内容(「BOOK」データベースより)
臨床心理学領域の研究法として、事例研究は本邦において長い歴史をもっている。また事例研究は狭い意味での研究としてだけではなく、実践者への教育、訓練の方法としての価値も強調され、その重要性は「自明のもの」であるかのように語られてきた。しかし、この「自明なものとしての事例研究の重要性」は、近年強い批判にさらされている。そのような批判は、臨床心理学以外の学術領域のみならず、臨床心理学の内部からも巻き起こっている。このような流れの中で今、本書を公表する大きな目的は、現時点で再度、臨床における事例研究の意義を問いなおすということにある。(“序文”より抜粋)。
著者について
斎藤 清二
1975年新潟大学医学部卒業。1979年富山医科薬科大学医学部第3内科助手。1993年英国セントメリー病院医科大学へ留学。1996年富山医科薬科大学第3内科助教授。2002年富山大学保健管理センター長・教授,現在に至る。専攻 消化器内科学,心身医学,臨床心理学,医学教育学,物語医学。
著訳書 『 はじめての医療面接─コミュニケーション技法とその学び方』(医学書院,2000),グリーンハル他編『ナラティブ・ベイスト・メディスン─臨床における物語りと対話』(監訳,金剛出版,2001),『ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践』(共著,金剛出版,2003),『ナラティヴと医療』(共編,金剛出版,2006),『エマージェンス人間科学―理論・方法・実践とその間から』(共著,北大路書房,2007),グリーンハル著『グリーンハル教授の物語医療学講座』(訳,三輪書店,2008),ハーウィッツ他編『ナラティブ・ベイスト・メディスンの臨床研究』(監訳.金剛出版,2009),『発達障害大学生支援への挑戦-ナラティブアプローチとナレッジマネジメント』(共著,金剛出版,2010),『ナラエビ医療学講座―物語と科学の統合を目指して』(北大路書房,2011),リタ・シャロン著『ナラティブ・メディスン―物語能力が医療を変える』(共訳,医学書院,2011), 『発達障害のある高校生への大学進学ガイド─ナラティブ・アプローチによる実践と研究』(共著,遠見書房,2012),『医療におけるナラティブとエビデンス─ 対立から調和へ』(遠見書房,2012)他
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
斎藤/清二
1951年新潟県に生まれる。1975年新潟大学医学部卒業。同年、医師免許取得。県立ガンセンター新潟病院、東京女子医科大学消化器病センター、新潟大学医学部附属病院等での臨床研修を経て、1979年富山医科薬科大学医学部第3内科助手。1983年富山医科薬科大学保健管理センター講師(~1988年)、この間に臨床心理学の訓練(教育分析)を受ける。1988年富山医科薬科大学附属病院講師、同年医学博士。1990年臨床心理士資格取得。1993年英国セントメリー病院医科大学消化器内科へ留学。1996年富山医科薬科大学第3内科助教授。2002年富山大学保健管理センター長・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)