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[大江健三郎]の万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)
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万延元年のフットボール (講談社文芸文庫) Kindle版

5つ星のうち 4.4 34件のカスタマーレビュー

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商品の説明

受賞歴

第3回(1967年) 谷崎潤一郎賞受賞

内容紹介

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 706 KB
  • 紙の本の長さ: 262 ページ
  • 出版社: 講談社 (1988/4/10)
  • 販売: 株式会社 講談社
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00GY19N66
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4 34件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: Kindleストア 有料タイトル - 11,752位 (Kindleストア 有料タイトルの売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫 Amazonで購入
 大江健三郎の代表作である。
 故郷をもたないものの聖典である。
 冒頭から、異様な雰囲気と、異常な文章の連続で、読者は混乱するであろうが、全体的な文學的構造は、さほど、複雑ではない。主人公たちの名前が、翻訳家の《根所蜜三郎》、蜜三郎の愛妻でアルコール中毒の《根所菜採子》、蜜三郎の実弟であり、左翼運動に蹉跌して右翼に転向した《根所鷹四》、というように、三人とも《根所》という苗字であることからも、三者三様に、《根っこの場所》=《故郷》を冀求する物語であることが察知される。
 冒頭で、主人公である蜜三郎は、自宅界隈に穿鑿された、貯水装置用の空洞に蟄居して、《世界は存在しない》という《期待》に裏切られる。本作の主題が、《アイデンティティの喪失》および《アイデンティティの根源である故郷の喪失》であることが予告されることになる。蜜三郎が空洞に逼塞していたのは、精神に障碍をきたして療養していた翻訳家の友人が、暗澹たる自殺をしたことかららしい。蜜三郎が、翻訳を生業としていたのも、主題にかんがみれば、《世界を自分なりに解釈=翻訳する》という、《現実の世界の否定》と《自分の世界の渇望》という、故郷の問題に帰着するのかもしれない。本作が、現代の日本を舞台としながらも、摩訶不思議なる異国の風景を描破しているような雰囲気に囲繞されているのも、《蜜三郎の翻訳した日本像》とみれば
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形式: 単行本 Amazonで購入
何十年も前にこんな凄い小説が書かれていたことに驚きですね。全編にわたって張りつめた緊張感。大江健三郎のなかではこれと『叫び声』が断トツに好き。
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形式: 文庫
題名にある「フットボール」という語句の印象で、軽い感じのエッセイ的な内容を思い浮かべてしまうと
打ちのめされてしまうかもしれない。

今でこそ表向き自由な印象を持たれるようになった日本人だが、その根底には暗く湿って閉ざされた、
何か別の得体の知れない、そして断ち切れない何かが脈々と受け継がれているようにこの本を読んで思う。

この作品の舞台は大江の生まれ育った故郷の「谷」だ。
大江が、一連の作品に故郷を思わせる場面や息子の光氏との関係を思わせる場面を描く事に、
自分を売り物にしていると批判する方もいる。

だが、私は違うと思う。

うまく言えないが、私たちも皆、日々「自分」というものを描いている私小説作家であると思う。
この世に生を受けた苦しみや羞かしさの中に少しでも喜びを見い出そうとしながら、いつか、
何か得体の知れないものに褒められることを期待しつつ…

大江が、彼の作品を通じてそれらをさらけ出し、考えさせてくれることに、私は心が解き放たれる気がする。
私にとってはそんな作品である。
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形式: 文庫
近年、大江健三郎という単語から彼の作品群を連想する人は多くはなく、政治的思想に関する意見が殆どを占めるであろうが、それは実に勿体無い事である。
「万延元年のフットボール」は、”故郷”という文学の世界で古来から幾度も追究されてきた人類永遠のテーマを基盤とし、障害を持った子供を産んだという彼自身の生涯に重大な体験を織り交ぜ、さらには万延元年の一揆と現代の個人店と巨大市場における社会的問題を重ね、純文学らしく芸術的かつ、娯楽性に富んで書かれた、近年稀に見る傑作であると言えよう。
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投稿者 dream 投稿日 2015/11/14
形式: 文庫
きっかけがなければ、一生読まなかったかもしれないー。
読書会仲間のおじさまが、「読書会で読むことによって理解の幅が広がるかもしれない、
今読んでおかないと心残りになる。」とまでおっしゃるので、読んでみた。

実は、10代で大江氏の他の本に挑戦したのだが、独特の文体に馴染めずに
放り出してしまい、氏の本はそれまでに1冊も読んだことがなかったのだ。
今回も、冒頭の一文を見た途端に、読書心がひるんでしまったのだが、
今回は我慢に我慢を重ねて、意味が頭に入ってくるまで何度も同じ文章を目で追った。
するとふしぎなことに、頭(脳?!)が慣れてきて、外国語の直訳体のような氏の文章の言い回しが
気にならなくなり、かえって一定のリズムを伴いながら迫力を持って迫ってくるようになってきた。

一旦このリズムに引き込まれると、止まらない。読むスピードは加速していき、ページを繰るのももどかしい。
話の展開に自分の理解がついていかなくなって、慌てて前のページに戻ったりする。
ミステリー本ではよくあることだが、純文学然とした本書でも起こるとは、正直思わなかった。
登場人物は皆心に何かを抱えている人たちで、ギリギリのところで保っている状態。
舞台となる土地柄は、閉塞
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