徳も不要である。「お天道さまが見ている」のである。
但し、世界では極、少数派に属するので双方を身につける必要がある。
しかし、風土・歴史から生まれた伝統は変わらないだろう。
以心伝心。神道は、「言挙げせず」である。「目は口ほどにものを言う」という諺もある。
但し、一神教を信奉する人には永遠に解らないだろう。
そして、過去・現在・未来の線形時間も存在しない。それは、言語概念である。
在るのは、道元の「而今」しかない。「前後際断」の世界である。
タモリは、赤塚不二夫への弔辞で赤塚の謔(ぎゃく)「これでいいのだ」を前後裁断と解釈したのである。