編集者の解説によれば「もうそろそろ四〇歳だというのに独身、両親と共に暮らしているサラリーマンが、いかに『世界』に違和を感じつつ情けない日常を過ごしているか、ということだけを、執拗かつ具体的に、これでもかこれでもかと書きつのった」エッセイが多くを占める、歌人の第一エッセイ集。全体の世界観は「疎外感」「孤独」のようなのだが、自虐的な表現が効いていて可笑しい。
「現在形」のエッセイも可笑しいが、爆笑したのは中学生のとき「国語のテストにめちゃくちゃな答えを書いた」話。
①やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
①の短歌の作者は誰か。 答 ロドニナ・ザイツェフ
①の短歌は何句切れか。 答 こま切れ
これらの解答に激怒した古文の先生も、後にこの生徒が歌人になったと知ったら驚天動地だろう。
一般紙等に掲載されたものに比べると、後半に置かれた短歌系の雑誌が初出の文章はいまひとつピンとこなかった。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
