フェアとみるかアンフェアとみるかで評価が二分されると思う。
AはAである(A=A)という論理学の基本中の基本、トートロジーを根底からくつがえすトリック、
陳腐な四字熟語になるが、奇想天外と呼ぶほかない
(顔を破壊するなどの物理的トリックではなく、論理の根幹にかかわる意味で)。
本格推理の中核に理路整然とした論理を据えるのが通例ならば、
ロジックの鉄則をいきなり破る、不敵な反則技といえる。
大反則を犯しながら、巧妙な叙述トリックで、筋を通しきっている。
SFほかジャンルレスに多種多様の小説をものす天才の鋭く柔軟な頭脳から
生まれたアイディアにほかならず、本格の専門家には為し得ない離れわざといえる。
機会、動機、手段いずれも凡庸でありがながら、余りある驚天の発想は他に類例を見ない。
トリックがわかれば、残る辻褄合わせがやや退屈なきらいがあるにせよ、
いちいち該当ページと行を指摘しているのは、細心の注意で叙述した自信のあらわれだろう。
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