京都は四季折々の美しさを感じられる街ですが、紅葉の頃は普段とは違う艶やかな彩りに包まれ、錦絵の世界が広がっています。今、まさにその季節の到来です。
京都出身のカメラマン橋本健次さんによる『京の彩り・栬』は、そんな秋の京都の紅葉と背景の社寺仏閣の魅力を余すところなく伝えている写真集だと思いました。
このような美しい京都を眺めますと、まさしく目の保養といった感じに包まれます。これぞ日本の秋という景色に出会えます。眺めているだけで癒されるような美しさに満ち溢れていました。どこを訪れれば美しい景色と出会えるのかとなると本書のような先達が必要でしょう。
基本的に1ページで1か所を写し取っていますが、2ページを使用している写真もありました。巻末に全ての撮影地のおおまかな位置を示した地図がありますが、住所、電話、公開時期、参観時間、拝観料、最寄りの駅、市バスの停留所などの記載はありません。訪れる場合は自分で事前に確認してください。
写真集であり、散策のガイドブックとしての役割は少し難しいかもしれません。
当方もそうですが、写真愛好家にとっては、ベスト・ポジションの確認にもなります。写真撮影の構図の参考資料として眺めています。他の季節より一層雅な風情をたたえ、いにしえから多くの人の目を楽しませてきました。実際に京都を彷徨い、様々な社寺や季節の美しさと出会う体験を積むことで初めて納得できる写真を撮ることができると思われます。
64p・65pには長岡京にある光明寺の散り紅葉の参道が写し取られていました。素敵ですし、このような時期に訪れると物凄い観光客で実際は埋め尽くされるわけですが、人のいない景観ですから、ここでじっくりと堪能できるわけです。写真集ですから、人が写し込まれていないのは当然でしょうが、これだけの景色を独り占めできた橋本健次さんがとても羨ましかったですね。アマチュアカメラマンはこのタイミングでは寺院に入れませんので。
京都の紅葉の素晴らしさは、世界から多くの観光客がやって来られることから証明済みです。近年はインバウンドの増加により、以前よりまして京都は混雑しています。
92pに東福寺の素晴らしい紅葉が2ショット収められていました。人が映り込まない写真を撮ることは不可能です。今や雑踏そのものになっていますので。
掲載順に、永観堂、貴船神社、鞍馬寺、上賀茂神社、常照皇寺、三千院ほか京都の紅葉の名所という名所をカメラに収めてありました。それもベストシーズンのベストショットで。アマチュアのカメラマンとはまったく違う質を持った写真が飾られています。
なお、思いつくままに記しますが、高山寺、京都御苑、蓮華寺、瑠璃光院、修学院離宮、西本願寺、枳殻邸、清凉寺、宝筐院、宗蓮寺、岩戸落葉神社、源光庵、しょうざん、日向大神宮、三栖神社、正寿院などは、本書に掲載されていません。いずれもスポットも素晴らしい紅葉を鑑賞できます。ページ数の関係で全てを載せるのは難しいでしょうから、補足いたします。それらを外しても1冊の本が出来上がるという証明でしょう。
社寺仏閣の賑わいと喧騒は仕方ないとして、平日の早朝などは、まだ侘び寂びの風情に浸ることができます。京都を訪れてその景観の場所に立つことでその美しさを実感されることでしょう。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。