「三体」面白い。中国からこれが出るか!
キャッシュレスとか、車の自動販売機とかの話よりも、こちらのほうが衝撃。中国スゲえ。
日本人SF作家が誰もなしえなかったヒューゴー賞の受賞を、劉慈欣が「三体」であっさり実現しているのだけど、読むとむっちゃ分かる。「エンダーのゲーム」を読んだときのような興奮を覚えます。
オバマが夢中になった(逆に言うとトランプは読まなそう)な本書ですが、ナノテクやVR、量子コンピュータなどの背景をモチーフとして使いながらも、新しい形で文明の邂逅を描いている。
ルールが全く異なる世界の生命体を描くところは、ロバート・L・フォワードの「竜の卵」を思い出しました。あそこまでハードではないけども、こちらはこちらで面白い。
SFに限らないかもしれないけども、文化的に昇華された作品ができるためには、ある種のエコシステムがないと無理。
特にハードなSF小説が受け容れられるには一種の「科学主義嗜好」的なものがどうしても必要。
良いSFを書いても、それがないと売れない。
日本のSF小説では、そういうエコシステムが作りきれなかったのが、世界的な評価を受ける作品を出せなかった理由ではなかろうかと思う。日本で近年(?)ヒットしたSFというと、「パラサイトイブ」とか、「新世界より」あたりかと思うけど、どっちかというとSFとしての売り方じゃないし。アニメとゲームにはそういう土壌があるんだけなー。
恐るべきは中国。
シリーズ2100万部は、桁が違う。日本人SF作家も、ターゲットを中国にしたほうが良いんじゃなかろうか。
そういえば、本書を英訳したケン・リュウ(スト2か)も、ヒューゴー賞・ネビュラ賞のダブルクラウンらしい。
やっぱりエコシステムできてる!
SFなんでネタバレになるし、本筋は読めばいいと思うのですが、この本を読んで、自分の中の中国に変化が生じたことが二つ。
中国社会では、文化大革命は、もっとタブーなものなのだと思っていたけども、本書を読むと、冷静に見つめられる過去の事件となっていること。
社会としてのメタ認知が上がっている。
もう一つは、基礎研究への憧憬、重要さが描かれていること。
これが一般の人の理解として得られる社会は、技術発展していく。応用研究との違いを理解しているだけでも尊い。
こういう本が売れているというところに、中国社会の未来への前向きさを感じました。
いろいろと矛盾の中でももがいているんでしょうけども、このエネルギーは強い。
続編早く読みたい。オススメです。
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三体 Kindle版
劉 慈欣
(著)
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言語日本語
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出版社早川書房
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発売日2019/7/4
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ファイルサイズ1202 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。
--このテキストは、hardcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
劉/慈欣
1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。『三体』が、2006年から中国のSF雑誌“科幻世界”に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)で2100万部以上を売り上げた。中国のみならず世界的にも評価され、2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が行刊。2015年、翻訳書として、またアジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。また、原作短篇「さまよえる地球」が『流転の地球』として映画化、春節中の中国での興行収入が3億ドル(約330億円)に達したと報じられた。今もっとも注目すべき作家のひとりである
大森/望
1961年生、京都大学文学部卒。翻訳家・書評家。訳書多数
光吉/さくら
翻訳家、訳書多数
ワン/チャイ
翻訳家、訳書
立原/透耶
1969年生、作家・翻訳家。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、hardcover版に関連付けられています。
1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。『三体』が、2006年から中国のSF雑誌“科幻世界”に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)で2100万部以上を売り上げた。中国のみならず世界的にも評価され、2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が行刊。2015年、翻訳書として、またアジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。また、原作短篇「さまよえる地球」が『流転の地球』として映画化、春節中の中国での興行収入が3億ドル(約330億円)に達したと報じられた。今もっとも注目すべき作家のひとりである
大森/望
1961年生、京都大学文学部卒。翻訳家・書評家。訳書多数
光吉/さくら
翻訳家、訳書多数
ワン/チャイ
翻訳家、訳書
立原/透耶
1969年生、作家・翻訳家。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、hardcover版に関連付けられています。
著者について
1968年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。『三体』が、2006年から中国のSF雑誌《科幻世界》に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。中国全土のみならず世界的にも評価され、2015年、翻訳書として、またアジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。今もっとも注目すべき作家のひとりである。
--このテキストは、hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07TS9XTSD
- 出版社 : 早川書房 (2019/7/4)
- 発売日 : 2019/7/4
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1202 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 454ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,303位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- カスタマーレビュー:
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2019年7月17日に日本でレビュー済み
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"『でもな、おれは究極の法則をひとつ発見したぜ』(中略)『不可思議な出来事には必ず裏がある』2008年発刊、2019年国内紹介された【アジア人初のヒュゴー賞受賞作】である本書は、異星文明との接触を壮大なスケールで描くハイブリッドSF三部作の第一部として読みやすく、また続きが気になって仕方ない。
個人的には、バラク・オバマ前アメリカ合衆国大統領や、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグをはじめとする【全世界の知識人が愛読】という前評判や、アーサー・C・クラークの影響を受けた"所謂、祖国を守る的なプロパガンダ作品ではない"【本格SF】という触れ込みにオールドSFファンとして発刊を心待ちにしていた事から、発売後に飛びつく様にして本書を手にとりました。
さて、そんな本書は訳者あとがきにもある様に派手なアクション展開の戦争ものと違って、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』やジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』を彷彿とさせる(オールドアニメファンにはイデオンでも可)【どこか懐かしい感覚】で、天体力学問題『三体問題』から拝借した設定で【もし三重太陽を持つ惑星に文明が生まれたら?】を異星文明との接触ものとしてミステリーやエンタメ風味で描いているのですが。
まず印象に残ったのは、SFならではのオーパーツ的ギミックに安易に頼らない、現実の中国の歴史と織り合わせた【ストーリーテラーの確かさ】そして欧米作家によりステレオタイプ的に描かれがちだったアジア、あるいは中国人物像とは違った【洗練されたキャラクター設定】でした。なのでナノテクとかVRとかが登場しても、また本書の舞台の多くが中国国内だとしても。そういった【時事ネタや地域性に依らない】普遍的な物語的楽しさを純粋に感じる事が出来ました。(これは著者自身が『SFファン上がりのSF作家として、わたしは、小説を利用して現実社会を批判するつもりはない』と述べていることから意図的と思われます)
一方で、これまで中国にゆかりのあるSF作家としては中国系アメリカ人として2012年に『紙の動物園』(この作品も素晴らしい)でネビュラ賞とヒューゴー賞と世界幻想文学大賞の短編部門で受賞、史上初の三冠を達成した、ケン・リュウの作品しか読んだことはなかったのですが。本書が世界的に知られる様になった要因の一つとして、まさにそのケン・リュウによる【中国の長編SFとして初となる英訳】作業があったことを知り、こうした作家達の活動をキッカケに世界的にアジアの認知度が上がっていくであろう近未来を想像し【同じアジア人の一人として】素直に嬉しく思いました。とりあえず?続編を早く読みたい。
ギミックや設定に依らないスケールの大きな本格SF好きな誰か、あるいはオールド名作SFファンの誰かにオススメ。
個人的には、バラク・オバマ前アメリカ合衆国大統領や、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグをはじめとする【全世界の知識人が愛読】という前評判や、アーサー・C・クラークの影響を受けた"所謂、祖国を守る的なプロパガンダ作品ではない"【本格SF】という触れ込みにオールドSFファンとして発刊を心待ちにしていた事から、発売後に飛びつく様にして本書を手にとりました。
さて、そんな本書は訳者あとがきにもある様に派手なアクション展開の戦争ものと違って、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』やジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』を彷彿とさせる(オールドアニメファンにはイデオンでも可)【どこか懐かしい感覚】で、天体力学問題『三体問題』から拝借した設定で【もし三重太陽を持つ惑星に文明が生まれたら?】を異星文明との接触ものとしてミステリーやエンタメ風味で描いているのですが。
まず印象に残ったのは、SFならではのオーパーツ的ギミックに安易に頼らない、現実の中国の歴史と織り合わせた【ストーリーテラーの確かさ】そして欧米作家によりステレオタイプ的に描かれがちだったアジア、あるいは中国人物像とは違った【洗練されたキャラクター設定】でした。なのでナノテクとかVRとかが登場しても、また本書の舞台の多くが中国国内だとしても。そういった【時事ネタや地域性に依らない】普遍的な物語的楽しさを純粋に感じる事が出来ました。(これは著者自身が『SFファン上がりのSF作家として、わたしは、小説を利用して現実社会を批判するつもりはない』と述べていることから意図的と思われます)
一方で、これまで中国にゆかりのあるSF作家としては中国系アメリカ人として2012年に『紙の動物園』(この作品も素晴らしい)でネビュラ賞とヒューゴー賞と世界幻想文学大賞の短編部門で受賞、史上初の三冠を達成した、ケン・リュウの作品しか読んだことはなかったのですが。本書が世界的に知られる様になった要因の一つとして、まさにそのケン・リュウによる【中国の長編SFとして初となる英訳】作業があったことを知り、こうした作家達の活動をキッカケに世界的にアジアの認知度が上がっていくであろう近未来を想像し【同じアジア人の一人として】素直に嬉しく思いました。とりあえず?続編を早く読みたい。
ギミックや設定に依らないスケールの大きな本格SF好きな誰か、あるいはオールド名作SFファンの誰かにオススメ。
2019年7月9日に日本でレビュー済み
中国で2100万部売れたSF三部作の一作目。
アメリカの「ヒューゴー賞」という歴史ある賞をを受賞した作品です。
翻訳書としては初めての受賞で、当時アメリカの読書家では話題になったそうです。
私はヒューゴー賞がどれほど凄いのか分かりませんでしたし、早川書房の売出しや友人のプッシュが凄かったので「そんなにハードル上げて大丈夫?」と思いながら読み始めました。
結果、ジャンプすることもなく軽く飛び越えられました。すみませんでした。
中国の小説というと歴史?なんて想像するかもしれませんが、完璧にSF作品ですので苦手な方はご注意下さい。
こりゃ映像化間違いなしですよ。むしろなんでまだ映像化してないの?っていうレベル。
それくらいSF。だから映像化できないのかもしれない。
ほんとすき。
三体-2008年1月出版
三体II-2008年5月出版
三体III-2010年11月出版
中国では既に完結済みなので、早川書房さんには翻訳を頑張ってもらいたい!!
早く!早く続きが読みたい!!
読み終えた人はきっと私と同じ気持ちだと思います!
アメリカの「ヒューゴー賞」という歴史ある賞をを受賞した作品です。
翻訳書としては初めての受賞で、当時アメリカの読書家では話題になったそうです。
私はヒューゴー賞がどれほど凄いのか分かりませんでしたし、早川書房の売出しや友人のプッシュが凄かったので「そんなにハードル上げて大丈夫?」と思いながら読み始めました。
結果、ジャンプすることもなく軽く飛び越えられました。すみませんでした。
中国の小説というと歴史?なんて想像するかもしれませんが、完璧にSF作品ですので苦手な方はご注意下さい。
こりゃ映像化間違いなしですよ。むしろなんでまだ映像化してないの?っていうレベル。
それくらいSF。だから映像化できないのかもしれない。
ほんとすき。
三体-2008年1月出版
三体II-2008年5月出版
三体III-2010年11月出版
中国では既に完結済みなので、早川書房さんには翻訳を頑張ってもらいたい!!
早く!早く続きが読みたい!!
読み終えた人はきっと私と同じ気持ちだと思います!
2019年7月6日に日本でレビュー済み
中国語原書、英語版に続けて日本語版も拝読しました。
原書には日本人にはすんなり理解しにくい箇所が多々あり訳者の方は大変苦労されただろうな……と思いますが、その甲斐あって読みやすく、人の想いの重さを感じさせつつもストレートに楽しめるエンターテインメント作品となっております。
=== 以下ネタバレを含みます ===
一つ残念に思ったのが、三部作全体を通して鍵となる「智子」で、智慧を持った陽子だから智子(ちし、ソフォン)なのですが、これに日本人女性の名前がつけられているのには物語上でっかい意味があるのでルビがちと苦しいかなと。
読みやすくありますし、ここは訳者の方も苦しまれた点だと思います。英語版にてSophonと訳したKen Liuもきっと苦しく思ったに違いないのです。
原書には日本人にはすんなり理解しにくい箇所が多々あり訳者の方は大変苦労されただろうな……と思いますが、その甲斐あって読みやすく、人の想いの重さを感じさせつつもストレートに楽しめるエンターテインメント作品となっております。
=== 以下ネタバレを含みます ===
一つ残念に思ったのが、三部作全体を通して鍵となる「智子」で、智慧を持った陽子だから智子(ちし、ソフォン)なのですが、これに日本人女性の名前がつけられているのには物語上でっかい意味があるのでルビがちと苦しいかなと。
読みやすくありますし、ここは訳者の方も苦しまれた点だと思います。英語版にてSophonと訳したKen Liuもきっと苦しく思ったに違いないのです。