私が初めて(岩波文庫)「ロビンソン・クルーソー」を読んだ当時は20代だった。
このロビンソン・クルーソーは無人島物語がよく知られているようだが、クルーソー初体験で続編まで読んだのは幸運だったと思っている。
なかでも印象に残ったのは、ロシア皇帝とクルーソーの対話だ。過去の冒険を振り返って反省することが多いとクルーソーが吐露した時、ロシア皇帝が気遣いの言葉をかけたことだ。
無人島物語から続編までの経緯から見ると、いわば自分の居場所を探し求める主人公の心の冒険と言ったところだろうか。自分探しの冒険。ロビンソン・クルーソーはその後、イギリスに帰り反省録を執筆するところで終わっている。
30数年前の岩波文庫「ロビンソン・クルーソー」は4部作構成で、3,4巻目は反省録だったそうだ。これはイギリス文学評論家しか読まれないという理由から、反省録を削ったのが今の上下巻になったとされている。
クルーソーがつねに自分が置かれた状況を振り返るシーンなんか、この作品はイギリス人の心を描いたものとして評価が高いそうだ。
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ロビンソン・クルーソー〈下〉 (岩波文庫 赤 208-2) 文庫 – 1971/9/16
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- ISBN-10400322082X
- ISBN-13978-4003220825
- 版改
- 出版社岩波書店
- 発売日1971/9/16
- 言語日本語
- 本の長さ423ページ
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
下巻はロビンソン・クルーソーの「その後の冒険」の物語である。帰国後の数年はこれといって何不自由のない生活をおくるが、重い病気のぶり返しのように襲ってくる放浪の欲望にはついに抗しがたく、妻の死をきっかけに再び航海に出る。夢にまで見た孤島を訪れたあと、いよいよアフリカ・インド・中国を経てアジア大陸を横断する大冒険が始まる。
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カスタマーレビュー
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2015年1月23日に日本でレビュー済み
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2019年11月18日に日本でレビュー済み
上巻が一般的に「ロビンソン・クルーソー」と思っている話で、下巻は後日譚のようなものになっていましたが、「ロビンソン・クルーソーの生涯と冒険」が売れたので下巻の「ロビンソン・クルーソーのその後の冒険」を急いで書いたのではないかと思いました。物語としても上巻の方がかなり完成度が高く思えました。あとがきによると、実際には「ロビンソン・クルーソーの生涯と冒険」と「ロビンソン・クルーソーのその後の冒険」は1719年に出版され、さらに1720年に第三部に当たる「ロビンソン・クルーソー反省録」を出していたというのは、最初から三部構成で考えていたのだと知って驚きました。「ロビンソン・クルーソーのその後の冒険」の半分以上が後日譚に割かれていたのはこれまた意外でした。
フライデイがかなりの重要人物で、下巻にも登場する割に、あっさりと死んでしまうところは、著者が書くのをめんどくさくなって退場させたような印象を受けました。
ロビンソン・クルーソーを落ち着かせてしまったら小説にならないとは思いますが、痛い目に遭っても何度も懲りずに冒険に踏み出していくところは、ある意味人間らしい、だれにもある「のど元過ぎれば熱さ忘れる」というところが出ていて妙に共感できました。「できるだけ誰も殺さない」と何度も決意し、表明しながらも割と好戦的だったりする矛盾も人間らしいなと思いました。
フライデイがかなりの重要人物で、下巻にも登場する割に、あっさりと死んでしまうところは、著者が書くのをめんどくさくなって退場させたような印象を受けました。
ロビンソン・クルーソーを落ち着かせてしまったら小説にならないとは思いますが、痛い目に遭っても何度も懲りずに冒険に踏み出していくところは、ある意味人間らしい、だれにもある「のど元過ぎれば熱さ忘れる」というところが出ていて妙に共感できました。「できるだけ誰も殺さない」と何度も決意し、表明しながらも割と好戦的だったりする矛盾も人間らしいなと思いました。
2018年11月3日に日本でレビュー済み
高校の世界史で三角貿易ということばを習った。
清からイギリスへ茶を、イギリスからインドへ綿織物を、インドから中国へ銀と
アヘンを輸出するという貿易上の三角関係である。クルーソーの活躍する時代は
1700年前後だが、クルーソーは大量のアヘンを清に持ち込んで大儲けしている。
この貿易は当時すでにルーチンワークになっていたようで、なんら罪悪感もなく
平気で取引している。このあとおよそ1世紀後の1840年にアヘン戦争がおこって
清はヨーロッパの各国に蚕食され衰退していく。
上巻の最後で、30年近く暮らした孤島を後に無事イギリスに帰還した。
クルーソーもすでに61歳。結婚し子供もできた。収入は使いきれないほどあるし、
しかもストック(資産)も十分ある。でも再び孤島に戻りたいと言う悪い虫が
むくむくと頭をもたげてくる。妻の突然の死を契機に、幼い子をほっぽりだして
またぞろ10年間の冒険の旅に出る。老体だけど元気いっぱいである。
下巻の前半は自分の暮らした孤島にもどり、そこで小さな国づくりの苦心。
だから前半のテーマは、
〇 カトリックvsプロテスタント
〇 未開人vsキリスト教徒
〇 スペイン人vsイギリス人
と、かなり宗教的かつ文明論的である。そのハイライトは無法な乱暴者・放蕩者の
イギリス人ウィリアム・アトキンスとその未開人妻の改悛とキリスト教への改宗。
後半はブラジルからマダガスカル島、インド、シナを航海し、シベリアを
横断してイギリスに帰るまでの冒険に当てられている。この物語は大航海時代から
19世紀にかけてのイギリス人にとっては必読の書だったと思う。この本の中で
中国に対してクルーソーは非常に厳しい見方をしている。これが19世紀末の
イギリスの対清政策におおいに影響を与えたことはまちがいない。
・・シナの住民は高慢で横柄で、大部分は全くの乞食でただあくせく働く
人間なのである。・・
・・彼らには、戦場における規律というものがなく、武器を使用する訓練が
なく、攻撃する場合の手練がなく、退却するに際しての冷静さがない。
(中略)なぜなら、彼らが無知で汚らわしい奴隷の単なる軽蔑すべき集団か
群集にすぎず、そしてそういう連中しか治める能力のない政府に隷属して
いるということを、私は実際に見て知っていたからである。・・
後年日本人もシナ人をクルーソーが書いた通りの国民だと思って、シナに乗り
込んでいくのである。
高校の世界史で三角貿易ということばを習った。
清からイギリスへ茶を、イギリスからインドへ綿織物を、インドから中国へ銀と
アヘンを輸出するという貿易上の三角関係である。クルーソーの活躍する時代は
1700年前後だが、クルーソーは大量のアヘンを清に持ち込んで大儲けしている。
この貿易は当時すでにルーチンワークになっていたようで、なんら罪悪感もなく
平気で取引している。このあとおよそ1世紀後の1840年にアヘン戦争がおこって
清はヨーロッパの各国に蚕食され衰退していく。
上巻の最後で、30年近く暮らした孤島を後に無事イギリスに帰還した。
クルーソーもすでに61歳。結婚し子供もできた。収入は使いきれないほどあるし、
しかもストック(資産)も十分ある。でも再び孤島に戻りたいと言う悪い虫が
むくむくと頭をもたげてくる。妻の突然の死を契機に、幼い子をほっぽりだして
またぞろ10年間の冒険の旅に出る。老体だけど元気いっぱいである。
下巻の前半は自分の暮らした孤島にもどり、そこで小さな国づくりの苦心。
だから前半のテーマは、
〇 カトリックvsプロテスタント
〇 未開人vsキリスト教徒
〇 スペイン人vsイギリス人
と、かなり宗教的かつ文明論的である。そのハイライトは無法な乱暴者・放蕩者の
イギリス人ウィリアム・アトキンスとその未開人妻の改悛とキリスト教への改宗。
後半はブラジルからマダガスカル島、インド、シナを航海し、シベリアを
横断してイギリスに帰るまでの冒険に当てられている。この物語は大航海時代から
19世紀にかけてのイギリス人にとっては必読の書だったと思う。この本の中で
中国に対してクルーソーは非常に厳しい見方をしている。これが19世紀末の
イギリスの対清政策におおいに影響を与えたことはまちがいない。
・・シナの住民は高慢で横柄で、大部分は全くの乞食でただあくせく働く
人間なのである。・・
・・彼らには、戦場における規律というものがなく、武器を使用する訓練が
なく、攻撃する場合の手練がなく、退却するに際しての冷静さがない。
(中略)なぜなら、彼らが無知で汚らわしい奴隷の単なる軽蔑すべき集団か
群集にすぎず、そしてそういう連中しか治める能力のない政府に隷属して
いるということを、私は実際に見て知っていたからである。・・
後年日本人もシナ人をクルーソーが書いた通りの国民だと思って、シナに乗り
込んでいくのである。
2018年7月18日に日本でレビュー済み
1日たりとも無駄にしない勤勉さと徐々に高まっていく敬神の念によってロビンソンが無人島から帰還する上巻では、与えられた状況で最善を尽くし、見事に成功を収めた実例と、キリスト教者としての心構えのあり方について学ぶ所が多くありました。
一方、彼の帰国後の更なる冒険がメインの下巻には、上巻程の魅力を僕は見出だせませんでした。
その主たる原因は、中国人に対する差別的描写や、遊牧民の偶像を燃やして破壊するシーンに表れている、自分達が唯一絶対の価値観の主体なのだと言わんばかりの傲慢さだと言えるでしょう。17世紀に書かれた小説なので、今と考え方の相違があるのは致し方無い所もありますが、下巻にはその隔たりが強烈に表れており、僕はそれに目をつぶって読むということが出来ませんでした。謙虚に信仰心を保ちながら無人島生活していた人が少し豊かになるとこれか、という気がしてなりません。そういう失望を感じたくない人は、上巻だけを読むことをお勧めします。
有益な箇所があるとするなら、ロシアで軟禁されている政治犯との生活の場面でしょうか。脱出という、幸か不幸かの定かでない博打に出ることなく、不自由でも幸せを感じられる軟禁生活を選ぶ政治犯の姿は、誰もが掴み取れるわけではない名誉や自由、得ても尚不幸だと感じるようなそれと、誰もが心掛け次第で掴み取ることの出来る、確実に感じられる幸福について我々を考えさせます。
一方、彼の帰国後の更なる冒険がメインの下巻には、上巻程の魅力を僕は見出だせませんでした。
その主たる原因は、中国人に対する差別的描写や、遊牧民の偶像を燃やして破壊するシーンに表れている、自分達が唯一絶対の価値観の主体なのだと言わんばかりの傲慢さだと言えるでしょう。17世紀に書かれた小説なので、今と考え方の相違があるのは致し方無い所もありますが、下巻にはその隔たりが強烈に表れており、僕はそれに目をつぶって読むということが出来ませんでした。謙虚に信仰心を保ちながら無人島生活していた人が少し豊かになるとこれか、という気がしてなりません。そういう失望を感じたくない人は、上巻だけを読むことをお勧めします。
有益な箇所があるとするなら、ロシアで軟禁されている政治犯との生活の場面でしょうか。脱出という、幸か不幸かの定かでない博打に出ることなく、不自由でも幸せを感じられる軟禁生活を選ぶ政治犯の姿は、誰もが掴み取れるわけではない名誉や自由、得ても尚不幸だと感じるようなそれと、誰もが心掛け次第で掴み取ることの出来る、確実に感じられる幸福について我々を考えさせます。
2005年1月9日に日本でレビュー済み
小さい時に読んだ島の冒険を簡単にしたものとは、この岩波文庫のロビンソンクルーソーは違った。
実際は2冊に分かれていて有名な孤島でのサバイバル経験は上巻のThe Life and strange Surprizing adventures of Robinson Crusoeにある。
下巻(The farther adventures of Robinson Crusoe)はもう島のことなんて放って置いて、53歳にしてイギリスに帰ってお金持ちになったクルーソーが7年の平穏な生活の後、妻の死をきっかけに、ヴァージニアから東インド諸島(例の島にはちょっとだけ寄った)、アフリカからインド、中国はては日本人とも商売をして陸路モンゴル人たちに悩まされながらロシア経由でロンドンに帰ってくる話。
途中船に捨てられたり、海賊と間違えられて追いかけられているくせに、結構楽しそうで、お茶やアヘンやダイアモンドやスパイス、果ては豹の毛皮なんかで儲けるけている。
ここでもこの旅で三千なにがしかのポンドを儲けたと最後に書いてある。bookkeepingは大事だということか。
人種差別的な発言にはムカムカするし、上巻に比べると格段にお説教臭い。中盤から後半はかなり読むのが大変なくらい冗長。それでも読了することができた。
<心に残った言葉など>
苦悩の中にあってなお苦悩するのは
それこそ苦悩を倍増させる道である
最高の人生の知恵というものは、生活状況に応じるように自分の気持ちを鎮めることにある。外面ではどんなひどい罵詈嘲笑の重圧を受けようとも、内面では平成を保つことにある。
(略)呼吸する空気、生命を維持するための食べ物、体を温める衣類、健康を保つための運動の自由、こういったものが、自分の意見に寄れば、この世の世界が我々に供与しうるすべてである。
実際は2冊に分かれていて有名な孤島でのサバイバル経験は上巻のThe Life and strange Surprizing adventures of Robinson Crusoeにある。
下巻(The farther adventures of Robinson Crusoe)はもう島のことなんて放って置いて、53歳にしてイギリスに帰ってお金持ちになったクルーソーが7年の平穏な生活の後、妻の死をきっかけに、ヴァージニアから東インド諸島(例の島にはちょっとだけ寄った)、アフリカからインド、中国はては日本人とも商売をして陸路モンゴル人たちに悩まされながらロシア経由でロンドンに帰ってくる話。
途中船に捨てられたり、海賊と間違えられて追いかけられているくせに、結構楽しそうで、お茶やアヘンやダイアモンドやスパイス、果ては豹の毛皮なんかで儲けるけている。
ここでもこの旅で三千なにがしかのポンドを儲けたと最後に書いてある。bookkeepingは大事だということか。
人種差別的な発言にはムカムカするし、上巻に比べると格段にお説教臭い。中盤から後半はかなり読むのが大変なくらい冗長。それでも読了することができた。
<心に残った言葉など>
苦悩の中にあってなお苦悩するのは
それこそ苦悩を倍増させる道である
最高の人生の知恵というものは、生活状況に応じるように自分の気持ちを鎮めることにある。外面ではどんなひどい罵詈嘲笑の重圧を受けようとも、内面では平成を保つことにある。
(略)呼吸する空気、生命を維持するための食べ物、体を温める衣類、健康を保つための運動の自由、こういったものが、自分の意見に寄れば、この世の世界が我々に供与しうるすべてである。