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中陰の花 (文春文庫) 文庫 – 2005/1

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商品の説明

受賞歴

第125回(平成13年度上半期) 芥川賞受賞

商品説明

   第125回芥川賞受賞作。予知能力を持つという「おがみや」ウメさんの臨終に際して、禅寺の住職則道とその妻圭子の織り成す会話から、「死とは何か」「魂とは何か」を見つめた作品。先に発表された第124回芥川賞候補作『水の舳先』では、死を間近に控えた人々がそれぞれに救いを求める様子を描いていたが、本作は肉体的な死を迎えた後、いわゆる「死後の世界」を主なテーマにおいている。

   虫の知らせ、三途の川、憑依、そして成仏。それら、生きている者には確かめようのない民間信仰や仏教理念に、僧・則道が真摯に向き合っていく。ともすると、専門的、宗教的すぎてしまう題材ではあるが、「人は死んだらどうなんの」といった無邪気な言葉を発する妻の存在が、一般の読者にも身近な内容へと引き寄せてくれる。また、則道が、ネットサーフィンで「超能力」を検索する様子や、病院でエロ本を眺める場面など、自らが現役の僧侶である著者ならではの宗教人の等身大の姿が、物語に親近感を持たせていると言えよう。

   表題『中陰の花』のイメージとして使われている妻が作る「紙縒タペストリー」の幻想的な華やかさが、いまひとつリアルに伝わってこないのが残念ではあるが、これまで追ってきた厳粛なテーマをすべて包み込むような関西弁の台詞でのエンディングが、読後にやわらかく、心地よい余韻を与えてくれる。(冷水修子) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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登録情報

  • 文庫: 170ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/01)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4167692015
  • ISBN-13: 978-4167692018
  • 発売日: 2005/01
  • 商品パッケージの寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7 31件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 80,512位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
僧侶と言えば、日常的に様々な人の死に対峙しているわけで、ある意味、死者との関わり方に関しては
「プロフェショナル」である。職業人としては当然のことであり、主人公(=著者)の僧侶は、
禅宗の教義のみならず、インターネット検索はあたりまえ、素粒子物理学などについても聞きかじって
いるという21世紀的な人物の描き方が新鮮だ。

しかし、話が、自分の妻のややおかしな言動、それが失った水子に関係していると判明すると、僧侶の
理性や哲学的な判断は、大きく揺らいでくる。
「他者の死」ではなく、自分たち夫妻がかかわった死(水子)となると、話は別だ。
おがみやのウメさんたちのエピソードは本質でないような気がする。

僧侶作家として有名な方は、瀬戸内寂聴や今東光などがいるが、それらの作家たちとはまったく異質の
作風である。最先端科学や超常現象までもかすめとった上で、ほのぼの感も漂う稀有な作品となった。

人の死に立ち会った機会の少ない若者層には、さほど作品にリアリティが感じられないかもしれない。
(かくいう私は還暦を越え、結婚式よりも葬式にでることのほうが増えてきました)
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形式: 文庫
死生観を題材にしていますが、決して、明確な形で死後の世界や死の瞬間、成仏、霊を提示しているわけではなく、いろんな形がありうるんだろうという素直な気持ちが出ていて、読後感はすがすがしくもあります。作者は現役のお坊さんということで、仏教用語も出てきますが、それも、この作品の味付けには必要不可欠だと思います。おがみやのウメさん、石屋の徳さんなども作品に彩りを添えています。則道と圭子の地に足のついた日常がしっかりと骨組みになっていて、よみ応えもありました。「水の舳先」よりは密な作品です。収録の「朝顔の音」も良かったです。
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形式: Kindle版 Amazonで購入
よく、私たちの命はみんなつながっているとか、
死後の世界はあるとかないとか、
感覚的にしか、また精神論で語られることについて、
ある意味答えを出してくれている本だったと思います。
エネルギー保存の法則に照らしても、
やはりそうかと思うのだけれど、
それを、理屈ではなく、お話としてきちんとわかりやすくまとめてくださっていて、
やっぱりこの作家は大した人だと思うと同時に、芥川賞に相応しい作品だったのだと
今更ながら思っています。
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形式: 文庫
「死とは」「よく生きるとは」「死者との距離感」などの問題について、多かれ少なかれほとんどの人は疑問や不安感があると思うが、この短編の中で著者は、亡くなった人の四十九日までの主人公の心の移り変わりを描いて「生命とは関係性を持つこと」というメッセージを紙縒りのエピソードを用いて極彩色に描く。読み終えて、何か心が落ち着き、人に優しくなれるような、そんな小説であった。
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投稿者 hit4papa トップ1000レビュアー 投稿日 2013/2/9
形式: 文庫
玄侑宗久さんの『中陰の花』は生と死の中間の領域=中陰をテーマにした物語である。作者が現役僧侶であることから、説教臭さを警戒して長らく読むのを躊躇っていたのだが、それはいらぬ心配であった。

臨済宗の僧侶 則道は、余命いくばくもない、おがみやウメさんのことが心から離れない。ウメさんは、自分の死ぬ日を予言しているのだ。妻の圭子は尋ねる。

「なあなあ、人が死なはったら、地獄行ったり極楽行ったり、ほんまにあるんやろう?」

則道は、それに答えて、質量不滅の法則から中陰の状態を説き、科学的な観点で成仏ということへ話を敷衍していく。ただ、則道の率直な答えは、

「知らん」

である。

僧侶としての教えとは別なところで、則道自身が迷いの中にいるようだ。観念論的な世界観を、受け入れきれていない。だからこそ、則道は、ウメさんの死を看取って中陰を確かめたいのだろう。

則道と圭子の子は、生まれることなくながれてしまっていた。女性は体内にいるときから子に愛情を注ぎ、男性は生まれ出でた瞬間からわが子になると聞いたことがある。則道と圭子は、まさにそういう夫婦の姿だ。喪失感に苛まれた圭子は、紙縒(こより)続けることによって祈りを捧げている。ウメさんの死をきっかけに中陰
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