著者については、国内法における法哲学、法理論学者、憲法改正における論者としてはとても尊敬している。
しかし、国際社会に関するこの本については、言葉はとても悪いが「論語読みの論語知らず」ならぬ「論語知らずの論語読み」。
よく文献(のみ)を勉強され、高等な議論を展開されているが、国際社会の現実を全く理解していない。
可哀そうな途上国とこれを助けるべき先進国の義務。絵図としては美しいが、国際社会において国内社会以上にデフォルメ的に跋扈し、時として同族を食い合うような人間の否定できない「性悪」には目が全く届いていない。
美しい。しかし、あまりに空想的。
もっとも、国際社会の実務に疲れた人々にとって時として心をなぐさめるファンタスティックな読み物として一抹の効用はあるかもしれないが。
(そもそも「法哲学者」に対する私の期待が間違っているのか?)
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
世界正義論 (筑摩選書) 単行本 – 2012/11/1
井上 達夫
(著)
購入を強化する
- 本の長さ398ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2012/11/1
- ISBN-104480015582
- ISBN-13978-4480015587
よく一緒に購入されている商品
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
世界では今、貧困が原因で一日に五万人近い命が失われている。他方で二〇〇三年には超大国アメリカが、恣意的な口実でイラク侵攻を正当化し、非戦闘員を含めて少なくとも十万人ものイラク国民が戦死している。世界貧困という巨大な問題が放置され、自国に有利な「正義」が跋扈する現代世界。国ごとに「正義」が異なり、国境の内外でも異なるという現実。こうしたなかで、「国境を越え、覇権を裁く正義」としての世界正義はいかにして可能か。本書は、この問いを原理的・包括的に探究する法哲学の書である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
井上/達夫
1954年、大阪生まれ。77年、東京大学法学部卒業。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学を専攻。著書に『共生の作法―会話としての正義』(創文社、サントリー学芸賞受賞)、『法という企て』(東京大学出版会、和辻哲郎文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1954年、大阪生まれ。77年、東京大学法学部卒業。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学を専攻。著書に『共生の作法―会話としての正義』(創文社、サントリー学芸賞受賞)、『法という企て』(東京大学出版会、和辻哲郎文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2012/11/1)
- 発売日 : 2012/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 398ページ
- ISBN-10 : 4480015582
- ISBN-13 : 978-4480015587
- Amazon 売れ筋ランキング: - 221,888位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
9 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年9月4日に日本でレビュー済み
最初にぶっちゃけてしまうと、本書が一般の読者向けと呼んで良いかと云うと少し躊躇いを覚える。内容より何より先ずその文体が面倒臭いからだ。4行も5行も名詞だらけで修飾の多い主語と目的語が並んで最後にチョコンと述語が来ると云う、何か昔の邦訳文献の様なくどくどしい文章で綴られているので、スラスラ読み進めると云う訳には行かない。少しじっくり腰を据えて自分の正義観を纏め直してみたい、と云う読者向け。衒学的ではないが、くどくどしい。それなりに濃度の高いものを言わんとしていることは解るが、この辺はもうちょっと何とかならなかったかと思う。
中身の方は、全体像の俯瞰に続いて、1)世界正義の哲学的基礎(「正義」が問題となる場面の検討)、2)国家体制の国際的正統性条件(国家とは何の為に、何によって成立するものか)、3)世界経済の正義(飢餓・貧困問題)、4)戦争の正義(人道的介入等)、5)世界統治構造(世界国家から世界市民社会まで)と云う5部から成り、「世界正義」を語る上での重要なトピックは一応網羅している。法哲学一辺倒と思いきや、抽象的な哲学的理念論争と現実的な実現可能性との間に何とか橋渡しをしようと試みていて、私の見たところではまぁ大体穏当な結論に落ち着いてる(それでも実現可能性には程遠い現実が在る訳だが)。労作だと云うことは伝わって来るが、人権思想を無条件の前提として話を進めているので、その辺まで踏み込んで話をしたい読者にとってはやや不満が残るかも。ロールズとかポッゲとかミラーとか、文中で批判検討されている主な正義論者の著書は邦訳も出ているので、興味を持たれた方はそちらへ進んでみるのも良いだろう。大国の二重基準を指弾するチョムスキーとかスーザン・ジョージの本にウンウンと頷いたり、超合衆国構想を掲げる『コードギアス』を観て知的な意味でニヤリと出来る程度の読者であれば、取り敢えず最後まで読み進めることは出来る。正義論の現在を展望してみたい時に、読んでおいて損は無い一冊。
中身の方は、全体像の俯瞰に続いて、1)世界正義の哲学的基礎(「正義」が問題となる場面の検討)、2)国家体制の国際的正統性条件(国家とは何の為に、何によって成立するものか)、3)世界経済の正義(飢餓・貧困問題)、4)戦争の正義(人道的介入等)、5)世界統治構造(世界国家から世界市民社会まで)と云う5部から成り、「世界正義」を語る上での重要なトピックは一応網羅している。法哲学一辺倒と思いきや、抽象的な哲学的理念論争と現実的な実現可能性との間に何とか橋渡しをしようと試みていて、私の見たところではまぁ大体穏当な結論に落ち着いてる(それでも実現可能性には程遠い現実が在る訳だが)。労作だと云うことは伝わって来るが、人権思想を無条件の前提として話を進めているので、その辺まで踏み込んで話をしたい読者にとってはやや不満が残るかも。ロールズとかポッゲとかミラーとか、文中で批判検討されている主な正義論者の著書は邦訳も出ているので、興味を持たれた方はそちらへ進んでみるのも良いだろう。大国の二重基準を指弾するチョムスキーとかスーザン・ジョージの本にウンウンと頷いたり、超合衆国構想を掲げる『コードギアス』を観て知的な意味でニヤリと出来る程度の読者であれば、取り敢えず最後まで読み進めることは出来る。正義論の現在を展望してみたい時に、読んでおいて損は無い一冊。
2013年1月17日に日本でレビュー済み
本書は日本を代表するリベラリストである井上達夫教授の新著であり、それだけでも注目されるべきである。
内容はすべて井上氏が2008年以降に発表した論文がベースになっている。
本書は以下の5つの問題系が設定されている。
1.メタ正義論(世界正義の哲学的基礎)
2.国家体制の国際的正統性
3.世界経済の正義
4.戦争の正義
5.世界統治構造
そして各問題系において、今日の複雑化した世界状況の下でも普遍的な正義理念を貫くことが果たして可能なのか、
徹底的に考究される。
結論だけ言ってしまうと、可能だというのが著者の見解である。
本書は(本書に限らず『共生の作法』以来の井上氏の著作すべてに言えることだが)、難解である。
しかし知的興奮を味わわせてくれるという点では、抜群に面白い。
評者は個人的には、上記4の戦争の正義の問題系において、
戦争の目的と手段の観点から、積極的正戦論、無差別戦争観、絶対平和主義、消極的正戦論の4つの立場に分け、
それぞれの長所・短所を徹底的に分析する個所が印象に残った。
ちなみに井上氏は分析の結果、消極的正戦論がよいとする結論を得ている。
ジョン・ロールズが晩年、政治的リベラリズムの立場(ロールズ『万民の法』(中山竜一訳、岩波書店)に詳述されている)
に改説した点について、井上氏は1.メタ正義論と2,国家体制の国際的正統性において痛烈に批判している。
この部分だけでも一読の価値があるだろう。
なお本書に索引をつけると良かった。
内容はすべて井上氏が2008年以降に発表した論文がベースになっている。
本書は以下の5つの問題系が設定されている。
1.メタ正義論(世界正義の哲学的基礎)
2.国家体制の国際的正統性
3.世界経済の正義
4.戦争の正義
5.世界統治構造
そして各問題系において、今日の複雑化した世界状況の下でも普遍的な正義理念を貫くことが果たして可能なのか、
徹底的に考究される。
結論だけ言ってしまうと、可能だというのが著者の見解である。
本書は(本書に限らず『共生の作法』以来の井上氏の著作すべてに言えることだが)、難解である。
しかし知的興奮を味わわせてくれるという点では、抜群に面白い。
評者は個人的には、上記4の戦争の正義の問題系において、
戦争の目的と手段の観点から、積極的正戦論、無差別戦争観、絶対平和主義、消極的正戦論の4つの立場に分け、
それぞれの長所・短所を徹底的に分析する個所が印象に残った。
ちなみに井上氏は分析の結果、消極的正戦論がよいとする結論を得ている。
ジョン・ロールズが晩年、政治的リベラリズムの立場(ロールズ『万民の法』(中山竜一訳、岩波書店)に詳述されている)
に改説した点について、井上氏は1.メタ正義論と2,国家体制の国際的正統性において痛烈に批判している。
この部分だけでも一読の価値があるだろう。
なお本書に索引をつけると良かった。
2012年12月29日に日本でレビュー済み
本書は、法哲学者の立場から、他の研究者の見解を丹念に分析、批判しつつ、次の5つの問題群に取り組む良書である。
'@正義が国境を越えることは可能か、
'A国家体制の正統性が国際的に承認されうるための規範的条件は何か、
'B途上国の人々が極貧状態にある世界経済の現実は不正か、
'C戦争はいかなる条件のもとで正当か、
'D世界秩序形成における権力の集中と分散の形態はいかにあるべきか。
世界秩序形成における権力の集中と分散の形態については、世界国家が独裁に陥る危険性を指摘し、既存の主権国家システムを再評価する。「諸国家のムラ」としての主権国家システムについて、国際政治学、国際経済学等の他の立場の有識者との研究を通じ、深められることが望まれる。
'@正義が国境を越えることは可能か、
'A国家体制の正統性が国際的に承認されうるための規範的条件は何か、
'B途上国の人々が極貧状態にある世界経済の現実は不正か、
'C戦争はいかなる条件のもとで正当か、
'D世界秩序形成における権力の集中と分散の形態はいかにあるべきか。
世界秩序形成における権力の集中と分散の形態については、世界国家が独裁に陥る危険性を指摘し、既存の主権国家システムを再評価する。「諸国家のムラ」としての主権国家システムについて、国際政治学、国際経済学等の他の立場の有識者との研究を通じ、深められることが望まれる。





