これは意欲作です。
なぜなら、本書には「知価革命」という用語が一度も出てこないからです。『知価革命』は、1980年代に刊行された堺屋氏のベストセラー。その後の堺屋氏の社会経済評論では必ずと言ってよいほど引き合いに出されてきました。その「知価革命」を(少なくとも表面的には)封印して、新たな視点から時代を語ったのが本書です。
時代の変遷やそれを引き起こす要因を知り、世の中を見る眼を養うのにもってこいの一冊です。ここ何年かの堺屋氏の発言内容をまとめたような内容ですが、新しく聞く話もあり、新作感はあります。もう少しページ数があってもよかったかなとも思いますが、コンパクトにまとまっているといえば、それはそれでよいかもしれません。
本書は堺屋氏が亡くなる前の2018年12月に書き終えていたようで、遺作ですが未完成ではなく、最後まで完成した作品となっています。
三度目の日本 幕末、敗戦、平成を越えて (祥伝社新書) (日本語) 新書 – 2019/4/27
堺屋太一
(著)
-
本の長さ200ページ
-
言語日本語
-
出版社祥伝社
-
発売日2019/4/27
-
ISBN-104396115717
-
ISBN-13978-4396115715
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
令和の日本は「楽しい日本」であるべきだ―。近代一五〇年、この国は時代の転換期を二度、迎えている。幕藩体制が崩壊した明治維新と、国土が焼け野原になった敗戦である。その都度、日本は立ち上がり、「一度目の日本」、「二度目の日本」を創ってきた。しかし平成が幕を閉じ、令和を迎えた日本に、またもや時代の転換期が訪れている。それは東京オリンピックが開催される二〇二〇年(令和二年)に、決定的になるだろう。今まさに私たちは「三度目の日本」を創らなければならない。これからどうなるのか。どうすればよいのか。多くの著作で予測を的中させてきた著者が、未来を生きる日本人に遺した最後の提言。
著者について
1935年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業省入省。日本万国博覧会や沖縄国際海洋博覧会を企画し、実現した。
在職中の1975年、『油断! 』でデビュー。翌年発表した予測小説『団塊の世代』はミリオンセラーとなり、「団塊の世代」の語を世に送り出した。
経済企画庁長官や内閣官房参与などを歴任。その一方で、歴史小説、予測小説、経済・文明評論など多岐にわたる分野で精力的に執筆する。
2019年2月8日、逝去。本書が遺作となる。
在職中の1975年、『油断! 』でデビュー。翌年発表した予測小説『団塊の世代』はミリオンセラーとなり、「団塊の世代」の語を世に送り出した。
経済企画庁長官や内閣官房参与などを歴任。その一方で、歴史小説、予測小説、経済・文明評論など多岐にわたる分野で精力的に執筆する。
2019年2月8日、逝去。本書が遺作となる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
堺屋/太一
1935年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業省入省。日本万国博覧会や沖縄国際海洋博覧会を企画し、実現した。在職中の1975年、『油断!』でデビュー。翌年発表した予測小説『団塊の世代』はミリオンセラーとなり、「団塊の世代」の語を世に送り出した。経済企画庁長官や内閣官房参与などを歴任。その一方で、歴史小説、予測小説、経済・文明評論など多岐にわたる分野で精力的に執筆する。2019年2月8日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1935年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業省入省。日本万国博覧会や沖縄国際海洋博覧会を企画し、実現した。在職中の1975年、『油断!』でデビュー。翌年発表した予測小説『団塊の世代』はミリオンセラーとなり、「団塊の世代」の語を世に送り出した。経済企画庁長官や内閣官房参与などを歴任。その一方で、歴史小説、予測小説、経済・文明評論など多岐にわたる分野で精力的に執筆する。2019年2月8日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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堺屋氏は2019年2月に亡くなるまで、幕末から平成までの歴史を振り返り、2020年以降
の大転換期を迎え、日本が第4次産業革命時代に世界で生き残れるかを考えていた。
2020年は団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、年金や医療費の膨大な社会保障費を
食いつぶして去っていくことになる第3大転換期が到来する。
第1大転換期は黒船がやって来て開国を強いられた江戸時代末期。
第2大転換期は太平洋戦争に敗れた1945年(昭和20年)。
第3大転換期は東京オリンピックが開催される2020年以降に大転換期が始まる。
第四次産業革命の時代はロボット、ドローン、自動運転、ビッグデータという社会変化
が起きるが、まだどのような大変革が起こるか分かっていないという。
だが、一部の先見者たちは未来予想図を描いて多くの本を出版しているが、その人たちの本
に書かれていることも、実際にはその時にならないと分からないということだろうか。
世界的な自然災害、戦争やテロがいつどこで起きるか分からない。だが、将来どんな事業が
発展し、どの業種が衰退するのか、人の消費行動がどうなるか、情報化社会の中で予測する
ことは可能だと思う。
堺屋氏は、未来はロボットが人間の代わりに仕事をしてくれるので、自由時間が増加して、
その後に恐ろしく余暇時間の長い時代が出現するという。
そんなことは誰もが分かっているのだが、「多くの余暇があっても仕事がなくなって生活
できなくなるのではないか」「多くの高齢者を抱えてどうやって生きていくのか」と若者も
年寄りも先行きが不安で仕方ないのだ。
堺屋氏は「未来はこれだ。」というような決定的、具体的な道標は書かれていないが、
ヒントとして現在日本人が失ってしまった「夢と楽しみ」が持てる社会を提言している。
堺屋氏が考えたのは、「人生で何を遺せるか」という発想で、規制緩和で面白い公園を
造るとか、レストランを開放して「1日シェフ」と募集するとか、高層ビルの壁面に
絵画を描く人を募集して、その絵の評価を通行人が投票で決める…等々、ユニークな
アイデアを紹介している。だが、これも多人数の人が取り組めるものではない。
堺屋氏はしきりに規制緩和と多様性を連発しているが、多様な新しいビジネスを考えて、
各自が好きな仕事に就くことができて、豊かな生活が営まれることを目指すしかない。
これだけ、物が溢れかえっている世界で、次に何をやるか、今は物よりも夢を売って商売
をする人も出てきた。様々な規制が緩和されたら、個人が「夢と楽しみ」のために、自分で
見つけるしかないのだと思う。
だけど、私はAIが発展して自由時間が増加しても、低欲求の若者や未来に希望が持てない
中高年層が大勢いることが問題だと思うが、逆に、「低欲求が悪いのか」「夢や希望がない
ことは悪いのか」と聞かれたら何とも言えない。でも、そういう人たちでも、夢は捨てても、
「自分の楽しみ」は見つけていくだろうし、そうしないと、生きていくことが辛くなる。
今回の堺屋氏の著書は不安を煽るばかりで、氏が考えたことも今一つ、大勢の人々がやれる
ことではないし、万人がやりたいことでもない。結局、堺屋氏は沢山の課題を残したままで、
この世を去ってしまわれた。誠に残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
でも、本を読んだ価値は十分にある。氏の提案にヒントを得たり、逆に批判して、
「それより、自分ならこういう方法で日本を変えていこう」とか、様々なアイデアが
生まれるのではないか。今後は皆で知恵を出し合い、多くの人の意見を集めて、政治も
変えていかないと、日本の明るい未来はないと思う。
私は若い世代の人の中に、日本を変えていく勇者が出現すると楽観的に考えているけれど、
中高年者も熟成した知恵を絞りだして、若者と共に考えていかないと、「年寄りは使えない」
と「老害扱い」されてそうだし、死ぬまで頭を使わないと認知症になって若者のお荷物になる。
しかも、自分の食い扶持ぐらいは稼がないと、「重たい老人」になって迷惑をかけてしまうし、
「年寄りも働けるまで頑張って働け」と既に社会はそうなっているし、健康管理も大事だよね。
それでも、運悪く病気になったり認知症になってしまったら、悪いけどもう後は知らないよ~。
「若返りの安い特効薬」を年寄りに配ってくれないと、老体に鞭打って働くのは無理だって!
何だか訳の分からない変なレビューになってしまって、参考にはならないかも知れません。
の大転換期を迎え、日本が第4次産業革命時代に世界で生き残れるかを考えていた。
2020年は団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、年金や医療費の膨大な社会保障費を
食いつぶして去っていくことになる第3大転換期が到来する。
第1大転換期は黒船がやって来て開国を強いられた江戸時代末期。
第2大転換期は太平洋戦争に敗れた1945年(昭和20年)。
第3大転換期は東京オリンピックが開催される2020年以降に大転換期が始まる。
第四次産業革命の時代はロボット、ドローン、自動運転、ビッグデータという社会変化
が起きるが、まだどのような大変革が起こるか分かっていないという。
だが、一部の先見者たちは未来予想図を描いて多くの本を出版しているが、その人たちの本
に書かれていることも、実際にはその時にならないと分からないということだろうか。
世界的な自然災害、戦争やテロがいつどこで起きるか分からない。だが、将来どんな事業が
発展し、どの業種が衰退するのか、人の消費行動がどうなるか、情報化社会の中で予測する
ことは可能だと思う。
堺屋氏は、未来はロボットが人間の代わりに仕事をしてくれるので、自由時間が増加して、
その後に恐ろしく余暇時間の長い時代が出現するという。
そんなことは誰もが分かっているのだが、「多くの余暇があっても仕事がなくなって生活
できなくなるのではないか」「多くの高齢者を抱えてどうやって生きていくのか」と若者も
年寄りも先行きが不安で仕方ないのだ。
堺屋氏は「未来はこれだ。」というような決定的、具体的な道標は書かれていないが、
ヒントとして現在日本人が失ってしまった「夢と楽しみ」が持てる社会を提言している。
堺屋氏が考えたのは、「人生で何を遺せるか」という発想で、規制緩和で面白い公園を
造るとか、レストランを開放して「1日シェフ」と募集するとか、高層ビルの壁面に
絵画を描く人を募集して、その絵の評価を通行人が投票で決める…等々、ユニークな
アイデアを紹介している。だが、これも多人数の人が取り組めるものではない。
堺屋氏はしきりに規制緩和と多様性を連発しているが、多様な新しいビジネスを考えて、
各自が好きな仕事に就くことができて、豊かな生活が営まれることを目指すしかない。
これだけ、物が溢れかえっている世界で、次に何をやるか、今は物よりも夢を売って商売
をする人も出てきた。様々な規制が緩和されたら、個人が「夢と楽しみ」のために、自分で
見つけるしかないのだと思う。
だけど、私はAIが発展して自由時間が増加しても、低欲求の若者や未来に希望が持てない
中高年層が大勢いることが問題だと思うが、逆に、「低欲求が悪いのか」「夢や希望がない
ことは悪いのか」と聞かれたら何とも言えない。でも、そういう人たちでも、夢は捨てても、
「自分の楽しみ」は見つけていくだろうし、そうしないと、生きていくことが辛くなる。
今回の堺屋氏の著書は不安を煽るばかりで、氏が考えたことも今一つ、大勢の人々がやれる
ことではないし、万人がやりたいことでもない。結局、堺屋氏は沢山の課題を残したままで、
この世を去ってしまわれた。誠に残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
でも、本を読んだ価値は十分にある。氏の提案にヒントを得たり、逆に批判して、
「それより、自分ならこういう方法で日本を変えていこう」とか、様々なアイデアが
生まれるのではないか。今後は皆で知恵を出し合い、多くの人の意見を集めて、政治も
変えていかないと、日本の明るい未来はないと思う。
私は若い世代の人の中に、日本を変えていく勇者が出現すると楽観的に考えているけれど、
中高年者も熟成した知恵を絞りだして、若者と共に考えていかないと、「年寄りは使えない」
と「老害扱い」されてそうだし、死ぬまで頭を使わないと認知症になって若者のお荷物になる。
しかも、自分の食い扶持ぐらいは稼がないと、「重たい老人」になって迷惑をかけてしまうし、
「年寄りも働けるまで頑張って働け」と既に社会はそうなっているし、健康管理も大事だよね。
それでも、運悪く病気になったり認知症になってしまったら、悪いけどもう後は知らないよ~。
「若返りの安い特効薬」を年寄りに配ってくれないと、老体に鞭打って働くのは無理だって!
何だか訳の分からない変なレビューになってしまって、参考にはならないかも知れません。
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著者の絶筆。最後は楽しい日本の創造だ。大阪万博への期待で本書を閉じる。だが、著者の考えは少々楽天的な内容だ。学びや上達を楽しむ生活。それは素晴らしい。そこに楽しい未来はあるだろう。しかし、その基盤となる社会保障や高齢化対策には触れていない。なぜこれほどまでに楽観的になれるのか、不思議である。楽しい生活は、著者が実践してきた生活ではないか?
しかし、貧しく収入が低すぎて、学びや上達と無縁な生活をしている人も多い。余裕のある人が学びや上達を楽しめるのだ。倫理観や価値観の前に日々の暮らしがある。著者の考えは、当たり前の日常に触れていない。これではダメだ。
しかし、著者の絶筆に触れたい人にはお勧めの一冊だ。
しかし、貧しく収入が低すぎて、学びや上達と無縁な生活をしている人も多い。余裕のある人が学びや上達を楽しめるのだ。倫理観や価値観の前に日々の暮らしがある。著者の考えは、当たり前の日常に触れていない。これではダメだ。
しかし、著者の絶筆に触れたい人にはお勧めの一冊だ。