【本書の構成】 [Lecture 0] 先端脳科学が注目する「脳の休め方」 [Lecture 1] 「疲れない心」を科学的につくるには? ― 脳科学と瞑想のあいだ ・疲れているのは「身体」ではなく「脳」だった!!
・瞑想の「科学的裏づけ」が進んでいる
[Lecture 2] 「疲れやすい人」の脳の習慣 ― 「いま」から目をそらさない ・脳疲労は「過去と未来」から来る─心のストレッチ
・ランチタイムにできる脳の休息法─食事瞑想 …など
[Lecture 3] 「自動操縦」が脳を疲弊させる ― 集中力を高める方法 ・雑念は「自動操縦の心」に忍び込んでくる
・マルチタスクが脳の集中力を下げる …など
[Lecture 4] 脳を洗浄する「睡眠」×「瞑想」 ― やさしさのメッタ ・クスリで「脳の疲れ」は癒せない
・眠りながら「洗浄液」で脳の疲労物質を洗い流す …など
[Lecture 5] 扁桃体は抑えつけるな! ― 疲れをため込まない「不安解消法」 ・「ブリージング・スペース」で緊張感をほぐす
・脳の疲れを防ぐ食事 …など
[Lecture 6] さよなら、モンキーマインド ― こうして雑念は消える ・月に一度は「怠けること」に専念する
・雑念が疲労を呼ぶ─モンキーマインド解消法 …など
[Lecture 7] 「怒りと疲れ」の意外な関係性 ― 「緊急モード」の脳科学 ・「扁桃体ハイジャック」から脳を守れ!!
・脳から来る「衝動」にはRAINで対処 …など
[Lecture 8] レジリエンスの脳科学 ― 瞑想が「折れない心」をつくる ・瞑想が最強のチームをつくる
・苦境でも心の安定を保つエクアニミティ …など
[Lecture 9] 脳から体を治す ― 副交感神経トレーニング ・「競争」が最も脳を疲労させる
・身体をリフレッシュする「ボディスキャン」のやり方 …など
[Lecture 10] 脳には脳の休め方がある ― 人と組織に必要な「やさしさ」 ・幸福の48%は遺伝
・リラックスだけでは「脳の休息」にはならない理由 …など
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
久賀谷/亮
医師(日・米医師免許)/医学博士。広島大学医学部卒業。イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、同大学で臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical(くがやこころのクリニック)」を開業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メディア掲載レビューほか
瞑想で脳を休ませる
しばらく前から「マインドフルネス」という言葉をよく目にする。アメリカのセレブたちがハマっているなんて噂も聞く。久賀谷亮『世界のエリートがやっている最高の休息法』は、タイトルにこそ謳われていないがマインドフルネスの入門書である。著者はアメリカ在住の精神科医。 脳科学の進歩により、脳の各部分がどのような働きをするのか、細かく分かってきた。その結果、ぼんやりしているときでも脳の一部は活発に働いていることが判明した。デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路だ。DMNは脳の消費エネルギーの60~80%を占めているというからすごい。休んだはずなのにすっきりしない、丸一日ぼーっとしていたのに疲れがとれないという理由はこれらしい。 DMNなどというと大げさだが、ようするに気になって頭からはなれないことや心配事。ご飯を食べていても布団に入っていても、どこか心にひっかかっている。このDMNを休ませるのに効果的なのがマインドフルネス、アメリカ式瞑想法なのだという。 本書は2部構成になっていて、第1部は瞑想のやりかた編。ページ数にすると全体の1割にも満たない。瞑想のやりかたは簡単だ。禅の瞑想や内観療法、自律訓練法などと近い。本書の大部分を占める第2部は瞑想と脳科学を題材にした物語で、いわば第1部の応用編だ。 書店ではどこもこの本が積まれ、売り上げ1位になっている店もある。しつこい疲労感に悩んでいる人が多いということなのか。でも、子育てとか老後とか、世の中の不安を減らすのが先決では?
評者:永江朗
(週刊朝日 掲載)
ビジネスマンにリーチして16万部の“マインドフルネス"本
脳は〈何もしていない〉状態でも疲れる。慢性的な疲労感が抜けない原因は、そこにある。日米の医師免許を持ち、25年以上に及ぶ臨床キャリアを誇る著者が、科学的な根拠に基づいた「脳の休め方」=「マインドフルネス」を語った本がヒット中だ。
マインドフルネスへの注目は近年高まっており、書店には類書も多い。その中で本書が特徴的なのは、内容が小説仕立てである点だ。
「ストーリー形式を選んだのは、マインドフルネスを実践することで、どのような変化がビジネスや生活に起こるのか、読者にわかりやすく、具体的に伝えたかったからなんです」(担当編集者の藤田悠さん)
マインドフルネスのメソッド自体はとてもシンプルだ。呼吸や食事、簡単な運動など、目の前の物事に集中することで、脳疲労の原因となる脳の過剰な活動を抑える。日常生活に取り入れやすい方法であることが、物語のおかげで説得力をもって伝わってくる。
瞑想がベースになっているため、ヨガやスピリチュアル系の本と並べて置かれることも多々あるマインドフルネス本。しかし本書は内容はもちろん、タイトルや装丁もビジネス書に寄せた。結果、刊行直後から30代、40代の男性層にリーチ。著者のテレビ出演をきっかけに、女性層や若年層にも読者が広がった。今春にはCDを付属した「実践編」の刊行も予定されている。
評者:前田 久
(週刊文春 2017.2.16号掲載)
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著者について
久賀谷 亮(くがや・あきら M.D. / Ph.D.) 医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。
2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。
脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。
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