川口春奈さん, 山﨑賢人くん、お二人ともに役柄と合って、とても良かったと思います。
Orangeの賢人くんもよかったけど、この物語の中で藤宮香織という少女に心惹かれ、「問題を抱えた彼女」の真実の姿を知ったあとも、「僕と友達になってください」とひたすらに誠意に満ちたアプローチを繰り返す長谷祐樹の姿は、私が愛するチャップリンの名画「街の灯」の中で貧しいチャーリーが盲目の花売り娘のヴァージニアに捧げる献身を思い出させてくれて、賢人くんを観ながら涙ぐんでしまいました。小男のチャーリーと違って賢人くんは背が高いですが、二人ともハンサムでスマートなところが共通点ですね。
二つの映画はラストのメソッドは異なるものの、「街の灯」のラストシーンでは チャーリーが与えた大金で手術をし、目が見えるようになった花売り娘が 自分のフラワーショップの前で子供にからかわれる尾羽打ち枯らした浮浪者にコインを恵もうと、彼の手を握ったとたんに自分の大恩人の手だと気づく娘の驚いた表情から はにかむようなチャーリーのアップとなっていましたが、 本作「一週間フレンズ」のラストでは図書室の誰も読むはずのなかった分厚いだけの書籍にパラパラ漫画として記憶された自分の失った足跡を見つけた香織。その作家は孤独だった自分を支え続けてくれていた少年であり、長谷くんだったと気づいた香織を私達観客に見せてくれ、恍惚感を味合わせてくれるのが嬉しいですね。
賢人君が演じる長谷君の「彼女さえ幸せになるなら自分はどうなってもいいのさ」という明るい開き直りや、一生懸命さがひるがえって滑稽さに見えることの哀しみさえも見事に表現してくれた賢人くんの演技に、私は大いに心を揺さぶられました。
男女二人が手を取り合い、微笑んで見つめ合うラストは「街の灯」よりも微笑ましくて、私に詩的充実感を与えてくれました。