凡そ20年前のインタビュー、今読んでも嬉しい、というか時々苦しい。時々苦しくなる正体は不満が多いせいです。これは現在進行形でいうと、松本人志さんにも似ています。同じようなセンスを持ち合わせている人がこのクリエイティブと言われる世界に於いても思ったより少ないからでしょう。
でも忌野さんや松本さんの人気を見るとそんなセンスがよく分かる人が沢山いるという事でもあるのも事実だろうけれど。そして彼らの不満は恐らく読者の大半の人とは違う億というお金が動く、生み出す人だからでもあると思う。そら、足並みも揃いませんよ。「あいつがこうだったら」がお金が絡むとどれだけ膨れ上がるか。気心知れたRCメンバーだって上手く行かなくなるのに。
なので本書には本当には忌野さんも「あいつがああなら良かったのに」を口に出さずに喋るから話は自然に長くなる。総時間15時間以上に及んだのも当然でしょう。そして本書には純粋に音楽についての話はほぼない。それが加わると更に15時間以上掛かりそうだし、それがないから彼の「いい話」は本書には少ないのだと思う。
ほんとは平和でフラットで穏やかな忌野さんであるでしょう。それが巻末の文庫化に伴って書かれたライナーノーツの「手伝ってよ」の彼の言葉からも分かりそうです。本当に良い理解者が欲しくて、そんな人といたら何の距離もなくなる姿がその言葉に表れている様な。なので本書は忌野清志郎さんの言葉と並んで、ライナーノーツの山崎浩一さんの文章とセットでより良くなっていると感じるし、忌野さんを神としないやり方の山崎さんだから良いんだなとも実感します。
ロックで独立する方法 (日本語) 単行本 – 2009/7/29
忌野清志郎
(著)
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本の長さ224ページ
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言語日本語
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出版社太田出版
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発売日2009/7/29
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ISBN-104778311876
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ISBN-13978-4778311872
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商品の説明
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
忌野/清志郎
1951年生まれ。バンドマン。1970年RCサクセションとしてデビュー、10年連続武道館公演などの実績を残す。1991年バンド活動休止後もソロ活動の他、俳優や絵本の執筆、サイクリストなど活動は多岐に渡る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1951年生まれ。バンドマン。1970年RCサクセションとしてデビュー、10年連続武道館公演などの実績を残す。1991年バンド活動休止後もソロ活動の他、俳優や絵本の執筆、サイクリストなど活動は多岐に渡る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 太田出版 (2009/7/29)
- 発売日 : 2009/7/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4778311876
- ISBN-13 : 978-4778311872
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 391,975位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 783位エンターテイメント音楽のJ-POP
- - 3,842位タレント本 (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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ベスト1000レビュアー
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5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2016年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
成功とは何なのか。あえて、成功ではなく、独立する方法とした、彼の姿勢が、伝わって来ます。
2011年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初の質疑応答の項のみにかろうじて「独立するための方法論」を読めるだけであるが、それを実現してみせた証明がここにある。表現者として独立して生きていこうという気概のある人に勇気を与えてくれるのは確かだ。自らの芸術に対して折れない信念、ブレない、妥協しない姿勢を持って生きて行くには、様々な外敵と戦わなくてはならない。その覚悟は生やさしいものではなく、悪戦苦闘を余儀なくされるはずなのに、ここで語られている清志郎からは不思議と「苦労して参った」なる気持ちは微塵も読みとれない。むしろやりたいことをやれる幸せとか、必然といった気持ちが感じ取れる。
寡黙というパブリックイメージから離れて、珍しくRCについて饒舌な発言も印象的。渋谷陽一氏が「清志郎はRC時代の自分にコンプレックスを抱いている」と、自身編集の雑誌で語っていたが、ここで清志郎本人が中らずと雖も遠からずな感情を吐露しているのには少なからず驚いてしまった。そしてこの本を読み終えて思うこと、それは彼がメジャーな成功を収めなかったとしても、そして今も元気なら街のどこかで歌っているであろうということである。そう、「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」で歌われていることは間違いなく本心だったことに今更ながら気づかされる。ソウルシンガーであることを貫いて、結果亡くなられてしまったことは悲しい事実であるけれど、自分に決して嘘をつけないその純粋さはあまりに愛しすぎる。本著を刊行する約束がようやくカタチになれた理由は言うまでもないが、懺悔という意味であろうか、残酷で皮肉な結果となったエピローグをそのまま載せた出版社には敬意を表したい。
寡黙というパブリックイメージから離れて、珍しくRCについて饒舌な発言も印象的。渋谷陽一氏が「清志郎はRC時代の自分にコンプレックスを抱いている」と、自身編集の雑誌で語っていたが、ここで清志郎本人が中らずと雖も遠からずな感情を吐露しているのには少なからず驚いてしまった。そしてこの本を読み終えて思うこと、それは彼がメジャーな成功を収めなかったとしても、そして今も元気なら街のどこかで歌っているであろうということである。そう、「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」で歌われていることは間違いなく本心だったことに今更ながら気づかされる。ソウルシンガーであることを貫いて、結果亡くなられてしまったことは悲しい事実であるけれど、自分に決して嘘をつけないその純粋さはあまりに愛しすぎる。本著を刊行する約束がようやくカタチになれた理由は言うまでもないが、懺悔という意味であろうか、残酷で皮肉な結果となったエピローグをそのまま載せた出版社には敬意を表したい。
2009年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
5時間も並んで清志郎と別れたあの青山ロックンロールショウから数ヶ月。
未だ自分の親類が逝ったかのように感傷的な日々にこの本と出会いました。
清志郎に「独立」する方法を尋ねるというコンセプトがとても面白い。
純粋にアーティスト忌野清志郎の内面を見るという読み方も出来るし、
もう1つは、清志郎流芸能界をはじめとした混沌としたビジネスの中で
独立して生きていくことの心構えや気をつけた方が良い事を清志郎の
穏やかな口調で綴られています。
なにせ、清志郎の実体験から語られる内容なのですから。
そこいらのビジネスノウハウ本は裸足で逃げ出してしまう熱い内容です。
この本は、そうした独立開業/ビジネスノウハウ本的な
側面を持っているし、小手先のテクニックではなく、困難な時を乗り越える
心構えや、どう行動していくのか、清志郎がやって来た事を読めてたいへん面白い内容です。
清志郎ファンのみならず、悩める社会人に読んで欲しい内容です。
ロックに限らず「よし!独立してやろう!」と考えている人は、この本を読む事をオススメします。
清志郎がこんなにも自分の活動をビジネス面も含めて赤裸裸に話している本は他には有りません。
「今なら話せる 中途半端で終わったバンドの実情 フィクションも織り交ぜつつ
あること なかったこと つまり 本当のこと」
いつかTVで歌っていた曲を思い出しました。
未だ自分の親類が逝ったかのように感傷的な日々にこの本と出会いました。
清志郎に「独立」する方法を尋ねるというコンセプトがとても面白い。
純粋にアーティスト忌野清志郎の内面を見るという読み方も出来るし、
もう1つは、清志郎流芸能界をはじめとした混沌としたビジネスの中で
独立して生きていくことの心構えや気をつけた方が良い事を清志郎の
穏やかな口調で綴られています。
なにせ、清志郎の実体験から語られる内容なのですから。
そこいらのビジネスノウハウ本は裸足で逃げ出してしまう熱い内容です。
この本は、そうした独立開業/ビジネスノウハウ本的な
側面を持っているし、小手先のテクニックではなく、困難な時を乗り越える
心構えや、どう行動していくのか、清志郎がやって来た事を読めてたいへん面白い内容です。
清志郎ファンのみならず、悩める社会人に読んで欲しい内容です。
ロックに限らず「よし!独立してやろう!」と考えている人は、この本を読む事をオススメします。
清志郎がこんなにも自分の活動をビジネス面も含めて赤裸裸に話している本は他には有りません。
「今なら話せる 中途半端で終わったバンドの実情 フィクションも織り交ぜつつ
あること なかったこと つまり 本当のこと」
いつかTVで歌っていた曲を思い出しました。