1 あとがきで著者が記しているように、本書は「ローマ帝国没落原因論」を論じたものではない。私たち先進国に住む普通の市民が漠然と感じている将来に対する不安を(著者が専門とする)古代ローマ帝国の歴史を通して、著者なりの処方箋を提示したものである。
2 本書から学んだ点は、①ローマ社会の経済的基盤は、商工業や貿易ではなく農業であったこと。②農業にかかせない奴隷その他の労働力もゲルマン諸族に供給源を仰がなければならなかったこと。③ローマ帝国の衰退とは、かつて世界史の「中心」であった地中海世界が、蛮族と蔑まれていた「周辺=ゲルマン諸族」と入れ替わり、やがて新しい「中心」がかつての「周辺」の中に生まれる=フランク王国の誕生!との構図を提示してくれたこと。
3 かつてのローマ帝国は、ゲルマン人との共存によりギリシア・ローマ文明を変えてゆく度量を持つことなく衰亡していったが、現代の日本社会も外国人労働者(語学留学生・技能実習生・特定技能労働者)を大切な友人と考え、近隣諸国の人々に対しても(政治的な問題はさしおいて…)同じ人間として、その文化・歴史を理解して温かい感情を持つことを忘れていないか?
4 1980年代に出版された本だが、いまだその価値は色褪せてはいないと感じた。
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