ページをめくるたびに漂ってくる、古びた木造建築の香り。古本や、畳の匂い。
きしむ廊下の音。学生たちの笑い声。中庭からはホロホロ鳥の声も聞こえてくる。
薄いガラス越しに見える、四季の移ろい。薄暗い部屋に差し込む夕日はどこか優しい。
百年以上にわたって、吉田寮は学生とともに生き続けた。
時に笑い、時にぶつかり合い、学生らはこの寮で人生を学んだ。
この掛けがえのない居場所を、学生らは自治で守りながら、次の寮生へと受け継いでいった。
百年の記憶が、この吉田寮の隅々まで染みついている。
現地を訪れたことがなくても、吉田寮の呼吸が五感を通して感じられる。そんな写真集だ。
2019年、京都大学は学生らに吉田寮の明け渡しを求めて訴訟を起こした。
百年の記憶とともに、吉田寮の呼吸も止まるのだろうか。
- 単行本: 80ページ
- 出版社: 草思社 (2019/12/4)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4794224257
- ISBN-13: 978-4794224255
- 発売日: 2019/12/4
- 梱包サイズ: 25.2 x 17.8 x 0.8 cm
- おすすめ度: 2件のカスタマーレビュー
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