Vee-Jay Records を紹介するCDです。
1966年に破産するまでシカゴを拠点に10年以上の間、黒人音楽(ブルース、ゴスペル、R&B,ジャズ、DooWapなどなど)を中心に良質の音楽をリリースし続けたレコード会社のようです。
例えるならば、"裏アトランティック"?といった性格の音源ではありますが、ロックンロールが誕生する変遷期に黒人音楽、ポピュラー音楽に重要な貢献をしたレーベルといえるのではないでしょうか?
弱小レーベルのせいで契約ミュージシャン、大手レコード会社との軋轢、圧力、権利、金銭問題などであえなく倒産してしまったようです。
ピーターバラカン氏選曲で、ライナーノーツにも詳しい解説があるのでぜひ買って読んでみてください^^
では、肝心の内容です。
2枚組、Disc1は28曲、Disc2は25曲と贅沢な内容です。
先にも書いたように弱小レーベルなため、出直しのリトルリチャード、若かりし頃のグラディスナイト、ジェリーバトラー、ステイプルシンガーズ、ジミーリード、フラミンゴス、スパニエルズ、ビリープレストン(インストもの粋です^^)、ジョンリーフッカー、エルモアジェームスなどなど…有名人たちの駆け出し時期の音源が多くを占めているようです。
Disc1は、「アメリカングラフィティ」??といわんばかりのオールディーズな選曲がなされておりゴキゲンそのものです。
Disc2は、ブルース、ゴスペルを中心とした選曲ですが、黒い音を存分に堪能できます。
私的な掘り出しものは、Disc2、M-22の「I'm a Soldier」でしょうか?ゴスペルがR&Bに昇華する瞬間、ドキドキします。
Disc1と2とも、最後の1曲はエディハリスのジャズ曲で終わります。これがまた良いアクセントになっておりなかなか和みます。延々スイングジャズで酔いしれていたい、そんな気分になりました。
そういえば、わたしのCDコレクションの中にもVee-Jayのものが2枚ありました。
エディハリスの「Exodas」と若き日のリーモーガン「Expoobident」です。
Vee-Jayのロゴマークにインパクトがありかねがね気にはなっていましたが、不遇を強いられたレコード会社だったんですね。
音楽資料的な性格のCDでもありましたが、良い音楽は人類の財産でもあり人々の記憶に残さなくていけません。そんなことをふと考えてしまいました。