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アパシー学校であった怖い話1995月下美人の章第一巻

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登録情報

Is Discontinued By Manufacturer : いいえ
梱包サイズ : 19 x 13.4 x 1.6 cm; 100 g
製造元リファレンス : GB1-000
メディア形式 : CD-ROM
販売元 : 七転び八転がり
ASIN : B07MVVFG8R

Amazon 売れ筋ランキング: - 4,297位PCソフト (の売れ筋ランキングを見るPCソフト)
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Amazon カスタマー

Amazonさんは発送が早いので不安がないです

2019年4月30日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

子供にせがまれて買ってやりました。届いたときとても喜んでいました。きれいに本棚にこのシリーズが整理されています。まだまだ買うつもりみたいですね(^o^)。また、購入の際はよろしくお願いします。ありがとうございました

2019年2月25日に日本でレビュー済み

『小学校であった怖い話　月曜日』『学校であった怖い話2008　Vol.1』に続き、2018年の最後に「七転び八転がり」よりリリースされた「学校であった怖い話」を冠するタイトルです。
上記二作品はダウンロード専用でありパッケージ化は現状されていませんが、本作は「1995」の年代を冠すること、後述のテーマを広く頒布したい都合もあってか両面立てでの販売となります。

『新生学怖』の再始動以来、より仄暗い雰囲気に舵を切った「学校であった怖い話」、監督はご存知飯島多紀哉、再度封切りと参りましょう。
お馴染み六人の語り部と新聞部の三人（坂上修一・倉田恵美・日野貞夫）をご覧あれ。

今回も飯島多紀哉氏の手による全文書き下ろし。
一年以上前からKindke用に温めていたプロットを氏のプラットホーム「ゲーム」に向けたノベルとして構成し、世へ送り出します。

今回のメインモチーフは初代SFC版で金字塔となったシナリオ「殺人クラブ」……ではなく初代でお蔵入りとなった幻のシナリオ「逆殺人クラブ」。
主人公が殺人鬼となり、語り部たちを殺していくという展開は当時のゲーム倫理規定が許さなかったらしく、原作者の心残りとしても最も大きかったのか、後世にその片鱗を「アパシー・シリーズ」に宿しつつもそのものを書くことはついぞありませんでした。

けれど、遂にその時がやってきます。パッケージはあまりに美しいのだけれど、ゲームを起動した瞬間からオールドファン向けの演出が待っています。
あの禍々しさは二十年余りを経て健在でした。部屋に置くには愛おしくも忌まわしい、と表すのはいささか大仰かもしれませんが。
どこか荒れたフォントの縦書き、あの並び、いずれもかつてを思い出すには十分でしょう。

時に、六人と一人、語りを終えるころには逢魔ヶ時を越えて夜の帳がとうに降ろされている頃合いであることが多かったようですね。
三分冊の一冊目たるこのソフトも、収録するのは二人分とは言えど実に濃密な時間が体験できると思います。

一夜で咲いて枯れる伝説の持ち主「月下美人の花」。
なぜこの言葉を選んだかを真の意味で悟るのは、次以降になりそうですが、今は各話について感想を書いていくことにします。

細田友晴「地獄屋敷」：我慢クラブ

プロローグや設定からして少々変則的な構成になっている「月下美人の章」ですが、語り部毎の区切りや公式からタイトルのアナウンスははなされているので安心です。
一人目は太っていることでおなじみの彼ですね。

今回は「怖い話」でなく「部活動の紹介」を行うという名目で集められた六人の語り部たちなんですが、細田さんの場合は過去の作品にも登場した「我慢クラブ」。
とは言え、名は体を成すを地でいく活動内容が同じなだけで、知っている人こそ逆に驚かされると思います。
まず、あの人の印象がそれこそ別人と言っていいほどに大きく違います。

それと、毎回同じに見えて方向性が実は結構違う細田さんの語りなんですが、この話ではフレンドリーでにこやかな態度でありながら劣等感と妙な自信が不自然に同居しています。

人柄か、ユーモラスで自虐もギャグに転じさせる話術を持ちつつも……。
パッと見普通な中に、普通の人だから持つ悪意を知らないうちにこの人と共有してしまい、気づいた時はもう遅い、細田さんがニンマリ笑って肩を組んでます。

あと、別のサプライズなんですがこれまた過去に登場した「及川由紀」が話を引っ張りまくります。
この手の心霊スポットに突撃するにはこの手の性格悪い人（精一杯オブラートに包んだ表現）が必須なのかもしれませんが、この人長生きするよ、と末路を知っているはずなのにつくづくも思いました。
お近づきには絶対なりたくないけど、なんか好きです。

で、なぜか肝試しをする羽目になった心霊スポット「地獄屋敷」なんですが、これまた直前の作品で既出のハズなのに演出込みでめちゃくちゃ怖かったです。
作中で語られている来歴は詳細ですが、「中で何が起こったか？」という核心部分が抜け落ちているもので、それでいてなんとなく全貌を掴み切れなくもないなと思うんです。
けれど、これは知ってはいけないなにかだと本能がブレーキを掛けるんで、これってホラーのお手本ですね。
情報が増えたからこそ謎が増えたぞ……。

荒井昭二「蝶の道」：昆虫研究会

二人目は荒井さんです。
近年の荒井さんの話は本人が蘊蓄好きで衒学を語りまくるという性質もあってか長くなっていく傾向にあるのですが、今回も長いです。

けれど、それ以上に圧巻の思いに浸れると思います。
『新生学怖』の「牧場綺譚」、『特別編』の「正しいフィギュアの作り方」、『Apathy応援本』の「熟れ過ぎた果実の香り」などに続き、またしても荒井さんに代表作が！　と思うと彼の引き出しの多さに思わず目を見開いてしまうようです。

好奇心以外の感情をどこか置き去りにしたうつむきがちな少年、荒井昭二が一時であれ前を見たのかもしれません。
傍から見てどんなに満ち足りているように思えても、恋というには、どこか足りないのかもしれません。

……大筋を書くつもりはありませんし、また書ける気もしませんが。
けれど「昆虫研究会」を舞台に虫の生態を人のそれと重ね合わせつつ、夢を見たのか魂を震わせたのかすらあやふやな結末が恐ろしいほどに美しかったです。

極端に美しい人も、極端に醜い人も、どこか恐ろしいと相場が決まっていますが、今回のお相手である「真鍋ライカ」さんがそういった「美醜」を超越したと考えると、こんな物語見たことない！　って断言したいのです。

個々の材料はありふれたものかもしれませんが、人も蝶も材料は同じでしょう？　泥と玉を比べるのも野暮です。
無慈悲なまでに描写されたライカさんの容姿が、荒井さんの目を通して追いかけていくうちに印象をそのままに、新たな印象を上乗せしていく、それは彼女がいかに豊かな人間性を持っているかの証明のようでした。

本当に素晴らしかった。

そして、語りが一旦終わりを迎えた後、あえて語らずに眠らせることもできた舞台裏のおぞましさも心をえぐるものでした。
稚拙で、どうしようもなさすぎて意味としては理解できるけれど、絶対に踏み入りたくないそんな狂気がありました。

本当に浅はかでどうしようもないんですよ。
物語の悪役だったら鼻で笑ってしまうくらい、ちっぽけでくだらない人間。
なんでここまで心に響いたかはわからないんですが、後にはどうしようもない虚無感が残りました。

で、この二段構成に追い打ちをかけるように荒井さんの内心が語られるのですが、話を台無しにしつつも自然と受け入れられるものでした。
この経験をしたから狂ってしまったのか、それとも狂っていたからこそ経験できたのかはわかりませんが。

そして、冒頭で早速引き返せないところに向かっただろう主人公「坂上修一」との間に不穏なやり取りを繰り広げます。　
個々の話の合間に、坂上修一が絡んでいくというのは構成上、特筆すべき点のようです。
それとあえてレビューでは触れませんでしたが、この作品は「逆殺人クラブ」の他にもうひとつ不穏な軸が存在します。そしてその対立が波乱を生むのでしょうが、その辺りは控えて筆を置くことにいたします。

補足しますとレビューの途中、既存キャラが登場していると書きましたが、本シリーズは独立性が高いのでどちらを先に遊んでも大丈夫ですよ。

ただ、追記しておきますと今回は制作秘話をエッセイという形でゲームクリア後に見ることが出来ます。
『新生学怖』の内容も含まれているので初見の方はご注意ください。
私が語るべきとうぬぼれそうなところは大体原作者飯島先生自身の筆で綴られています。どうかお楽しみくださいませ。

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