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[谷口惇, 佐久間義貴, 山下研, 福田正知, 高井くらら, 吉田高尾]のヱクリヲ1: レオス・カラックス特集
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ヱクリヲ1: レオス・カラックス特集 Kindle版


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Kindle版, 2017/1/11
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商品の説明

内容紹介

【レオス・カラックス特集】

「ヱクリヲ」記念すべき創刊号!(2014年11月創刊)
“ゴダールの再来”と謳われ、リュック・ベッソンらとともにヌーヴェル・ヴァーグ以後の新しい波としてフランス映画界に登場した鬼才レオス・カラックスを特集。

「カラックスを日本に紹介した男」であり、ミニシアター・ブームの火付け役であるユーロ・スペース代表 堀越謙三ロングインタビューを掲載。
本邦初邦訳となるデビュー以前に書かれたカラックス唯一の映画批評、シルベスター・スタローン主演『パラダイス・アレイ』(1978年)論を収録。

長編処女作『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983年)から『ポンヌフの恋人』(1991年)、『ホーリー・モーターズ』(2012年)まで各作品論および作家論を掲載。

<主要目次>
□レオス・カラックス特集
◆Interview:堀越謙三
ミニシアターブームの火付け役であり、ユーロスペース代表でもある氏のインタビューではプロデューサーとしてカラックスに加えオゾン、キアロスタミ、カウリスマキを支え、裏舞台を知り尽くしているがゆえの秘話が満載。以下、インタビュー本文より。
堀越「成瀬巳喜男のヨーロッパでの再評価は、蓮實さんが83年にロカルノ映画祭で紹介したのが初めて。海外での評価は遅かった。カラックスが凄いのは(その前に)初来日の24歳の頃から成瀬を認めていた。レオスが成瀬成瀬と言って、蓮實さんも大したものですねと」。

◆レオス・カラックスによる『パラダイスアレイ』評(未邦訳論文)
カラックスがデビュー前に「カイエ・デュ・シネマ」に寄稿した唯一の映画批評は、スタローン自身が監督も務めた『パラダイス・アレイ』を対象としています。曰く「スタローンの映画では、どのショットでも勝つか負けるかのどちらか一方しかない」。シネフィルとしてのカラックスの一面を覗かせます。この『パラダイス・アレイ』評でカラックスはロートン『狩人の夜』を参照しており、後の『ボーイ・ミーツ・ガール』での同作へのオマージュを想起せずにはいられません。カラックスの作家性同様に、既存の映画への批評性と愛着を感じるテクストです。

◆1983年のピンボール(谷口惇)
丹生谷貴志は阿部和重『鏖』を「シフター」という概念を用いて論じています。言語学者ヤーコブソンの提唱したシフター(転換子)とは「文脈によってその趣意を変化させる記号」を意味します。関係性の中に投げ込まれ意志を持たずに動く人物――『ボーイ・ミーツ・ガール』のアレックスもまた同様です。カラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』はその題名とは裏腹に男女間の非応答(2人の間を遮る遮蔽物の数々…)を描く作品でもあります。複数の男女の邂逅ではなく「ミーツ」という関係の連鎖こそが主題であり、アレックスは「シフター」として作品世界を動き回ります。

◆『汚れた血』、あるいは「動かない」いくつかの疾走をめぐって(谷口惇)
『汚れた血』を観たら、誰もが屈指の名場面、「モダン・ラブ」と共に疾走するドニ・ラヴァンの姿を強烈に記憶することでしょう。このシーンで、ラヴァンはなぜ「左から右へ」走るのかーー別役実の演劇論からゾエトロープまで議論を敷衍してみましょう。ラヴァンが疾走する街路の壁の縦縞の模様から「ゾーエトロープ」を導き出すことで、『汚れた血』終盤のアンナの疾走から、『ホーリー・モーターズ』におけるランニングまでを通底して捉えることができるのではないでしょうか。

◆生の輝き――『ポンヌフの恋人』――(沼本奈々)

◆ホワイト・ノイズからブラック・ノイズへ――崩壊する世界と自我の目覚め――(佐久間義貴)
『ポーラX』はカラックスで唯一、原作のある作品です。メルヴィル『ピエール』を基とした同作はまた、唯一オリジナル・サウンドトラックを持つ映画でもあります。スコアを担当したスコット・ウォーカーはインダストリアル・ノイズを多用し、これらの楽曲は作品の世界観に大きな影響を与えています。『ポーラX』において工場で演奏されるインダストリアル・ノイズ・オーケストレーションはスコット・ウォーカーのスコアの上にライブ演奏を重ねており、その楽曲なくては存在しえなかった場面です。

◆『ホーリー・モーターズ』、演じるということ(鈴木智大)
『ホーリー・モーターズ』では、「演じること」が「生きること」と等しく描かれています。主人公オスカーは作中でいくつもの「役」を演じ、同時に普段の彼自身もあたかも「役」の一つのように等置されるのです。「演じ続ける」ことを繰り返し描く本作は、演技の目的や意味を放棄すらしているようです。ベケットはその戯曲において時に「繰り返し」自体をモチーフとしました。カラックスも目的を放棄し、「演じ続ける」ことを消尽を乗り越え執拗に描きます。最後に本作から一つの科白を引きましょう。「はじめたときと同じだ。身振りの美しさのために」 。

◆ヌーヴェル・ヴァーグとカラックス――あるいは「六〇年代」と「九〇年代」の距離(山下研)
カラックスは『ボーイ・ミーツ・ガール』でのデビュー当時から「ゴダールの再来」という評価を与えられてきました。確かにメタ映画的試み・男女間の非応答・「軍」の表象等の共通点があります。しかし、両者を分かつ決定的な差異は映画自体の「虚構」性への自明さにあるのではないでしょうか。『ポンヌフの恋人』では、“ミッキーマウシング”ともいうべき音響と作中人物の挙動の一致が試みられ、フィクション性への盲目的な肯定があります。一方、ゴダールは音と映像の恣意的な関係を俎上にあげ、映画の「制度」を突き崩していきます。カラックスとの差は『はなればなれ』に集約されます。「ポンヌフ」で描かれたダンスとの照応でいえば、『はなればなれに』での3人の踊りは複数のBGMとの微かな“ズレ”から、ゴダールは映画(映像と音)の「制度」を顕にします。それはカラックスの盲信的な映画への愛とちょうど裏表かもしれません。

□論考
◆演劇の誕生(吉田髙尾)
◆「今」を彩って生きる――『Free!』終わらない物語――(高井くらら)
◆『交響詩篇エウレカセブン』に関する実験的試論(福田正和)
◆停止と移動――山田尚子『けいおん!』――(深澤匠)
◆表現者『パンダ』の批評に挑戦す(中村直樹)
◆純真(河野景子)

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 31994 KB
  • 出版社: ヱクリヲ編集部; 1版 (2017/1/11)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B01MS6W4VK
  • X-Ray:
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