手間もお金もかけない「ひとり飯」レシピ本が10万部を超えた理由
単身者はもちろんのこと、既婚者であっても意外と多い「ひとり飯」の機会。自分ひとり分だし、手間もお金もかけたくはないけれど、できれば満足度の高い食事がしたい。そんな気持ちにフィットする、ありがたいレシピ満載の新書が、スマッシュヒット中だ。
「中には『これって料理なの?』と思わず言いたくなるようなレシピも載っています。『キャベツに牛角の旨塩だれとすりごまをかけるだけ』とか。でも逆にそこがウケている理由でもあるのかなと感じています」(担当編集者の樋口健さん)
ほかにも、「カニカマを裂いてマヨネーズと和え、わさびを乗せるだけ」など、シンプルな手順のレシピを多数掲載。トマトソースの作り方など若干凝ったレシピも掲載されてはいるが、それも類書に比べれば格段に易しい。著者も編集者も、とにかく簡単で、でも料理を作る楽しさを感じられるような本を目指したという。作業工程だけではなく、材料もスーパーで簡単に買え、値段も手頃なものだけを選ぶ徹底ぶりだ。本を買ったその日から、ごく気軽に試すことができる。そのレシピの放つ魅力は、とある人気マンガと通底するところがあるとも。
「『花のズボラ飯』と一緒に買う方が多いというデータがあるんです。あのマンガの料理って、ちょっとお行儀は悪いですが美味しそうじゃないですか」(樋口さん)
普段台所に立つ習慣のない人にこそ、試してほしい。
評者:前田 久
(週刊文春 2017.05.25号掲載)
人気レシピブログを運営する著者が行き着いた哲学は、「適当で楽で安く済んで、でも美味しい料理こそ、本当に必要な料理じゃないだろうか?」ということだった。「ひとりぶん」レシピで、材料はスーパーで手に入るもの、かつ一円単位で値段も明記。「適量」や「少々」という表記も一切なし!簡単で美味しいからこそ、料理のモチベーションが湧いてくる。「ひとりで食事をする時間」を最高に楽しくて美味しい時間にするための最高の一冊、ここに誕生!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
はらぺこグリズリー
手抜き料理研究家/料理ブロガー。ブログ「はらぺこグリズリーの料理ブログ」を運営しながら安くて簡単で美味しい料理を追求。本書のタイトルにもつながった「世界で1番美味しい煮卵の作り方」の記事は、「めざましテレビ」で紹介され、Facebook上でも3万シェアされた。ネットメディアを中心に多方面で活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)