ローラの一筋縄ではいかない気の強い性格は、シリーズ本でも、うかがい知れることでしたので特にこの本を読んで驚きは無かったです。むしろ、もっと激しいものを予想していた位でした。
私としてはシリーズに出てくる美談だらけのローラより、ここに書かれている実像の方が、むしろ好ましいくらいでした。
大人になって読み返すとシリーズのインガルス一家の姿は到底真実とは思えず、もやもやしたものを感じるので。
ローズなくしてあの物語は生まれなかった事に深く納得しました。
少女の頃、「シルバーレイクの岸辺で」を読んで、疑問をもったのです。10章の「すばらしい午後」で父さんとローラが工夫たちの仕事場を見た時の事が克明に描かれており、ここまで細かく覚えておけるものかしら、と疑問を持ちました。
おそらくはあらゆる下調べを、現実とのずれが無いように行ったのはローズかな、とも思いました。
あくまで裏方に徹したローズが気の毒です。
しかしローズとしてはお金が欲しくて、収入の為にすべて忍んだ、としており本が売れることが何よりの報酬だったのでしょう。
なぜ、ローラは真実を明かさなかったのかな、とふと思います。真実を言える人がいるのならば、それはローラ以外いませんから。
この本はNHKで先に放送され、それをまとめた物ですが、視聴者から「見てはいけないものを見てしまった」という手紙も受け取ったとされていますが、私は知ることができて良かったです。
ローラ&ローズ―大草原の小さな家・母と娘の物語 (日本語) 単行本 – 1993/6/1
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本の長さ111ページ
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言語日本語
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出版社日本放送出版協会
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発売日1993/6/1
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ISBN-104140801085
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ISBN-13978-4140801086
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
母と娘の葛藤があの名作シリーズを生んだ。ローラとローズが残した数々の手紙、日記によって明かされる母と娘の物語。
登録情報
- 出版社 : 日本放送出版協会 (1993/6/1)
- 発売日 : 1993/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 111ページ
- ISBN-10 : 4140801085
- ISBN-13 : 978-4140801086
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 982,065位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 22,838位英米文学研究
- - 98,529位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読んだことによって、大草原の小さな家シリーズの第9作「はじめの4年間」を読んだ際に受けた違和感と、洗練されていない文体に関する疑問が一気に解決した。つまり、下書きの段階でローラが書いた文章というのは、他の8冊のシリーズも「はじめの4年間」のような荒削りなものにすぎなかったのではないか・・・ということである。
ローラの文章をローズが書き直すことによって、「はじめの4年間」を除く、他のシリーズ8作はあのすばらしい作品群に生まれ変わったのだ。
本書を読むと、作品のテーマについても、ローズの添削は事細かな部分にまで及んでいることがわかる。例えば「シルバーレイクの岸辺」の場合、ローズが導かなかったら、「鉄道」と「開拓農地の取得」という作品のテーマさえ、途中で迷走してしまっていたかもしれない。シリーズの大ファンである自分にとってはショッキングな内容であったが、ローズの実力のすごさを実感した本でもある。
下書き原稿をそのまま出版した「はじめの4年間」は、ローズによって書き直されていない。だから、シリーズの魅力を感じることのできない凡庸な作品に終わってしまっているのだ。大草原の小さな家シリーズは「ローラ原案、ローズ作」というのが、今の自分の中での評価である。もしもローズによって書き直されていたら、「はじめの4年間」はシリーズの大団円にふさわしい、もっともっと魅力的な作品になっていたことだろう。
ショッキングな内容だが、シリーズのファンが読んでも全く不快ではない。むしろ、ある種の爽やかささえ感じさせる。そんな本書の構成にも拍手を送りたい。
本書を読んだ後も、自分がシリーズの大ファンであることに変わりはないし、ローラの大ファンであることにも何ら変わりはないのである。
ローラの文章をローズが書き直すことによって、「はじめの4年間」を除く、他のシリーズ8作はあのすばらしい作品群に生まれ変わったのだ。
本書を読むと、作品のテーマについても、ローズの添削は事細かな部分にまで及んでいることがわかる。例えば「シルバーレイクの岸辺」の場合、ローズが導かなかったら、「鉄道」と「開拓農地の取得」という作品のテーマさえ、途中で迷走してしまっていたかもしれない。シリーズの大ファンである自分にとってはショッキングな内容であったが、ローズの実力のすごさを実感した本でもある。
下書き原稿をそのまま出版した「はじめの4年間」は、ローズによって書き直されていない。だから、シリーズの魅力を感じることのできない凡庸な作品に終わってしまっているのだ。大草原の小さな家シリーズは「ローラ原案、ローズ作」というのが、今の自分の中での評価である。もしもローズによって書き直されていたら、「はじめの4年間」はシリーズの大団円にふさわしい、もっともっと魅力的な作品になっていたことだろう。
ショッキングな内容だが、シリーズのファンが読んでも全く不快ではない。むしろ、ある種の爽やかささえ感じさせる。そんな本書の構成にも拍手を送りたい。
本書を読んだ後も、自分がシリーズの大ファンであることに変わりはないし、ローラの大ファンであることにも何ら変わりはないのである。
2014年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
写真が多く、見開きのタイトルなども明快で、すんなり読みやすい構成ですが、すごく密度の濃い内容で、なんども読み返しては、その都度、感銘を受けます。引っ越しを繰り返すと処分する本が山と出ますが、この本は、どこに住んでも書棚から抜け落ちたことのない良書です。
写真(風景もですが資料や手紙など)が豊富で読みやすい。そこは一つのポイント。
もう一つ。テーマが「どうやって、ローラの大草原シリーズが出来上がったのか?そのプロセスを厳密に追う」・・そこに絞り込んだ構成であること。
ローラの「大きな森の小さな家」シリーズが、どのような経緯で世に出たのか?その創出をたどって、NHK取材班が、ダコタ、デスメットからミズーリ、マンスフィールドまでロケハンで旅をする。
さらに、ウイリアム・アンダーソン(ローラの研究者として第一人者)と、谷口由美子さん(ローラ、ローズの研究者で翻訳家)の研究が資料に深みを与える。
この2人は人生のすべてをローラとローズだけに魅せられ、惹きつけられた・・と言っても過言ではない。そこにNHK取材班須磨章さんの取材が加わり、3人の情熱の結集で生まれた書だと思う。
本書の主軸は、前半のローラが実際にデスメットから「大きな赤いリンゴのなる土地」我が家へと、アメリカ中部を旅する道中を丹念に取材して、各地で当時の足跡をたどるところ(旅の再現:ロケ隊の体験談)と、後半の、ローラが執筆へと進む過程(どうやって小さな家シリーズが世に出る機会を得たのか?)を娘ローズとの手紙でのやり取りから浮かび上がらせる部分の2部から構成される。
ローラは、60歳を過ぎて、ミズーリの地方紙に、主婦の知恵や農業の工夫、家事のコツなどを、ちょこちょこ投稿するようになっていた。
契機は1915年。サンフランシスコに住む娘ローズの招きで、サンフランシスコ万博を訪れ2か月、ローズのもとで過ごした。
ローズはすでに、キャリアウーマンとして、寄稿文に署名入りの記事を書くほどジャーナリストとして高収入(17歳ですでに年収は農夫の3倍!)を得て、非常に忙しく活躍しており(農業でなく書いて稼ぐ・・・そういう道が現実にある)ことを、ローラはローズから学び、「売れる文章を書くための」手ほどきを受けた。
その後、ローズの推敲、手直し、編集をへて、雑誌社の倒産など、紆余曲折をのりこえ、第一刷「大きな森の小さな家」が世に出る。
このあたりの、編集者とのやりとり、雑誌社との原稿料の値段交渉やかけひき、体裁(最初は小さなこどもむけの絵本であったが、少し大きなこどもむけ挿絵つき読み物へと、字数を増やし内容を具体的にする)、どういうテーマに絞り込むか?・・・丹念な打ち合わせを経て、ようやく出版に至る。
このプロセスを、ローラの記念館に保管された手紙のやり取りや、ローズと出版社の編集者とやりとりの手紙などから、詳細をほりおこしていく・・・・こういった記述は、ものすごく!!イイ!
とくに、ローズが「うれる本を書くためには、目の前にいる私に語りかけているように、書いてくいださい。自分の経験したことを書いてください」など具体的に、一句ずつ、指導する。その繰り返し(メールもFAXもなかった時代、手紙だけのやりとり)がリアル。
「会話している・・conversingなんてしないで、talking to と、はっきり相手を書いたほうがいい・・」「思い出をたどる have been remembering とせずに、ただ単純に、思い出すremember」にしてください」「全体的に真実味や現実感が欠けている。わたしだけに読ませるつもりで書いてみて、きっと売り物になる原稿ができる」
プロのジャーナリストであるローズは、ローラの原稿を非常に的確に修正していく。精魂をこめて。
たしかに、大草原シリーズは、開拓農民のたくましい生活・・・その事実だけでも感動と興奮を呼ぶものであるが、文章がすばらしいのである。目の前に情景が浮かび上がるような説得力のある文章なのだ。これはローズの実力だと確信できる。というのも、本書に載せられたローラの地方紙コラムは、やっぱり、文章力ではイマイチ・・・世界的名作には至らないレベルなのだ。ローラがローズの書いた原体験のレイアウトを文に起こし、ローズが一字一句文章を磨いた。大草原シリーズの成功は、2人のチームワークだと、本書から理解できた。
とくに、ローズは、最初の数行で読者をひきつけ、離さず、読み進ませるためには、導入の数行で明確なテーマ、メッセージを打ち出さねばならない。そういうノウハウを、気の遠くなるような忍耐で、ローラに手ほどきする。
なんどか、出版社の編集者とローズは打ち合わせを重ね、どういう趣向を出版社は求めているか?ローズはプロの書き手の勘で、母親の原稿を導いていく。アメリカ開拓史のひとこま、こういう時代の少年少女の生活を書いた書物が皆無であった、なので素材はいい。ただし、もっと日常の細かな事実を詳しく書くほうが、読者の興味と想像をかきたてる。
ローズは、編集者、出版社の意向を、ローラとのあいだにたって、便宜を図る。このあたりの、やり取りが、本書では具体的に詳しく書かれている。そこがイイ!!
すごく貴重な資料をふんだんに使った密度の濃い内容です!
また、ローラとローズの人生。2人とも稀有なパイオニア精神とファイトにあふれた女性ですが、どちらの人生の最後の最後まで事実を追って、書かれています。最盛期だけでなく、晩年、死ぬ直前の様子まで克明に。
ここもすごくイイ!!
2人が人生の最期に行きつくまでの晩年の生活まで、克明に記載しているのは、NHKの企画力!だと思う。彼女らが、人生の終焉をアメリカ中部の草原で終わったところは、なるほどね・・と、感動。
写真(風景もですが資料や手紙など)が豊富で読みやすい。そこは一つのポイント。
もう一つ。テーマが「どうやって、ローラの大草原シリーズが出来上がったのか?そのプロセスを厳密に追う」・・そこに絞り込んだ構成であること。
ローラの「大きな森の小さな家」シリーズが、どのような経緯で世に出たのか?その創出をたどって、NHK取材班が、ダコタ、デスメットからミズーリ、マンスフィールドまでロケハンで旅をする。
さらに、ウイリアム・アンダーソン(ローラの研究者として第一人者)と、谷口由美子さん(ローラ、ローズの研究者で翻訳家)の研究が資料に深みを与える。
この2人は人生のすべてをローラとローズだけに魅せられ、惹きつけられた・・と言っても過言ではない。そこにNHK取材班須磨章さんの取材が加わり、3人の情熱の結集で生まれた書だと思う。
本書の主軸は、前半のローラが実際にデスメットから「大きな赤いリンゴのなる土地」我が家へと、アメリカ中部を旅する道中を丹念に取材して、各地で当時の足跡をたどるところ(旅の再現:ロケ隊の体験談)と、後半の、ローラが執筆へと進む過程(どうやって小さな家シリーズが世に出る機会を得たのか?)を娘ローズとの手紙でのやり取りから浮かび上がらせる部分の2部から構成される。
ローラは、60歳を過ぎて、ミズーリの地方紙に、主婦の知恵や農業の工夫、家事のコツなどを、ちょこちょこ投稿するようになっていた。
契機は1915年。サンフランシスコに住む娘ローズの招きで、サンフランシスコ万博を訪れ2か月、ローズのもとで過ごした。
ローズはすでに、キャリアウーマンとして、寄稿文に署名入りの記事を書くほどジャーナリストとして高収入(17歳ですでに年収は農夫の3倍!)を得て、非常に忙しく活躍しており(農業でなく書いて稼ぐ・・・そういう道が現実にある)ことを、ローラはローズから学び、「売れる文章を書くための」手ほどきを受けた。
その後、ローズの推敲、手直し、編集をへて、雑誌社の倒産など、紆余曲折をのりこえ、第一刷「大きな森の小さな家」が世に出る。
このあたりの、編集者とのやりとり、雑誌社との原稿料の値段交渉やかけひき、体裁(最初は小さなこどもむけの絵本であったが、少し大きなこどもむけ挿絵つき読み物へと、字数を増やし内容を具体的にする)、どういうテーマに絞り込むか?・・・丹念な打ち合わせを経て、ようやく出版に至る。
このプロセスを、ローラの記念館に保管された手紙のやり取りや、ローズと出版社の編集者とやりとりの手紙などから、詳細をほりおこしていく・・・・こういった記述は、ものすごく!!イイ!
とくに、ローズが「うれる本を書くためには、目の前にいる私に語りかけているように、書いてくいださい。自分の経験したことを書いてください」など具体的に、一句ずつ、指導する。その繰り返し(メールもFAXもなかった時代、手紙だけのやりとり)がリアル。
「会話している・・conversingなんてしないで、talking to と、はっきり相手を書いたほうがいい・・」「思い出をたどる have been remembering とせずに、ただ単純に、思い出すremember」にしてください」「全体的に真実味や現実感が欠けている。わたしだけに読ませるつもりで書いてみて、きっと売り物になる原稿ができる」
プロのジャーナリストであるローズは、ローラの原稿を非常に的確に修正していく。精魂をこめて。
たしかに、大草原シリーズは、開拓農民のたくましい生活・・・その事実だけでも感動と興奮を呼ぶものであるが、文章がすばらしいのである。目の前に情景が浮かび上がるような説得力のある文章なのだ。これはローズの実力だと確信できる。というのも、本書に載せられたローラの地方紙コラムは、やっぱり、文章力ではイマイチ・・・世界的名作には至らないレベルなのだ。ローラがローズの書いた原体験のレイアウトを文に起こし、ローズが一字一句文章を磨いた。大草原シリーズの成功は、2人のチームワークだと、本書から理解できた。
とくに、ローズは、最初の数行で読者をひきつけ、離さず、読み進ませるためには、導入の数行で明確なテーマ、メッセージを打ち出さねばならない。そういうノウハウを、気の遠くなるような忍耐で、ローラに手ほどきする。
なんどか、出版社の編集者とローズは打ち合わせを重ね、どういう趣向を出版社は求めているか?ローズはプロの書き手の勘で、母親の原稿を導いていく。アメリカ開拓史のひとこま、こういう時代の少年少女の生活を書いた書物が皆無であった、なので素材はいい。ただし、もっと日常の細かな事実を詳しく書くほうが、読者の興味と想像をかきたてる。
ローズは、編集者、出版社の意向を、ローラとのあいだにたって、便宜を図る。このあたりの、やり取りが、本書では具体的に詳しく書かれている。そこがイイ!!
すごく貴重な資料をふんだんに使った密度の濃い内容です!
また、ローラとローズの人生。2人とも稀有なパイオニア精神とファイトにあふれた女性ですが、どちらの人生の最後の最後まで事実を追って、書かれています。最盛期だけでなく、晩年、死ぬ直前の様子まで克明に。
ここもすごくイイ!!
2人が人生の最期に行きつくまでの晩年の生活まで、克明に記載しているのは、NHKの企画力!だと思う。彼女らが、人生の終焉をアメリカ中部の草原で終わったところは、なるほどね・・と、感動。
2015年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これはNHKの特番で取材したのをまとめた本です。前半は「大草原シリーズ」のファンの翻訳家の賛辞の言葉と、実際に現地を巡ったた紀行文と写真です。後半は別の出版物から引用された文章で、既に読んでいる人には目新しいものではありません。そして本当に目新しいのは(私は関連本を4冊ほど読みましたが、ここまで具体的な内容は初めてです。)「大草原シリーズ」の作家として有名になってからのローラとローズの確執についてです。内容は読んだ人が直接判断して欲しいので書きませんが、ローラの生前出版された「大草原シリーズ」の8冊、死後出版された2冊、関連本4冊そして本書を読んだ私としては、ローラに好感が持てませんでした。真実のローラは極端な言い方をすれば嫌な人です。「大草原シリーズ」のローラはローズの作り上げたフィクションだと思います。確かにローラの経験ですが、モノはいい様と言う言い方がありますね?まさしくそれで、ローズの書き方指導でローラの印象が変わったのだと思います。やはりローズは優れた作家です。ローラは娘の才能に嫉妬したと思いますが、離れて暮らした後は娘に感謝し、娘は秘密を死ぬまで守り通したのが救いです。これで私は「大草原シリーズ」の全てから卒業しようと思います。残念ながら愛蔵書にはなりませんでした。
2013年6月27日に日本でレビュー済み
この本の出版が20年前と今確認し、私が、原作とテレビの両方の大草原シリーズに夢中になり、原作の洋書に手を出し始めた頃購入したんだなあと、懐かしく思い出されました。今でも私にとっては非常に貴重な一冊です。
この本を読んで、レビューのタイトルを「戦い」とつけたのは、この「大草原シリーズ」の原作とテレビ化に際し、二つの大きな戦いが描かれているからです。一番目は、テレビ化に際する「とうさん」役を演じたマイケル・ランドン氏と、ローズから大草原関係の一切の権利を受け継いだ、ロジャー・リー・マクブライド氏の戦いです。本書にも書いてありますし、テレビ版「大草原」をご覧になった方はもうお解かりのことと思いますが、原作とテレビ版は、全くと言っていいほど違います。この結果は、「原作に忠実に作って欲しい」とインガルス一家のリアリティ(事実)を主張したマクブライド氏と、「現代の我々が抱える苦難と、インガルス一家が抱えた苦難を重ね合わせ、時代を超えたリアリズム(今私たちが生きる現実)の作品として、視聴者に共感を得る作品を作りたい」と主張したランドン氏の対立が書かれています。結果としてランドン氏の主張が認められ、あのようなテレビ作品になり、視聴者は「原作は事実として、テレビはドラマとして楽しめる」との意見が書かれておりました。これも非常に興味深い事実でした。
また、もう一つの戦いは、このシリーズの原作者である、ローラと、娘のローズの戦いです。
ローラ・インガルス・ワイルダーが原作となっているこの素晴らしい名著を送り出した影には、娘であり、一流の作家であった、ローズ・ワイルダー・レインの事細かな母へのアドバイス、そして、出版社とのやり取りが会ったお陰であることを知るファンは、今ではかなり多いのではないかと思います。そしてそのために、ローズが自分自身の著作の何割かを書く時間を失ってしまったこと。また母親であるローラとも一時険悪な状態になってしまったことなど、ローズの文章を通して、この本に書かれています。この部分をこの本では「葛藤」とタイトルが付けられておりますが、私はあえて「母と娘の戦い」、そして「ローズ自身の自己との戦い」だったと思い、このレビューのタイトルを「戦い」としました。「家族愛」を描いたこの作品が世に出るまでの、様々な戦いが、この本に描かれています。
111ページの薄い一冊ですが、中身は非常に濃く考えさせられる一冊です。20年前に購入した私の本は手垢がついてもう黒ずんでおりますが、ローラファンの方、大草原シリーズファンの方にとっては、これからお読みになるに、貴重な一冊となると確信しています。
この本を読んで、レビューのタイトルを「戦い」とつけたのは、この「大草原シリーズ」の原作とテレビ化に際し、二つの大きな戦いが描かれているからです。一番目は、テレビ化に際する「とうさん」役を演じたマイケル・ランドン氏と、ローズから大草原関係の一切の権利を受け継いだ、ロジャー・リー・マクブライド氏の戦いです。本書にも書いてありますし、テレビ版「大草原」をご覧になった方はもうお解かりのことと思いますが、原作とテレビ版は、全くと言っていいほど違います。この結果は、「原作に忠実に作って欲しい」とインガルス一家のリアリティ(事実)を主張したマクブライド氏と、「現代の我々が抱える苦難と、インガルス一家が抱えた苦難を重ね合わせ、時代を超えたリアリズム(今私たちが生きる現実)の作品として、視聴者に共感を得る作品を作りたい」と主張したランドン氏の対立が書かれています。結果としてランドン氏の主張が認められ、あのようなテレビ作品になり、視聴者は「原作は事実として、テレビはドラマとして楽しめる」との意見が書かれておりました。これも非常に興味深い事実でした。
また、もう一つの戦いは、このシリーズの原作者である、ローラと、娘のローズの戦いです。
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111ページの薄い一冊ですが、中身は非常に濃く考えさせられる一冊です。20年前に購入した私の本は手垢がついてもう黒ずんでおりますが、ローラファンの方、大草原シリーズファンの方にとっては、これからお読みになるに、貴重な一冊となると確信しています。