本作は、世界で5本の指に入る大ベストセラー小説である。その名にふさわしく、壮大なスケールで描かれる。国家の近代化は革命によって成し遂げられた。革命ほど、世界史で大きな変動をもたらすものはない。現代では革命を美化しすぎているが、本作は革命の残酷さを克明に描いている。かつての新聞記者らしく、当時の記事を読んでいるような気分にさせられる。
前半部分は重苦しく、内容も分かりにくい。冗長的な箇所も多く、現代の作家なら一冊にまとめているだろうし、その方が、クオリティがもっと上がった点はおしい。ディケンズは、人物描写や風景描写はけっして巧みではない。主人公が、家族に黙ってフランスに戻る点はわざとらしさがある。ストーリーの自然な流れよりも物語性を重視した結果であろう。本作では数多くのご都合主義がある。物語の自然性や人物の内面を重視する純文学者は、この点を批判するだろう。しかし、小説は個人に向けて書かれるものでもなければ、必ずしもリアリズムを必要としない。
ディケンズは生粋のエンターテイナーであり、これは本作の後半部分に遺憾なく発揮されている。壮大なスケールをテーマにしたプロットの巧みさは大文豪の名にふさわしい。日本の夏目漱石や三島由紀夫などの文豪ですら描けない。
革命というテーマを一流のエンターテイメントに仕上げた点が、世界トップのベストセラーになった理由であろう。そうはいっても惜しい点がある。それはフランス革命を裏で操ったブルジョワジー、資本家を批判しなかった点である。ディケンズは知らなかったのか?そうではない。なぜなら、小説に、フランス市民はどこからともなく武器(銃火器)が手に渡ったというくだりがあるからだ。資金と武器がなければ革命は実現できない。これは明治維新を見ても明らかであり、当時のイギリス人もフランス人もみな分かっていた。
ディケンズは流行作家としての地位を手にしていた。極貧の境遇から手にした成金者であり、後援者もいたであろう。ディケンズは貴族階級とプロレタリアートへの批判を書いてもブルジョワジーについては意図的にまったく書かなかった。この点を星一つ減としたい。これは商業作品の宿命かもしれないが、芸術作品による普遍的恒久的価値を重視する観点から、やはりマイナス評価としたい。
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二都物語 (新潮文庫) 文庫 – 2014/5/28
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全世界で2億部突破の大ロングセラー。フランス革命下に始まる悲劇の恋。
ディケンズの挿絵画家による初版本のイラスト完全収録! 名作新訳コレクション。
フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに? 壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。
目次
序文
第一部 人生に甦る
第二部 金の糸
第三部 嵐のあと
訳者あとがき
本文より
あれは最良の時代であり、最悪の時代だった。叡智の時代にして、大愚の時代だった。新たな信頼の時代であり、不信の時代でもあった。光の季節であり、闇の季節だった。希望の春であり、絶望の冬だった。
人々のまえにはすべてがあり、同時に何もなかった。みな天国に召されそうで、逆の方向に進みそうでもあった。要するに、いまとよく似て、もっとも声高な一部の権威者が、良きにつけ悪しきにつけ最上級の形容詞でしか理解することができないと言い張るような時代だった。……(第一部第一章冒頭)
チャールズ・ディケンズ Dickens, Charles J.H(.1812-1870)
英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリヴァー・ツイスト』(1837-1839)でその文名を高める。他にも自伝的作品『デイヴィッド・コパフィールド』(1849-1850)など数々の名作を生んだイギリスの国民的作家。
加賀山卓朗
1962年愛媛県生れ。東京大学法学部卒。翻訳家。ミステリーを中心とするフィクションのほか、別名義でノンフィクションも翻訳している。訳書にディケンズ『二都物語』、『地下道の鳩』『誰よりも狙われた男』(ジョン・ル・カレ)、『ヒューマン・ファクター』(グレアム・グリーン)、『樽』(F・W・クロフツ)、『夜に生きる』(デニス・ルヘイン)、『春嵐』(ロバート・B・パーカー)などがある。
ディケンズの挿絵画家による初版本のイラスト完全収録! 名作新訳コレクション。
フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに? 壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。
目次
序文
第一部 人生に甦る
第二部 金の糸
第三部 嵐のあと
訳者あとがき
本文より
あれは最良の時代であり、最悪の時代だった。叡智の時代にして、大愚の時代だった。新たな信頼の時代であり、不信の時代でもあった。光の季節であり、闇の季節だった。希望の春であり、絶望の冬だった。
人々のまえにはすべてがあり、同時に何もなかった。みな天国に召されそうで、逆の方向に進みそうでもあった。要するに、いまとよく似て、もっとも声高な一部の権威者が、良きにつけ悪しきにつけ最上級の形容詞でしか理解することができないと言い張るような時代だった。……(第一部第一章冒頭)
チャールズ・ディケンズ Dickens, Charles J.H(.1812-1870)
英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリヴァー・ツイスト』(1837-1839)でその文名を高める。他にも自伝的作品『デイヴィッド・コパフィールド』(1849-1850)など数々の名作を生んだイギリスの国民的作家。
加賀山卓朗
1962年愛媛県生れ。東京大学法学部卒。翻訳家。ミステリーを中心とするフィクションのほか、別名義でノンフィクションも翻訳している。訳書にディケンズ『二都物語』、『地下道の鳩』『誰よりも狙われた男』(ジョン・ル・カレ)、『ヒューマン・ファクター』(グレアム・グリーン)、『樽』(F・W・クロフツ)、『夜に生きる』(デニス・ルヘイン)、『春嵐』(ロバート・B・パーカー)などがある。
- 本の長さ666ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2014/5/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410203014X
- ISBN-13978-4102030141
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| デイヴィッド・コパフィールド(一) | デイヴィッド・コパフィールド(二) | デイヴィッド・コパフィールド(三) | デイヴィッド・コパフィールド(四) | 大いなる遺産【上巻】 | 大いなる遺産【下巻】 | |
| 逆境にあっても人間への信頼を失わず、作家として大成したデイヴィッドと彼をめぐる精彩にみちた人間群像!英文豪の自伝的長編。 | 莫大な遺産の相続人となったことで運命が変転する少年。ユーモアあり、ミステリーあり、感動あり、英文学を代表する名作を新訳! | 没後150年。痛烈なユーモアと深い情感で、人間世界の悲喜交々を描いた、イギリス最大の文豪の代表的傑作長編。 |
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| 二都物語 | オリヴァー・ツイスト | クリスマス・キャロル | |
| 【新潮文庫】チャールズ・ディケンズ 作品 | フランス革命下のパリとロンドン。燃え上がる激動の炎の中で、二つの都に繰り広げられる愛と死のロマン。新訳で贈る永遠の名作。 | オリヴァー8歳。窃盗団に入りながらも純粋な心を失わず、ロンドンの街を生き抜く孤児の命運を描いた、ディケンズ初期の傑作。 | 貧しいけれど心の暖かい人々、孤独で寂しい自分の未来……亡霊たちに見せられた光景が、ケチで冷酷なスクルージの心を変えさせた。 |
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに?壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ディケンズ,チャールズ
1812‐1870。英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリバー・ツイスト』(1837‐39)でその文名を高める
加賀山/卓朗
1962年愛媛県生まれ。東京大学法学部卒。翻訳家。ミステリーを中心とするフィクションのほか、別名義でノンフィクションも翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1812‐1870。英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリバー・ツイスト』(1837‐39)でその文名を高める
加賀山/卓朗
1962年愛媛県生まれ。東京大学法学部卒。翻訳家。ミステリーを中心とするフィクションのほか、別名義でノンフィクションも翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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内容の素晴らしさについてはまったく文句ありません。先に青空文庫版(https://www.amazon.co.jp/dp/B009M8VIAW/ref=cm_cr_ryp_prd_ttl_sol_3)を読み始めて翻訳の古さに挫折、こちらを手に取りましたが、旧訳で意味のわからなかった部分がカーテンを取っ払われたようにするするわかり、読書をとても楽しめました。しかし! 新潮社の担当者さんは猛省してもらいたいです。何かというと、青空文庫版にはあった章単位の「論理目次」が本電子書籍にはなく、ユーザビリティが著しく下がっているからです。これだけの大長編を、論理目次なしで読みこなすのは不可能です。第二巻を例にとりますと、【青空文庫】第二巻 黄金の糸 第一章 五年後 第二章 観物 第三章 当外れ 第四章 祝い 第五章 財 第六章 何百の人々 (…以下略)と構成されており、登場人物やある設定がわからなくなったときに、前や後ろの章に簡単に戻ることができます。【新潮社版】※新潮社版は上記の「巻」を「部」と表記している。第二部 金の糸以上!これでは移動できません。内容は満点、制作で減点して2点とさせていただきました。新潮社さん、今からでもいいのでアップデートしてください。※青空文庫版の丁寧な目次のキャプチャを添付します。
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2022年5月18日に日本でレビュー済み
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2016年7月22日に日本でレビュー済み
しかし! 新潮社の担当者さんは猛省してもらいたいです。何かというと、青空文庫版にはあった章単位の「論理目次」が本電子書籍にはなく、ユーザビリティが著しく下がっているからです。これだけの大長編を、論理目次なしで読みこなすのは不可能です。
第二巻を例にとりますと、
【青空文庫】
第二巻 黄金の糸
第一章 五年後
第二章 観物
第三章 当外れ
第四章 祝い
第五章 財
第六章 何百の人々 (…以下略)
と構成されており、登場人物やある設定がわからなくなったときに、前や後ろの章に簡単に戻ることができます。
【新潮社版】※新潮社版は上記の「巻」を「部」と表記している。
第二部 金の糸
以上!
これでは移動できません。
内容は満点、制作で減点して2点とさせていただきました。新潮社さん、今からでもいいのでアップデートしてください。
※青空文庫版の丁寧な目次のキャプチャを添付します。
Amazonで購入
内容の素晴らしさについてはまったく文句ありません。先に青空文庫版(https://www.amazon.co.jp/dp/B009M8VIAW/ref=cm_cr_ryp_prd_ttl_sol_3)を読み始めて翻訳の古さに挫折、こちらを手に取りましたが、旧訳で意味のわからなかった部分がカーテンを取っ払われたようにするするわかり、読書をとても楽しめました。
しかし! 新潮社の担当者さんは猛省してもらいたいです。何かというと、青空文庫版にはあった章単位の「論理目次」が本電子書籍にはなく、ユーザビリティが著しく下がっているからです。これだけの大長編を、論理目次なしで読みこなすのは不可能です。
第二巻を例にとりますと、
【青空文庫】
第二巻 黄金の糸
第一章 五年後
第二章 観物
第三章 当外れ
第四章 祝い
第五章 財
第六章 何百の人々 (…以下略)
と構成されており、登場人物やある設定がわからなくなったときに、前や後ろの章に簡単に戻ることができます。
【新潮社版】※新潮社版は上記の「巻」を「部」と表記している。
第二部 金の糸
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第二巻を例にとりますと、
【青空文庫】
第二巻 黄金の糸
第一章 五年後
第二章 観物
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第六章 何百の人々 (…以下略)
と構成されており、登場人物やある設定がわからなくなったときに、前や後ろの章に簡単に戻ることができます。
【新潮社版】※新潮社版は上記の「巻」を「部」と表記している。
第二部 金の糸
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内容は満点、制作で減点して2点とさせていただきました。新潮社さん、今からでもいいのでアップデートしてください。
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5つ星のうち2.0
素晴らしい翻訳、残念な制作
ユーザー名: オーウェン、日付: 2016年7月22日
内容の素晴らしさについてはまったく文句ありません。先に青空文庫版(https://www.amazon.co.jp/dp/B009M8VIAW/ref=cm_cr_ryp_prd_ttl_sol_3)を読み始めて翻訳の古さに挫折、こちらを手に取りましたが、旧訳で意味のわからなかった部分がカーテンを取っ払われたようにするするわかり、読書をとても楽しめました。ユーザー名: オーウェン、日付: 2016年7月22日
しかし! 新潮社の担当者さんは猛省してもらいたいです。何かというと、青空文庫版にはあった章単位の「論理目次」が本電子書籍にはなく、ユーザビリティが著しく下がっているからです。これだけの大長編を、論理目次なしで読みこなすのは不可能です。
第二巻を例にとりますと、
【青空文庫】
第二巻 黄金の糸
第一章 五年後
第二章 観物
第三章 当外れ
第四章 祝い
第五章 財
第六章 何百の人々 (…以下略)
と構成されており、登場人物やある設定がわからなくなったときに、前や後ろの章に簡単に戻ることができます。
【新潮社版】※新潮社版は上記の「巻」を「部」と表記している。
第二部 金の糸
以上!
これでは移動できません。
内容は満点、制作で減点して2点とさせていただきました。新潮社さん、今からでもいいのでアップデートしてください。
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2014年11月18日に日本でレビュー済み
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フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン
二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる
折しも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた
時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに?
覚えにくい外国人の名前、地名、固有名詞には苦しめられますねぇ
それはさておき、面白かったです!
皆川博子さんの小説世界と重なる部分多し
などと言ったらディケンズファンのお叱りを受けるかもしれませんが
皆川さんを読んでいたから「二都物語」の小説世界にも容易に入り込めたと思います
ロンドンの悪名高き監獄や精神病院が出てきたときには『懐かしい』と思ったくらいです
19世紀、ヴィクトリア朝最盛期、産業革命で発展を遂げたロンドンに暮らす語り手が約70年前のフランス革命前後を振り返る構成をとっています
フランス革命という歴史的な動乱を背景に描かれるロンドンとパリという二都に暮らし、行き来する人々の人間ドラマ
序盤は登場人物の紹介、中盤で盛り上がり、終盤はミステリー要素にワクワクしながらラストへ一直線
“愛する人のために自らを犠牲にする”あの人の行為は感動ものです
いや、ホント面白かったです
敷居が高いと思われがちな古典文学ですが、本作は超一級エンタティメントとしてお薦めです
二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる
折しも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた
時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに?
覚えにくい外国人の名前、地名、固有名詞には苦しめられますねぇ
それはさておき、面白かったです!
皆川博子さんの小説世界と重なる部分多し
などと言ったらディケンズファンのお叱りを受けるかもしれませんが
皆川さんを読んでいたから「二都物語」の小説世界にも容易に入り込めたと思います
ロンドンの悪名高き監獄や精神病院が出てきたときには『懐かしい』と思ったくらいです
19世紀、ヴィクトリア朝最盛期、産業革命で発展を遂げたロンドンに暮らす語り手が約70年前のフランス革命前後を振り返る構成をとっています
フランス革命という歴史的な動乱を背景に描かれるロンドンとパリという二都に暮らし、行き来する人々の人間ドラマ
序盤は登場人物の紹介、中盤で盛り上がり、終盤はミステリー要素にワクワクしながらラストへ一直線
“愛する人のために自らを犠牲にする”あの人の行為は感動ものです
いや、ホント面白かったです
敷居が高いと思われがちな古典文学ですが、本作は超一級エンタティメントとしてお薦めです
2014年7月4日に日本でレビュー済み
待望、だったのは私だけかもしれませんが、
『二都物語』の新訳です。
新潮文庫の『二都物語』は、
昭和42年に中野好夫訳が出て以来、再販をくり返してきました。
ごく最近(平成24年)も改版し、活字が大きくなったばかりだったので、
まさか新訳が出るとは思っていませんでした。
中野訳は、もともと昭和36年に、
世界文学全集6(河出書房新社)の一つとして訳出されたものですが、
それから53年たった今読むには、
文章のリズムが途切れがちで、多少苦しいところがありました。
他の訳はないかなと思い、
・柳田泉訳(新潮社、昭和3年)
・佐々木直次郎訳(岩波文庫、昭和11・12年)
・本田彰訳(角川文庫、昭和41年)
・松本恵子訳(旺文社文庫、昭和49年)
・田辺洋子訳(あぽろん社、平成22年)
を手に入れてみましたが、
これぞ決定版!といえるものはありませんでした。
恐らくディケンズの書いた文章自体、
相当難渋なのであろうと半分あきらめていたところで、
加賀山卓朗氏による新訳、
心待ちにして手に入れ、読んでみました。
石塚裕子訳の『デイヴィッド・コパフィールド』ほどではありませんが、
これまでの訳に比べれば、
圧倒的に読みやすい翻訳に仕上がっていると思います。
イギリス独特の古い言い回しは、
どのように訳してもわかりにくいところがあるのですが、
文章のリズムを壊さないぎりぎりの範囲ですべてを訳してくれていると思いました。
多少の堅さはありましたが、
ほぼ現代の小説を読む感覚で、
どんどん読み進めることができました。
初めて、この小説の構造がわかった気がしました。
フランス革命の文化大革命的な側面を、
イギリス人の立場からよくえぐり出していると思いました。
まだ1回読み終えただけなので、
少し時間を置いて、再読したいと思います。
これで完全に、ディケンズのファンになりました。
加賀山卓朗氏の新鮮な訳業に感謝です。
『二都物語』の新訳です。
新潮文庫の『二都物語』は、
昭和42年に中野好夫訳が出て以来、再販をくり返してきました。
ごく最近(平成24年)も改版し、活字が大きくなったばかりだったので、
まさか新訳が出るとは思っていませんでした。
中野訳は、もともと昭和36年に、
世界文学全集6(河出書房新社)の一つとして訳出されたものですが、
それから53年たった今読むには、
文章のリズムが途切れがちで、多少苦しいところがありました。
他の訳はないかなと思い、
・柳田泉訳(新潮社、昭和3年)
・佐々木直次郎訳(岩波文庫、昭和11・12年)
・本田彰訳(角川文庫、昭和41年)
・松本恵子訳(旺文社文庫、昭和49年)
・田辺洋子訳(あぽろん社、平成22年)
を手に入れてみましたが、
これぞ決定版!といえるものはありませんでした。
恐らくディケンズの書いた文章自体、
相当難渋なのであろうと半分あきらめていたところで、
加賀山卓朗氏による新訳、
心待ちにして手に入れ、読んでみました。
石塚裕子訳の『デイヴィッド・コパフィールド』ほどではありませんが、
これまでの訳に比べれば、
圧倒的に読みやすい翻訳に仕上がっていると思います。
イギリス独特の古い言い回しは、
どのように訳してもわかりにくいところがあるのですが、
文章のリズムを壊さないぎりぎりの範囲ですべてを訳してくれていると思いました。
多少の堅さはありましたが、
ほぼ現代の小説を読む感覚で、
どんどん読み進めることができました。
初めて、この小説の構造がわかった気がしました。
フランス革命の文化大革命的な側面を、
イギリス人の立場からよくえぐり出していると思いました。
まだ1回読み終えただけなので、
少し時間を置いて、再読したいと思います。
これで完全に、ディケンズのファンになりました。
加賀山卓朗氏の新鮮な訳業に感謝です。











