巻末に参考図書が計24冊紹介されてるので列挙します。
【経済】
01 評伝 小室直樹
02 学際的思考としての神学
【科学技術】
03 資本論(マルクス著)
04 人新世の資本論
05 量子コンピュータが本当にわかる!
06 民族とナショナリズム
07 中国が宇宙を支配する日
【軍事】
08 戦争論(クラウゼヴィッツ著)
09 統帥網領
10 作戦要務令
11 マッキンダーの地政学
12 未完のファシズム
13 マルクス主義の基本的諸問題
14 マハン海上権力史論
【文明】
15 歴史序説
16 人類史のなかの定住革命
17 ウラジーミル・プーチンの大戦略
18 毛沢東選集 第一~五巻
19 特務(リチャード・J・サミュエルズ著)
20 外交(H・ニコルソン著)
21 新L型経済
22 ヤンキーの虎
23 真空地帯
24 年収300万円時代を生き抜く経済学
以上です。
あと個人的に印象に残ったことを。
おふたりの見解で一致してるものの1つに、今ある産業はだいたいなくなるというのがありました。これは他の方もいってることですし、そもそも今ある産業って既得権益者たちが政治家たちと結託して残ってるだけで、もはや不要なものばかりですが、改めて危機感を覚えました。
今ある産業・仕事・業務に自分を最適化してしまうとまずいよなと改めて思ったわけです。おっさんたちは逃げ切れますが、自分はまだ30代なので逃げ切れません。これからの身の振り方を考え行動していかないとまずいと冷や汗が出ました。
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世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方 (SB新書) 新書 – 2022/1/6
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予測の先の新時代に備えよ!
近いうちに、「世界史の分岐点」が訪れる。日本も世界も、その激動に呑み込まれるだろう。避けることはできない。本書は、それがどんなものか、なぜ起こるのか、詳しく論じている。ビジネスにたずさわる人びとも、市井の人びとも、その備えをしたほうがよい――(「まえがき」より)経済、科学技術、軍事、文明……「知の巨人」が語りつくす、新しい時代を読み解く針路。 第1章 経済の分岐点
――「アメリカ一極構造」が終わり、世界が多極化する
第2章 科学技術の分岐点
――人類の叡智が、新しい世界を創造する
第3章 軍事の分岐点
――米中衝突で、世界の勢力図が塗り替わる
第4章 文明の分岐点
――旧大陸の帝国が、覇権国の座を奪う
近いうちに、「世界史の分岐点」が訪れる。日本も世界も、その激動に呑み込まれるだろう。避けることはできない。本書は、それがどんなものか、なぜ起こるのか、詳しく論じている。ビジネスにたずさわる人びとも、市井の人びとも、その備えをしたほうがよい――(「まえがき」より)経済、科学技術、軍事、文明……「知の巨人」が語りつくす、新しい時代を読み解く針路。 第1章 経済の分岐点
――「アメリカ一極構造」が終わり、世界が多極化する
第2章 科学技術の分岐点
――人類の叡智が、新しい世界を創造する
第3章 軍事の分岐点
――米中衝突で、世界の勢力図が塗り替わる
第4章 文明の分岐点
――旧大陸の帝国が、覇権国の座を奪う
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社SBクリエイティブ
- 発売日2022/1/6
- 寸法11.4 x 1.6 x 17.3 cm
- ISBN-104815610096
- ISBN-13978-4815610098
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出版社より

商品の説明
著者について
橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう)
1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、共著に、『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。
佐藤 優(さとう・まさる)
1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、2009年6月執行猶予付有罪確定。2013年6月、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『人をつくる読書術』(青春出版社)、『勉強法教養講座「情報分析とは何か」』(角川新書)、『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社)、『調べる技術 書く技術』(SB新書)など、多数の著書がある。
1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、共著に、『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。
佐藤 優(さとう・まさる)
1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、2009年6月執行猶予付有罪確定。2013年6月、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『人をつくる読書術』(青春出版社)、『勉強法教養講座「情報分析とは何か」』(角川新書)、『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社)、『調べる技術 書く技術』(SB新書)など、多数の著書がある。
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登録情報
- 出版社 : SBクリエイティブ (2022/1/6)
- 発売日 : 2022/1/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 280ページ
- ISBN-10 : 4815610096
- ISBN-13 : 978-4815610098
- 寸法 : 11.4 x 1.6 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,399位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 24位世界史一般の本
- - 67位SB新書
- - 1,233位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
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5つ星のうち5.0
知的啓蒙の書。民主主義世界が縮小し、中国共産党帝国とロシア帝国が君臨する新世界秩序の中で日本人はどう生き抜くのか。
2022年2月5日に日本でレビュー済み
米ソ冷戦終結時に当時のブッシュ米大統領がNew World Orderを高らかに宣言してから30年、その真の勝者が明らかになりつつある。「人類のターニングポイント」まであとわずか。民主主義世界が縮小し、中国共産党帝国とロシア帝国が君臨する新世界秩序の中で日本人はどう生き抜くのか。本書では、経済、科学技術、軍事、そして文明と国家のテーマに沿って縦横無尽に国家と文明、都市問題、教育問題、米国と中国と日本、日本人にはほとんど理解されないアメリカにとっての中東等をはじめ、「近い将来から100年先の世界」についての討論が交わされる。それは歴史上に例のない大きな変化を伴うものであるが、それであるが故に不変のもの=日本人が肝に据える心構えも同時に示唆される。・「自由と繁栄の弧」。これは以前の安倍政権が大々的に喧伝し、特にアメリカで好まれて使われるようになったキャッチフレーズだが、その実、初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏が企画立案し、麻生太郎副首相が提唱したものであるが、後任の歴代局長はこれを「誇大妄想」と評価している(p230)。2015年以降は同じ安倍政権でありながら外交政策は大きく転換し、明らかにアメリカと距離を取って、中国、ロシアとの等距離外交にシフトした。日本独自のPower of Balance政策。これならウイグル・ジェノサイドやウクライナ危機への現政権のどっちつかずの外交も理解できようというもの。おそらく数年以内に起こるであろう台湾有事の際の「自衛隊出動」もアメリカの顔に配慮した最小限・カタチだけのものになるに違いない(要は台湾政権を見捨てる)。で、これからも「自由と繁栄の弧」の言葉だけが欧米で独り歩きするという皮肉なことになりそうだ(その弧から日本は外されるだろうが)。・その台湾有事だが、これはもはや既定のものとしてとらえるべきで、数年内に中国共産党の支配下に置かれるであろうとのこと。通常戦力に限定しての米中正面衝突が発生するが、戦争の実質は「意思を実力によって押し付ける」であり、何も全土占領、人員拘束を強要する必要はない。旧来の大々的な陸軍侵略ではなく、画期的な新技術が適用される可能性が高い(量子衛星の活用? サイバー攻撃?)。他人事ではなく、また情にほだされることなく、日本人は注視する必要がありそうだ。・中国はすでに「ナチス・ドイツや皇国日本にも似た、イデオロギー国家」(p171)に変わり果てており、そのイデオロギーは「『中国』を最高の価値とするウルトラ・ナショナリズム」にあると断言する。その対抗策も本書にて提言される。さすがだ。・核融合炉によるエネルギー確保の革命的な転換(化石燃料や再生利用可能エネルギーは過去のものとなる)、量子コンピュータによる現代社会の根本的な変化(あらゆる暗号の無効化、製薬・素材開発の爆発的な加速、ミクロ世界の解明、各種シミュレーション等々)が、まさに十数年後に迫っている。この二つの先端技術の一部にでも食い込まなければ、日本人に未来はない。そして中国はすでに2015年から量子通信衛星(!)を打ち上げている。・勤務時間について。日本に限らず、高度な専門知識を必要とする医師や弁護士、外交官等で業績を上げた人は「死ぬほど働いて」おり「何時間働いても過労死しないように健康管理する」ことも実力のうちである(p57)には考えさせられた。なるほど、甘えていてはいけないな。・人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないで、いまを生きようとすることは「空虚」であり(p255)、思想を持ち、リアリティを求めなければならない(p255~257)。そして究極的には哲学と歴史に落ち着くのか(p59)。・中国等はビッグデータで国民を監視するデジタル共産主義への転換が進み、先進資本主義国、中堅国では、民主主義的政治制度の枠組みは残しつつも権威主義への転換が進んでいる。その通りだと思う。NHK、読売等のマスメディアの追随もあって、いまの日本政治・社会の変貌はまさに肌で感じられるレベルに入りつつある。その進む先は、そう、ファシズムだ(p267)。泣いても笑っても日本に生まれているのだから「日本の将来を真面目に考えなくてはいけない」(p66)とはその通り。本書の英文タイトル"Turning Point of Humanity."が示す通り、二人の「哲人」の対談はまさに人類史の一大分岐点が迫っていることを実例をもって示すものであり、ページを繰って知的興奮に震えること幾たび。おおいに知的啓蒙を受けた。そして佐藤優さんのあとがきにある通り、本書は独学の手引きともなる。僕も生き方を(少しだけ)変えよう!
2022年2月5日に日本でレビュー済み
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新刊が届いたので手に取って読みはじめたら、一気に読んでしまった。橋爪大三郎さんは、中国問題(台湾侵攻)の確率が高いと考えているためか、最近の本は戦争論などに言及することが多い。
本書でもっとも参考になったことは、佐藤優さんの認識として紹介された外務省という役所の位置付けと性格だ。
外務省は天皇から直接辞令を受ける親任官の数が160名もいることからも、基本的な意識は「天皇の官吏」で、外務官僚に「皇統(天皇制)を擁護したのは我々だ」と強い自負がある。なぜなら、「天皇および日本国政府の国家統治の権限は、連合軍司令官にsubject toする」を「従属する」でなく「制限の下に置かれる」という機転を利かせ、間接占領にした。我々がいなければ天皇制は崩れて日本国家もなくなっていたという、強い自負を持つ集団が外務省とのこと。
また、インターネット空間での攻防は性格的に海の地政学に近いので、シーパワー、ランドパワーという従来の地政学の常識にインターネット空間をプラスして見直す必要がある。さらに宇宙法の専門家が日本では青木節子さんしかおらず、国は青木さんひとりにすべて頼っているのが現状で、陸海空+インターネット+宇宙に戦闘が広がる時代に心もとないのではないか、と。
核融合の技術にも触れているが、日本では政治コストがかかりすぎる。以前のロケットは、日本語表記が「ロケット」と「ミサイル」と明確に別れている政治コストがかからなかった、など興味深い分析だ。現在の日本は、アメリカと中国の両方を付き合おうとしているが、アメリカはまだはっきりとそのことを認識していない。世界はアメリカ、EU、ロシア、中国、インド、その他の国々に多極構造時代になり、アメリカと中国が突出するというのが、本書の結論なので、そこには目新しさはない。
本書でもっとも参考になったことは、佐藤優さんの認識として紹介された外務省という役所の位置付けと性格だ。
外務省は天皇から直接辞令を受ける親任官の数が160名もいることからも、基本的な意識は「天皇の官吏」で、外務官僚に「皇統(天皇制)を擁護したのは我々だ」と強い自負がある。なぜなら、「天皇および日本国政府の国家統治の権限は、連合軍司令官にsubject toする」を「従属する」でなく「制限の下に置かれる」という機転を利かせ、間接占領にした。我々がいなければ天皇制は崩れて日本国家もなくなっていたという、強い自負を持つ集団が外務省とのこと。
また、インターネット空間での攻防は性格的に海の地政学に近いので、シーパワー、ランドパワーという従来の地政学の常識にインターネット空間をプラスして見直す必要がある。さらに宇宙法の専門家が日本では青木節子さんしかおらず、国は青木さんひとりにすべて頼っているのが現状で、陸海空+インターネット+宇宙に戦闘が広がる時代に心もとないのではないか、と。
核融合の技術にも触れているが、日本では政治コストがかかりすぎる。以前のロケットは、日本語表記が「ロケット」と「ミサイル」と明確に別れている政治コストがかからなかった、など興味深い分析だ。現在の日本は、アメリカと中国の両方を付き合おうとしているが、アメリカはまだはっきりとそのことを認識していない。世界はアメリカ、EU、ロシア、中国、インド、その他の国々に多極構造時代になり、アメリカと中国が突出するというのが、本書の結論なので、そこには目新しさはない。
2022年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小室直樹ゼミ中核の橋爪先生と、「怪物」出版エンターテイナー佐藤優氏の対談。
お互いに敬意を示し、議論の結果を出そうと協力しながらも、相手の知識量と論理的思考力をさぐりあい、競い合う対談を繰り広げていて、大変楽しいです。多くの方にご一読を勧めます。
本書は、書名で世界史とことわりながら、やや混乱したことに、日本の課題をこそ語り合った対談です。しかし、現在の日本の最大の国難である少子高齢化と国際競争力の低下について、まったく話題にしていません。具体的には日本の社会の構造的な欠点である、男尊女卑と自由な発想への抑圧を論じていません。これは、橋爪先生も佐藤氏も男尊女卑と社会や企業での抑圧を概ね支持しているからではないかと思われます。多数の女性が高等教育を受けて家族の形の在り方が変わってきていることや創造性によって多国籍化する企業の国際競争力が左右されていることはかつてなかった世界史の転換点でしょう。著者たちこのありさまでは、日本の好方向への転換を図る議論は期待しかねます。星一つ減点。両著者には改めて、日本における男尊女卑と抑圧の弊害とその打破方法について論じてほしいです。
この二人の対談の出版は本書が初めてではありませんが、佐藤氏が機会あるごとに中田考氏を批判している一方で、橋爪先生は中田氏との対談を複数回出版しており、その二人が協力的、紳士的に対談していることにはレビュアーとしては素朴に驚きます。ふたりとも対談相手の倫理感覚が異なることは受容できると、客観的な対応をすることができるのでしょう。
対談の展開パターンは、橋本先生がまず自ら議題を上げ、ご自分の理解の要約を開陳し、それを二人で掘り下げていく、というもので、その点で橋本先生がリードしています。そのテーマは、世界の経済、科学技術、軍事、文明と骨太であり、書名も世界史の分岐点と大上段に振りかぶっていて真剣そのものです。橋本先生が口火を切るせいか、彼の方が喋る量の方が多いのではないか、という印象がします。佐藤氏が、仲のいい池上さんや手嶋龍一氏との対談では、お互いにからかいながら自分の知識量が多いことを見せびらかしていることとはかなり異なります。そして、佐藤氏は韜晦することなく、大真面目に議論に応じていて、そのストレートさは驚くほどです。特に、若い方の教育に関する部分は、若干自慢話が混じるものの、悪乗りすることなく真剣に話しているように見受けられ、相手を換えて議論することが新しい知識をつくりやすくすることを示唆していると思います。
最も面白いのは、第4章の文明の章で、佐藤氏が日本の外務省の役人たちの気質を説明しているところ。ここはさすがに橋爪先生もおとなしく感心しながら拝聴するだけでした。どなたもご一読ください。
お互いに敬意を示し、議論の結果を出そうと協力しながらも、相手の知識量と論理的思考力をさぐりあい、競い合う対談を繰り広げていて、大変楽しいです。多くの方にご一読を勧めます。
本書は、書名で世界史とことわりながら、やや混乱したことに、日本の課題をこそ語り合った対談です。しかし、現在の日本の最大の国難である少子高齢化と国際競争力の低下について、まったく話題にしていません。具体的には日本の社会の構造的な欠点である、男尊女卑と自由な発想への抑圧を論じていません。これは、橋爪先生も佐藤氏も男尊女卑と社会や企業での抑圧を概ね支持しているからではないかと思われます。多数の女性が高等教育を受けて家族の形の在り方が変わってきていることや創造性によって多国籍化する企業の国際競争力が左右されていることはかつてなかった世界史の転換点でしょう。著者たちこのありさまでは、日本の好方向への転換を図る議論は期待しかねます。星一つ減点。両著者には改めて、日本における男尊女卑と抑圧の弊害とその打破方法について論じてほしいです。
この二人の対談の出版は本書が初めてではありませんが、佐藤氏が機会あるごとに中田考氏を批判している一方で、橋爪先生は中田氏との対談を複数回出版しており、その二人が協力的、紳士的に対談していることにはレビュアーとしては素朴に驚きます。ふたりとも対談相手の倫理感覚が異なることは受容できると、客観的な対応をすることができるのでしょう。
対談の展開パターンは、橋本先生がまず自ら議題を上げ、ご自分の理解の要約を開陳し、それを二人で掘り下げていく、というもので、その点で橋本先生がリードしています。そのテーマは、世界の経済、科学技術、軍事、文明と骨太であり、書名も世界史の分岐点と大上段に振りかぶっていて真剣そのものです。橋本先生が口火を切るせいか、彼の方が喋る量の方が多いのではないか、という印象がします。佐藤氏が、仲のいい池上さんや手嶋龍一氏との対談では、お互いにからかいながら自分の知識量が多いことを見せびらかしていることとはかなり異なります。そして、佐藤氏は韜晦することなく、大真面目に議論に応じていて、そのストレートさは驚くほどです。特に、若い方の教育に関する部分は、若干自慢話が混じるものの、悪乗りすることなく真剣に話しているように見受けられ、相手を換えて議論することが新しい知識をつくりやすくすることを示唆していると思います。
最も面白いのは、第4章の文明の章で、佐藤氏が日本の外務省の役人たちの気質を説明しているところ。ここはさすがに橋爪先生もおとなしく感心しながら拝聴するだけでした。どなたもご一読ください。
ベスト1000レビュアー
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米ソ冷戦終結時に当時のブッシュ米大統領がNew World Orderを高らかに宣言してから30年、その真の勝者が明らかになりつつある。「人類のターニングポイント」まであとわずか。民主主義世界が縮小し、中国共産党帝国とロシア帝国が君臨する新世界秩序の中で日本人はどう生き抜くのか。
本書では、経済、科学技術、軍事、そして文明と国家のテーマに沿って縦横無尽に国家と文明、都市問題、教育問題、米国と中国と日本、日本人にはほとんど理解されないアメリカにとっての中東等をはじめ、「近い将来から100年先の世界」についての討論が交わされる。それは歴史上に例のない大きな変化を伴うものであるが、それであるが故に不変のもの=日本人が肝に据える心構えも同時に示唆される。
・「自由と繁栄の弧」。これは以前の安倍政権が大々的に喧伝し、特にアメリカで好まれて使われるようになったキャッチフレーズだが、その実、初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏が企画立案し、麻生太郎副首相が提唱したものであるが、後任の歴代局長はこれを「誇大妄想」と評価している(p230)。2015年以降は同じ安倍政権でありながら外交政策は大きく転換し、明らかにアメリカと距離を取って、中国、ロシアとの等距離外交にシフトした。日本独自のPower of Balance政策。これならウイグル・ジェノサイドやウクライナ危機への現政権のどっちつかずの外交も理解できようというもの。おそらく数年以内に起こるであろう台湾有事の際の「自衛隊出動」もアメリカの顔に配慮した最小限・カタチだけのものになるに違いない(要は台湾政権を見捨てる)。で、これからも「自由と繁栄の弧」の言葉だけが欧米で独り歩きするという皮肉なことになりそうだ(その弧から日本は外されるだろうが)。
・その台湾有事だが、これはもはや既定のものとしてとらえるべきで、数年内に中国共産党の支配下に置かれるであろうとのこと。通常戦力に限定しての米中正面衝突が発生するが、戦争の実質は「意思を実力によって押し付ける」であり、何も全土占領、人員拘束を強要する必要はない。旧来の大々的な陸軍侵略ではなく、画期的な新技術が適用される可能性が高い(量子衛星の活用? サイバー攻撃?)。他人事ではなく、また情にほだされることなく、日本人は注視する必要がありそうだ。
・中国はすでに「ナチス・ドイツや皇国日本にも似た、イデオロギー国家」(p171)に変わり果てており、そのイデオロギーは「『中国』を最高の価値とするウルトラ・ナショナリズム」にあると断言する。その対抗策も本書にて提言される。さすがだ。
・核融合炉によるエネルギー確保の革命的な転換(化石燃料や再生利用可能エネルギーは過去のものとなる)、量子コンピュータによる現代社会の根本的な変化(あらゆる暗号の無効化、製薬・素材開発の爆発的な加速、ミクロ世界の解明、各種シミュレーション等々)が、まさに十数年後に迫っている。この二つの先端技術の一部にでも食い込まなければ、日本人に未来はない。そして中国はすでに2015年から量子通信衛星(!)を打ち上げている。
・勤務時間について。日本に限らず、高度な専門知識を必要とする医師や弁護士、外交官等で業績を上げた人は「死ぬほど働いて」おり「何時間働いても過労死しないように健康管理する」ことも実力のうちである(p57)には考えさせられた。なるほど、甘えていてはいけないな。
・人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないで、いまを生きようとすることは「空虚」であり(p255)、思想を持ち、リアリティを求めなければならない(p255~257)。そして究極的には哲学と歴史に落ち着くのか(p59)。
・中国等はビッグデータで国民を監視するデジタル共産主義への転換が進み、先進資本主義国、中堅国では、民主主義的政治制度の枠組みは残しつつも権威主義への転換が進んでいる。その通りだと思う。NHK、読売等のマスメディアの追随もあって、いまの日本政治・社会の変貌はまさに肌で感じられるレベルに入りつつある。その進む先は、そう、ファシズムだ(p267)。
泣いても笑っても日本に生まれているのだから「日本の将来を真面目に考えなくてはいけない」(p66)とはその通り。
本書の英文タイトル"Turning Point of Humanity."が示す通り、二人の「哲人」の対談はまさに人類史の一大分岐点が迫っていることを実例をもって示すものであり、ページを繰って知的興奮に震えること幾たび。おおいに知的啓蒙を受けた。そして佐藤優さんのあとがきにある通り、本書は独学の手引きともなる。
僕も生き方を(少しだけ)変えよう!
本書では、経済、科学技術、軍事、そして文明と国家のテーマに沿って縦横無尽に国家と文明、都市問題、教育問題、米国と中国と日本、日本人にはほとんど理解されないアメリカにとっての中東等をはじめ、「近い将来から100年先の世界」についての討論が交わされる。それは歴史上に例のない大きな変化を伴うものであるが、それであるが故に不変のもの=日本人が肝に据える心構えも同時に示唆される。
・「自由と繁栄の弧」。これは以前の安倍政権が大々的に喧伝し、特にアメリカで好まれて使われるようになったキャッチフレーズだが、その実、初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏が企画立案し、麻生太郎副首相が提唱したものであるが、後任の歴代局長はこれを「誇大妄想」と評価している(p230)。2015年以降は同じ安倍政権でありながら外交政策は大きく転換し、明らかにアメリカと距離を取って、中国、ロシアとの等距離外交にシフトした。日本独自のPower of Balance政策。これならウイグル・ジェノサイドやウクライナ危機への現政権のどっちつかずの外交も理解できようというもの。おそらく数年以内に起こるであろう台湾有事の際の「自衛隊出動」もアメリカの顔に配慮した最小限・カタチだけのものになるに違いない(要は台湾政権を見捨てる)。で、これからも「自由と繁栄の弧」の言葉だけが欧米で独り歩きするという皮肉なことになりそうだ(その弧から日本は外されるだろうが)。
・その台湾有事だが、これはもはや既定のものとしてとらえるべきで、数年内に中国共産党の支配下に置かれるであろうとのこと。通常戦力に限定しての米中正面衝突が発生するが、戦争の実質は「意思を実力によって押し付ける」であり、何も全土占領、人員拘束を強要する必要はない。旧来の大々的な陸軍侵略ではなく、画期的な新技術が適用される可能性が高い(量子衛星の活用? サイバー攻撃?)。他人事ではなく、また情にほだされることなく、日本人は注視する必要がありそうだ。
・中国はすでに「ナチス・ドイツや皇国日本にも似た、イデオロギー国家」(p171)に変わり果てており、そのイデオロギーは「『中国』を最高の価値とするウルトラ・ナショナリズム」にあると断言する。その対抗策も本書にて提言される。さすがだ。
・核融合炉によるエネルギー確保の革命的な転換(化石燃料や再生利用可能エネルギーは過去のものとなる)、量子コンピュータによる現代社会の根本的な変化(あらゆる暗号の無効化、製薬・素材開発の爆発的な加速、ミクロ世界の解明、各種シミュレーション等々)が、まさに十数年後に迫っている。この二つの先端技術の一部にでも食い込まなければ、日本人に未来はない。そして中国はすでに2015年から量子通信衛星(!)を打ち上げている。
・勤務時間について。日本に限らず、高度な専門知識を必要とする医師や弁護士、外交官等で業績を上げた人は「死ぬほど働いて」おり「何時間働いても過労死しないように健康管理する」ことも実力のうちである(p57)には考えさせられた。なるほど、甘えていてはいけないな。
・人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないで、いまを生きようとすることは「空虚」であり(p255)、思想を持ち、リアリティを求めなければならない(p255~257)。そして究極的には哲学と歴史に落ち着くのか(p59)。
・中国等はビッグデータで国民を監視するデジタル共産主義への転換が進み、先進資本主義国、中堅国では、民主主義的政治制度の枠組みは残しつつも権威主義への転換が進んでいる。その通りだと思う。NHK、読売等のマスメディアの追随もあって、いまの日本政治・社会の変貌はまさに肌で感じられるレベルに入りつつある。その進む先は、そう、ファシズムだ(p267)。
泣いても笑っても日本に生まれているのだから「日本の将来を真面目に考えなくてはいけない」(p66)とはその通り。
本書の英文タイトル"Turning Point of Humanity."が示す通り、二人の「哲人」の対談はまさに人類史の一大分岐点が迫っていることを実例をもって示すものであり、ページを繰って知的興奮に震えること幾たび。おおいに知的啓蒙を受けた。そして佐藤優さんのあとがきにある通り、本書は独学の手引きともなる。
僕も生き方を(少しだけ)変えよう!

米ソ冷戦終結時に当時のブッシュ米大統領がNew World Orderを高らかに宣言してから30年、その真の勝者が明らかになりつつある。「人類のターニングポイント」まであとわずか。民主主義世界が縮小し、中国共産党帝国とロシア帝国が君臨する新世界秩序の中で日本人はどう生き抜くのか。
本書では、経済、科学技術、軍事、そして文明と国家のテーマに沿って縦横無尽に国家と文明、都市問題、教育問題、米国と中国と日本、日本人にはほとんど理解されないアメリカにとっての中東等をはじめ、「近い将来から100年先の世界」についての討論が交わされる。それは歴史上に例のない大きな変化を伴うものであるが、それであるが故に不変のもの=日本人が肝に据える心構えも同時に示唆される。
・「自由と繁栄の弧」。これは以前の安倍政権が大々的に喧伝し、特にアメリカで好まれて使われるようになったキャッチフレーズだが、その実、初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏が企画立案し、麻生太郎副首相が提唱したものであるが、後任の歴代局長はこれを「誇大妄想」と評価している(p230)。2015年以降は同じ安倍政権でありながら外交政策は大きく転換し、明らかにアメリカと距離を取って、中国、ロシアとの等距離外交にシフトした。日本独自のPower of Balance政策。これならウイグル・ジェノサイドやウクライナ危機への現政権のどっちつかずの外交も理解できようというもの。おそらく数年以内に起こるであろう台湾有事の際の「自衛隊出動」もアメリカの顔に配慮した最小限・カタチだけのものになるに違いない(要は台湾政権を見捨てる)。で、これからも「自由と繁栄の弧」の言葉だけが欧米で独り歩きするという皮肉なことになりそうだ(その弧から日本は外されるだろうが)。
・その台湾有事だが、これはもはや既定のものとしてとらえるべきで、数年内に中国共産党の支配下に置かれるであろうとのこと。通常戦力に限定しての米中正面衝突が発生するが、戦争の実質は「意思を実力によって押し付ける」であり、何も全土占領、人員拘束を強要する必要はない。旧来の大々的な陸軍侵略ではなく、画期的な新技術が適用される可能性が高い(量子衛星の活用? サイバー攻撃?)。他人事ではなく、また情にほだされることなく、日本人は注視する必要がありそうだ。
・中国はすでに「ナチス・ドイツや皇国日本にも似た、イデオロギー国家」(p171)に変わり果てており、そのイデオロギーは「『中国』を最高の価値とするウルトラ・ナショナリズム」にあると断言する。その対抗策も本書にて提言される。さすがだ。
・核融合炉によるエネルギー確保の革命的な転換(化石燃料や再生利用可能エネルギーは過去のものとなる)、量子コンピュータによる現代社会の根本的な変化(あらゆる暗号の無効化、製薬・素材開発の爆発的な加速、ミクロ世界の解明、各種シミュレーション等々)が、まさに十数年後に迫っている。この二つの先端技術の一部にでも食い込まなければ、日本人に未来はない。そして中国はすでに2015年から量子通信衛星(!)を打ち上げている。
・勤務時間について。日本に限らず、高度な専門知識を必要とする医師や弁護士、外交官等で業績を上げた人は「死ぬほど働いて」おり「何時間働いても過労死しないように健康管理する」ことも実力のうちである(p57)には考えさせられた。なるほど、甘えていてはいけないな。
・人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないで、いまを生きようとすることは「空虚」であり(p255)、思想を持ち、リアリティを求めなければならない(p255~257)。そして究極的には哲学と歴史に落ち着くのか(p59)。
・中国等はビッグデータで国民を監視するデジタル共産主義への転換が進み、先進資本主義国、中堅国では、民主主義的政治制度の枠組みは残しつつも権威主義への転換が進んでいる。その通りだと思う。NHK、読売等のマスメディアの追随もあって、いまの日本政治・社会の変貌はまさに肌で感じられるレベルに入りつつある。その進む先は、そう、ファシズムだ(p267)。
泣いても笑っても日本に生まれているのだから「日本の将来を真面目に考えなくてはいけない」(p66)とはその通り。
本書の英文タイトル"Turning Point of Humanity."が示す通り、二人の「哲人」の対談はまさに人類史の一大分岐点が迫っていることを実例をもって示すものであり、ページを繰って知的興奮に震えること幾たび。おおいに知的啓蒙を受けた。そして佐藤優さんのあとがきにある通り、本書は独学の手引きともなる。
僕も生き方を(少しだけ)変えよう!
本書では、経済、科学技術、軍事、そして文明と国家のテーマに沿って縦横無尽に国家と文明、都市問題、教育問題、米国と中国と日本、日本人にはほとんど理解されないアメリカにとっての中東等をはじめ、「近い将来から100年先の世界」についての討論が交わされる。それは歴史上に例のない大きな変化を伴うものであるが、それであるが故に不変のもの=日本人が肝に据える心構えも同時に示唆される。
・「自由と繁栄の弧」。これは以前の安倍政権が大々的に喧伝し、特にアメリカで好まれて使われるようになったキャッチフレーズだが、その実、初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏が企画立案し、麻生太郎副首相が提唱したものであるが、後任の歴代局長はこれを「誇大妄想」と評価している(p230)。2015年以降は同じ安倍政権でありながら外交政策は大きく転換し、明らかにアメリカと距離を取って、中国、ロシアとの等距離外交にシフトした。日本独自のPower of Balance政策。これならウイグル・ジェノサイドやウクライナ危機への現政権のどっちつかずの外交も理解できようというもの。おそらく数年以内に起こるであろう台湾有事の際の「自衛隊出動」もアメリカの顔に配慮した最小限・カタチだけのものになるに違いない(要は台湾政権を見捨てる)。で、これからも「自由と繁栄の弧」の言葉だけが欧米で独り歩きするという皮肉なことになりそうだ(その弧から日本は外されるだろうが)。
・その台湾有事だが、これはもはや既定のものとしてとらえるべきで、数年内に中国共産党の支配下に置かれるであろうとのこと。通常戦力に限定しての米中正面衝突が発生するが、戦争の実質は「意思を実力によって押し付ける」であり、何も全土占領、人員拘束を強要する必要はない。旧来の大々的な陸軍侵略ではなく、画期的な新技術が適用される可能性が高い(量子衛星の活用? サイバー攻撃?)。他人事ではなく、また情にほだされることなく、日本人は注視する必要がありそうだ。
・中国はすでに「ナチス・ドイツや皇国日本にも似た、イデオロギー国家」(p171)に変わり果てており、そのイデオロギーは「『中国』を最高の価値とするウルトラ・ナショナリズム」にあると断言する。その対抗策も本書にて提言される。さすがだ。
・核融合炉によるエネルギー確保の革命的な転換(化石燃料や再生利用可能エネルギーは過去のものとなる)、量子コンピュータによる現代社会の根本的な変化(あらゆる暗号の無効化、製薬・素材開発の爆発的な加速、ミクロ世界の解明、各種シミュレーション等々)が、まさに十数年後に迫っている。この二つの先端技術の一部にでも食い込まなければ、日本人に未来はない。そして中国はすでに2015年から量子通信衛星(!)を打ち上げている。
・勤務時間について。日本に限らず、高度な専門知識を必要とする医師や弁護士、外交官等で業績を上げた人は「死ぬほど働いて」おり「何時間働いても過労死しないように健康管理する」ことも実力のうちである(p57)には考えさせられた。なるほど、甘えていてはいけないな。
・人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないで、いまを生きようとすることは「空虚」であり(p255)、思想を持ち、リアリティを求めなければならない(p255~257)。そして究極的には哲学と歴史に落ち着くのか(p59)。
・中国等はビッグデータで国民を監視するデジタル共産主義への転換が進み、先進資本主義国、中堅国では、民主主義的政治制度の枠組みは残しつつも権威主義への転換が進んでいる。その通りだと思う。NHK、読売等のマスメディアの追随もあって、いまの日本政治・社会の変貌はまさに肌で感じられるレベルに入りつつある。その進む先は、そう、ファシズムだ(p267)。
泣いても笑っても日本に生まれているのだから「日本の将来を真面目に考えなくてはいけない」(p66)とはその通り。
本書の英文タイトル"Turning Point of Humanity."が示す通り、二人の「哲人」の対談はまさに人類史の一大分岐点が迫っていることを実例をもって示すものであり、ページを繰って知的興奮に震えること幾たび。おおいに知的啓蒙を受けた。そして佐藤優さんのあとがきにある通り、本書は独学の手引きともなる。
僕も生き方を(少しだけ)変えよう!
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