内容紹介
新世代シンガーソングライター「前野健太」デビュー作。
サニーデイサービス、中村一義、パラダイス・ガラージ、といった90年代後半を代表する「歌もの」の遺伝子を受け継ぎながらも、まったく新しい「うた」を歌う新世代のシンガーソングライター「前野健太」の登場!
なんとなく見落としてしまいがちな何気ない日常の奥に潜む本質をポップなメロディで歌う稀有な存在。ロックバンドおとぎ話有馬氏から熱烈なラブコールを受け、おとぎ話をバックバンドにしたライブはまさに現代のディランとザ・バンド。見るものに衝撃を与え、じりじりとその波紋を広げている。
激しいロックナンバーから生ピアノによる弾き語りまで様々な歌を詰め込んだ堂々のデビュー作は、6年におよぶライブ活動と3枚の自主制作CDRのなかから最も定評のある12曲を、多彩なゲストミュージシャン達と共に新録。
レコーディング、ミックスには新進気鋭の音楽家、バンド俺はこんなもんじゃないでも活躍中の狩生健志。マスタリングはゆらゆら帝国などでおなじみのピースミュージック中村宗一朗。二胡やサックスなどの楽器が鮮やかに、歌を彩り、ときには激しくバンドが歌を踊らせる。
「あたりまえに奇跡的な毎日 今夜はいっぱい遊びたい」
<曲目>
1. 100年後
2. 青い部屋(8ビート)
3. こころに脂肪がついちゃった
4. ダンス
5. love
6. ロマンスカー
7. 友達じゃがまんできない
8. 熱海
9. 青い部屋
10. 天気予報
11. 18の夏
昨今のポピュラーミュージックには歌心がないと勝手に決めこんでいる。むさくるしいだけの人間賛歌、通り一辺倒のラブソング、ストレートにも程があるメッセージ。僕にとっては耳にするのも気恥ずかしい歌が共感され、かよわき子羊達のハートを鼓舞している。僕はどうしようもないジレンマに苛まされている。前野健太の歌に出会った。とても単純な歌心があった。歌心って元来、単純なものなんだと再認識させられた。前野健太の歌はポップでありながらネガティブなセンチメンタリズムが漂う。生きることのそこはかとない儚さをメロディーに歌声に演奏にと、その影を落としてしまっている。その影の中で前野健太音楽のメタファー達が静かな宴会をして、まぎれもない歌が聴こえてくる。優しくて切なくて楽しい歌心だ。
加地等
「うた」が一番強いって今でも信じている。僕にとって「うた」とは涙であり、笑いであったりしました。
(少し前まではネ。)前野君はそこに「愛」もあるんだよって教えてくれました。感動的なことだと思いませんか?言葉ってのは不思議なものでメロディに乗っかると魔法のようにキラキラと輝く。だからアイツは夜に散りばめられた星のカタチや青い空を彩る白い雲をメロディに乗せて歌う。うたう。ボブディランに無くて前野健太にあるもの。それは日本語。
日本人でよかったぁ。恋人に聴かせたい「うた」がここにはあります。アリガトウ。前野君。
有馬和樹 (おとぎ話)
前野健太、馬鹿者でありジャパニーズカンタベリーの至宝でもある。
前越啓輔 (おとぎ話/CLISMS)
アーティストについて
1979年埼玉県入間市出身。シンガーソングライター。
2007年に自ら立ち上げたレーベル"romance records"より『ロマンスカー』をリリースしデビュー。
2009年全パートをひとりで演奏、多重録音したアルバム『さみしいだけ』を"DIW"よりリリース。
2009年元日に東京・吉祥寺の街中で74分1シーン1カットでゲリラ撮影された、ライブドキュメント映画『ライブテープ』(松江哲明監督)に主演として出演。
第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞し全国の劇場で公開された。
2010年9月"Victor Entertainment"より発売された『新・人間万葉歌~阿久悠作詞』へ参加。
桂銀淑(ケイ・ウンスク)の「花のように鳥のように」をカバーした音源を発表。
のちに同作は上村一夫の絵(『同棲時代』)を使用した新ジャケットによりitunseなどで配信限定リリースされる。
2011年2月"romance records"より3枚目のオリジナルアルバムとなる『ファックミー』をリリース。
同年、松江哲明監督の新作映画『トーキョードリフター』に再び主演として出演。全国劇場で公開される。
また主題歌をリレコーディングしたコンセプトアルバム『トーキョードリフター』を"felicity"よりリリース。
2011年末には第14回みうらじゅん賞を受賞。
2012年auの新CM「あたらしい自由」篇に出演。 2013年1月、ジム・オルークをプロデューサーに迎え制作された4枚目のアルバム『オレらは肉の歩く朝』を発売。
同年7月「FUJI ROCK FESTIVAL'13」へ出演。12月、5枚目のアルバム『ハッピーランチ』を発売。
2014年8月「SUMMER SONIC 2014」へ出演。10月、初のライブアルバム『LIVE with SOAPLANDERS 2013-2014』を発売。月刊「すばる」にてエッセイの連載を開始
2015年7月、KAATキッズ・プログラム2015 おいしいおかしいおしばい『わかったさんのクッキー』(台本・演出:岡田利規)の劇中歌を作曲。12月NHK番組「ジドリ」の音楽を担当。雑誌『Number Do』に初小説を寄稿。CDブック『今の時代がいちばんいいよ』を"エランド・プレス"より発売。
2016年10月、初のラジオレギュラー番組「前野健太のラジオ100年後」が1422ラジオ日本で放送開始。
同年12月、主演映画『変態だ』(みうらじゅん原作、安斎肇監督)が新宿ピカデリーを皮切りに全国公開。
2017年2月、初舞台となる『なむはむだはむ』(つくってでる人:岩井秀人、森山未來、前野健太)に参加。東京芸術劇場にて2月18日〜3月12日まで上演。同作の滞在制作の模様を密着したドキュメント映像「コドモのひらめき オトナの冒険~“なむはむだはむ"の世界~」がNHKEテレで放映された。
同年3月3日初のエッセイ集『百年後』を"STAND!BOOKS"より刊行。
2018年4月よりNHK Eテレ『オドモTV』にレギュラー出演。同月、6枚目のオリジナルアルバム『サクラ』を"felicity"よりリリース。
歌屋である。