本書は、D・M・ディヴァインが1972年に著した本格派ミステリだが、物語に登場する人物たちが、それぞれ一人称で語らせるというすこし変わった手法で書かれている。
プロローグで13歳の少女ジャニスが語り始めるが、この少女が第一の被害者となるから読者は意表をつかれてしまう。
次々に登場する人物たちが語る話を読みながらプロローグへページを戻して読んでみれば、ミステリ読み巧者なら犯人を示す伏線に気が付くだう。 そんなことも知りながらも面白く読み進めたのは、やはりディヴァインの人物描写が巧み(とくに嫌われ者シーリアの独白は秀逸である)だろうと思が、 犯人探しミステリとして少々物足りなさを感じてしまったのも正直な感想である。
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