例えば、ギョロの同調圧力発言や、冒険話のなかで何気に出てきた言語の通じる境界線や、剣の「不」必要性、コーデリアの性別違和の問題などなど、大勢の読者が発芽させ、丹念に育てれば、ヴィンランドではないが新しい世界があるいは拓けるのではないだろうか。特に、平和を、「法律と、軍団を備えた民会」によって求めるのではなく、「取り引きと依存」によって目指すというトルフィンの発想は、この先物語が進むにつれ、深まっていき、何か途轍もないものに変貌する可能性さえありそうな気がする。
また、雑学方面の掘り下げという点においても実りある巻になる予感がする。一例を上げれば、ハーフダンの「このアイスランドにゃ切り拓いて畑にできるような肥沃な土地はどこにもねぇ」という台詞。24巻も読み進めておいて今更無知すぎるかもしれないが、私の知識にはない内容であった。なぜならアイスランドは肥沃な土地だったために、侵略を警戒してわざと魅力のない名前が付けられた(グリーンランドはその逆)、と思っていたからだ。今夜仕事が終わったら、早速調べてみることにしよう。このワクワク感がたまらない。
それにしても、トルフィンの精神的成長には目を見張るものがあった。昔から彼を苛んでいた悪夢を口に出せるようになったし、剣との訣別も、固い信念を持って成そうとしている。これは凄いことである。我々の住む世界とは、価値観も道徳観もまったく違う世界の話であるからだ。ここら辺も掘り下げて考察すれば面白い答えが出そうな気がする。
いよいよトルフィンの率いる一行がヴィンランドに向けて出港する。彼の厳しい表情には、皆を幸せにするという固い決意が滲んでいた。彼を待ち受けるであろう様々な困難とその克服を思うとき、我々もまた、彼とともに新たな境地に立てる予感を抱くのである。次巻を楽しみにしている!
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ヴィンランド・サガ(24) (アフタヌーンコミックス) Kindle版
-
言語日本語
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出版社講談社
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発売日2020/10/23
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ファイルサイズ101580 KB
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カスタマーレビュー
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2020年10月23日に日本でレビュー済み
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漫画としては満点。言うことなし。
「命がけの非戦」というテーマが重く課せられているこの漫画…。
今の所、トルフィンの主張は「ややお花畑」です。
彼の今までの経緯から、そのお花畑に至るまでの覚悟は本物であるので、そこに重みはあります。
本巻最後の彼の険しい表情にも「重さ」が現れています。
「戦わないこと」でどうやって身を守るのか。
ハーフダンは言葉も通じ、リーダーとしての厳しさも、商人としての理も人としての優しさも持ち合わせている人物でした。
法律や民会によってトルフィンを斬らなかったというハーフダン。
共依存・経済的共生によって斬られなかったと考えたトルフィン。
でも、それもこれもハーフダンさんが理性的な人間であったからこそ。
相手が 話の通じない輩・優しさを持ち合わせていない輩 であったのなら…
互いに依存関係になったとしても、「そんなことよりも武力で相手を支配下に収めれば旨味を吸い上げ放題だ」と考える人間が必ず現れます。
残念ながら非戦は素晴らしくて尊いものではありません。
流行りの言葉を使うなら「生殺与奪の権利を他人に渡す」事なのです。
他人の良識や価値観や感情に自分・家族・仲間・大切な人の命を委ねる事に他なりません。
もし非戦こそが世界を救うなら、この物語の最初でトールズは死ぬことなくトルフィンを助け、今も仲良く親子で平和な世界を作っているはずなのです。
例えば──この先トルフィンが、今度は自分自身の息子を敵に捕らわれた状況に陥ったとして、
「俺はどうなってもいいから息子は助けてくれ」と言って素直に斬り殺されるのだとしたら、物語は1歩も進まなかったことになります。
(トルフィンの高潔な覚悟を湛えた濁りのない瞳力を見て、すべての敵が理性的な人間になった、みたいな反則技は、この漫画では起こり得ないでしょう)
史実における“トルフィン”達のヴィンランド開拓は、原住民との紛争となり、失敗に終わります。
はたして、非戦を美化することはなく。実現せずとも絶望せず。
非戦による平和とは、実現し難い夢物語だが、命をかけて追い求める価値があるのだと、そんなメッセージを残す終わり方となるのでしょうか…。
それとも…?
「命がけの非戦」というテーマが重く課せられているこの漫画…。
今の所、トルフィンの主張は「ややお花畑」です。
彼の今までの経緯から、そのお花畑に至るまでの覚悟は本物であるので、そこに重みはあります。
本巻最後の彼の険しい表情にも「重さ」が現れています。
「戦わないこと」でどうやって身を守るのか。
ハーフダンは言葉も通じ、リーダーとしての厳しさも、商人としての理も人としての優しさも持ち合わせている人物でした。
法律や民会によってトルフィンを斬らなかったというハーフダン。
共依存・経済的共生によって斬られなかったと考えたトルフィン。
でも、それもこれもハーフダンさんが理性的な人間であったからこそ。
相手が 話の通じない輩・優しさを持ち合わせていない輩 であったのなら…
互いに依存関係になったとしても、「そんなことよりも武力で相手を支配下に収めれば旨味を吸い上げ放題だ」と考える人間が必ず現れます。
残念ながら非戦は素晴らしくて尊いものではありません。
流行りの言葉を使うなら「生殺与奪の権利を他人に渡す」事なのです。
他人の良識や価値観や感情に自分・家族・仲間・大切な人の命を委ねる事に他なりません。
もし非戦こそが世界を救うなら、この物語の最初でトールズは死ぬことなくトルフィンを助け、今も仲良く親子で平和な世界を作っているはずなのです。
例えば──この先トルフィンが、今度は自分自身の息子を敵に捕らわれた状況に陥ったとして、
「俺はどうなってもいいから息子は助けてくれ」と言って素直に斬り殺されるのだとしたら、物語は1歩も進まなかったことになります。
(トルフィンの高潔な覚悟を湛えた濁りのない瞳力を見て、すべての敵が理性的な人間になった、みたいな反則技は、この漫画では起こり得ないでしょう)
史実における“トルフィン”達のヴィンランド開拓は、原住民との紛争となり、失敗に終わります。
はたして、非戦を美化することはなく。実現せずとも絶望せず。
非戦による平和とは、実現し難い夢物語だが、命をかけて追い求める価値があるのだと、そんなメッセージを残す終わり方となるのでしょうか…。
それとも…?
2020年10月27日に日本でレビュー済み
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どこらへんからだったか、えらく絵が丸くなったな…と思っていましたが、最新刊で顕著でした。個人的に、奴隷編の中盤からヒルドが出るあたりまでの、とても繊細で書き込みの多い絵が大好きだったのです。
最近でも、例えばフローキを斬ろうとした時のトルフィンのあの顔と今巻での顔…いや等身さえ違うよね?ハーフダンに再会した頃とも違うよね?とほんとに違和感の嵐だったのですが…早朝ひとり水を浴びる姿と顔を見て、あー、わたしの好きなトルフィンだわ…と思いました。あの姿を見て「嬉しかった」と言うのも今のトルフィンには失礼かもしれないけど、だから今、あえて丸く書かれてるんだなと。確かに、いっときの平和にあのある意味厳しい絵では合わないかもね。ハーフダンだけはずっと厳しいですが笑
しかしこの絵の変遷が計画的だったら恐ろしいです。
と、全然違うところからレビューしてみました。この先、あの船の先頭でしてたような誰にも見せない顔をすることが、もうない方がいいんだろうな。でも、そんなわけないよね。。。
最近でも、例えばフローキを斬ろうとした時のトルフィンのあの顔と今巻での顔…いや等身さえ違うよね?ハーフダンに再会した頃とも違うよね?とほんとに違和感の嵐だったのですが…早朝ひとり水を浴びる姿と顔を見て、あー、わたしの好きなトルフィンだわ…と思いました。あの姿を見て「嬉しかった」と言うのも今のトルフィンには失礼かもしれないけど、だから今、あえて丸く書かれてるんだなと。確かに、いっときの平和にあのある意味厳しい絵では合わないかもね。ハーフダンだけはずっと厳しいですが笑
しかしこの絵の変遷が計画的だったら恐ろしいです。
と、全然違うところからレビューしてみました。この先、あの船の先頭でしてたような誰にも見せない顔をすることが、もうない方がいいんだろうな。でも、そんなわけないよね。。。
ベスト1000レビュアー
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・この漫画には珍しく殺伐としたシーンが殆ど存在しない巻
・ついにヴィンランドへの出向が始まる
・トルケルの子や微妙に何かやらかしそうなゴロツキどもなど新しい仲間たちが増える
・「ヴィンランドに剣はいらない」
・言い伝え(赤毛のエイリークのサガ)などを見る限り史実上ではどうもこの航海は原住民達と紛争または戦争状態になり数年で撤退してしまっている、このあたりをどうするのか非常に気になる
・もはやトルフィンの言動、行動が父親そのもの、もしくはそれ以上。ハーフダンにも一目置かれる程の男に成長した
・トルフィンは完全に非暴力、非武装、奴隷制度の撤廃を掲げているが、「大勢を巻き添えにした実験をしたいだけだ」と夢物語と言われる
・実際現在の状態ではかなり夢物語感があり、続きが気になってしょうがない
・ややはしょられたがトルフィンの商人の経験を活かしついに彼の中の「最初の手段」が暴力ではなく「話し合い」になる
・ただ話が通じる相手であればその最初の手段で大丈夫だが航海の目的地は言葉も通じない世界である。
・ハーフダン曰く非暴力ではなく、暴力とは法律の中で執行されるもの、それを守らない奴らを抑止するために軍または警察組織がある、これは現代にも通じる理論。
・現状の非暴力、非武装、しかも仲間の中にいつでも自分を殺そうとしてくる奴がいるトルフィンでは若干夢物語がすぎる感じがあり、ここからどう広がっていくのか中だるみの無いつなぎ巻
・グズリーズは匂いフェチ
・コーデリアがかわいい
・ハーフダンは孫バカ
・ついにヴィンランドへの出向が始まる
・トルケルの子や微妙に何かやらかしそうなゴロツキどもなど新しい仲間たちが増える
・「ヴィンランドに剣はいらない」
・言い伝え(赤毛のエイリークのサガ)などを見る限り史実上ではどうもこの航海は原住民達と紛争または戦争状態になり数年で撤退してしまっている、このあたりをどうするのか非常に気になる
・もはやトルフィンの言動、行動が父親そのもの、もしくはそれ以上。ハーフダンにも一目置かれる程の男に成長した
・トルフィンは完全に非暴力、非武装、奴隷制度の撤廃を掲げているが、「大勢を巻き添えにした実験をしたいだけだ」と夢物語と言われる
・実際現在の状態ではかなり夢物語感があり、続きが気になってしょうがない
・ややはしょられたがトルフィンの商人の経験を活かしついに彼の中の「最初の手段」が暴力ではなく「話し合い」になる
・ただ話が通じる相手であればその最初の手段で大丈夫だが航海の目的地は言葉も通じない世界である。
・ハーフダン曰く非暴力ではなく、暴力とは法律の中で執行されるもの、それを守らない奴らを抑止するために軍または警察組織がある、これは現代にも通じる理論。
・現状の非暴力、非武装、しかも仲間の中にいつでも自分を殺そうとしてくる奴がいるトルフィンでは若干夢物語がすぎる感じがあり、ここからどう広がっていくのか中だるみの無いつなぎ巻
・グズリーズは匂いフェチ
・コーデリアがかわいい
・ハーフダンは孫バカ
2020年10月23日に日本でレビュー済み
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昔から読んでますが、ここ数巻?ちょーっとグダグダしてきちゃったかな。。
強いトルフィンと、ぬるいトルフィンのギャップを楽しみたいので、やっぱり戦いがないと読んでて飽きてきちゃいますね。
平和路線で行くのはいいんですが、トルフィンの強さが所々で感じられて、いろんな人が驚くとかないとつまらないかも?
ビルドさんもちょっと心変わりしてきてもいいと思うし。意味なく殺してた昔のトルフィンとは違うっていうのがそろそろわかってきてもいいかなと。
強いトルフィンと、ぬるいトルフィンのギャップを楽しみたいので、やっぱり戦いがないと読んでて飽きてきちゃいますね。
平和路線で行くのはいいんですが、トルフィンの強さが所々で感じられて、いろんな人が驚くとかないとつまらないかも?
ビルドさんもちょっと心変わりしてきてもいいと思うし。意味なく殺してた昔のトルフィンとは違うっていうのがそろそろわかってきてもいいかなと。
ベスト1000レビュアー
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今回は気になる新キャラが出てきました。イーヴァルさんです。
ただのチンピラかと思えば、その実かなり世の理を理解している人物。
彼の「大勢の仲間を道ずれにして結果の分かり切った実験がしてぇんだ」という台詞は、いずれトルフィンに突き刺さなければならない刃でした。実際トルフィンは言い返せず、どうすればいいか考えていましたね。
その後取引と依存による平和を考案しましたが、出発直前にも彼の言葉が頭をよぎっていました。
今回はトルフィンだけでなく多くの仲間も一緒。故にトルフィンが覚悟を決めていればOKだった今までとは違います。
うまくいくと思っても、大勢の仲間を前にして彼の言葉が頭をよぎるのは、そこに『絶対』と呼べるものがないからなんですよね。
その後トルフィンは髪型をオールバックにし、最終ページでは戦いの時のような険しい顔つきになっています。
これは大勢の命を背負っているという覚悟…もしくは「もしもの時は俺が死ぬとしても皆は守る(逃がす)」という覚悟の表れかもしれません。
トルフィンからすれば、ヴィンランドの人間に刃を向けることはご法度ですが、それ以上に、自分に付き合わせている仲間を傷つかせたくないでしょうから。
これからの展開が楽しみです!
※あとハーフダンさんの「天才…百年にひとりの天才かもしれん…」のくだり、声出して笑いました
ただのチンピラかと思えば、その実かなり世の理を理解している人物。
彼の「大勢の仲間を道ずれにして結果の分かり切った実験がしてぇんだ」という台詞は、いずれトルフィンに突き刺さなければならない刃でした。実際トルフィンは言い返せず、どうすればいいか考えていましたね。
その後取引と依存による平和を考案しましたが、出発直前にも彼の言葉が頭をよぎっていました。
今回はトルフィンだけでなく多くの仲間も一緒。故にトルフィンが覚悟を決めていればOKだった今までとは違います。
うまくいくと思っても、大勢の仲間を前にして彼の言葉が頭をよぎるのは、そこに『絶対』と呼べるものがないからなんですよね。
その後トルフィンは髪型をオールバックにし、最終ページでは戦いの時のような険しい顔つきになっています。
これは大勢の命を背負っているという覚悟…もしくは「もしもの時は俺が死ぬとしても皆は守る(逃がす)」という覚悟の表れかもしれません。
トルフィンからすれば、ヴィンランドの人間に刃を向けることはご法度ですが、それ以上に、自分に付き合わせている仲間を傷つかせたくないでしょうから。
これからの展開が楽しみです!
※あとハーフダンさんの「天才…百年にひとりの天才かもしれん…」のくだり、声出して笑いました
2020年10月27日に日本でレビュー済み
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今回も最高でした。低い評価つけておきながら24巻までわざわざレビュー付けに来ちゃう人まで居てニヤニヤしてます。
出発の巻です。カルリは順調に育ってるしシグやんはこれまで以上にいいヤツになってるしハーフダンのオヤジも何故か可愛く見えるしでなおさら最高でした。
「船には港が必要だ」どこで聞いたか、そんな言葉を思い出しました。トルフィンたちは立派な港を持つことが出来たので、
これから何度も「いってきます」と「ただいま」を繰り返せるように祈ってます。
出発の巻です。カルリは順調に育ってるしシグやんはこれまで以上にいいヤツになってるしハーフダンのオヤジも何故か可愛く見えるしでなおさら最高でした。
「船には港が必要だ」どこで聞いたか、そんな言葉を思い出しました。トルフィンたちは立派な港を持つことが出来たので、
これから何度も「いってきます」と「ただいま」を繰り返せるように祈ってます。
2020年10月30日に日本でレビュー済み
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1巻を通してまったく暴力が描かれないので、初期の血生臭いトルフィン無双剣劇を待ち望んでいる人にとっては物足りなくかったるい巻かもしれない。
しかし、経済や歴史に興味のある人にとっては知的興奮があると思う。
トルフィンの暴力に依存しない社会という理想に対して、政治家としても武人・商人としても老練なハーフダンが語るのは「暴力の独占」という国家の本質と「法の支配」という統治の方法論。
「法の支配」は近代的すぎる概念の様だが、思えばハーフダンは初期に登場した時から高圧的で暴力的ではあるものの「掟」と「利益」を信条とすることで、ただのならず物とは一線を画しており、その事を考えながら歳を重ねたとするなら非常に一貫した信念を持った人物であると言える。
それに対してトルフィンが出した回答は「利益の相互依存」。
これは故人である未来学者のアルビン・トフラーが著書のパワーシフトで語った、権力の主役としての「暴力」と「財力」のあり方を思い出させるような議論だ。
開拓団に入ろうとする人物も「暴力のバランス」を語り、理想を通そうとするトルフィンに妥協を迫る。
しかし、新しい世界を呼ぶためには、時に前世代の理想とはかけ離れた発想でもって挑戦していく必要がある。
史実は明らかで、理想の通りには行かないのかもしれないが、その挑戦にかける人の思い、歴史には残っていないそれがどの様に語られていくのか楽しみだ。
しかし、経済や歴史に興味のある人にとっては知的興奮があると思う。
トルフィンの暴力に依存しない社会という理想に対して、政治家としても武人・商人としても老練なハーフダンが語るのは「暴力の独占」という国家の本質と「法の支配」という統治の方法論。
「法の支配」は近代的すぎる概念の様だが、思えばハーフダンは初期に登場した時から高圧的で暴力的ではあるものの「掟」と「利益」を信条とすることで、ただのならず物とは一線を画しており、その事を考えながら歳を重ねたとするなら非常に一貫した信念を持った人物であると言える。
それに対してトルフィンが出した回答は「利益の相互依存」。
これは故人である未来学者のアルビン・トフラーが著書のパワーシフトで語った、権力の主役としての「暴力」と「財力」のあり方を思い出させるような議論だ。
開拓団に入ろうとする人物も「暴力のバランス」を語り、理想を通そうとするトルフィンに妥協を迫る。
しかし、新しい世界を呼ぶためには、時に前世代の理想とはかけ離れた発想でもって挑戦していく必要がある。
史実は明らかで、理想の通りには行かないのかもしれないが、その挑戦にかける人の思い、歴史には残っていないそれがどの様に語られていくのか楽しみだ。
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