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世界の地方創生: 辺境のスタートアップたち 単行本(ソフトカバー) – 2017/5/27
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最先端は辺境にあり
ローカルビジネスに挑む起業家や自治体
先進木造、村ぐるみの宿、美酒佳肴、小規模公民連携、美食とラーニング、アートビジネス、森林活用、既存ストック活用
リスクをとって、最初の一歩を踏み出した人たちをレポート
序章 スタートアップは辺境に生まれる / 松永安光
第1章 スタートアップを集める木造へのこだわり:アルプス地方 / 松永安光
第2章 廃村危機の救世主アルベルゴ・ディフーゾ:イタリアの集落 / 中橋 恵
第3章 ガストロノミーからの地域創生:ピレネー山脈南部地方 / 鈴木裕一
第4章 公共精神あふれる小さな民間事業と公の取り組み:リスボン・ポルト・山賊村 / 宮部浩幸
第5章 ガストロノミーとラーニング・ツーリズム:ダブリンとホウス / 漆原 弘
第6章 伝統的なアートとビジネスの融合:グラスゴー / 漆原 弘
第7章 森林資源の徹底活用:フィンランド森林地帯 / 鷹野 敦
第8章 衰退市街地で光る極小予算のエリア再生:台中と嘉義 / 徳田光弘
ローカルビジネスに挑む起業家や自治体
先進木造、村ぐるみの宿、美酒佳肴、小規模公民連携、美食とラーニング、アートビジネス、森林活用、既存ストック活用
リスクをとって、最初の一歩を踏み出した人たちをレポート
序章 スタートアップは辺境に生まれる / 松永安光
第1章 スタートアップを集める木造へのこだわり:アルプス地方 / 松永安光
第2章 廃村危機の救世主アルベルゴ・ディフーゾ:イタリアの集落 / 中橋 恵
第3章 ガストロノミーからの地域創生:ピレネー山脈南部地方 / 鈴木裕一
第4章 公共精神あふれる小さな民間事業と公の取り組み:リスボン・ポルト・山賊村 / 宮部浩幸
第5章 ガストロノミーとラーニング・ツーリズム:ダブリンとホウス / 漆原 弘
第6章 伝統的なアートとビジネスの融合:グラスゴー / 漆原 弘
第7章 森林資源の徹底活用:フィンランド森林地帯 / 鷹野 敦
第8章 衰退市街地で光る極小予算のエリア再生:台中と嘉義 / 徳田光弘
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社学芸出版社
- 発売日2017/5/27
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104761526459
- ISBN-13978-4761526450
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商品の説明
出版社からのコメント
地方創生の本は多いですが、世界の先端事例を「地方創生」という切り口で集めた本は初めてです。
編者はオガールの設計を担当した松永さんと北九州リノベスクールのリーダーである徳田さん。
アルベルゴ・ディフーゾ、中區再生基地など小さな、しかししっかりした一歩を自らリスクを取って進めている事例を初めて紹介します。
編者はオガールの設計を担当した松永さんと北九州リノベスクールのリーダーである徳田さん。
アルベルゴ・ディフーゾ、中區再生基地など小さな、しかししっかりした一歩を自らリスクを取って進めている事例を初めて紹介します。
内容(「BOOK」データベースより)
最先端は辺境にあり。ローカルビジネスに挑む起業家や自治体。
著者について
(著者紹介)
【編著者】
松永安光 / 株式会社近代建築研究所代表取締役、一般社団法人HEAD研究会理事長
徳田光弘 / 九州工業大学大学院准教授、一般社団法人リノベーションまちづくりセンター代表理事
【著者】
漆原弘 / 英国政府登録建築家、英国王立建築家協会会員、英国ヨーク大学にて博士号取得
鷹野敦 / 鹿児島大学准教授、元アアルト大学研究員兼講師、理学博士、一級建築士
中橋恵 / 日伊間ビジネスコーディネーター。法政大学大学院工学研究科修士課程修了
鈴木裕一 / スペイン国公認建築家、カタルーニャ建築家協会正会員。バルセロナ近郊にて建築アトリエ事務所主宰
宮部浩幸 / 近畿大学准教授、スピーク・パートナー、博士(工学)、元リスボン工科大学客員研究員
【編著者】
松永安光 / 株式会社近代建築研究所代表取締役、一般社団法人HEAD研究会理事長
徳田光弘 / 九州工業大学大学院准教授、一般社団法人リノベーションまちづくりセンター代表理事
【著者】
漆原弘 / 英国政府登録建築家、英国王立建築家協会会員、英国ヨーク大学にて博士号取得
鷹野敦 / 鹿児島大学准教授、元アアルト大学研究員兼講師、理学博士、一級建築士
中橋恵 / 日伊間ビジネスコーディネーター。法政大学大学院工学研究科修士課程修了
鈴木裕一 / スペイン国公認建築家、カタルーニャ建築家協会正会員。バルセロナ近郊にて建築アトリエ事務所主宰
宮部浩幸 / 近畿大学准教授、スピーク・パートナー、博士(工学)、元リスボン工科大学客員研究員
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松永/安光
1941年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。ハーバード大学デザイン大学院修了。JIA新人賞、日本建築学会作品賞、同作品選奨、JIA環境建築賞、木材活用コンクール農林水産大臣賞、都市住宅学会業績賞、日本ファシリティマネジメント協会大賞、BCS賞。1997年より2007年まで鹿児島大学工学部教授。近代建築研究所主宰。一般社団法人HEAD研究会理事長
徳田/光弘
国立大学法人九州工業大学大学院准教授。博士(芸術工学)、一級建築士。2003年九州芸術工科大学大学院博士後期課程修了。鹿児島大学工学部助手、助教を経て2009年より現職。一般社団法人リノベーションまちづくりセンター代表理事。日本建築学会奨励賞、日本建築学会教育賞、都市住宅学会業績賞、九州まちづくり賞、まちづくり法人国土交通大臣表彰まちづくりの担い手サポート部門国土交通大臣賞等受賞歴多数
中橋/恵
1998年から2000年、イタリア政府奨学金生、ロータリー奨学金生として、ナポリ大学へ留学。2001年法政大学大学院工学研究科修士課程修了、2006年ナポリ大学建築学部博士課程単位取得退学。日伊間のビジネスコーディネート業に従事しながら、地域復興に関する調査、執筆、ワークショップ等の活動を行っている
鈴木/裕一
スペイン国公認建築家。東京理科大学修士課程(建築史研究室)修了後、カタルーニャ工科大大学院で「歴史的建造物の再生に関しての研究」により修士号を得る。1996年日本人初のスペイン国公認建築家のタイトルを得てバルセロナ近郊に建築アトリエ事務所を設立。現在は古民家再生など地域に根差す建築を創作。カタルーニャ建築家協会正会員
宮部/浩幸
1997年東京大学大学院工学系研究科修了。北川原温建築都市研究所、東京大学大学院工学系研究科助教、リスボン工科大学客員研究員を経て、2007年(株)スピークのパートナーとなる。建築、不動産の企画や設計に数多く関わる。作品に「龍宮城アパートメント」「リージア代田テラス」など。2015年より近畿大学准教授。博士(工学)、一級建築士
漆原/弘
1990年早稲田大学建築学科大学院修士課程修了後、SKM設計計画事務所/近代建築研究所勤務。1995年より、英国ヨーク大学博士課程で集合住宅デザインの研究を行い、博士号取得。その後は英国、アイルランドで設計や研究活動を行っている。建築学博士、一級建築士、英国政府登録建築科、英国王立建築家協会会員
鷹野/敦
2004年鹿児島大学大学院理工学研究科建築学専攻終了後、設計事務所勤務。2008年よりフィンランドのアアルト大学(旧ヘルシンキ工科大学)に留学、主に環境的な側面から木材や木造建築の研究に取り組み、博士号取得。2016年より鹿児島大学准教授。建物の衣装・構造・環境を横断した研究・教育・設計活動を行っている。一級建築士、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1941年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。ハーバード大学デザイン大学院修了。JIA新人賞、日本建築学会作品賞、同作品選奨、JIA環境建築賞、木材活用コンクール農林水産大臣賞、都市住宅学会業績賞、日本ファシリティマネジメント協会大賞、BCS賞。1997年より2007年まで鹿児島大学工学部教授。近代建築研究所主宰。一般社団法人HEAD研究会理事長
徳田/光弘
国立大学法人九州工業大学大学院准教授。博士(芸術工学)、一級建築士。2003年九州芸術工科大学大学院博士後期課程修了。鹿児島大学工学部助手、助教を経て2009年より現職。一般社団法人リノベーションまちづくりセンター代表理事。日本建築学会奨励賞、日本建築学会教育賞、都市住宅学会業績賞、九州まちづくり賞、まちづくり法人国土交通大臣表彰まちづくりの担い手サポート部門国土交通大臣賞等受賞歴多数
中橋/恵
1998年から2000年、イタリア政府奨学金生、ロータリー奨学金生として、ナポリ大学へ留学。2001年法政大学大学院工学研究科修士課程修了、2006年ナポリ大学建築学部博士課程単位取得退学。日伊間のビジネスコーディネート業に従事しながら、地域復興に関する調査、執筆、ワークショップ等の活動を行っている
鈴木/裕一
スペイン国公認建築家。東京理科大学修士課程(建築史研究室)修了後、カタルーニャ工科大大学院で「歴史的建造物の再生に関しての研究」により修士号を得る。1996年日本人初のスペイン国公認建築家のタイトルを得てバルセロナ近郊に建築アトリエ事務所を設立。現在は古民家再生など地域に根差す建築を創作。カタルーニャ建築家協会正会員
宮部/浩幸
1997年東京大学大学院工学系研究科修了。北川原温建築都市研究所、東京大学大学院工学系研究科助教、リスボン工科大学客員研究員を経て、2007年(株)スピークのパートナーとなる。建築、不動産の企画や設計に数多く関わる。作品に「龍宮城アパートメント」「リージア代田テラス」など。2015年より近畿大学准教授。博士(工学)、一級建築士
漆原/弘
1990年早稲田大学建築学科大学院修士課程修了後、SKM設計計画事務所/近代建築研究所勤務。1995年より、英国ヨーク大学博士課程で集合住宅デザインの研究を行い、博士号取得。その後は英国、アイルランドで設計や研究活動を行っている。建築学博士、一級建築士、英国政府登録建築科、英国王立建築家協会会員
鷹野/敦
2004年鹿児島大学大学院理工学研究科建築学専攻終了後、設計事務所勤務。2008年よりフィンランドのアアルト大学(旧ヘルシンキ工科大学)に留学、主に環境的な側面から木材や木造建築の研究に取り組み、博士号取得。2016年より鹿児島大学准教授。建物の衣装・構造・環境を横断した研究・教育・設計活動を行っている。一級建築士、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 学芸出版社 (2017/5/27)
- 発売日 : 2017/5/27
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 224ページ
- ISBN-10 : 4761526459
- ISBN-13 : 978-4761526450
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 206,071位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 181位地域開発
- - 323位都市開発・都市問題 (本)
- - 2,490位政治入門
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月29日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
とても参考になりました。スタートアップへの挑戦への力が湧きます。先人の勇気が栄養になる本です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年6月25日に日本でレビュー済み
この書の編者である松永安光氏の前著「リノベーションの新潮流」に大きな刺激を受けていたこともあり、迷わず手にしたが、豊富な事例が非常に参考になった。ただ、どうしてもこうした書を読むと、その手法を日本で活用するためにはどうすれば?という点が気になる。その意味ではいくつか、もう少し、突っ込んでいただきたかった部分がある。
たとえば、アルプス地方でスタートアップを集めているという木造建築最前線の部分では日本で林業が盛んな地域、山間部とアルプスのそれとの地形的、立地的な違いが、成否を分けていると思われる。また、地元の木材を使うという意味、特に価格的な意味について日本とヨーロッパではどういう差があるのか。その辺りが知りたいと思った。
また、イタリアのアルベルゴ・ディフーゾは実際に見に行きたいと思いながら読んだが、これについては投資額や収支、国その他からの補助その他、金銭的な状況が分かれば、参考になるのではないかと思う。
もうひとつ、ポルトガルの事例では地域整備のスタッフの多様性が印象的だった。建築家、デザイナー、社会学者、地理学者、考古学者で構成されるチーム、建築家と人類学者で構成されるチームが紹介されていたが、このそれぞれがどういう役割を持って、具体的に何をしているのか。日本では非常に限られた専門職だけがまちに関わっているように思われるが、多様な専門家が入ることで生まれるものが確実にあると思う。その辺りを明らかにすることで、今後のまちづくり、まちを考えるヒントがあるように思った。
また、これはポルトガルに限ったことなのだろうか。せっかく、各国に詳しい方々がまとめられたのであれば、その中で共通点、違いを語り合うような部分があれば面白かっただろうにと思った。
以上、ないものねだりを長々と書いたのは続編を期待する部分があるから。こうしたレポートが続くことを楽しみにしている。
たとえば、アルプス地方でスタートアップを集めているという木造建築最前線の部分では日本で林業が盛んな地域、山間部とアルプスのそれとの地形的、立地的な違いが、成否を分けていると思われる。また、地元の木材を使うという意味、特に価格的な意味について日本とヨーロッパではどういう差があるのか。その辺りが知りたいと思った。
また、イタリアのアルベルゴ・ディフーゾは実際に見に行きたいと思いながら読んだが、これについては投資額や収支、国その他からの補助その他、金銭的な状況が分かれば、参考になるのではないかと思う。
もうひとつ、ポルトガルの事例では地域整備のスタッフの多様性が印象的だった。建築家、デザイナー、社会学者、地理学者、考古学者で構成されるチーム、建築家と人類学者で構成されるチームが紹介されていたが、このそれぞれがどういう役割を持って、具体的に何をしているのか。日本では非常に限られた専門職だけがまちに関わっているように思われるが、多様な専門家が入ることで生まれるものが確実にあると思う。その辺りを明らかにすることで、今後のまちづくり、まちを考えるヒントがあるように思った。
また、これはポルトガルに限ったことなのだろうか。せっかく、各国に詳しい方々がまとめられたのであれば、その中で共通点、違いを語り合うような部分があれば面白かっただろうにと思った。
以上、ないものねだりを長々と書いたのは続編を期待する部分があるから。こうしたレポートが続くことを楽しみにしている。
2017年6月24日に日本でレビュー済み
松永氏の「世界の地方創生」は新潮流シリーズの最新刊である。私は、これまで松永氏の著作すべてを読み、世界各地の建築や地方創生の努力例等について多くを学んできた。本著は、海外の地方創生の実例を現地調査した報告書なので、過去の著作同様、大変勉強になった。
松永氏が実地調査したオーストリアのルーデッシュはアルプスの辺境の地にあるが、未来の住宅プログラムで環境共生による経済発展を目指し、人口が20世紀初めから増え続けているそうだ。建物は地元の材木で作られ、断熱材は羊毛で、暖房はバイオマス熱源による地域給湯と地中熱ヒートポンプが併用され、熱効率を高めるシステムが稼働している。本著とは関係ないが、スイス在住のGunter Pauli氏が国連大学で立ち上げ、世界に展開するZERI(Zero Emission Research & Initiative)は、まさにこのような住環境の実現を目指した運動だ。ヨーロッパでZERIの目指す循環型社会が実現しているのを聞き大変うれしい。
ガストロノミーで町興しの例も紹介されているが、観光の目玉無くしても町の再興が可能という話は、同じ悩みの我が国地方都市では大いに励みになる。大分県平松知事の一村一品運動や立命館アジア太平洋大学誘致は、そうした地方の町興しの先駆となるべき例だが、本著は日本の地方にも成功例があるのを思い出さしてくれた。
松永氏が実地調査したオーストリアのルーデッシュはアルプスの辺境の地にあるが、未来の住宅プログラムで環境共生による経済発展を目指し、人口が20世紀初めから増え続けているそうだ。建物は地元の材木で作られ、断熱材は羊毛で、暖房はバイオマス熱源による地域給湯と地中熱ヒートポンプが併用され、熱効率を高めるシステムが稼働している。本著とは関係ないが、スイス在住のGunter Pauli氏が国連大学で立ち上げ、世界に展開するZERI(Zero Emission Research & Initiative)は、まさにこのような住環境の実現を目指した運動だ。ヨーロッパでZERIの目指す循環型社会が実現しているのを聞き大変うれしい。
ガストロノミーで町興しの例も紹介されているが、観光の目玉無くしても町の再興が可能という話は、同じ悩みの我が国地方都市では大いに励みになる。大分県平松知事の一村一品運動や立命館アジア太平洋大学誘致は、そうした地方の町興しの先駆となるべき例だが、本著は日本の地方にも成功例があるのを思い出さしてくれた。
2017年6月21日に日本でレビュー済み
文化人類学では、新しい文明は周縁から生まれるという説があるらしい。先端技術の研究開発を牽引する米国のシリコンバレーはカリフォルニアの辺境に立地したが、今や世界各地の辺境の其処此処に、先端技術関連企業が集積する地域を誕生させた。人口減少により地方の衰退が現実化しつつある日本では、各地方がそれぞれの特徴を活かしつつ自律的かつ持続可能な地域社会を構築することが求められている。本著は、世界各地で取り組まれている地域再生プロジェクトを概観し、集落の過疎化という難題を抱えた日本各地に、何らかの<地方創生>の示唆を与えることを目的としている。地方創生へのヒントを求めて、著者たちは欧州を中心に世界の辺境を巡る。分担執筆の形で、以下の各地における地域再生の事例を紹介している。
1. スイス・オーストリアに跨るアルプス地方では、昔から森林資源を活かした木造建築事業が盛んである。近年、先端的な木造建築の技術開発が進められ、エコシステムを導入した木造オフィスが建築されている。木造8階建てのビルが建てられ、20階建てまでの実現可能性を検証している。EUの隣接国との地域交流を活かして、市場を活性化する試みも成功しているという。
2. イタリアは都市国家の伝統があり、小さな村や町の自治体活動が活発という。農村の景観維持を法律化し、観光事業の活性化に努めている。過疎化により発生した空き家を、身近な観光資源と繋ぎ合わせて宿泊施設として再生している。観光事業と伝統的な食文化や地産地消を融合して、過疎化した村の活性化が実現されている。
3. スペインのピレネー南麓はイスラムとキリスト教文化の境界にあり、伝統的な独自の文化を誇っている。スペインの食文化は、日本酒の酒蔵が造られるほどに多様性を許容し、美食追及の伝統は<食科学>という新しい学問領域を産んでいる。そこでは、農業経営手法、安心安全な食べ物、食材と料理法・保存法などが研究されている。食文化を旗印としたグルメ観光都市が造られ、世界シェフ会議が開催されている。
4. ポルトガルのリスボンでは、都市中心部の住環境を改善する再生都市計画が進行中である。また、廃村となった都市近郊の集落を、子供や学生の合宿空間として再生した事例があげられている。無機的な工場群が占拠する企業管理地域に、カフェ、レストラン、本屋、美容室、衣料品店、住居などを誘致し、それらが融合した都市空間を産む試みも行われている。
5. アイルランドでは、深刻な経済危機を克服して、人々の嗜好は豊かな生活を目指す消費活動に向かっている。例えば、食文化については、食材の仕入れ先、料理法などへの興味をもつようになっている。ダブリン郊外にテンプルバーという歴史的遺産と商業施設、住宅が混在する地域があり、観光客や地元民が多く訪れる。ここを芸術活動の中心とすべく、地元の芸術家、各種の個人商店、独創的なレストランなどを誘致した新しい都市空間の開発が行われている。漁港という地の利を利用した海産物グルメの街が紹介されている。食事を楽しむだけでなく、訪問者は当地の料理学校で料理法を体験することもできる。料理学校は専門家が料理を学ぶためのものであるが、宿泊施設、レストランが併設され、広く食文化を堪能したい訪問客にも対応している。
6. スコットランドは、地政学的に欧州の辺境に位置する。ウイスキーのみならず、マックスウエル、ダニエル・ベルを産んだ叡智の故郷でもある。科学技術に加えて芸術の分野においても優れた伝統があり、グラスゴー美術大学の卒業展覧会は、さながら美術業界の人間が有能な学生をリクルートする場であるという。もちろん、ウイスキーを観光資源とする取り組みは有名である。
7. フィンランドは、人口約500万人の森林国家である。材木、製紙業が国の産業を支えてきた。EU加盟を契機としてIT産業に目覚め、経済的発展を遂げている。森林資源の更なる活用を企図して、材木の付加価値を増す製材技術の革新に注力している。家具開発の他、資源活用効率を高めるバイオマス発電事業への展開も進行している。
8. 台湾は、オランダ、中国、日本などによって統治された歴史をもつ。近年、エレクトロニクスやIT産業により経済発展を遂げ、国際的な存在感を高めている。<文化創意>を旗印に、古い建造物の公園空間への再利用や廃村から芸術村への再生が、事例として取り上げられている。
地方創生の方向性としては、地域に存在する資源を活用して、新たな付加価値を創成することである。資源には、①漁業、農業、森林業などにおける特産物、②風光明媚な自然環境、③寺社などの歴史的遺産、④芸術村などの革新的建築と個性的生活空間、⑤自然エネルギー利用などの先端技術実験モデル、があるようだ。各地方では、これら各種資源の高付加価値化と他所と差別化を図り、地域の独自性を主張することが必要だろう。また、示された事例の多くは、地方における地域循環型の域内自律経済を目指していることも注目すべきだろう。こうした<輝かしい資源>を手にすれば、観光を始めとして人の地方への招き入れを展開することが可能になる。
著者たちが指摘しているように、地方創生に特効薬的な一般解が存在する訳ではない。僻地の不便さを逆手にとって、田舎の豊かさを感じとる生活は都市空間とは異なる暮らしの在りようを教えてくれる。田舎の隠れ家的生活様式に価値を置く人たちが、新たな地域創生に繋がる可能性を産む。本書が紹介した地域再生事例が、地方創生という問題意識をもつ人たちの新たな道標となることを願う。
7名の共著者たちは、外国滞在経験をもつ建築の専門家である。個別の建造物のみならず、都市空間の設計も研究対象としている。人間が生活する空間としての都市、村落の在り方を考え、衰退しつつある地域再生への方向性を示唆する。このグループが、日本の僻地を再生する具体的計画を立案し、実行することを期待する。<地方創生の夢>が実現する事例を積み重ねれば、日本全体が活性化するという大きな夢に繋がるに違いない。
1. スイス・オーストリアに跨るアルプス地方では、昔から森林資源を活かした木造建築事業が盛んである。近年、先端的な木造建築の技術開発が進められ、エコシステムを導入した木造オフィスが建築されている。木造8階建てのビルが建てられ、20階建てまでの実現可能性を検証している。EUの隣接国との地域交流を活かして、市場を活性化する試みも成功しているという。
2. イタリアは都市国家の伝統があり、小さな村や町の自治体活動が活発という。農村の景観維持を法律化し、観光事業の活性化に努めている。過疎化により発生した空き家を、身近な観光資源と繋ぎ合わせて宿泊施設として再生している。観光事業と伝統的な食文化や地産地消を融合して、過疎化した村の活性化が実現されている。
3. スペインのピレネー南麓はイスラムとキリスト教文化の境界にあり、伝統的な独自の文化を誇っている。スペインの食文化は、日本酒の酒蔵が造られるほどに多様性を許容し、美食追及の伝統は<食科学>という新しい学問領域を産んでいる。そこでは、農業経営手法、安心安全な食べ物、食材と料理法・保存法などが研究されている。食文化を旗印としたグルメ観光都市が造られ、世界シェフ会議が開催されている。
4. ポルトガルのリスボンでは、都市中心部の住環境を改善する再生都市計画が進行中である。また、廃村となった都市近郊の集落を、子供や学生の合宿空間として再生した事例があげられている。無機的な工場群が占拠する企業管理地域に、カフェ、レストラン、本屋、美容室、衣料品店、住居などを誘致し、それらが融合した都市空間を産む試みも行われている。
5. アイルランドでは、深刻な経済危機を克服して、人々の嗜好は豊かな生活を目指す消費活動に向かっている。例えば、食文化については、食材の仕入れ先、料理法などへの興味をもつようになっている。ダブリン郊外にテンプルバーという歴史的遺産と商業施設、住宅が混在する地域があり、観光客や地元民が多く訪れる。ここを芸術活動の中心とすべく、地元の芸術家、各種の個人商店、独創的なレストランなどを誘致した新しい都市空間の開発が行われている。漁港という地の利を利用した海産物グルメの街が紹介されている。食事を楽しむだけでなく、訪問者は当地の料理学校で料理法を体験することもできる。料理学校は専門家が料理を学ぶためのものであるが、宿泊施設、レストランが併設され、広く食文化を堪能したい訪問客にも対応している。
6. スコットランドは、地政学的に欧州の辺境に位置する。ウイスキーのみならず、マックスウエル、ダニエル・ベルを産んだ叡智の故郷でもある。科学技術に加えて芸術の分野においても優れた伝統があり、グラスゴー美術大学の卒業展覧会は、さながら美術業界の人間が有能な学生をリクルートする場であるという。もちろん、ウイスキーを観光資源とする取り組みは有名である。
7. フィンランドは、人口約500万人の森林国家である。材木、製紙業が国の産業を支えてきた。EU加盟を契機としてIT産業に目覚め、経済的発展を遂げている。森林資源の更なる活用を企図して、材木の付加価値を増す製材技術の革新に注力している。家具開発の他、資源活用効率を高めるバイオマス発電事業への展開も進行している。
8. 台湾は、オランダ、中国、日本などによって統治された歴史をもつ。近年、エレクトロニクスやIT産業により経済発展を遂げ、国際的な存在感を高めている。<文化創意>を旗印に、古い建造物の公園空間への再利用や廃村から芸術村への再生が、事例として取り上げられている。
地方創生の方向性としては、地域に存在する資源を活用して、新たな付加価値を創成することである。資源には、①漁業、農業、森林業などにおける特産物、②風光明媚な自然環境、③寺社などの歴史的遺産、④芸術村などの革新的建築と個性的生活空間、⑤自然エネルギー利用などの先端技術実験モデル、があるようだ。各地方では、これら各種資源の高付加価値化と他所と差別化を図り、地域の独自性を主張することが必要だろう。また、示された事例の多くは、地方における地域循環型の域内自律経済を目指していることも注目すべきだろう。こうした<輝かしい資源>を手にすれば、観光を始めとして人の地方への招き入れを展開することが可能になる。
著者たちが指摘しているように、地方創生に特効薬的な一般解が存在する訳ではない。僻地の不便さを逆手にとって、田舎の豊かさを感じとる生活は都市空間とは異なる暮らしの在りようを教えてくれる。田舎の隠れ家的生活様式に価値を置く人たちが、新たな地域創生に繋がる可能性を産む。本書が紹介した地域再生事例が、地方創生という問題意識をもつ人たちの新たな道標となることを願う。
7名の共著者たちは、外国滞在経験をもつ建築の専門家である。個別の建造物のみならず、都市空間の設計も研究対象としている。人間が生活する空間としての都市、村落の在り方を考え、衰退しつつある地域再生への方向性を示唆する。このグループが、日本の僻地を再生する具体的計画を立案し、実行することを期待する。<地方創生の夢>が実現する事例を積み重ねれば、日本全体が活性化するという大きな夢に繋がるに違いない。
2017年6月12日に日本でレビュー済み
「辺境」からのスタートアップという刺激的なタイトルに興味を感じつつも、実際のところ地域創生事業の経済学はほとんど知らないままに読んでみたところ、各地の生活や社会構造、産業がとてもリアルに描写されていて、その地域の人々の息遣いにすっかり引き込まれた。素敵な建築物やガストロミー・ツーリズムの至福も憧れるが、こんな人たちに会って見たいと思わせる事例ばかりで、優れたテーストの人生の楽しみのための旅行書としても参考になる。
まちづくりや地方創生という領域の類書は数多いが、本書では経済的成功例だけでなく、マニアックで信念に支えられつつ奮闘している例や、小規模でも着実に積み上げている例、そして失敗している例までもが多様に収録されていることが特徴だ。「地方創生の本質的な意義は、万人に向けられた特効薬的な一般解を求めるのでなく、百者百様の個別解を求めることにあるからである」と松永は言う。少子高齢化や一次産業の衰退に悩む日本の多くの地方が、補助金に依存して観光事業のまちづくりに挑んでもとかく画一的になりがちで困っているが、この本に取り上げられているヨーロッパやアジアの自立心に満ちた辺境スピリットは、大いに日本の地方創生にとって「他山の石」として参考になるだろう。
まちづくりや地方創生という領域の類書は数多いが、本書では経済的成功例だけでなく、マニアックで信念に支えられつつ奮闘している例や、小規模でも着実に積み上げている例、そして失敗している例までもが多様に収録されていることが特徴だ。「地方創生の本質的な意義は、万人に向けられた特効薬的な一般解を求めるのでなく、百者百様の個別解を求めることにあるからである」と松永は言う。少子高齢化や一次産業の衰退に悩む日本の多くの地方が、補助金に依存して観光事業のまちづくりに挑んでもとかく画一的になりがちで困っているが、この本に取り上げられているヨーロッパやアジアの自立心に満ちた辺境スピリットは、大いに日本の地方創生にとって「他山の石」として参考になるだろう。
2017年7月21日に日本でレビュー済み
本書は松永氏の新潮流シリーズの第4弾。収録されている事例は、スイス・オーストリアのアルプス地方、イタリア国内の各コムーネ、スペインのピレネー南麓地方、ポルトガルのリスボン市内の下町、アイルランド・ダブリン、グラスゴー、フィンランドというように世界各地にわたり、その上、木造建築や空家の利活用によるアルベルコ・ディフーゾ、食によるまちおこしのガストロノミー等など、手法も多岐にわたってバラエティ豊か。決して大都市でもなくいわゆる観光の目玉がなくてもそれぞれの地域には固有の魅力や豊かさ、可能性があり、それを活用できれば町おこしに繋げられると本書は教えてくれる。何より、我が国の地方にも大きな励みを与えてくれるに違いない。
各事例に共通するのは、その地域で生活する住民が立ち上がって町おこしとなった点。決して専門家だけがまちおこしの主人公ではないのである。これまでの著書と同様、分かりやすい文章と共に丁寧に解説され、ガイドブックのような体裁であるため大変読みやすい。今後の町を想う一般の方々におすすめの一冊である。
各事例に共通するのは、その地域で生活する住民が立ち上がって町おこしとなった点。決して専門家だけがまちおこしの主人公ではないのである。これまでの著書と同様、分かりやすい文章と共に丁寧に解説され、ガイドブックのような体裁であるため大変読みやすい。今後の町を想う一般の方々におすすめの一冊である。
2017年6月7日に日本でレビュー済み
2017年5月に学芸出版社より上梓された本書「世界の地方創生」は、「まちづくりの新潮流」(2005)「地域づくりの新潮流」(2007)「リノベーションの新潮流」(2015)に続く、(タイトルに新潮流の文言は入っていないが)紛れもなく「新潮流シリーズ」の新たなる一冊である。
このシリーズはその時点ごとの、大産業に対するいわば中産業の様相の、ツーリズムという方法を通じた報告となっている。
本書においては、1.ツーリズム、2.ガストロノミー、3.木質系産業、4.リノベーションなどがトピックとして、各地にコンカレントな動きとして描かれている。
単なるデータの論述ではなく体験をベースにした記述による本書は、一方でまた現地を実際に訪れる旅へと読者を誘う書物であり、その旅をより深く体験する手がかりとなる一冊である。
このシリーズはその時点ごとの、大産業に対するいわば中産業の様相の、ツーリズムという方法を通じた報告となっている。
本書においては、1.ツーリズム、2.ガストロノミー、3.木質系産業、4.リノベーションなどがトピックとして、各地にコンカレントな動きとして描かれている。
単なるデータの論述ではなく体験をベースにした記述による本書は、一方でまた現地を実際に訪れる旅へと読者を誘う書物であり、その旅をより深く体験する手がかりとなる一冊である。