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[三遊郭]の三遊郭中編文学集 Ⅱ

三遊郭中編文学集 Ⅱ Kindle版


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Kindle版 (電子書籍), 2018/1/15
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商品の説明

内容紹介

★「雪蟲舞う頃に」
※立ち読み※
雪蟲舞う頃に

第一部

第一章

 ある文豪達に対する応えとして。
 山の麓の潮の香りのする屋根裏部屋。十五畳はあるであろうか。二階建レンガ造りの穏襤褸アパート。この1LDKには洒落た出窓が東西に一対、一方は海に、そしてもう一方は枯れた木々に面してある。僕が住み、そして“俺”と“一羽の僕”が住んでいたこの部屋。
 この私小説はここで展開する。

*  *

 遠くなってしまったような、あの日。二年前。
 黄昏時の春の陽光が、出窓を支点にして部屋の空気を紅色に染め分けていた、あの時、僕はこの紅色の正体が何であるのかに気付き、多少気分を害していた。僕はそれを追い出す為に、然りげなさを装うという態とらしさを彼女の気配に対し演じてみせながら、西の出窓を少しずつ開けていったのだった。
 窓を開けると、そこは一枚の薄っぺらな影絵のようになっていた。それはきっと黄昏時の光のせいだったのであろう…遠くに浮かぶ青函連絡船や、間近に見える洋式の古い墓石達、
 そしてそれらを見て回る観光客にいたる全ての物は、水平線に沈みかけたセピア色の光を背に立体感を無くし、動く影絵のようになっていたのだった。
 “少し観念的に過ぎるな…これは。”と、その時は思った。そして更に…。
 “観念が実在してしまったような男、あるいは女でもいい――自らがそうであると認識した時に見せるあの恥じらい、謙虚さ、そして悲しみ――そんな情緒性が、この情景にあってもいいのじゃないのかな…。”等と相手が単に情景であるという事を良い事にして、気障な事を思ったりもした。
 “他人に対してはこんな事、言えないな。”そう思いつつも、この観念的な美しさを持つ情景にいつしか優しく包み込まれ、現実から遠く引き離されてしまっている自分自身に気付き、自らのこの批評に苦笑した。プラモデルのシンナーを吸っているみたいなものだな。“まあ…どうだっていいか。”いつもの使い古した、そして多少飽き飽きしたこの答えが、その時、僕の身体の起伏に添って後方へ流れていった涼しい潮風と共に、彼女の方へ意識を向かわせていったのだった。

 後を振り返り、話し掛けた。
「いい所ですね」

★「青空の中の太陽の無い罪は」
※立ち読み※
第一部

第一章

 秋風のなかに思う。

 私は彼女を観察しない。そしてその早紀は、私を愛してる。そして父としてとに。愛は早紀を風に、野に、そして太陽に、相察(造語)をしない内に見つめられている。その安全に太陽は、霧にあの子を、奇を、あの子の恥部を――愛と勘違いさせていた。
 あの日の赤飯はこの娘にとって、好きではなかった。

 南仏のオリーブが娘を乾かした。あの次ぎの日に――「向日葵を観ました」と、彼女は乾いた風を訪ねていった。そして荒れた道の埃を――その太陽の中の大陸の流れが、娘の肌を綺綺麗にするわけがない。そしてそれは川の鋼質が多すぎるのだから。
 卵を持った手で、この娘の髪の毛に手を入れた。「何で…。父子なのに」、この娘の質問に…当然を感じた。

 '66年を略いていった。音学の様に生きていた。ホテル・カリフォルニア。

 娘に対して…「貴女の手足が長いのは日本人からかな…それともここの所為」潮騒に乾かした洗濯物を取りながら言った。空は青く、故郷の雪国を――異国を――雲を、思った。
 「何故…」自分に自失した。 

*  *

 地球儀を娘に買って与えた。そして私はそれを指で差して言った。「アルジェに行こう。太陽がまだ、高い所にある」彼女の顔を、太陽の光を手で遮りながら、光に指差した。「お父さん。煙草吸うの?」初めて見せた姿だった。
「ああ」
「二酸化炭素、増えるさ」
「月桂樹がちゃんと葉で光合成する」
「月桂樹だけじゃないよ。オリーブだって」
「ああ。これから本棚を整理するから手伝いなさい」
 娘は煙草を吸う私を喜んで見ていた。

 私は言った。「何歳になったんだ」
「だって、暑い(悪い)のだもの」
 家の中は少しひんやりしていた。(裸足で暮らしてるから)私は両足首に包帯?を巻いているから。娘が来なかった。再度呼ぶと肌着になって姿を現わした。

 私はこの年での不道徳をあまり好きには為れなかった。現代性認識の内にある知覚にこの娘を浸すような真似はさせたくなかった。それが不道徳に連関するような幼児性を――シニスムを――この娘に持たせてはならない。それは聡明である愛と恋人に、真剣であるという父を抱かせない為に…泣いてはいけない。歴史を持たせてはならない。
 何時か貴女も私の探した文庫本をジーンズの後ポケットに入れて持ち歩く。すると真剣な私がいる。そこで笑ってはいけない。そして、貴女は行儀良くしていなければならない。貴女をここに連れ出したのは貴女が下地として綺麗だから、貴女の母がそうであったように。
 後は、知らない。

 アルジェに行こう。ランボオの見た太陽よりも…(昔の恋人)理想の異性か…

 太陽の下に性差があった。私は娘の顔を見た。地中海の風が容赦なく彼女の顔に潮を吹きかけた。母親似? みちのく、という言葉もこの娘は知らないかもしれない。彼女が示す地球儀は何時も南と、パリの方を指していた。


作為的願望論に対する第一節


 何時か見た夢。青函連絡船の春の陽光が月に、ロシア人の夢見心地、出指し恥ずかしさの、働き者だから…この娘にアルジェに行こうと誘った。

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 243 KB
  • 推定ページ数: 104 ページ
  • 出版社: 猫乃電子出版 (2018/1/15)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B0792BS77H
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能): 有効
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
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